10期 予想歴15年
◎ハナズゴール
7着/5人気
○ヴィルシーナ2着/2人
▲マイネエポナ17着/14人
△ジェンティルドンナ1着/3人
【最終予想】
上位2頭と目していた馬が1,2番人気、ジェンティルドンナ3番人気とちょっとなんだかなあという感じなので、どうせなら強さを信じてみようと思う。
◎ハナズゴールは言うまでもなくチューリップ賞の内容。もう言うまでもないが淀屋橋Sとの時計・ラップ比較からもGI級の能力の持ち主なのは間違いない。ただ、ジェンティルドンナだけはここでラップ的に上手く競馬が出来なかったので、それ以外には圧勝と言って良い。この馬の良さはとにかくトップスピードとその持続力がどちらも高いレベルで半端ない。反面、覚醒前はちょっとペースが上がるぐらいで脚を使ってしまって終い伸びきれなかったりという面もあって、序盤いかにゆったりまったり運ばせるかがポイントではないかと思っている。NHKマイルのタフな馬場で終いそれなりに伸びてはいるが、相手も強力だったし、明らかに叩き台の競馬をしていた。パンパンの良馬場でも凄い切れ味を引き出せる馬。血統的に完璧に距離延長が嫌われているが、サンデー系種牡馬に現役成績と種牡馬傾向が一致する馬の方が少ない。嫌われるなら思い切って。
〇ヴィルシーナはディープインパクト産駒でも反応が抜群にいいタイプ。こういうタイプはオークス向きというのは間違いない。ただ瞬発力があるというほどではなく、むしろ桜花賞でも最速地点よりはL1で粘りを見せてアイムユアーズを退けているように、基本的には切れ味の持続力と、勝負所での反応の良さが武器だろう。今の馬場ならこの反応の良さは他の馬と比べても圧倒的に有利だし、本質的な距離適性はともかく、この時期の2400m牝馬限定なら折り合って反応出来れば距離はこなせる。切れ味も足りるし、位置取りの差で押し切るとすればこの馬だろう。
△ジェンティルドンナはやっぱりどう考えても仕掛けがワンテンポ遅れそうでこれが気がかり。東京2400mだとこれが致命的になるので、自信をもって競馬が出来ないと難しいと思う。ただ、マイルしか実績がない分、相対的に距離延長が嫌われている感じではあるので、逆にねらい目ともいえる。シンザン記念のパフォーマンスはハナズゴールに匹敵しうるものだったし、実際に桜花賞を勝った馬。ここまで評価が下がるのは流石に不当。器用さで取りこぼすことはあっても、しっかりトップスピードに入れば通用するはず。
マイネエポナはフェアリーSで緩めて再加速戦で粘った点を評価。オークスでも先行して二の脚でという競馬は合うはずで、能力はともかく、位置取りの差で粘り込みを図れる馬場でもあって、ヴィルシーナにかわいがられるような展開なら面白い。
ミッドサマーフェアはやはりパフォーマンス的にはハナズゴールやジェンティルドンナには見劣る馬なので、距離延長が良さそうなのは確かだが、それ込みでオッズが押し上げられているので狙いを下げる。基本的には本格派の馬で、ちょっとでも緩んだりすると、器用さという点で相手は前走の比ではないので。
基本的には桜花賞上位2頭を評価。アイムユアーズはファルブラヴの仔が東京2400mを勝つとは思えないので、消し。来たらごめんなさい。
【展望】
桜花賞がディープインパクト産駒のワンツーで決まり、期待されていたジョワドヴィーヴルが大惨敗。2歳冬で描かれた勢力図が一変し、新たな段階に進んでいる2012牝馬クラシック路線。今年は、桜花賞3着までは実力馬が入り込み、そこに別路線のトライアル組が入り込む。注目すべきはフローラSを驚きのキレ味で突き抜けた馬。一頭破格のパフォーマンスを見せていて、桜花賞組に引けを取らない。チューリップ賞で2歳女王と後の桜花賞勝ち馬を相手に圧勝した馬も参戦。それにスイートピーS勝ち馬、桜花賞残念組と、脇を固める馬も多い。2歳女王こそ脱落したが、今年の牝馬クラシック路線を総括するレースに相応しい実力馬が揃った。
