JCダート2011予想
JCD 現役最強ダート馬トランセンド。

軍神マルス
08期 予想歴13年

◎トランセンド
  1着/1人気

○エスポワールシチー3着/2人
▲ヤマニンキングリー7着/3人


★傾向分析★
2008年 タイム 1'49"2 (良) 1FAve=12.13 3FAve=36.40
テン36.7-中盤35.9-上がり36.6 『ハイレベル』
1着カネヒキリ・・・フジキセキ×Deputy Minister=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔2-s〕 3-5
2着メイショウトウコン・・・マヤノトップガン×ジェイドロバリー=ロベルト×ミスプロ 〔22-d〕 15-7
3着ヴァーミリアン・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔4-d〕 9-5

2009年 タイム 1'49"9 (良) 1FAve=12.21 3FAve=36.63
テン36.3-中盤36.5-上がり37.1 『前傾・一貫』
1着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 1-1
2着シルクメビウス・・・ステイゴールド×ポリッシュネイビー=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔1-b〕 11-11
3着ゴールデンチケット・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔3-l〕 11-13

2010年 タイム 1’48”9 (稍重) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン35.9-中盤36.4-上がり36.6 『前傾』
1着トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕 1-1
2着グロリアスノア・・・プリサイスエンド×ジェイドロバリー=ミスプロ×ミスプロ 〔1-j〕 7-8
3着アドマイヤスバル・・・アドマイヤボス×ジェネラス=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔14-c〕 5-6
 
08年よりコース変更して阪神D1800mで開催されるJCD。今年で4回目となる。08年・09年・10年の過去3年の結果から、流れは『前傾』や『一貫』や『ハイレベル』といった中盤弛みのない厳しい流れになりやすく、強い逃げ馬とそれにより前がつぶされて差し馬が浮上するような傾向にあるようです。

阪神D1800mのコース特徴(=金満血統王国王様:田端到さんのJRAフルコース、血統が“当たる”のはやはり常識ですを参考にしました)としては、
・ダートコースをほぼ1週するコース形態。スタートしてすぐにゴール前の急坂があるが、最初のコーナーまでの距離が短いため先行争いが激しく、比較的外めの枠のほうが有利。その後は平坦部分が続くのでペースが落ちやすく、最初に良いポジションを取った先行馬がそのまま押し切るパターンが多いため、スタミナ豊富の逃げ・先行が決まりやすいコース。
・好走血統は、クロフネやブライアンズタイム。シンボリクリスエスやマヤノトップガンなどロベルト系にも向く。ジェイドロバリー、キンググローリアス、スキャターザゴールド、ティンバーカントリーなど地味めの中距離型ミスプロ系も好成績。アフリートやエルコンドルパサー、キングカメハメハなども好相性。最近はワイルドラッシュ、ゴールドアリュール、ウォーエンブレムの活躍も多い。
・テイエムオペラオーは特注。「テイエムオペラオー=ダート長距離向き」から、スタミナ型が好走する?
・クロフネ、シンボリクリスエスなど不器用なパワー型タイプは、人気ではアテにしにくい。勝負どころで器用に動けないため、ツメ甘になりやすい。

血統の傾向は、芝中長距離GⅠで好走するような血統(=フジキセキ、マヤノトップガン、エルコンドルパサー、ステイゴールド、キングカメハメハなど)が好走しやすいように思います。この点もコース特徴に合致する点があると思います。
母父にもブライアンズタイムやトニービン、ジェネラスなど欧州型の要素を持ったような血統が入っているのもポイントになると思います。特に父系がダート種牡馬ならなおこの傾向が強いと思われます。

ステップの傾向は、JBCクラシック好走馬は、小回り適性の証明があり最重要ステップと考える。特に3着内好走馬は好走率が高い。
みやこS(=旧トパーズS)好走馬は、D1800m向きの適性の証明と近走の調子のよさの証明となり好走しやすい傾向。
ブラジルCは東京D2100mなので、スタミナの証明となるのが好走のポイントにつながると考える。

