セントライト記念2011予想
セントライト記念 夏の上がり馬に期待。

軍神マルス
08期 予想歴13年

◎ショウナンバーズ
  17着/5人気

○トウシンイーグル5着/8人
▲サダムパテック3着/1人


★傾向分析★
2004年 タイム 2'10"1 (良) 1FAve=11.83 3FAve=35.48
テン35.0-中盤59.7(3F換算35.82)-上がり35.4 『前傾・一貫』 
1着コスモバルク・・・ザグレブ×トウショウボーイ=ヌレイエフ×プリンスリーギフト 〔5-d〕 1-1
2着ホオキパウェーブ・・・カーネギー×Mr. Prospector=サドラーズウェルズ×ミスプロ 〔5-g〕 8-3
3着トゥルーリーズン・・・Silver Deputy×Strawberry Road=ヴァイスリージェント×ニジンスキー 〔1-s〕 2-2

2005年 タイム 2'11"8 (良) 1FAve=11.98 3FAve=35.95
テン35.5-中盤61.1-上がり35.2 『中弛み』
1着キングストレイル・・・サンデーサイレンス×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔4-d〕 7-5
2着フサイチアウステル・・・Stormin Fever×Green Dancer=ストームバード×ニジンスキー 〔4-r〕 3-3
3着ピサノパテック・・・サンデーサイレンス×マルゼンスキー=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔10-d〕 3-2

2006年 タイム 2'13"1 (良) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン35.5-中盤61.3(3F換算36.78)-上がり36.3 『前傾・中弛み』
1着トーセンシャナオー・・・サンデーサイレンス×トウショウボーイ=サンデーサイレンス×プリンスリーギフト 〔10-a〕 2-3
2着トウショウシロッコ・・・アドマイヤベガ×ニッポーテイオー=サンデーサイレンス×リファール 〔23-b〕 9-3
3着ミストラルクルーズ・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔2-n〕 14-8

2007年 タイム 2'12"0 (良) 1FAve=12.00 3FAve=36.00
テン34.3-中盤62.1(3F換算37.26)-上がり35.6 『前傾・中弛み』
1着ロックドゥカンブ・・・Red Ransom×Fairy King=ロベルト×ノーザンダンサー 〔11〕 5-4
2着ゴールデンダリア・・・フジキセキ×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔2-c〕 13-14
3着スクリーンヒーロー・・・グラスワンダー×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔1-x〕 2-2

2008年 タイム 2'14"6 (やや重) 1FAve=12.24 3FAve=36.71
テン36.0-中盤62.9(3F換算37.74)-上がり35.7 『中弛み』
1着ダイワワイルドボア・・・アグネスタキオン×Nureyev=サンデーサイレンス×ヌレイエフ 〔4-r〕 7-3
2着マイネルチャールズ・・・ブライアンズタイム×Zabeel=ロベルト×ターントゥ 〔6-b〕 3-1
3着ノットアローン・・・アグネスタキオン×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔B3〕 4-3

2009年 タイム 2'12"0 (良) 1FAve=12.00 3FAve=36.00
テン35.7-中盤60.4(3F換算36.24)-上がり35.9 『一貫』
1着ナカヤマフェスタ・・・ステイゴールド×タイトスポット=サンデーサイレンス×リボー 〔3-h〕 7-3
2着セイクリッドバレー・・・タニノギムレット×フジキセキ=ロベルト×サンデーサイレンス 〔21〕 5-6
3着フォゲッタブル・・・ダンスインザダーク×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔8-f〕 9-8

2010年 タイム 2'10"9 (良) 1FAve=11.90 3FAve=35.70
テン34.8-中盤59.1(3F換算35.46)-上がり37.0 『前傾』
1着クォークスター・・・アグネスタキオン×ヘクタープロテクター=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔4-d〕 16-10 
2着ヤマニンエルブ・・・サッカボーイ×ティンバーカントリー=ファイントップ×ミスプロ 〔1-w〕 1-1
3着アロマカフェ・・・マンハッタンカフェ×ハートレイク=サンデーサイレンス×ヌレイエフ 〔7-c〕 5-4

流れは『前傾』になりやすく、また中盤弛む『中弛み』になりやすい傾向。テンの速さを中盤緩めることで距離を持たせるレースという感じと考える。
好走馬の多くは、4コーナー5番手以内が多く、開催前半でまだ前が止まらない傾向と考える。

