朝日杯FS2011予想
朝日杯FS 2歳重賞実績と厳しい流れ向きの先行馬。

軍神マルス
08期 予想歴13年

◎ダローネガ
  5着/3人気

○サドンストーム6着/5人
▲クラレント7着/2人


★傾向分析★
2005年 タイム 1'33"7 (良) 1FAve=11.71 3FAve=35.14
テン35.9-中盤23.1(3F換算34.65)-上がり34.7 『加速・一貫』
1着フサイチリシャール・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔20-a〕 2-2
2着スーパーホーネット・・・ロドリゴデトリアーノ×エルセニョール=ノーザンダンサー×レイズアネイティヴ〔8-f〕 7-6
3着ジャリスコライト・・・Fantasic Light×Chief's Crown=レッドゴッド×ダンチヒ 〔22-d〕 5-3

2006年 タイム 1'34"4 (良) 1FAve=11.80 3FAve=35.40
テン34.9-中盤24.0(3F換算36.00)-上がり35.5 『前傾・中弛み』
1着ドリームジャーニー・・・ステイゴールド×メジロマックイーン=サンデーサイレンス×マイバブー 〔8-c〕 14-12
2着ローレルゲレイロ・・・キングヘイロー×テンビー=リファール×ニジンスキー 〔1-b〕 3-2
3着オースミダイドウ・・・スペシャルウィーク×Storm Cat=サンデーサイレンス×ストームバード 〔1-x〕 1-1

2007年 タイム 1'33"5 (良) 1FAve=11.69 3FAve=35.06
テン34.7-中盤23.6(3F換算35.40)-上がり35.2 『一貫』
1着ゴスホークケン・・・Bernstein×Grand Slam=ストームバード×ミスプロ 〔4-r〕 1-1
2着レッツゴーキリシマ・・・メジロライアン×バイアモン=ノーザンテースト×レッドゴッド 〔5-g〕 4-3
3着キャプテントゥーレ・・・アグネスタキオン×トニービン=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔3-l〕 2-2

2008年 タイム 1'35"1 (良) 1FAve=11.89 3FAve=35.66
テン34.3-中盤24.5(3F換算36.75)-上がり36.3 『前傾・中弛み』
1着セイウンワンダー・・・グラスワンダー×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔3-l〕 9-9
2着フィフスペトル・・・キングカメハメハ×Bahri=ミスプロ×ネヴァーベンド 〔19-b〕 8-8
3着ブレイクランアウト・・・Smart Strike×French Deputy=ミスプロ×ヴァイスリージェント 〔1-t〕 9-6

2009年 タイム 1'34"0 (良) 1FAve=11.75 3FAve=35.25
テン34.2-中盤24.2(3F換算36.30)-上がり35.6 『前傾・中弛み』
1着ローズキングダム・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔1-w〕 9-8
2着エイシンアポロン・・・Giant's Causeway×Sadler's Wells=ストームバード×サドラーズウェルズ 〔1-l〕 6-5
3着ダイワバーバリアン・・・マンハッタンカフェ×Kingmambo=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔5-c〕 5-5

2010年 タイム 1'33"9 (良) 1FAve=11.74 3FAve=35.21
テン34.7-中盤23.9(3F換算35.85)-上がり35.3 『前傾・中弛み』
1着グランプリボス・・・サクラバクシンオー×サンデーサイレンス=プリンスリーギフト×サンデーサイレンス 〔8-c〕 10-7
2着リアルインパクト・・・ディープインパクト×Meadowlake=サンデーサイレンス×セントサイモン 〔5-h〕 7-7
3着リベルタス・・・ディープインパクト×Garde Royale=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔4-p〕 4-3

05年・07年は『一貫』の流れだが、それを除いて全て『前傾』の流れ。厳しく締まった流れになりやすく、テンよりも上がりがかかる流れの『前傾』が基本と考える。
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎

ただし、中山コースが小回り・急坂のためか、展開上最も恵まれた追込はほとんど決まらない結果がでています。
逃げはテンがきついため失速する傾向にあり、中心は先行・差し位置に展開する馬と考えます。

