菊花賞2010予想
菊花賞 長距離重賞好走血統に期待。

軍神マルス
08期 予想歴12年

◎トウカイメロディ
  6着/2人気

○ローズキングダム2着/1人
▲ビッグウィーク1着/7人
×ヒルノダムール


★傾向分析★
2000年 タイム 3'04"7 (良) 1FAve=12.31 5FAve=61.57
テン5F61.5-中盤5F62.8-上がり5F60.4 『加速・中弛み』
1着エアシャカール・・・サンデーサイレンス×Well Decorated=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔4-r〕 10-7
2着トーホウシデン・・・ブライアンズタイム×Blushing Groom=ロベルト×レッドゴッド 〔8〕 6-4
3着エリモブライアン・・・ブライアンズタイム×マルゼンスキー=ロベルト×ニジンスキー 〔1-k〕 10-7

2001年 タイム 3'07"2 (良) 1FAve=12.48 3FAve=62.4
テン5F63.0-中盤5F64.2-上がり5F60.0 『加速・中弛み』
1着マンハッタンカフェ・・・サンデーサイレンス×Law Society=サンデーサイレンス×リボー 〔16-c〕 7-6
2着マイネルデスポット・・・ペンタイア×パーソロン=ノーザンダンサー×マイバブー 〔7-c〕 1-1
3着エアエミネム・・・Danhill×Alysheba=ダンチヒ×ネイティヴダンサー 〔8-i〕 5-6

2002年 タイム 3'05"9 (良) 1FAve=12.39 5FAve=61.97
テン5F58.3-中盤5F66.4-上がり5F61.2 『前傾・中弛み』
1着ヒシミラクル・・・サッカーボーイ×シェイディハイツ=ファイントップ×ネヴァーベンド 〔16-c〕 7-2
2着ファストタテヤマ・・・ダンスインザダーク×ターゴワイス=サンデーサイレンス×セントサイモン 〔4-m〕 14-12
3着メガスターダム・・・ニホンピロウイナー×マルゼンスキー=ハビタット×ニジンスキー 〔4-d〕 4-1

2003年 タイム 3'04"8 (良) 1FAve=12.32 5FAve=61.6
テン5F60.6-中盤5F63.7-上がり5F60.5 『中弛み』
1着ザッツザプレンティ・・・ダンスインザダーク×Miswaki=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔1-b〕 3-1 
2着リンカーン・・・サンデーサイレンス×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-l〕 12-11
3着ネオユニバース・・・サンデーサイレンス×Kris=サンデーサイレンス×ネイティヴダンサー 〔1-l〕 6-2

2004年 タイム 3'05"7 (良) 1FAve=12.38 5FAve=61.9
テン5F60.4-中盤5F63.7-上がり5F61.6 『前傾・中弛み』
1着デルタブルース・・・ダンスインザダーク×Dixieland Band=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔3-d〕 4-2
2着ホオキパウェーブ・・・カーネギー×Mr. Prospector=サドラーズウェルズ×ミスプロ 〔5-g〕 14-10
3着オペラシチー・・・オペラハウス×ブレイヴェストローマン=サドラーズウェルズ×ネヴァーベンド 〔10-b〕 11-4

2005年 タイム 3'04"6 (良) 1FAve=12.31 5FAve=61.53
テン5F36.3-中盤5F63.4-上がり5F60.0 『加速・中弛み』
1着ディープインパクト・・・サンデーサイレンス×Alzao=サンデーサイレンス×リファール 〔2-f〕 7-7
2着アドマイヤジャパン・・・サンデーサイレンス×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-c〕 2-2
3着ローゼンクロイツ・・・サンデーサイレンス×Shirley Heights=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔1-w〕 4-3

2006年 タイム 3'02"7 (良) 1FAve=12.18 5FAve=60.90
テン5F58.7-中盤5F63.5-上がり5F60.5 『前傾・中弛み』
1着ソングオブウインド・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔9-f〕 16-8
2着ドリームパスポート・・・フジキセキ×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-t〕 6-7
3着アドマイヤメイン・・・サンデーサイレンス×ヘクタープロテクター=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔13-a〕 1-1