◎中心は桜花賞の内容に勝るとも劣らない、フローラSで衝撃的な完勝を飾ったミッドサマーフェア。打倒社台へ向けて、ダーレー・ジャパンが送り込んできた刺客は、桜花賞こそ出られなかったが、中距離でパフォーマンスを上げてきた。君子蘭賞では大外からぶっこ抜いて末脚の持続力を見せつけての圧勝。ヒストリカルが勝った毎日杯と比べても、時計的には遜色ないパフォーマンスと言える。あとは東京の軽い馬場での瞬発力勝負でどうかといった課題があったが、前走で想像以上の内容でしっかり抜け出して圧勝。最大のポテンシャルはやはり持続力ではあると思うが、前走のレースレベルはともかく、しっかりとトップスピードの速さを見せた。ここ2走で大きくpフォーマンスを上げてきていて、やはり本格派の馬だと思われる。血統的にもタニノギムレットにキングマンボ。東京1600~2400mを走るために産まれてきたような配合。しかしクイーンCを見ても、1600mは本質的に短い印象なので、この距離で得意のトップスピードを持続させるような展開に持ち込めれば、勝機は当然見えてくる。クイーンCの敗因は位置取りと内有利馬場での出し抜けを食らう形。やはり怖いのはペースが緩んでからの瞬発力勝負になった時か。前走は距離延長もあったが比較的前目で競馬ができたし、先行力という点でも少しずつ弱いところが解消してきている印象。瞬発力勝負に持ち込ませないためにも、対応するためにも、ある程度の位置から競馬が進められれば。ただし、トップギアに入ってしまえば長く切れる脚を使えるだけに、後方からでも仕掛けを早めることで対応できそう。この辺りは展開次第でしっかり判断してもらいたい。最初から決め打ちでポジションを確保するのではなく、序盤の展開に合わせてベストポジションを確保できれば。能力は確か、後は相手関係だけでしょう。桜花賞組も強敵だが、2400mとなるとこの馬に浮上の目がある。
〇相手筆頭には桜花賞組3強の中から2着に敗れたヴィルシーナ。黄菊賞ではブライトラインに平均ペースで敗れてはいるが、5戦で複勝圏内を外さない抜群の安定感はメンバー随一。その秘密は、安定したテンの速さと、勝負所での反応。クイーンCで完勝したときは内有利という条件ではあったが、13.0 - 11.5 - 11.0 - 11.4というかなり中だるみがあって瞬発力が問われる競馬でも、番手からしっかり伸びてくる反応の良さ、そしてそこからラップを大きく落とさないキレ味の持続力を持ち合わせているのはかなり大きい。直線入りで仕掛けられるとすっと反応して楽にスピードに乗れ、そこから更にもうひと粘りできるのだから強い。桜花賞ではそれよりもひとつポジションを落としたが、しっかりと折り合えていたし、最速地点の直線入りでは反応良く伸びてきていた。L1でもしぶとく粘りこめていたのである程度時計勝負になってもパフォーマンスを落とさなかったという点と、折り合いで不安がなかったという点は評価できる。瞬発力があるというよりは、序盤の先行力と反応の良さでカバーできている感じで、実際最速地点よりもL1で盛り返すことが多い。ポジションセンスというのは昨年もそうだがオークスでは極めて重要で、特に先週のように高速馬場になってくると、直線入りで進路が空いているかいないかは非常に大きい。エリカ賞でもスローの競馬に対応して2000mを勝ちきっている。この時もL1の落ち込みで逃げ馬を捕えている。早めに仕掛けてセーフティリードを作って後続を抑えきる形がベストか。2400mへの不安という点ではほかの桜花賞1,3着馬に比べると少ないし、なにより自在に競馬が進められるという点は大きい。この舞台で逆転を誓う。