血統の傾向は、父サンデーサイレンス系の場合は母父がストームバード系、レッドゴッド系、リファール系、ダンチヒ系などスピード持続型のタイプが好走。
もっと昔はミスプロ系の仕上がり早の血統が好走していましたが、00年以降はストームバード系、ヴァイスリージェント系、ダンチヒ系、レッドゴッド系というような芝・ダート兼用型のタイプが好走するように感じます。厳しい流れが得意なキングマンボ系も08年・09年と好走していて合うと考えます。

ステップレースからの傾向は、前走連対馬が好走の基本事項。特に重賞・オープンの2歳S好走馬。00年以降での連対馬の傾向をまとめてみました。
①京王杯2歳S・・・好走したのは03年1着コスモサンビーム、04年1着マイネルレコルト、07年2着レッツゴーキリシマ、08年2着フィフスペトル、09年2着エイシアポロン、10年1着グランプリボス、10年2着リアルインパクト。1着からの好走はコスモサンビーム、エイシンアポロン、グランプリボスの3頭。マイネルレコルトは5着からの巻き返し好走で、距離延長で巻き返し能力の高いチーフベアハート産駒ということと新潟2歳Sのレベルが高かったことが原因と思います。レッツゴーキリシマは3着からの好走。フィフスぺトルは2着からの好走で、函館2歳S1着馬。リアルインパクトは2着からの好走。求められる適性が違うため比較的つながりにくいレースと思いますが、好走している馬は先行脚質、小倉2歳Sや新潟2歳Sや函館2歳S、デイリー杯2歳S好走馬という2歳重賞好走歴のある馬という点から、実績馬なら要注意。

②デイリー杯2歳S・・・好走馬は03年2着メイショウボーラー、06年2着ローレルゲレイロ・3着オースミダイドウ、07年3着キャプテントゥーレなど。メイショウボーラーは1着、ローレルゲレイロは2着好走からの連対でともに2着。2頭とも先行してなだれ込むレースが得意なタイプ。またキャプテントゥーレも先行タイプ、好走するのに必要な適性ではないかと思います。

③東京スポーツ杯2歳S・・・好走馬は00年2着タガノテイオー、04年3着ペールギュント、05年1着フサイチリシャール、06年1着ドリームジャーニー、07年1着ゴスホークケン、08年3着ブレイクランアウト、09年1着ローズキングダム。タガノテイオーは1着、ペールギュントは2着、フサイチリシャールは1着、ドリームジャーニーは3着、ローズキングダムは1着からのステップ。位置取りは様々だが、共通しているのはサンデーサイレンス系を父または母父に持つということ。またブレイクランアウトは2着からの好走で、前走はサンデーサイレンス系に劣らない上がりを繰り出しての好走。中距離での上がりの速さを装備した馬の全体レベルの高さが問われていると考えます。ゴスホークケンは4着からの好走で、非サンデーサイレンス系でしたが、非サンデーサイレンス系なら先行脚質と内枠もポイントかも。

④札幌2歳S・・・好走馬は02年2着サクラプレジデント、04年2着ストーミーカフェ。ともに1着からの休み明けでの好走。札幌の馬場は洋芝で1800mという距離より長めの距離適性(=2000mくらい)が必要なレースということから、2歳戦でのタフな経験が活きやすいのだと思います。また厳しいレースをしてもその疲れをとれるレース間隔とみます。ただし近年では好走馬の少ないステップ。

⑤京都2歳S・・・好走馬は01年1着アドマイヤドン、02年1着エイシンチャンプ。ともに1着からの連続好走。2000mの中距離の経験が活きるのではないかと思います。距離短縮の効果がでることと、血統からダートもこなせるミスプロ系という共通点がありそうです。こちらも近年では好走馬の少ないステップ。

また朝日杯FSの大きな傾向として、外枠が不利な傾向。逃げ・先行するならばまだ好走の可能性はありますが、差し・追込はほぼ壊滅的な結果です。
これは中山コースが小回りコースで直線が短いことが原因と思います。外外と回すことで届かずのイメージです。先行するにしてもテンがきつい傾向から、テンに無理をして最後に粘れず2・3着のイメージで良いと考えます。