2007年 タイム 3'05"1 (良) 1FAve=12.34 5FAve=61.70
テン5F60.7-中盤5F63.6-上がり5F60.8 『中弛み』
1着アサクサキングス・・・ホワイトマズル×サンデーサイレンス=リファール×サンデーサイレンス 〔4-g〕 5-2
2着アルナスライン・・・アドマイヤベガ×El Gran Senor=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-c〕 6-5
3着ロックドゥカンブ・・・Red Ransom×Fairy King=ロベルト×ノーザンダンサー 〔11〕 13-14

2008年 タイム 3'05"7 (良) 1FAve=12.38 5FAve=61.90
テン5F58.8-中盤5F66.7-上がり5F60.2 『前傾・中弛み』
1着オウケンブルースリ・・・ジャングルポケット×Silver Deputy=グレイソヴリン×ヴァイスリージェント 〔13-c〕 10-2
2着フローテーション・・・スペシャルウィーク×リアルシャダイ=サンデーサイレンス×ロベルト 〔9-c〕 13-18
3着ナムラクレセント・・・ヤマニンセラフィム×サクラショウリ=サンデーサイレンス×マイバブー 〔16-a〕 3-2

2009年 タイム 1FAve=12.23 5FAve=61.17
テン5F59.9-中盤5F63.2-上がり5F60.4 『前傾・中弛み』
1着スリーロールス・・・ダンスインザダーク×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔7-d〕 5-4
2着フォゲッタブル・・・ダンスインザダーク×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔8-f〕 9-7
3着セイウンワンダー・・・グラスワンダー×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔3-l〕 9-7

5F分割で考えると、『前傾』『加速』と年によって違いはあるが、必ず中盤が弛む『中弛み』であること。3000mへの距離に全馬が距離適性で不安があるからなのであろう。
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○
展開上では有利なはずの追込は難しく、比較的前に位置して展開しないとダメな傾向。

『前傾』(02年、04年、06年、08年、09年)は、追込→差しに捲った馬が連対。追込は届かないが早めに捲って動けるスタミナがあれば好走可能。展開上(『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎)、差しも有利ですが捲れる脚は必要。

『加速』(00年、01年、05年)は、差し・追込は展開上不利な位置取り(『加速』・・・逃げ◎ 先行○ 差し△ 追込×)で、逃げ・先行が好走。ここでも差し→先行と捲り気味に動いたタイプは好走。

血統の傾向は、サンデーサイレンス系の好走が多いですが、母系がポイントと思います。母系にニジンスキー、サドラーズウェルズが入っている馬が好走多し。またサッカーボーイ系(=ファイントップ系)も菊花賞馬2頭輩出で注目の血統です。
ダンスインザダークは母父マルゼンスキー(=ニジンスキー系)、エルコンドルパサーは母父サドラーズウェルズ。リンカーンの母系はトニービン×サドラーズウェルズだし、ドリームパスポートの母系は、トニービン×ディクタス(=ファイントップ系)。
他に目立つ血統は、ロベルト系。ブライアンズタイムも菊花賞連対馬を多く排出しています。
とにかく過去に好走馬を出している血統には、要注意。また近年は母父サンデーサイレンスが好走中(=06年1着ソングオブウインド、07年1着アサクサキングス、09年3着セイウンワンダー)で、これも要注意。

