フェブラリーS2012予想
フェブラリーS JCDの評価とステップの傾向。

軍神マルス
08期 予想歴14年

◎トランセンド
  7着/1人気

○ワンダーアキュート3着/2人
▲エスポワールシチー5着/3人


★傾向分析★
2007年 タイム 1'34"8 (不良) 1FAve=11.85 3FAve=35.55
テン34.6-中盤24.3(3F換算36.45)-上がり35.9 『前傾・中弛み』
1着サンライズバッカス・・・ヘネシー×リアルシャダイ=ストームバード×ロベルト 〔7-c〕 10-10
2着ブルーコンコルド・・・フサイチコンコルド×ブライアンズタイム=ニジンスキー×ロベルト 〔7-c〕 12-12
3着ビックグラス・・・エルコンドルパサー×イブンベイ=ミスプロ×ネヴァーベンド 〔14-c〕 8-8

2008年 タイム 1'35"3 (良) 1FAve=11.91 3FAve=35.74
テン34.8-中盤24.3(3F換算36.45)-上がり36.2 『前傾・中弛み』
1着ヴァーミリアン・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔4-d〕 5-3
2着ブルーコンコルド・・・フサイチコンコルド×ブライアンズタイム=ニジンスキー×ロベルト 〔7-c〕 4-3
3着ワイルドワンダー・・・ブライアンズタイム×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔12-b〕 8-7

2009年 タイム 1'34"6 (稍重) 1FAve=11.83 3FAve=35.48
テン35.1-中盤23.7(3F換算35.55)-上がり35.8 『前傾・一貫』
1着サクセスブロッケン・・・シンボリクリスエス×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔4-r〕 2-3
2着カジノドライブ・・・Mineshaft×Deputy Minister=ボールドルーラー×ヴァイスリージェント 〔8-f〕 2-2
3着カネヒキリ・・・フジキセキ×Deputy Minister=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔2-s〕 4-4

2010年 タイム 1'34"9 (良) 1FAve=11.86 3FAve=35.59
テン34.8-中盤36.60(3F換算36.60)-上がり35.7 『前傾・中弛み』
1着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 2-2
2着テスタマッタ・・・Tapit×Concern=ボールドルーラー×マイナー 〔6-a〕 7-7
3着サクセスブロッケン・・・・シンボリクリスエス×サンデーサイレンス=ロベルト×サンデーサイレンス 〔4-r〕 5-3

2011年 タイム 1'36"4 (良) 1FAve=12.05 3FAve=36.15
テン35.7-中盤24.4(3F換算36.60)-上がり36.3 『前傾・一貫』
1着トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕 1-1
2着フリオーソ・・・ブライアンズタイム×Mr. Prospector=ロベルト×ミスプロ 〔4-n〕 12-11
3着バーディバーディ・・・ブライアンズタイム×Seeking the Gold=ロベルト×ミスプロ 〔1-g〕 6-5

 流れの基本は、テンよりも上がりがかかる『前傾』。
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
好走馬の多くは、先行・差し位置にて展開することが多く、逃げての好走が至難の業。

 血統の傾向は、大系統ターントゥ系(=サンデーサイレンス系・ロベルト系・ヘイロー系)の好走馬が多く、その中でもロベルト系はより好走が多いと感じます。特にブライアンズタイム産駒は相性がよく(=07年2着・08年2着ブルーコンコルドの母父、09年3着シルクシュナイダー、10年1着エスポワールシチー、11年2着フリオーソ・3着バーディバーディなど)、またシンボリクリスエス産駒も好走馬を輩出(=09年1着・10年3着サクセスブロッケン)。
 ストームバード系やミスプロ系も好走が多く、ヴァイスリージェント系にも向く傾向にて、締まった流れで踏ん張るようなタイプに向くと考える。