△3番手には桜花賞馬ジェンティルドンナ。相棒の岩田康誠が騎乗停止で川田が替わるのだが、この辺りは地味に不安材料かもしれない。川田は牝馬との相性があまり良くなくて、基本的にはバテた馬を粘らせる技術に秀でた騎手だと思っている。それだけに、ポジショニングや勝負所での動き出しが難しい東京でジェンティルドンナという長くいい脚を使える馬という点では脚を全て出し切れるかどうかが焦点になってくると思われる。桜花賞では割と平均的な競馬になったこともあり、直線で鋭く伸びて脚を使い切ることができた。シンザン記念では好位から早めの競馬、 11.6 - 11.9 - 11.7 - 11.9とL4最速で脚を使い切る競馬で粘り通した。逆にスローから12.2 - 12.2 - 11.3 - 11.8と、2F勝負で瞬発力を少し問われた舞台では最内で動けず、脚を余す展開。この馬にとって一番不安なのはこの辺りだろう。すっと反応してトップスピードに入るという馬ではないので、多少ロスがあっても自由に仕掛けられる位置にいるか、或いは前目につけるか。馬群の中でじっとしておくというのは、緩んでしまった場合勝負どころで自由に動けないリスクが高いように感じる。1600しか経験していないという点は不安材料で、馬の距離適性がどうというよりも、陣営が不安に思って馬群の中で壁を作ってというような発想にならないかどうかだろう。シンザン記念のパフォーマンスは相当に高く、時計的観点からはハナズゴールのチューリップ賞の次点になるほどのもの。ここでは地力は最上位。あとは2400mでも自分の競馬に徹することができるか。テン乗り川田にそれができるかどうか。不安材料は確かにある。
4番手にはチューリップ賞で衝撃のパフォーマンスを見せたハナズゴール。ジェンティルドンナやジョワドヴィーヴルらを問題とせずに外から鋭く伸びてきたという内容。正直言って、このレースを見たときに桜花賞はこの馬だとも思いました。時計・ラップ的な評価では準OPの武庫川Sよりも上の内容。それだけに桜花賞を取り消したというのは痛いし、NHKマイルを使ってきたものの、後方から脚を使っての7着という結果にはどうにももどかしさすら感じられ、中1週でオークスというかなり苦しいローテーションということも含めてマイナス材料ばかりが取り沙汰される状況となってしまった。覚醒前のハナズゴールは、前半ペースが上がって追走に脚を使わされて良くないパターンが多く、3走前、2走前とスローでキレ味とキレの持続力勝負になった時にパフォーマンスを大幅に上げてきている。血統から高松宮記念馬オレハマッテルゼにシャンハイと、明らかに短距離志向の血統というイメージではあるが、ラップ推移からするとゆったり運べた方が末脚を活かせているだけに、距離延長でマイペースで進めた方が逆にキレ味を出しやすいか。トップスピードの凄さは、チューリップ賞で証明済み。相手関係からも決して見劣らない一頭。ここへの過程こそ見劣るものの、逆に人気の盲点となるようであれば、一考の価値は十二分にある。いずれにせよ、出てこなければ話にもならないし、出馬表が決まってからでも遅くはないか。
桜花賞3着、フィリーズレビューの勝ち馬アイムユアーズも巻き返しを図る。フィリーズレビューではハイペースで厳しい展開の中、3番手から突き抜ける圧倒的な競馬。レースレベルがそれほど高くはなかったのだが、地力戦で強いパフォーマンスを見せてくるあたりはファルブラヴ産駒と言ったところ。ただし、この馬の場合はそれまでのワンカラットやエーシンヴァーゴウ、ダンスファンタジアといったような、明らかに距離の壁があってスピードタイプというような単純な馬でないということだけは付け加えておきたい。この馬はJF、桜花賞とレベルの高い阪神外1600mで好走しているわけで、多少なりとも距離をこなすだけの余地を残した競馬をしている。桜花賞に関しては多少スピードが問われたことも大きいが、最速地点ではヴィルシーナをも勝る末脚の速さを見せている。この辺りに東京2400mをこなすだけの素質を感じる。それと、距離に関わらず積極的に勝ちに行くポジショニングの天才ウィリアムズが騎乗する。ばてたらそれまでというような決め打ちの競馬ができる騎手であり、そして案外持たせてくれることが多い。この辺りがこの条件でどう影響するかだろう。能力は高いが、基本的にはスピード持続力が武器で、ベストパフォーマンスは1400mであることも事実。それだけに不気味さもあって。