牝系の傾向は、No.〔1〕〔4〕〔9〕〔16〕の牝系が好走が多い。
No.〔1〕の牝系は、上がり馬よりも春のクラシック路線ですでにオープン戦や重賞で好走していた馬(=00年3着エリモブライアン、03年1着ザッツザプレンティ・2着リンカーン・3着ネオユニヴァース、05年3着ローゼンクロイツ、06年2着ドリームパスポートなど)が好走しやすい。
No.〔4〕の牝系は、№.〔1〕と同じく上がり馬よりも春のクラシック路線ですでにオープン戦や重賞で好走していた馬(=00年1着エアシャカール、02年2着ファストタテヤマ・3着メガスターダム、07年1着アサクサキングスなど)が好走しやすい。
No.〔9〕の牝系は、クラシックでの好走もあるが本格化してセカンドステージに入ると好走しやすい傾向(=06年1着ソングオブウインド、07年2着アルナスライン、08年2着フローテーションなど)。
No.〔16〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型のステイヤータイプ(=01年1着マンハッタンカフェ、02年1着ヒシミラクル、05年2着アドマイヤジャパン、08年3着ナムラクレセントなど)。
分枝記号は、c記号が良く好走していて、高い心肺能力を持ち開幕週や最終週での持久力勝負に強い特性が活きているものと思われます。

ステップの傾向は、前走神戸新聞杯組が好走馬が多い。好走馬も好走できなかった馬も好走しているので難儀ですが...。
セントライト記念好走馬は菊花賞適性と違うので過信は禁物。内容を考えて取り捨てを考えることが必要。
また裏路線からの鮮度の高い上がり馬には注意。

また菊花賞でとても大切なことは、内枠有利ということ。距離が3000mなので外を回ることでさらに距離を多く走ることは不利。先行するならまだ好走可能ですが、テンでダッシュしなければならない点は不利。外枠の差し馬は不利が多いと考えて良いかと思います。内枠の差し馬なら、直線で前が開けば好走可能。

★予想★
流れは『中弛み』が基本だが、展開の鍵を握ると思われたセントライト記念2着馬ヤマニンエルブが回避したことで、コスモラピュタやビッグウィークが引っ張る『加速』の流れと考えて想定。

◎トウカイメロディ・・・チーフベアハート×ジェネラス=ダンチヒ×ニジンスキー 〔10-a〕
前走札幌日経オープン1着(=札幌芝2600m)。北海道(=函館、札幌)コースの芝長距離レースで、2戦連続して古馬を撃破。ハンデは軽いが好走した内容は評価すべきで、出走馬の中でのスタミナは証明されていると考える。
チーフベアハート産駒はダンチヒ系で、前走で大敗していても軽く巻き返す穴血統。各馬が狭いストライクゾーンを持ち、ピンポイントで条件が揃うと好走する。天皇賞春好走のマイネルキッツもいれば、スプリンターズS好走のビービーガルダンもいる、距離適性も様々。脚の使いどころの難しい馬が多く、ロングスパートで好走することが多い。比較的前にて展開し、早めの番手を上げて早めのスパートでの好走が多く、外枠でも好走可能と判断する。母父ジェネラスはニジンスキー系で、スタミナ型。2歳時から走れる仕上がりの早さを有するカーリアン系のニジンスキー系だが、成長力は実は晩成型。瞬発力勝負では分が悪いが、時計のかかる馬場なら大駆けもある。条件が合えば相手は関係なく好走する。母母父はリアルシャダイで、菊花賞や天皇賞春に強い長距離特注の血統。この点にも期待する。
No.〔10〕の牝系は、スピードの持続性能に優れた牝系。短距離だとペースの弛まない淡々としたペースに向く。または長距離と距離適性は幅広いが極端。分枝記号aは、気性的に素直なタイプが多く、父親よりもスケールが小さくなる傾向。

○ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-w〕
前走神戸新聞杯1着(=阪神芝2400m)。前走はスローペースの瞬発力勝負での好走ではあるが、3着馬には0.5秒差をつける上位2頭は実力が抜けていた証明となるレース。本来は中距離~クラシック距離で本領発揮だろうが、能力でカバーできると考えて対抗評価。
キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入る。キングマンボ系としてはエルコンドルパサー産駒のソングオブウインドが菊花賞を好走し、菊花賞実績があるとみなせると思う(=ただしエルコンドルパサーの母父はSadler's Wellsでスタミナ型だが、キングカメハメハはラストタイクーンでややスタミナに関して言えば不安は残す)。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。母ローズバドはオークス2着で秋シーズンも秋華賞2着と好走していて、近親ローゼンクロイツは菊花賞3着好走。秋シーズンの好走も可能と思うが、なかなかGⅠで1着が取れないローズ一族。その一族の特性からも対抗評価。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。クラシック春シーズンが勝負の牝系なので、今後の成長能力は他の牝系に比べると少し劣る部分があると思うが、現時点の完成度の高さに期待する。