血統の傾向は、ターントゥ系(=サンデーサイレンス系やロベルト系など)×大系統ノーザンダンサー系(=リファール系、ノーザンテースト系、ニジンスキー系など)の配合馬の好走が多い。同コースのオールカマーはノーザンダンサー系が非常に強い傾向なので、大系統ノーザンダンサー系が好走するのは納得です。ただ3歳戦でもあるため、サンデーサイレンス系の器用さというか軽さが活きやすいため好走馬が多いのでは?と考える。
またラップ上持続型の流れになりやすいため、ロングスパートでスタミナが要るから欧州型のノーザンダンサー系に向くと考える。

牝系の傾向は、No.〔1〕〔2〕〔4〕〔5〕が複数好走馬を出しています。これらの牝系はクラシックに好走馬を多く出しやすい牝系でもあり、成長力と完成度が高い牝系。クラシックトライアルなので、この傾向は納得かもしれません。
分枝記号はd記号が好走馬多し。前走好走馬なら勢い持続しやすく好走しやすい特性が活きているのだと思います。

ステップの傾向は、ラジオNIKKEI賞を先行して好走した馬がここでも好成績。欧州型の馬場で小回りコースの福島コースを先行して好走できる適性が嵌りやすいということと考える。
また近年好走が多いのは、前走新潟芝2000mや2200mで古馬相手に好走した1000万条件戦好走馬(=08年阿賀野川特別3着→1着ダイワワイルドボア、09年信濃川特別1着→2着セイクリッドバレー、09年阿賀野川特別2着→3着フォゲッタブル、10年阿賀野川特別1着→2着ヤマニンエルブ、など)。新潟芝中距離で好走してきた1000万条件戦好走馬には要注目。

★予想★
セントライト記念のポイントは、
①流れはコース形態からも、厳しい持続型になりやすい。
②好走ポイントは4コーナー5番手以内。小回りを先行できる馬。
③大系統ターントゥ系(サンデーサイレンス系・ロベルト系)×大系統ノーザンダンサー系の好走多し。
④ラジオNIKKEI賞好走馬が好走しやすい。特に先行しての場合は適性高し。
⑤休み明けの春の実績馬より、夏に使っていた馬を上位に考えること。

◎ショウナンバーズ・・・Tigar Hill×Acatenango=ダンチヒ×ハンプトン 〔2-e〕
前走佐渡特別2着(=新潟芝2200m:0.1秒差)。中山芝コースは(0-0-0-1)だが、芝2200mは(0-1-0-0)。芝2200m以上の近走は安定していて、また近年新潟芝2000mや2200mの古馬混合1000万下条件戦好走馬がよく好走している傾向から、本馬は持続型のスタミナを活かせる条件で好走しやすいタイプと考えて期待して評価する。
Tigar Hill産駒はダンチヒ系で、中長距離での消耗戦は望むところのスタミナ血統。使われながら力をつけてくる。またTigar hillはディンヒルを経るダンチヒ系で、この父系は本格化すると連勝街道を走り、一気に登り詰める爆発力と勢いを持つ。この特性にも期待する。母父Acatenangoはハンプトン系で、ドイツの主流父系であり、2400mは得意で、ベンツのような重厚さとポルシェのようなスピード性の両方を併せ持つ。本格化はやや遅いが成長力に富み、中距離以上で本領を発揮する。上がりの速い展開には不安が残るが、厳しい流れになると台頭する。重馬場も得意。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強い。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。

○トウシンイーグル・・・ハーツクライ×Seattle Slew=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔2-d〕
前走阿賀野川特別2着(=新潟芝2200m:0.0秒差)。中山芝コースは(0-0-0-1)だが、芝2200mは(0-1-0-0)で、◎ショウナンバーズ同様に芝2200m以上で成績が安定している馬。そのため近年新潟芝2000mや2200mの古馬混合1000万下条件戦好走馬がよく好走している傾向から、本馬は持続型のスタミナを活かせる条件で好走しやすいタイプと考えて期待して評価する。
ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンのかかる器用なタイプよりは、助走をつけて末脚が全開になり長く良い脚を繰り出すタイプが本質。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。母父Seattle Slewはボールドルーラー系で、芝向きの中距離血統。先行流れ込みや一瞬の脚を持っている。母父としてもスピードと斬れ、ボールドルーラー系のタフさを伝えている。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強い。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。