★予想★
◎トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕
前走JBC2着(=大井D2000m:0.2秒差)。10年JCD1着馬で、阪神Dコースは(2-0-0-0)、D1800m戦は(6-0-0-2)と得意条件。前走はダート路線頂上決戦にて強敵スマートファルコンとのマッチレースにて僅差の2着になったが、3着以下には0.7秒差をつける内容で悲観する内容ではない。地方競馬への馬場適性の違い(=スマートファルコンはずっと地方競馬交流重賞を使用していて好走中)による差と思われる。中央競馬なら現役ダート最強馬と思っていることもあるが、能力的にはまだ衰えはなくここでも好走必至とみて評価する。コース変わり後の初の連覇にも期待。
ワイルドラッシュ産駒はニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ワンペース型の速力で、コーナー4つのコースの方が息が入り、安定感は高い。D1400~1800mでは特に存在感を発揮し、得意条件。母父トニービンはグレイソヴリン系でスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。一度上昇して連続好走中なら一定期間は期待出来る。
No.〔A4〕の牝系は、米国で活躍の多い牝系。高速決着は得意だが、メリハリある流れは苦手。体力があり、シーズンオフは得意。

○エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕
前走みやこS1着(=京都D1800m)。09年JCD1着馬で、阪神Dコースは(2-0-0-0)で、D1800m戦は(6-1-0-0)と得意条件。10年度は地方競馬交流重賞でも勝ち続けていたが、11年度は好走するもやや衰えがみられる感じで、前走圧勝も現在の人気ほど抜けた存在ではないように思い対抗評価。前々走MCS南部杯4着(=東京D1600m:0.3秒差)とトランセンドに完敗から、トランセンド>エスポワールシチーの構図と考える。
ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、タフな展開や目一杯に仕上げられた時にMAXの能力を発揮するスパルタ型。休み明けよりも叩いてこそのタイプが多い。またロベルト系は緩い流れよりも厳しい流れに向き、ペースの緩まないマイル戦はプラス要因。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。この分子記号特性から、ものさし馬として考えやすく、前々走MCS南部杯にて完敗のトランセンドを逆転は難しいのではと考えました。

▲ヤマニンキングリー・・・アグネスデジタル×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔3-c〕
前走シリウスS1着(=阪神D2000m)。前走は初ダートだったが、いきなりダートの強豪勢を蹴散らして好走。前走は展開的にも恵まれ、砂をかぶらずに先行したため揉まれた時がやや不安ではあるが、それでも2強に割って入るだけの能力を秘めているかもしれない期待感はある。その点に期待して評価する。
アグネスデジタル産駒はミスプロ系で、アグネスデジタルは現役時代に芝・ダート兼用型でマイル~中距離で強さを発揮した異能のオールラウンダー。産駒もその特性を受け継いでいるようでマイル~中距離で強さを発揮し、また軽いスピードを披露しながらすぐに差しを覚える産駒も多く、脚質の幅と学習能力の高さを有している。基本は人気馬が信頼にこたえて好走することが多く、人気薄での好走がかなり稀であり、またローテーションも間隔を詰めたときに好走が多いのも特徴。前走と同じ距離を走った時の成績が良く、変化や刺激を好まない。また各馬に得意の距離が存在する。本馬は芝コースだが、1800~2000mの好走が多く、またU字型のコースよりもO型のコースでの好走が多い点にも期待する。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。この母父の特性にも期待する。
No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

△ニホンピロアワーズ・・・ホワイトマズル×アドマイヤベガ=リファール×サンデーサイレンス 〔22-d〕
前走みやこS3着(=京都D1800m:0.7秒差)。阪神Dコースは(2-0-1-0)で、D1800m戦は(6-3-3-0)と得意条件。前走の結果から2強に割って入るのは難しいと思うが、3着争いの一頭として好走に期待する。
ホワイトマズル産駒はリファール系で、欧州型のスタミナ血統。スタミナが抜群で大舞台ほど怖いステイヤー血統。上がりだけの勝負になりにくい芝2000mや芝2200mの受賞にも強く、特に12秒台のラップがずっと続くような淀みない流れの中長距離戦で高い能力を発揮する。スローペースの瞬発力勝負で負けても、厳しい流れならすぐに反撃する。前走が惨敗でも、展開が向けばあっさり好走する。この特性がホワイトマズルの真骨頂。母父アドマイヤベガはスタミナ型サンデーサイレンス系で、同じ重賞で違う産駒がよく好走する特性がある。JCDではアドマイヤベガ産駒は好走していないが、アドマイヤベガの全弟アドマイヤボズ産駒は10年3着馬アドマイヤスバルが好走していて適性は合うはず。また前走0.5秒差以内で5着以内で好走した馬が次走も好走しやすい特性も併せ持つ。前走は3着好走ながら0.7秒差のため、この特性も引き出せるか微妙だが期待して評価する。また人気だと不発になることも多いが伏兵の立場だと好走しやすいタイプでもある。この点には期待する。
No.〔22〕の牝系は、タフでスピードとスタミナに優れた牝系。消耗戦を前々にて踏ん張るタイプが多く、ペースが上がる締まった流れに向く。分子記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走好走からこの特性に期待する。