▲ビッグウィーク・・・バゴ×サンデーサイレンス=レッドゴツド×サンデーサイレンス 〔2-u〕
前走神戸新聞杯3着(=阪神芝2400m:0.5秒差)前。前走は展開的に恵まれての好走の部分はあるが、前にて立ち回れるのは大きな強みで、内枠を上手く活かせそうな点は期待したい。
バゴ産駒はレッドゴッド系で、凱旋門賞好走を好走した欧州スタミナ型の芝向き中長距離血統。同系にスウェイン産駒がいるが、スウェインほど重厚ではない様子。ただこの系統は、総じてスローの上がり勝負よりも厳しい流れでこそ持ち味が活きる。ブラッシンググルーム系のレッドゴッド系も菊花賞での好走も多く、距離延長で中長距離の大レースに強い特性にも期待する。母父サンデーサイレンスは、勢いに乗じて連続好走しやすい特性を持ち、鮮度の高い時によく好走する。重賞挑戦など格上相手にもよく好走し、重賞初挑戦などは特にプラス要因となる。重賞挑戦は初挑戦3着好走→GⅠ初挑戦となるので、勢い・鮮度からも好走に期待する。
No.〔2〕の牝系は、クラシックでも好走する仕上がりの早さと成長能力を有し、成長力も豊富。分枝記号uは、時計の掛かる馬場でのみ力を発揮することが多く、また早熟傾向。

△シルクオールディー・・・マンハッタンカフェ×Kris S.=サンデーサイレンス×ロベルト 〔17-b〕
前走神戸新聞杯10着(=阪神芝2400m:1.2秒差)。夏の北海道開催では条件戦ながらも芝2600mを2戦2勝し、長距離適性が高い馬と確認。前走はクラシック距離でのキレ勝負での惨敗で、スタミナ勝負ということではなく適性の違いでの敗退から前走は度外視できると考え、巻き返しに期待し評価する。
マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。淀みない流れを踏ん張るか前半に脚を溜めてロングスパートで持久力を活かすタイプが、距離延長で好走するパターンが多い。マンハッタンカフェ産駒も比較的鮮度が重要で、鮮度が落ちた馬は好走しにくくなる。前走凡走でストレスが消え、今回距離延長となるステップはプラス要因になると考え期待する。母父Kris S.はロベルト系で、芝向きの中長距離血統で、本格化前は詰めが甘く惜敗を続けながら本格化する。重賞挑戦などで相手強化や厳しい流れになるようなら、潜在的な能力が引き出されて好走するのもロベルト系の特徴。秋以降に上昇するのも特徴。また近年サンデーサイレンス系×ロベルト系配合馬が菊花賞での好走していることにも期待する。
No.〔17〕の牝系は、好調期に連続好走しやすい特性を秘めた短距離~マイル向きの牝系。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。今回はGⅠ初挑戦の鮮度に期待。

クォークスターは、前走セントライト記念1着(=中山芝2200m)。
アグネスタキオン産駒は、前走0.5秒差以内で5着以内だと連続好走しやすい特性がある。重賞好走はほとんどこのパターンで、サンデーサイレンスの瞬発力を最も活かしやすい。母父ヘクタープロテクターはミスプロ系で、素軽い先行力と立ち回りの巧さがあり、直線平坦コースが得意。急坂コースではやや割引が必要。また淡泊でごちゃつく展開は苦手。母父ヘクタープロテクターは、トライアル好走が多いのだが(=ヘクタープロテクター産駒や母父ヘクタープロテクターはトライアルでは好走するが、本番で底力を問われると足りないことが多い)、距離延長になるレースでの好走は比較的多い(=06年菊花賞3着アドマイヤメイン、10年オークス3着アグネスワルツなど)。父の特性でどこまで母父の特性をカバーできるかが鍵と思いますが、前走が中距離の持続性能の証明のようなレースだったので今回は好走しても3着と考えて軽視する。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力がある。スタミナを活かしての好走が得意。クラシック秋シーズンの成長力は、他の牝系よりも優れている。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持つ。トライアル好走なら本番も期待。この特性は怖い。