★予想★
朝日杯FSのポイントは、
①近年の流れは『前傾・中弛み』。テンは速いが、その後脚を溜めて器用に抜け出せる総合能力が問われる。
②『中弛み』の流れの分、サンデーサイレンス系が中心。『前傾』の流れは、持続型血統向き。
③これまでの2歳S好走馬が中心。先行脚質ならより注意。
④阪神JF好走馬なども比較してレベルの高い2歳戦を考えること。
⑤出遅れ経験がある馬は軸にするべからず。
⑥外枠不利。

◎ダローネガ・・・ダイワメジャー×ホワイトマズル=サンデーサイレンス×リファール 〔19〕
前走デイリー杯2歳S2着(=京都芝1600m:0.1秒差)。中山芝コースは初だが、芝1600m戦は(1-1-0-1)。本馬の本質は小回り芝コースを前にて押し切るような持続型の流れで好走するタイプで、前走は上がり34秒5と稍重の馬場を出走馬中上がり1位で2着好走。その内容は出遅れたが、道中早めに仕掛けて2着好走。今回は朝日杯FSにて不利な大外枠だが、前走魅せた内容が逆に活きる経験となると考えて好走に期待し、評価する。
ダイワメジャー産駒はサンデーサイレンス系で、力強いスピードを持ち、芝1600~2000mを得意とするマイラーや中距離型。フジキセキに近いイメージで、自身がダートを圧勝した実績もあるのでダートの得意な馬力型のタイプと、芝で鋭く斬れる脚を使うタイプと存在するはず。ダイワメジャー自身が中山芝コースで好走が多かったように、また古馬で本格化するまでは直線の長い東京芝コースや京都芝コースなどで最後につかまるレースが多かったことからも、キレよりもスピードの持続性能を活かしたレースに向くと考えますが、現時点での完成度は高い。おそらく古馬になり本格化すると鋭く斬れる脚も使えるようになると思います(=父母父ノーザンテーストの成長能力で引き出される感じと思います)。母父ホワイトマズルはリファール系で、欧州型のスタミナ血統で淀みない流れの中長距離戦で高い能力を発揮する。スローペースの瞬発力勝負で負けても、厳しい流れならすぐに反撃する。前走が惨敗でも、展開が向けばあっさり好走する特性を持つ。
No.〔19〕の牝系は、スピードが持続するような淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号はなしにて、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

○サドンストーム・・・ストーミングホーム×Green Desert=ミスプロ×ダンチヒ 〔6-a〕
前走京王杯2歳S2着(=東京芝1400m:0.2秒差)。中山芝コースは初で、芝1600m戦も初。今回は距離延長が鍵になると思うが、最内枠にて経済コースを通れる利点を活かし、また前走大幅場体重増(=+14kg)だったが身が入っている様子で、成長分と考えれば上積みはあるはず。好走に期待して評価する。
ストーミングホーム産駒はミスプロ系で、中距離で活躍する産駒が多い。持続する流れに強い特性を持ち、その上でキレる末脚を繰り出す。母父Green Desert産駒はダンチヒ系で、ダンチヒのスピードをそのまま受け継いだスプリンター血統。早い時期からオープン入りし、途中で壁にぶつかっても、レースで揉まれながら力をつけ、古馬になって一皮むける。時計のかかる馬場や重馬場はやたらと強い。
No.〔6〕の牝系は、直線の長いコース向きで、ハイペースの消耗戦に強い牝系。厳冬期や真夏などシーズンオフに強い特性をもつ。成長能力は早い時期から走るのだが、詰め甘にて人気を背負うと脆い傾向がある。3歳クラシックでは脇役の方が良い仕事をし、古馬になり本格化する。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

▲クラレント・・・ダンスインザダーク×ダンシングブレーヴ=サンデーサイレンス×リファール 〔9-f〕
前走東京スポーツ杯2歳S13着(=東京芝1800m:2.2秒差)。前走は惨敗だったが、不良馬場および出走前の放馬が原因と思われ、巻き返しは可能と考える(=例年前走好走馬が好走しやすい傾向だが、本馬の前走の状態は例外にしてもよいと思いました)。前々走京王杯2歳S1着(=京都芝1600m)。ゆるゆるのスローで瞬発力での上がり勝負よりも、厳しいペースで上りがかかるレースに向くタイプにて、厳しいペースになりやすい中山芝1600mには向くはず。中山芝コースは初だが、芝1600m戦は(1-0-0-0)。
ダンスインザダーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、大物を輩出するしスタミナ抜群なのだが器用さに欠け、ギアが入れば迫力満点の長い末脚を使う一方で、トップギアまでに時間がかかり瞬時に反応できないという弱点を併せ持つ。また条件戦では手間取るも能力が引き出される格上挑戦は好走のプラス要因で、産駒が好走していた重賞で産駒が好走することが多いのも特徴。母父ダンシングブレーヴはリファール系で、瞬発力勝負や緩急のある競馬を苦手とするが、淀みなく流れる展開になると距離や格に関係なく、先行しても追い込んでも無類の強さを発揮する。母父としてもここ一番で凄味を見せる血統。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