△ダノンカモン・・・シンボリクリスエス×Ogygian=ロベルト×ダマスカス 〔3-d〕
前走武蔵野S2着(=東京D1600m:0.1秒差)。阪神Dコースは(2-2-0-1)だが、D1800m戦は(0-0-0-1)。これまでの好走はD1400~1600mにて、やや距離適性が長いと思われるが、近走の重賞好走などの充実ぶりを考えて3着ならありうると考えて期待する。前々走MCS南部杯2着(=東京D1600m:0.0秒差)で、休み明けのトランセンドと僅差の内容。この結果からトランセンド>ダノンカモンの構図と考えまた距離適性を差し引いて連下候補と判断する。
シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。母父Ogygianはダマスカス系で、キレこそ望めないが、ハイペースを先行させても簡単にバテないのが強みの納豆血統。芝の荒れ馬場は最適条件。パワーのいるダートも合う。
No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。4歳時の秋が最も充実するが、5歳時は能力を維持して好走する。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走好走からこの特性に期待する。


tipmonaとは?

JCダート2011回顧
JCD ダート路線の現状。

軍神マルス
08期 予想歴13年

次走狙い:トランセンド
次走狙い:ダノンカモン
次走危険:エスポワールシチー


2011年 タイム 1’50”6 (良) 1FAve=12.29 3FAve=36.87

ラップ
①12.5-②10.5-③12.8-④12.4-⑤12.7-⑥12.3-⑦12.2-⑧12.0-⑨13.2
1FAveとの誤差
①+0.2 ②-1.8 ③+0.5 ④+0.1 ⑤+0.4 ⑥±0 ⑦-0.1 ⑧-0.3 ⑨+0.9
テン35.8-中盤37.4-上がり37.4 『前傾・中弛み』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

1着トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕 1-1
2着ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕 13-13
3着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 2-2
4着ラヴェリータ・・・Unbridled’s Song×Gone West=ミスプロ×ミスプロ 〔23-b〕 4-3
5着ダノンカモン・・・シンボリクリスエス×Ogygian=ロベルト×ダマスカス 〔3-d〕 4-4

流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』と中盤の弛みから『中弛み』の複合ラップ。コースが阪神D1800mに変わって今年で4年目になるが、過去3年と異なり初めて『中弛み』となり中盤が弛む流れに。10年は中盤と上がりのラップ差がわずかにあり『中弛み』の複合ラップにはならなかったが、今年は中盤と上がりが同じラップにて『中弛み』となった感じだが、ラップ構成上は10年と11年では似た流れと考える。そのため1着馬トランセンドが、連覇を達成しやすい自身が好走しやすい流れをを刻んだものと考える。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで逃げ、先行・差しには厳しい流れと考える。

1着トランセンドは、前走JBC2着(=大井D2000m:0.2秒差)からの好走。10年JCD1着馬で、阪神Dコースは(2-0-0-0)、D1800m戦は(6-0-0-2)と得意条件でした。前走はダート路線頂上決戦にて強敵スマートファルコンとのマッチレースにて僅差の2着になったが、3着以下には0.7秒差をつける内容で悲観する内容ではなく、地方競馬への馬場適性の違い(=スマートファルコンはずっと地方競馬交流重賞を使用していて好走中)による差と考えて、能力的にはまだ衰えはなくここでも好走必至とみて評価し結果1着好走。約3か月先のフェブラリーSに向けても、今回の内容から考えると中心視して良いと考えます。次走にも期待する。
ワイルドラッシュ産駒はニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ワンペース型の速力で、コーナー4つのコースの方が息が入り、安定感は高い。D1400~1800mでは特に存在感を発揮し、得意条件。母父トニービンはグレイソヴリン系でスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。一度上昇して連続好走中なら一定期間は期待出来る。
No.〔A4〕の牝系は、米国で活躍の多い牝系。高速決着は得意だが、メリハリある流れは苦手。体力があり、シーズンオフは得意。