 また好走馬は、芝重賞好走馬が多いというのもポイントと思いますが、近年はこの傾向がやや変わりつつあり(=過去にはヴァーミリアン、シーキングザダイヤ、メイショウボーラー、アドマイヤドン、サイレントディール、アグネスデジタル、トゥザヴィクトリーなど、芝重賞好走馬の好走も多かったが09年以降は純粋にダート重賞実績馬が好走中)。ただし芝マイルGⅠ実績ありの種牡馬は要注意だし、また芝長距離GⅠ好走血統も良く好走していて(=エルコンドルパサー、ブライアンズタイム、母父リアルシャダイ、母父トニービンなど)、スピードだけでなくスタミナも必要な総合的なバランスが要るコースと考えます。

 牝系の傾向は、No.〔4〕〔7〕〔9〕が複数好走馬がいます。
分枝記号では、b・c記号馬の好走が多し。

 近年のステップは、前走JCD1着馬が休み明けでも好走(=10年1着エスポワールシチー、11年トランセンド)。JCDは暮れの阪神開催に変わり、そこから約3ヶ月以内という間隔が、休み明けでも不利とならない間隔であること、またJCDで好走できる能力はそのまま評価できることが要因なのではないかと考える。
 また川崎記念(=川崎D2100m)好走からの距離短縮での連続好走が多い傾向(=05年・06年:2着→2着シーキングザダイヤ、09年:3着→1着サクセスブロッケン・1着→3着カネヒキリ、10年:3着→2着テスタマッタ、11年:1着→2着フリオーソなど)。
 東京大賞典(=大井D2000m)からも好走馬が多く、やはり距離短縮が有効と思われる(=07年1着→2着ブルーコンコルド、08年1着→1着ヴァーミリアン・5着→2着ブルーコンコルド、10年1着→3着サクセスブロッケン、11年3着→3着バーディバーディなど)。
 逆に根岸Sからのステップは、好走馬が近年届いて3着という感じが多く(=07年3着ビッググラス、08年3着ワイルドワンダー)、なかなか1着好走は少ないです(=05年1着メイショウボーラー)。

 前年の好走馬は着順を下げる傾向(=老馬の法則)も当てはまります。リピーターの好走も過去にはありますが、近年連続して好走することが難しいGⅠのようです。

 芝からの転戦組は、ダート実績がない馬は上位人気でもあてにならず、基本的に嫌うべきと考えます。

★予想★
フェブラリーSのポイントは、
①スタミナ型の中距離馬向き。
②JCD好走馬は、休み明けでも好走可能。好走率高し。
③東京大賞典や川崎記念好走馬も適性高い。JCD、東京大賞典、川崎記念の複数好走馬は軸に最適。
④根岸S好走馬は3着候補。
⑤流れは『前傾』が基本。
⑥血統は芝長距離GⅠ血統もポイント。

◎トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕
 前走JCD1着(=阪神D1800m)。10年フェブラリーS1着馬。10年・11年JCD1着馬でもあり、阪神D1800mにコース変更後JCDを連覇した馬はいなかったのだが、本馬が初めて連覇。フェブラリーSも近年連覇した馬はいないし、前年好走馬が着順も下げる傾向(=老馬の法則)だが、JCD好走馬はそのまま好走しやすい傾向もあり、本馬の能力なら好走可能と考えて期待する。東京Dコースは(2-0-0-1)、D1600m戦は(2-0-0-1)と好走も多い条件でもある。
 ワイルドラッシュ産駒はニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ワンペース型の速力で、コーナー4つのコースの方が息が入り、安定感は高い。D1400~1800mでは特に存在感を発揮し、得意条件。母父トニービンはグレイソヴリン系でスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。一度上昇して連続好走中なら一定期間は期待出来る。
 No.〔A4〕の牝系は、米国で活躍の多い牝系。高速決着は得意だが、メリハリある流れは苦手。体力があり、シーズンオフは得意。

○ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕
 前走東京大賞典2着(=大井D2000m:0.0秒差)。前々走JCD2着(=阪神D1800m)。前走は地方交流戦の鬼スマートファルコンにハナ差まで迫り、本格化と思われる内容。東京Dコースは(1-0-0-0)、D1600m戦は(1-0-0-0)。現在の充実ぶりとステップから好走が期待でき(=JCD2着→東京大賞典2着と軸にするには最適)、トランセンドを逆転できる馬かもしれないと考えて評価し、好走に期待する。
 カリズマティック産駒はストームバード系で、馬力と持久力を持ち味とする砂の中距離血統。使われながら地道に力をつける叩き上げ型で、格上げ3~4戦目が狙い目。芝もそこそここなすが、適性は明らかにダート。時計のかかる1800~2200mが最適条件。また阪神Dコースは得意だが、東京Dコースはややさえない点だけが割引条件。母父Pleasant Tapはリボー系で、芝・ダート兼用の中長距離血統。仕上がりは遅く、条件戦で揉まれながら力をつけ、4歳でオープン入り、5歳で重賞制覇というような成長曲線をたどる。条件戦でくすぶったまま終わる産駒も多いが、大一番では怖い存在で、人気がなければないほど押さえておきたいタイプ。現在の上昇度はこの母父の成長能力によるものと考えて、好走に期待する(=Pleasant Tap産駒のタップダンスシチーのように、6歳でも上昇する)。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分子記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

▲エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕
 前走平安S2着(=京都D1800m)。10年フェブラリーS1着馬で、東京Dコースは(2-0-0-2)、D1600m戦は(2-0-0-2)。近走は以前の勢いほど盤石の状態ではなくやや衰えはみられるが、それでも11年JCD3着(=阪神D1800m:0.3秒差)、前走は不良馬場の平安Sを3走前のみやこS1着時(=京都D1800m)とほぼ同じタイムにて好走。現状装備の能力は発揮していると考えて、能力自体はやはり高い馬と考えて評価する。
 ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、タフな展開や目一杯に仕上げられた時にMAXの能力を発揮するスパルタ型。休み明けよりも叩いてこそのタイプが多い。またロベルト系は緩い流れよりも厳しい流れに向き、ペースの緩まないマイル戦はプラス要因。
 No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。この分子記号特性から、ものさし馬として考えやすく、近走のJCDの成績はそのままの評価をしてよいと考える。

△ヤマニンキングリー・・・アグネスデジタル×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔3-c〕
 前走東京大賞典6着(=大井D2000m:2.1秒差)。前走は初の地方交流戦で惨敗だったが、初ダートの3走前のシリウスS1着(=阪神D2000m)ではいきなりダートの強豪勢を蹴散らして好走。また前々走JCD7着(=阪神D1800m:0.5秒差)では、外を回して2着ワンダーアキュート・3着エスポワールシチーとは0.2秒差なら、前走の惨敗にて見限るのは早いと考えて期待して評価する。東京Dコースは初で、D1600m戦も初。また芝重賞好走歴のある馬として、過去の傾向からも期待する。
 アグネスデジタル産駒はミスプロ系で、アグネスデジタルは現役時代に芝・ダート兼用型でマイル~中距離で強さを発揮した異能のオールラウンダー。産駒もその特性を受け継いでいるようでマイル~中距離で強さを発揮し、また軽いスピードを披露しながらすぐに差しを覚える産駒も多く、脚質の幅と学習能力の高さを有している。基本は人気馬が信頼にこたえて好走することが多く、人気薄での好走がかなり稀であり、またローテーションも間隔を詰めたときに好走が多いのも特徴。前走と同じ距離を走った時の成績が良く、変化や刺激を好まない。また各馬に得意の距離が存在する。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。まだダート戦での鮮度があると考えて、好走に期待する。
 No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

△ダノンカモン・・・シンボリクリスエス×Ogygian=ロベルト×ダマスカス 〔3-d〕
 前走根岸S5着(=東京D1400m:0.3秒差)。東京Dコースは(2-4-2-2)、D1600m戦は(1-3-1-1)と好走も多い。前々走JCD5着(=阪神D1800m:0.5秒差)で良績のない距離での内容と考えると、今回D1600mという距離なら前進があってもよいと考える。ただし2・3着になることの多い馬のため、連下候補と考えて評価する。
 シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。母父Ogygianはダマスカス系で、キレこそ望めないが、ハイペースを先行させても簡単にバテないのが強みの納豆血統。芝の荒れ馬場は最適条件。パワーのいるダートも合う。
 No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。4歳時の秋が最も充実するが、5歳時は能力を維持して好走する。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走0.3秒差5着好走なら、この特性をまだ活かせる状態と判断して期待する。


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フェブラリーS2012回顧
フェブラリーS 前哨戦の内容と近走好調馬を狙え!