▲サダムパテック・・・フジキセキ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-h〕
前走東京優駿7着(=東京芝2400m:2.3秒差)。中山芝コースは(1-0-0-1)で、約3ヶ月半の休み明けとなるが皐月賞2着など能力は高く、好走に期待する。
フジキセキ産駒はスピード型サンデーサイレンス系で、内枠を活かして好位から抜け出すレースが得意。すっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚を持っていて、この器用さは2~3歳のこの時期では大きな武器となる。母父エリシオはノーザンダンサー系で、2~3歳の早い時期に好走する仕上がりの早い馬もいるが、総じて本格化するなら古馬で、中距離以上で活躍するスタミナを秘めている。 芝は軽い馬場のスピード勝負より、時計のかかる馬場での消耗戦で能力を発揮する。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。分枝記号hは、揉まれ弱く、基本的には広いコースがベストで、器用さには駆けるが、広いコースでの持久戦は得意。小回りコースの場合は外枠か先行策が必須。

△ベルシャザール・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-e〕
前走東京優駿3着(=東京芝2400m:1.4秒差)。中山芝コースは(1-0-0-0)。
キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入る。道悪も得意で、大一番に強い。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。今回は約3ヵ月半の休み明けとなるが、前走GⅠ3着好走にて勢いはあると考えて期待する。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。この時期は成長力で他の牝系よりも完成度は高い。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。

△ユニバーサルバンク・・・ネオユニヴァース×ドクターデヴィアス=サンデーサイレンス×ヘロド 〔2-u〕
前走東京優駿10着(=東京芝2400m:2.5秒差)。中山芝コースは初だが、芝2200mは(0-1-0-0)で11年京都新聞杯2着(=京都芝2200m:0.0秒差)好走歴あり。
ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、09年ダービー1着馬ロジユニヴァースを輩出しているダービー好走血統。しかし基本的には中山芝コースなど小回りコースでの好走が多く、短い直線をぐいっと抜けてくる器用さが武器。また内枠で我慢できるのも、ネオユニヴァース産駒の強み。また鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多く(=アンライバルド、ミクロコスモス、ヴィクトワールピサなど)、本馬も34秒台前半の上がりを近走で繰り出し上昇中。この点もネオユニヴァース産駒は要注目で、速い上がりを使えるタイプには大物が多い。母父ドクターデヴィアスはヘロド系で、短距離~マイルで活躍する産駒が多いが、距離適性に幅のあるトワルビヨン系でもあるため中距離までは対応可能。異系のトワルビヨン系だけでなく底力のリボー系も内在するので、母系で存在感を現し底力を与える。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強い。分枝記号uは、時計の掛かる馬場でのみ力を発揮することが多く、また早熟傾向。


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セントライト記念2011回顧
セントライト記念 菊花賞にむけて①

軍神マルス
08期 予想歴13年

次走狙い:ベルシャザール
次走危険:フェイトフルウォー
次走危険:トーセンラー


2011年 タイム 2'10"3 (良) 1FAve=11.85 3FAve=35.54

ラップ
①12.2-②10.7-③11.1-④11.7-⑤11.8-⑥11.9-⑦11.8-⑧12.3-⑨12.5-⑩12.7-⑪11.6
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-1.2 ③-0.8 ④-0.2 ⑤-0.1 ⑥±0 ⑦-0.1 ⑧+0.4 ⑨+0.6 ⑩+0.8 ⑪-0.3
テン34.0-中盤59.5(3F換算35.70)-上がり36.8 『前傾』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎

1着フェイトフルウォー・・・ステイゴールド×メジロマックイーン=サンデーサイレンス×マイバブー 〔2-n〕 7-5
2着トーセンラー・・・ディープインパクト×Lycius=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔17-b〕 8-7
3着サダムパテック・・・フジキセキ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-h〕 10-8

流れは、テン-上がりのラップ差と中盤の弛みの少ない締まったラップから『前傾』の流れ。近5年ではテンは最も速く、中盤も弛むことなく締まった流れで、タイム自体も速く、中距離持続型の流れと考える。展開的には追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れ。好走した馬はステイヤーというよりは中距離特化型のタイプと考えられ、菊花賞に向けては好走した馬は人気馬となるなら危険な馬になるのでは?と考える。