△ローレルブレッド・・・サムライハート×テンビー=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔4-d〕
前走千両賞1着(=阪神芝1600m)。中山芝コースは初だが、芝1600m戦は(2-0-1-0)。前走は2着馬オリービン(=前々走京王杯2歳S3着:0.3秒差)に0.3秒差をつける内容で好走し、このことから重賞でも好走可能な下地があると考えて評価する。
サムライハート産駒はサンデーサイレンス系で、サムライハート自身がサンデーサイレンス×トニービン配合で、母エアグルーヴと超良血。芝1600~2400m向きで、末脚の切れ味が武器。スローな流れから、じっくり助走をつけて末脚を使う競馬に向きそうなタイプ。その分、勝ちきれずに着を重ねることも多くなるかもしれないが、成長力はあると考える。母父テンビーはニジンスキー系で、仕上がりが早く、軽いスピードを持った短距離~マイル血統。ローカル、芝短距離、軽い斤量と条件が揃うと好走率が上がる。
No.〔4〕の牝系は、2歳時にも好走可能だが、3歳春から力をつけてクラシックでも好走することの多い牝系。成長能力に優れ、スタミナも豊富。2歳のこの時期はもともとの素質で走る感じだが、3歳春シーズンになると実が入り始める。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走好走からこの特性に期待する。

△トウケイヘイロー・・・ゴールドヘイロー×ミルジョージ=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔9-f〕
前走500万条件戦くるみ賞1着(=東京芝1400m)。中山芝コースは(0-0-1-0)で、芝1600mは(0-0-0-1)。前走2着馬レオアクティブは、次走京王杯2歳S1着好走。本来はレオアクティブを評価すべきだが、距離適性と外枠、差し・追込の脚質と不利な条件が揃っているため評価を下げ、その分本馬の評価を上げました。
ゴールドヘイロー産駒は地味目なサンデーサイレンス系で、ダートで活躍する馬も多いが、芝へ路線を変更しても走る柔軟性が最大の長所。芝だと外枠が好成績でもある。総じて短距離馬は差し、中距離馬は逃げ・先行を得意としている。母父ミルジョージはネヴァーベンド系で、スローペースより消耗戦に強く、前走が不振だったとしても展開が厳しくなると好走する。成長力もあり、高齢になっても蘇る馬もいる。強気な競馬をすると持ち味が活き、大レースに強い特性を秘める。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面叩いて一変が少ないタイプ。不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い。


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朝日杯FS2011回顧
朝日杯FS 中山芝1600mは外枠は本命するべからず!!

軍神マルス
08期 予想歴13年

次走狙い:アルフレード
次走狙い:マイネルロブスト


2011年 タイム 1'33"4 (良) 1FAve=11.68 3FAve=35.03

ラップ
①12.2-②11.0-③11.3-④11.4-⑤11.9-⑥12.0-⑦11.7-⑧11.9
1FAveとの誤差
①+0.5 ②-0.7 ③-0.4 ④-0.3 ⑤+0.2 ⑥+0.3 ⑦±0 ⑧+0.2
テン34.5-中盤23.3(3F換算34.95)-上がり35.6 『前傾』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎

1着アルフレード・・・シンボリクリスエス×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔4-m〕 4-3
2着マイネルロブスト・・・ゼンノエルシド×メジロライアン=ニジンスキー×ノーザンテースト 〔3-l〕 8-5
3着レオアクティブ・・・アドマイヤムーン×オペラハウス=ミスプロ×サドラーズウェルズ 〔3-l〕 15-15
4着トウケイヘイロー・・・ゴールドヘイロー×ミルジョージ=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔9-f〕 2-3
5着ダローネガ・・・ダイワメジャー×ホワイトマズル=サンデーサイレンス×リファール 〔19〕 10-8