2着ワンダーアキュートは、前走みやこS4着(-京都D1800m:0.8秒差)からの好走。前走は約5か月の休み明けでみやこS1着馬エスポワールシチーからは0.8秒差の4着ながらも2着・3着とは僅差の内容。叩き2戦目の上積みが期待できる馬でした。阪神Dコースは(5-0-0-2)で、D1800m戦は(3-1-0-6)でした。近走は重賞でも好走していた馬で、1着馬トランセンドには完敗も連下候補として評価すべき馬と反省します。今後も中距離では侮れないと考えます。
カリズマティック産駒はストームバード系で、馬力と持久力を持ち味とする砂の中距離血統。使われながら地道に力をつける叩き上げ型で、格上げ3~4戦目が狙い目。芝もそこそここなすが、適性は明らかにダート。時計のかかる1800~2200mが最適条件。また阪神Dコースは得意。母父Pleasant Tapはリボー系で、芝・ダート兼用の中長距離血統。仕上がりは遅く、条件戦で揉まれながら力をつけ、4歳でオープン入り、5歳で重賞制覇というような成長曲線をたどる。条件戦でくすぶったまま終わる産駒も多いが、大一番では怖い存在で、人気がなければないほど押さえておきたいタイプ。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分子記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

3着エスポワールシチーは、前走みやこS1着(=京都D1800m)からの好走。09年JCD1着馬で、阪神Dコースは(2-0-0-0)で、D1800m戦は(6-1-0-0)と得意条件でしたが、10年度は地方競馬交流重賞でも勝ち続けていたことに対し、11年度は好走するもやや衰えがみられる感じで、前走圧勝しましたが人気ほど抜けた存在ではないように思い、評価を下げて結果3着好走。近走トランセンドとの対戦成績から考えると(=前々走MCS南部杯と今回のJCD)、本馬は持てる能力はすべて出したがそれでも0.3秒差をつけられての完敗(=MCS南部杯もJCDもともに0.3秒差)から、これ以上の再上昇は難しいのでは?と考えて、これからは中心視するのは避けた方が良いのでは?と考える。
ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、タフな展開や目一杯に仕上げられた時にMAXの能力を発揮するスパルタ型。休み明けよりも叩いてこそのタイプが多い。またロベルト系は緩い流れよりも厳しい流れに向き、ペースの緩まないマイル戦はプラス要因。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。この分子記号特性から、ものさし馬として考えやすく、現時点のダート路線はトランセンドとスマートファルコンの2強で、その下に本馬を含め様々な条件によって好走する馬が多数拮抗しているように思います。

4着ラヴェリータは、前走JBCレディス2着(=大井D1800m:0.1秒差)からの好走。阪神Dコースは(1-1-0-3)で、D1800m戦は(1-0-0-3)でした。
Unbridled’s Song産駒はミスプロ系で、芝・ダート兼用中距離血統。スプリント能力も高く、短距離から中距離をこなす。ダートの先行力や芝で溜めての一瞬の脚に優れている。他のミスプロ系に比べ、大一番でも無類の強さを発揮できるのがアンブライドル系で、ガチンコ勝負となっても怯まない。2歳から走り、3~4歳時が最も充実する。母父Gone Westはミスプロ系で、吹き上がり抜群の2サイクル・エンジンを自慢に、スプリント能力に加え、抑えも利くので、相手次第では中距離もこなす。芝の時計勝負にも強いが、平均よりも速いペースから上がりがかかる展開に向く。素質のある馬は早い時期に頭角を現し、3歳時をピークにあとはそれをどこまで維持できるかといった成長能力を有す。
No.〔23〕の牝系は、タップダンスシチーやセイウンスカイなどと同系でスタミナとスピードに優れた牝系。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。

5着ダノンカモンは、前走武蔵野S2着(=東京D1600m:0.1秒差)からの好走。阪神Dコースは(2-2-0-1)だが、D1800m戦は(0-0-0-1)。これまでの好走はD1400~1600mにて、やや距離適性が長いと思われるが、近走の重賞好走などの充実ぶりを考えて3着ならありうると考えて期待し、結果2・3着とは僅差の5着。前々走MCS南部杯ではトランセンドと僅差の2着(=東京D1600m:0.0秒差)でしたが、やはりやや距離が長かったと思われ、しかしなんとか5着に踏みとどまったことを評価したいと思います。フェブラリーSなら距離はD1600mに戻るため、反撃可能と考えてD1600mなら期待できる馬と考える。
シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。母父Ogygianはダマスカス系で、キレこそ望めないが、ハイペースを先行させても簡単にバテないのが強みの納豆血統。芝の荒れ馬場は最適条件。パワーのいるダートも合う。
No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。4歳時の秋が最も充実するが、5歳時は能力を維持して好走する。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。


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