1着フェイトフルウォーは、前走東京優駿13着(=東京芝2400m:2.7秒差)からの好走。東京開催の皐月賞12着→東京優駿13着と共に2桁着順の惨敗だったが、京成杯1着以後間隔が開いていたのと、東日本大震災の影響などもあって本調子ではなかったのだと思うが、今回は約3ヵ月半の休み明けでの好走。中山芝コースは(1-0-1-0)と好走が多く得意としていた馬で、調子が戻ったのだと考える。やや不利な流れの先行位置からの好走という点では評価したいが、今回はタイムが速く中距離特化の持続した流れと思うため、距離延長となる菊花賞に向けては適性は合っているとは思えないことを証明してしまった感じがあるように思う。菊花賞ではあくまでヒモ候補の一頭か!?
ステイゴールド産駒はスタミナ型のサンデーサイレンス系。ステイゴールドは母父ディクタスの特性がでていて、サンデーサイレンスというよりはサッカーボーイに近い特徴があり、夏~秋にかけてよく軌道に乗ることが多い。ディクタスのスタミナ型の特性とまた強敵相手に食い下がる勝負根性は、ステイゴールド産駒の持ち味。1戦燃焼型のタイプも多く、惨敗後から涼しく巻き返す能力も高い。断然人気よりも穴で狙いたいタイプで、人気馬よりもその人気馬をマークする立場の方が好走しやすい。今回はこの特性が上手く活きたと考える。母父メジロマックイーンは晩成型の成長力があり、古馬で本格化するステイヤー血統だが、2歳~3歳時にも第1次の成長段階がある。またステイヤー特性を秘めているため総じて叩き良化型で、休み明け3~4戦目で変わり目を見せて穴になる。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強い。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。また短距離向きの馬が多く、中距離馬は洋芝開催向き。

2着トーセンラーは、前走東京優駿11着(=東京芝2400m:2.5秒差)からの好走。1着フェイトフルウォー同様に東京開催の皐月賞7着→東京優駿11着と惨敗ではあったが、それ以前はきさらぎ賞1着と重賞好走もしていた馬。約3ヵ月半の休み明けや中山芝コースは初など不安要素はあったものの、きっちり能力を発揮して好走。近年は休み明けでの好走馬はあまり多くなかった傾向だったが、東日本大震災の影響で特殊な条件となった春シーズンのクラシックがかなり異例で、能力はあったが本領発揮できなかった馬がリフレッシュしてきっちりと立て直してきたものと考える。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。母父Lyciusはミスプロ系だが、母系のリファールやハイハットなど底力とやや不器用さを秘めた血統が入り、他のミスプロ系ほどの軽さがない。だがやはりミスプロ系であることに変わりなく、短距離~中距離までが守備範囲で、仕上がりも遅くはない。芝は時計のかかる馬場に向き、平坦コースならなお良い。ダートなら力の要る馬場もこなす。菊花賞に向けては、ディープインパクト産駒の特性からは距離延長はプラス要因なのだが、母父の距離特性からは長距離はマイナス要因。総合的に考えると中距離がベストと思われるため、1着フェイトフルウォー同様ヒモ候補か!?
No.〔17〕の牝系は、好調期に連続好走しやすい特性を秘めた短距離~マイル向きの牝系。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。母系からも長距離型ではなさそうな感じがしますが、分枝記号の特性の勢いの面からは怖い存在。

3着サダムパテックは、前走東京優駿7着(=東京芝2400m:2.3秒差)からの好走。1・2着馬同様約3ヶ月半の休み明けでの好走だが、皐月賞は2着好走。東京優駿7着だがこれは不良馬場と距離に泣いた感じと思われる。中山芝コースは(1-0-0-1)で、芝2000mまでなら堅実なタイプで、今回はやはり距離もやや長かったのではないかと考える。菊花賞よりも次走天皇賞秋の方が向くタイプと考える。
フジキセキ産駒はスピード型サンデーサイレンス系で、内枠を活かして好位から抜け出すレースが得意。すっと好位を取って折り合い、一瞬のタイミングで馬群を抜けられる器用な脚を持っていて、この器用さは2~3歳のこの時期では大きな武器となる。母父エリシオはノーザンダンサー系で、2~3歳の早い時期に好走する仕上がりの早い馬もいるが、総じて本格化するなら古馬で、中距離以上で活躍するスタミナを秘めている。 芝は軽い馬場のスピード勝負より、時計のかかる馬場での消耗戦で能力を発揮する。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。分枝記号hは、揉まれ弱く、基本的には広いコースがベストで、器用さには欠けるが、広いコースでの持久戦は得意。小回りコースの場合は外枠か先行策が必須。

4着ベルシャザールは、前走東京優駿3着(=東京芝2400m:1.4秒差)からの好走。本馬も前走東京優駿3着からの約3ヵ月半の休み明けでの好走。中山芝コースは(1-0-0-0)。3着サダムパテックとはハナ差の4着で、好走した上位3着馬よりも前にて展開しての内容を評価したいと思います。
キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期以後は実が入る。道悪も得意で、大一番に強い。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。菊花賞に向けては、今回は僅差4着だったので、母父の特性と距離に融通性のあるキングマンボ系の特性に期待し評価したいと思います。また本馬は好走が○×○と交互になる傾向が戦績から見て取れるため、人気が下がるようなら逆に期待したいと思います。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。この時期は成長力で他の牝系よりも完成度は高い。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。


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