ヒルノダムールは、前走札幌記念4着(=札幌芝2000m:0.5秒差)。マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。母父ラムタラはニジンスキー系で、凱旋門賞で好走した生粋の欧州スタミナ型。持久力が豊富で力の要る馬場や厳しい展開でこそのタイプ。血統的にはスタミナ豊富と思えるのだが、マンハッタンカフェ産駒は、鮮度が重要で皐月賞以後の戦績を考えると勢いの点で見劣りするので好走しても3着と軽視する。ただ母母父ブラッシンググルームで、菊花賞では怖い血統。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号iは、かなり一本調子なタイプで器用な脚に欠けるが小回りコースなら開幕週などが狙い目のタイプ。

同じマンハッタンカフェ産駒としては、ゲシュタルトは気になる。前走はセントライト記念14着(=中山芝2200m:1.9秒差)だが、中距離特化の流れを先行し失速してしまったが、休み明けと考えると叩いた効果は期待できると考える。京都芝コースは4戦(2-1-0-1)と好走も多く、反撃は可能では?と思える。母父エンドスウィープはミスプロ系だが、芝向きのマイル~中距離型で厳しい持続型の流れで強さを発揮する。溜めが利いたときの差し脚は一級品。母母父Sadler's Wellsでスタミナは豊富と思えるので、人気以上の好走はありうると考える。
No.〔13〕の牝系は、距離が延びて本領発揮型で、キャリアを積み上げながらクラスの壁を越えていくタイプ。分枝記号eは、上がりのかかる消耗戦的な流れに強い特性がある。


tipmonaとは?

菊花賞2010回顧
菊花賞 サンデーサイレンス系と前につけられる馬。

軍神マルス
08期 予想歴12年

次走狙い:ビッグウィーク
次走狙い:ローズキングダム


2010年 タイム 3'06"1 (良) 1FAve=12.41 5FAve=62.03

ラップ
①13.2-②11.5-③11.8-④12.5-⑤12.0-⑥12.5-⑦13.2-⑧13.0-⑨13.1-⑩12.7-⑪13.0-⑫12.0-⑬11.8-⑭11.9-⑮11.9
1FAveとの誤差
①+0.8 ②-0.9 ③-0.6 ④+0.1 ⑤-0.4 ⑥+0.1 ⑦+0.8 ⑧+0.6 ⑨+0.7 ⑩+0.3 ⑪+0.6 ⑫-0.4 ⑬-0.6 ⑭-0.5 ⑮-0.5
テン5F61.0-中盤5F64.5-上がり5F60.6 『中弛み』

『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着ビッグウィーク・・・バゴ×サンデーサイレンス=レッドゴッド×サンデーサイレンス 〔2-u〕 2-2
2着ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-w〕 10-10
3着ビートブラック・・・ミスキャスト×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔22-a〕 3-3
4着レーヴドリアン・・・スペシャルウィーク×Highest Honor=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-p〕 7-8
5着コスモラピュタ・・・ロージズインメイ×トニービン=ヘイロー×グレイソヴリン 〔4-k〕 1-1

流れはテン-上がりはラップが速く、中盤のみ弛んだ『中弛み』の流れ。毎年『中弛み』の流れは基本となるが、今年はテン-上がりのラップ差が少なく、テン速い分は中盤の弛みで相殺し、上がり勝負となったと考える。タイム的には近5年では最も遅く、好走馬の多くが前につけてそのまま残るような内容からも、展開的には逃げが最も恵まれ、次いで先行、差し・追込には厳しい流れと考える。