軍神マルス
08期 予想歴14年

次走狙い:ワンダーアキュート
次走狙い:シルクフォーチュン


2012年 タイム 1’35”4 (良) 1FAve=11.93 3FAve=35.78

ラップ
①12.2-②10.9-③11.6-④11.9-⑤12.1-⑥12.4-⑦12.0-⑧12.3
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-1.0 ③-0.3 ④±0 ⑤+0.2 ⑥+0.5 ⑦+0.1 ⑧+0.4
テン34.7-中盤24.0(3F換算36.00)-上がり36.7 『前傾』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎

1着テスタマッタ・・・Tapit×Concern=ボールドルーラー×マイナー 〔6-a〕 13-13
2着シルクフォーチュン・・・ゴールドアリュール×Alwuhush=サンデーサイレンス×ヌレイエフ 〔4-r〕 15-15
3着ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕 8-8
4着ダノンカモン・・・シンボリクリスエス×Ogygian=ロベルト×ダマスカス 〔3-d〕 7-5
5着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 5-5

流れは、テン-上がりのラップ差と中盤の弛みの少なさから『前傾』の流れ。例年『前傾』の流れは基本となりやすく、中盤が弛むか否かだが今年は締まった流れとなり、『前傾』の流れ。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れと考える。

1着テスタマッタは、前走根岸S3着(=東京D1400m:0.2秒差)からの好走。前走根岸S組は、近年フェブラリーSでは好走しても3着までの傾向だったが、今年は展開も嵌って上がり最速35秒7にて好走。10年フェブラリーS2着馬であり、東京Dコースは(1-1-1-2)、D1600m戦は(0-1-0-2)でした。フェブラリーSは前年好走馬がなかなか好走しにくい傾向があるようで、本馬は昨年は不出走だったこともあるが、好走歴があったことからもう少し評価すべき馬だったと反省する。
 Tapit産駒は、シアトルスルーにつながるボールドルーラー系で、芝・ダート兼用タイプの仕上がりの早いマイル~中距離型の血統。2歳から走るが、この父系は3~4歳時が旬で、芝・ダートとも中距離が最適で、本質は小回りを流れ込む競馬が合う。母父Concernはマイナー系で、ブロードブラッシュにつながる。ブロードブラッシュ産駒にはフェブラリーSで好走したノボトゥルーもいて、この系統は高齢になってもしぶといタイプ。異系血統にて、肉体的にも精神的にも健康さを伝える。
 No.〔6〕の牝系は、直線の長いコース向きで、ハイペースの消耗戦に強い牝系。厳冬期や真夏などシーズンオフに強い特性をもつ。成長能力は早い時期から走るのだが、詰め甘にて人気を背負うと脆い傾向がある。3歳クラシックでは脇役の方が良い仕事をし、古馬になり本格化する。分枝記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

2着シルクフォーチュンは、前走根岸S1着(=東京D1400m)からの好走。東京Dコースは(1-0-1-2)、D1600m戦は(0-0-1-2)でした。前走は追込にて好走したが、今回も得意とは言えないD1600m戦で上がり最速35秒7にて追込で好走。展開の利はあったと思うが、それでも連続して好走していることからも地力がついていると考え、今後の活躍に期待します。
 ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父Alwuhushはヌレイエフ系で、持続するスピードを持ち味とし、力の勝負にも強い。ただ本格化前は詰めの甘さがあるが、成長力は豊富。
 No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号rは、あらゆる条件を平均的にこなすタイプ。様々な経験が活きやすいタイプでもある。