流れは、テン-上がりのラップ差と中盤の締まった流れから『前傾』の流れ。中山芝1600mは例年締まった流れになりやすく、今年もその流れに沿った流れと考える。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れ。

1着アルフレードは、前走500万条件戦きんもくせい特別1着(=新潟芝1600m)からの好走。中山芝コースは(1-0-0-0)で、芝1600m戦は(2-0-0-0)。これまでも比較的前に位置してその上で上位の上りを繰り出し好走するタイプではあったが、今回も内枠を上手く活かし先行して厳しい流れを好走。前2走は緩い流れを好走していたため、厳しい流れになりやすい中山芝1600mに対応できるか裏付けがない状態での1番人気にて、嫌ってしまいましたが、結果問題なく強い競馬での好走。血統面から考えれば厳しいペースにも強いタイプだったと反省する。内容的にも強く、好走はそのまま評価したい。
シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。この厳しい流れへの対応能力や前走好走中で上昇中であったことなど、好走要因も多数あり、侮ってしまったことを反省する。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。この母父の特性も今回は活きたと考える。
No.〔4〕の牝系は、2歳時にも好走可能だが、3歳春から力をつけてクラシックでも好走することの多い牝系。成長能力に優れ、スタミナも豊富。2歳のこの時期はもともとの素質で走る感じだが、3歳春シーズンになると実が入り始める。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。この分子記号特性から、ものさし馬として考えやすく、現時点では2着マイネルロブストをものさしとして考えるならば、札幌2歳S好走馬グランデッツアと同等かそれ以上と評価したい(=今週のラジオNIKKEI杯2歳Sにグランデッツアが出走予定のため、その結果も参考にして世代間での能力は考えたいと思います)。

2着マイネルロブストは、前走東京スポーツ杯2歳S9着(=東京芝1800m:1.1秒差)からの好走。前々走札幌2歳S3着好走(=札幌芝1800m:0.1秒差)で、これまでの2歳S好走馬がよく好走することの多い傾向だが、本馬も札幌2歳S好走実績ありと考えるならば、もう少し評価すべき馬だったと反省する。また前走好走馬が好走することも多い傾向だったが本馬の場合は、9着惨敗からの好走。前走東京スポーツ杯2歳Sは不良馬場にて、その馬場適性も問われたレースだったと反省する。そこで惨敗しても適性の差での敗退内容と考えれば、同じように馬場悪化していなければ、重賞好走実績もある本馬なら巻き返し可能だったと反省する。この手のタイプには来年以降注意したいと思います。
ゼンノエルシド産駒はニジンスキー系で、持続力に“いいものを持っている”マイラー血統。スローの上り勝負より、平均ペースに流れる展開が合い、自分の型にはまると強さを発揮する。芝は揉まれない外枠の方が良い。一度落ち込むと立ち直りまでに時間を要するので、深追いは禁物。母父メジロライアンはノーザンテースト系で、12秒前後のラップが続く平均ペースの芝1600~2000mに適性を示すスピード持続血統。道悪やタフな馬場も得意とする反面、スローの決め手勝負は苦手。スタミナも備えている。
No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分子記号lは、クラシックで特注の記号で、能力が高くトップクラスのポテンシャルを秘めていて、成長力も豊富。