1着ビッグウィークは、前走神戸新聞杯3着(=阪神芝2400m:0.5秒差)からの好走。前走は瞬発力勝負でダービー好走のローズキングダム・エイシンフラッシュには0.5秒差をつけられ完敗したのだが、今回は展開に助けられた面はあるが前走を教訓に早めにスパートしての好走。前につけられる器用さと内枠を上手く活かしての経済コースを通れた利が上手く発揮できた内容と考える。
バゴ産駒はレッドゴッド系で、凱旋門賞好走を好走した欧州スタミナ型の芝向き中長距離血統。同系にスウェイン産駒がいるが、スウェインほど重厚ではない様子。ただこの系統は、総じてスローの上がり勝負よりも厳しい流れでこそ持ち味が活きる。ブラッシンググルーム系のレッドゴッド系も菊花賞での好走も多く(=95年1着マヤノトップガンの母父、97年1着マチカネフクキタルの父、00年2着テイエムオペラオーの母父、01年2着トーホウシデンの母父など)、距離延長で中長距離の大レースに強い特性も上手く活きたと考える。母父サンデーサイレンスは、勢いに乗じて連続好走しやすい特性を持ち、鮮度の高い時によく好走する。重賞挑戦など格上相手にもよく好走し、重賞初挑戦などは特にプラス要因となる。重賞挑戦は初挑戦3着好走→GⅠ初挑戦となるので、勢い・鮮度からも好走したと考える。JCでは瞬発力勝負になりやすいので、もっとキレのある馬(=ローズキングダムなど)の方が期待できると思うが、有馬記念に向かうようなら小回りコースを前で展開できる器用さと勢いは上手く嵌りそうと思うので期待したい。今後のさらなる成長に期待。
No.〔2〕の牝系は、クラシックでも好走する仕上がりの早さと成長能力を有し、成長力も豊富。分枝記号uは、時計の掛かる馬場でのみ力を発揮することが多く、また早熟傾向。

2着ローズキングダムは、前走神戸新聞杯1着(=阪神芝2400m)からの好走。前走神戸新聞杯組は毎年好走も多く、ステップとしては非常に相性は良いと考えるが、好走馬がそのまま好走するのか、敗退馬の逆転ができるのかは流れと内容で決まる。今年の場合1着本馬と2着エイシンフラッシュは3着馬ビッグウィークに0.5秒差をつける実力差が抜けていた内容から、本来は中距離~クラシック距離で本領発揮だろうが、能力でカバーできると考えて対抗評価にし上手く評価できたと考えます。内容的には一番不利な差し位置からの好走で、上位好走した馬の中では一番強い競馬をしたと考える。
キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入る。キングマンボ系としてはエルコンドルパサー産駒のソングオブウインドが菊花賞を好走し、菊花賞実績があるとみなせると考え(=ただしエルコンドルパサーの母父はSadler's Wellsでスタミナ型だが、キングカメハメハはラストタイクーンでややスタミナに関して言えば不安は残す)、これも上手く評価できたと思うが、感心すべきはキングマンボ系の能力の高さ。距離に関しても融通性があり、やはり大レースに強く底力もある。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。前走1着好走で勢いは十分でした。母ローズバドはオークス2着で秋シーズンも秋華賞2着と好走していて、近親ローゼンクロイツは菊花賞3着好走。秋シーズンの好走も可能と証明したが、なかなかGⅠで1着が取れないローズ一族。その一族の特性がここでも炸裂。なかなかこの呪いは解けないようです(笑)。
No.〔1〕の牝系で、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号wは、典型的なローカル巧者が多いが、中央なら固く時計の速い馬場での好走が多い。クラシック春シーズンが勝負の牝系なので、今後の成長能力は他の牝系に比べると少し劣る部分があると思うが、現時点の完成度の高さに期待する。次走JCなら瞬発力勝負になりやすく、古馬相手にも十分に戦えると考える。