3着ワンダーアキュートは、前走東京大賞典2着(=大井D2000m:0.0秒差)からの好走。前々走JCD2着(=阪神D1800m)。前走は地方交流戦の鬼スマートファルコンにハナ差まで迫り、本格化と思われる内容。東京Dコースは(1-0-0-0)、D1600m戦は(1-0-0-0)。現在の充実ぶりとステップから好走が期待でき(=JCD2着→東京大賞典2着と軸にするには最適)、1・2着馬に比べ不利な流れを3着好走したことは評価したい。またやはりJCD・東京大賞典・川崎記念とダートGⅠ近走連続好走馬は崩れにくく、軸には最適であると反省する。この手のタイプは来年もきちんと評価して狙っていきたいと思います。
 カリズマティック産駒はストームバード系で、馬力と持久力を持ち味とする砂の中距離血統。使われながら地道に力をつける叩き上げ型で、格上げ3~4戦目が狙い目。芝もそこそここなすが、適性は明らかにダート。時計のかかる1800~2200mが最適条件。また阪神Dコースは得意だが、東京Dコースはややさえない点だけが割引条件。このコース適性の分、JCDよりも今回着順を下げてしまった要因ではないかと考える。ただしストームバード系は、好調期に連続好走しやすい母父Pleasant Tapはリボー系で、芝・ダート兼用の中長距離血統。仕上がりは遅く、条件戦で揉まれながら力をつけ、4歳でオープン入り、5歳で重賞制覇というような成長曲線をたどる。条件戦でくすぶったまま終わる産駒も多いが、大一番では怖い存在で、人気がなければないほど押さえておきたいタイプ。現在の上昇度はこの母父の成長能力によるものと考えて、今後の好走にも期待する(=Pleasant Tap産駒のタップダンスシチーのように、6歳でも上昇する)。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分子記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

4着ダノンカモンは、前走根岸S5着(=東京D1400m:0.3秒差)からの好走。東京Dコースは(2-4-2-2)、D1600m戦は(1-3-1-1)と好走も多い馬でした。前々走JCD5着(=阪神D1800m:0.5秒差)で良績のない距離での内容と考えると、今回D1600mという距離なら前進があってもよいと考え、結果僅差の4着。今回は先行し厳しい流れの中3着ワンダーアキュートとはハナ差の4着という点では評価してよいと考える。
 シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳になりたての時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。母父Ogygianはダマスカス系で、キレこそ望めないが、ハイペースを先行させても簡単にバテないのが強みの納豆血統。芝の荒れ馬場は最適条件。パワーのいるダートも合う。
 No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。4歳時の秋が最も充実するが、5歳時は能力を維持して好走する。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。

5着エスポワールシチーは、前走平安S2着(=京都D1800m)からの好走。10年フェブラリーS1着馬で、東京Dコースは(2-0-0-2)、D1600m戦は(2-0-0-2)でした。近走は以前の勢いほど盤石の状態ではなくやや衰えはみられるが、それでも11年JCD3着(=阪神D1800m:0.3秒差)、前走は不良馬場の平安Sを3走前のみやこS1着時(=京都D1800m)とほぼ同じタイムにて好走。4着馬ダノンカモンとは同じように先行しての内容で、厳しい流れの中やや衰えもありタイムにも限界が出てきたと思われ、5着好走は現時点の能力と考えてよいかも。
 ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、タフな展開や目一杯に仕上げられた時にMAXの能力を発揮するスパルタ型。休み明けよりも叩いてこそのタイプが多い。またロベルト系は緩い流れよりも厳しい流れに向き、ペースの緩まないマイル戦はプラス要因。
 No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。

フェブラリーSのポイントは、
①流れは『前傾』が基本。
②スタミナ型の中距離馬向き。
③JCD好走馬は、休み明けでも好走可能。好走率高し。
④東京大賞典や川崎記念好走馬も適性高い。JCD、東京大賞典、川崎記念の複数好走馬は軸に最適。
⑤根岸S好走馬は3着候補。
⑥血統は芝長距離GⅠ血統もポイント。


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