3着レオアクティブは、前走京王杯2歳S1着からの好走。毎回強力な末脚を繰り出して鋭く後方から伸びての好走が多いのだが、今回も後方から上がり34秒9の末脚を繰り出して好走。展開上一番恵まれた追込での好走だが、やはり小回り急坂コースの中山芝1600mのコースでは3着まで追い上げるのが精一杯。また外枠だったことも不利な要因だったと考える。現状東京芝コースでの好走が多いことからも、末脚を活かせる広いコースに向くのが明らかで、次走東京芝コースや京都芝コースなら反撃可能と思うが、中山芝コースならまた差し届かずも考慮すべきと考える。
アドマイヤムーン産駒はミスプロ系で、体の柔らかい産駒が多く着実にスピードを伝えるフォーティナイナー系。2歳の短距離から走れる仕上がりの早さと、芝・ダート兼用の快速スピードを持つ。今年が初年度産駒なので未だ未知数な点は多く、距離に限界のあるマイラーもでるだろうが、中距離を得意とする馬も多くなるはず。母父オペラハウスはサドラーズウェルズ系で、タフなスタミナ勝負に強い欧州型の底力血統。不良馬場など道悪にもめっぽう強い。好走が多いのは芝2000mで、ステイヤー血統とはいえ瞬発力が売りではないため、スローの芝2400mよりもペースの緩まない芝2000mの方が持ち味を活かせる。また福島・函館・中山コースなど直線の短い小回りコースなら、自ら積極的に動いて勝負ができるため好走が多い。コーナー4つならなお良い。底力を要する息の入らない流れや、タフな馬場ほど好走が多くなる傾向もある。
No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分子記号lは、クラシックで特注の記号で、能力が高くトップクラスのポテンシャルを秘めていて、成長力も豊富。

4着トウケイヒーローは、前走500万条件戦くるみ賞1着(=東京芝1400m)からの好走。中山芝コースは(0-0-1-0)で、芝1600mは(0-0-0-1)。前走くるみ賞では、今回の3着馬レアオクティブに先着し、今回は僅差の4着(=クビ差でタイムは同じ)ことから、レオアクティブとは能力は互角と考えて位置づけたい。
ゴールドヘイロー産駒は地味目なサンデーサイレンス系で、ダートで活躍する馬も多いが、芝へ路線を変更しても走る柔軟性が最大の長所。芝だと外枠が好成績でもある。総じて短距離馬は差し、中距離馬は逃げ・先行を得意としている。母父ミルジョージはネヴァーベンド系で、スローペースより消耗戦に強く、前走が不振だったとしても展開が厳しくなると好走する。成長力もあり、高齢になっても蘇る馬もいる。強気な競馬をすると持ち味が活き、大レースに強い特性を秘める。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面叩いて一変が少ないタイプ。不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い。

5着ダローネガは、前走デイリー杯2歳S2着(=京都芝1600m:0.1秒差)からの好走。中山芝コースは初だが、芝1600m戦は(1-1-0-1)。本馬の本質は小回り芝コースを前にて押し切るような持続型の流れで好走するタイプだが、前走と同じように今回も中団に位置取り、結果外々を回さざるを得ない状況で5着。改めて外枠が非常に不利なレースと再確認。本命にしてはいけないタイプだったと反省する。
ダイワメジャー産駒はサンデーサイレンス系で、力強いスピードを持ち、芝1600~2000mを得意とするマイラーや中距離型。フジキセキに近いイメージで、自身がダートを圧勝した実績もあるのでダートの得意な馬力型のタイプと、芝で鋭く斬れる脚を使うタイプと存在するはず。ダイワメジャー自身が中山芝コースで好走が多かったように、また古馬で本格化するまでは直線の長い東京芝コースや京都芝コースなどで最後につかまるレースが多かったことからも、キレよりもスピードの持続性能を活かしたレースに向くと考えますが、現時点での完成度は高い。おそらく古馬になり本格化すると鋭く斬れる脚も使えるようになると思います(=父母父ノーザンテーストの成長能力で引き出される感じと思います)。母父ホワイトマズルはリファール系で、欧州型のスタミナ血統で淀みない流れの中長距離戦で高い能力を発揮する。スローペースの瞬発力勝負で負けても、厳しい流れならすぐに反撃する。前走が惨敗でも、展開が向けばあっさり好走する特性を持つ。
No.〔19〕の牝系は、スピードが持続するような淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。分枝記号はなしにて、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。

朝日杯FSのポイントは、
①近年の流れは『前傾・中弛み』。テンは速いが、その後脚を溜めて器用に抜け出せる総合能力が問われる。
②『中弛み』の流れの分、サンデーサイレンス系が中心。『前傾』の流れは、持続型血統向き(=欧州型血統)。
③これまでの2歳S好走馬が中心。先行脚質ならより注意。前走惨敗していても不良馬場など適性が合わずに凡走した馬は反撃可能。
④阪神JF好走馬なども比較して、レベルの高い2歳戦を考えること。
⑤出遅れ経験がある馬は軸にするべからず。
⑥外枠は非常に不利。本命にはしてはいけない。


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