3着ビートブラックは、前走兵庫特別1着(=阪神芝2400m)からの激走。夏場に古馬相手に長距離路線で好走した上がり馬が多数出走した中では、異例のステップで侮ってしまいました。
ミスキャスト産駒はサンデーサイレンス系で、今年の3歳馬が初年度産駒。ミスキャストはサンデーサイレンス×トニービン配合で、アドマイヤベガと父×母父が同じ配合と考えるとアドマイヤベガ産駒は07年2着アルナスラインが好走していたので、同じように好走する下地があったと考えてよかったのかも。初年度産駒と産駒数が少ないので未だ特徴はつかめていませんが、初年度産駒ということで鮮度と戦う意欲は強く、また配合から考えて現時点では格上挑戦向きのチャレンジャー
タイプの種牡馬と考える。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、菊花賞好走も多い相性の良い血統でした(=94年1着ナリタブライアン、95年1着マヤノトップガン、00年2着トーホウシデンなど)。本質はスタミナ豊富な持久力血統で、タフな展開に強く、ペースの緩まない流れで本領を発揮する。強い相手や厳しい展開こそ秘めた能力が発揮され、間隔を詰めたローテーションやマイルの忙しい競馬をはさむなど、スパルタ的な刺激で調子を上げる。また近年菊花賞で好走していたサンデーサイレンス系×ロベルト系配合馬でした。
No.〔22〕の牝系は、タフでスピードとスタミナに優れた牝系。消耗戦を前々にて踏ん張るタイプが多く、ペースが上がる締まった流れに向く。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

4着レーヴドリアンは、前走神戸新聞杯5着(=阪神芝2400m:0.8秒差)からの好走。春シーズンは、きさらぎ賞2着好走・京都新聞杯3着好走と京都芝コースの重賞で好走し、京都芝コースとは相性は良い馬でした。またきさらぎ賞も京都新聞杯もスタミナ型の馬の好走も多く、その意味ではスタミナ豊富な馬だったと考える。
スペシャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、本来はエンジンの掛かりが悪く末脚が不発に終わることも多いのが産駒の特徴なのだが、本馬は34秒台の末脚を連発していて性能の良いエンジンを積んでいる様子。母父Highest Honorはグレイソヴリン系で、狂気のゼダーン系へと遡る。2歳から走るタイプもいれば古馬にて強くなるタイプもいて様々だが、確実なのは芝向きで厳しい流れで真価を発揮するタイプ。
No.〔1〕の牝系は、クラシック春シーズンにある程度完成し好走する、仕上がりが早く完成度の高い牝系。3歳秋シーズン以降は緩やかに成長する。分枝記号pは、時計のかかる馬場に強く、急坂も苦にせず安定性はある。ただしここ一番の大舞台に弱いところはあるので、伏兵の立場なら狙いたい。この特性は今回活きたと考える。

5着コスモラピュタは、前走習志野特別1着(=中山芝2000m)からの好走。これまでは芝2400mや芝2500mなどの距離を逃げて好走していた馬。今回は展開的に助けられた面はあるのだが、人気薄でも好走したことから菊花賞は4コーナー5番手以内につけられる馬が非常に有利と再確認(=前で好走できるのは、流れと内の経済コースを通れる利点がある)。
ロージズインメイはヘイロー系で、同父系のタイキシャトル産駒のように仕上がり早く小脚を使える器用さを有している。夏のローカルは鬼。ダート巧者が多く、芝は厳しい流れ向き。母父トニービンはグレイソヴリン系で、スタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。重賞挑戦など格上相手の時にも好走が多く、この特性は活きたと考える。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号kは、かなり時計の掛かる馬場でのみ力を発揮する。冬場のダートや最終週の重馬場等が合う。

菊花賞のポイントは、
①『中弛み』が基本。前につけられる経済コースを通れる馬が好走しやすく、4コーナー5番手以内が好走しやすい。
②サンデーサイレンス系重賞。ロベルト系も好相性。非サンデーサイレンス系配合馬は割引。サンデーサイレンス系×ロベルト系配合馬が近年好走馬多い。
③No.〔1〕〔4〕〔9〕〔16〕の牝系は好走しやすい。
④神戸新聞杯組の好走は多い。内容を良く再考すべし。
⑤セントライト記念組は、時計の速いレースでの好走馬は中距離のスペシャリストなので軽視すべき。
⑥裏路線の鮮度の高い馬は要注意。


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