距離が伸びて不気味なのがトーセンベニザクラ。フェアリーSでは中だるみがあった分、差しが届いたというような感じで、アネモネSの内容や、ペースが割と早かった桜花賞のパフォーマンスからも、マイルでスピードを問われると決め手を欠く印象がある。反面、赤松賞では、スローでL3最速戦。スローからキレ味を出し切る競馬で最内ロスなく進めて突き抜けていて、ここでは覚醒前とはいえハナズゴールを破っている。すっと反応する脚も少し足りないし、序盤ペースが上がって良いタイプでもないので、マイル前後ではもしかすると距離不足だった可能性がある。この距離に延びることで、競馬がしやすくなるようだと少し怖い。自分から動いて積極的な競馬が必要ではあるが、どの条件でも一度もばてていないというのは本当に魅力的。ただし、距離が伸びて楽になったと言っても、反応や瞬発力では少し見劣るので、スローならば早めに押し上げていく必要はありそう。3Fの瞬発力勝負で大外からぶっこ抜けるほどうまく加速でき、キレ味があるというわけではないので。
忘れな草賞でセンス抜群の抜け出し完勝を果たしたキャトルフィーユも侮れない。前走はテンが遅い流れとなって、楽に番手の位置を確保できたのも大きいが、4F勝負で 12.0 - 11.9 - 11.6 - 12.3とL2最速地点でしっかりと抜け出す強い競馬。相手関係もそれなりの中での完勝で、距離が伸びて良さが出たという印象。フラワーCでは位置取りが悪すぎた印象で、最後は一番いい脚を使っていたし、この辺りが距離延長で快勝してくれば面白い存在。ハイレベル戦だったアルメリア賞でも13.3 - 12.4 - 10.8 - 12.2とL2最速戦でそれなりのキレとL1の粘り強さを見せた。相手がマウントシャスタやタムロトップステイだったことを考えれば十分。マイルではパフォーマンスが足りない馬で、1800m以上で結果もついてきている以上、中距離以上に適性がある可能性は高い。先行力という点では特筆するほどのものはないので、この距離で楽に先行できるようなら面白い存在だ。ただし、ある程度前目を意識しないと、スピード面で見劣るので、半端な位置になると苦しくなるかもしれない。この辺りは騎乗面で問われる部分もあるか。
フローラSでミッドサマーフェアに完敗したものの何とか権利を確保したアイスフォーリスがこの距離で一発を誓う。前走はスローという流れの中で、ミッドサマーフェアにキレ味、キレの持続力共に見劣り、位置取りの差を作れず完敗した形。1800~2000mで実績があり、普通に考えれば桜花賞組より距離不安は小さい。2400mという距離で競馬をする以上、不安なく積極的にポジションを取りに行けるという点はプラスに働くだろう。2400mという距離もあって、オークスは単純なキレ味勝負にならないことも多い。特に意外とここ数年は団子の瞬発力勝負にはなっていなくて、比較的縦長でポジションの差が大きくなりがち。番手で競馬して、4角でリードをいかに広げて直線を迎えるかだろう。ミモザ賞ではL3でペースが上がる前に仕掛けて、L2の最速地点で押し上げて先頭に立ち粘っての2着と、こういった積極策をこの舞台でもできるかどうか。直線でリードがないまま瞬発力勝負では分が悪いが、どういう作戦を練ってくるかによる。
桜花賞で完敗のオメガハートランドがオークスで巻き返しを狙う。フラワーCでは12.5 - 12.3 - 12.3 - 12.9という流れで3角から仕掛けて大外を押し上げて直線で鋭く伸びてきた。桜花賞は確かに伸びあぐねたのは確かだけども、内枠で4角まで進路がなくポジションを落とす競馬。そこからすっと反応できるような馬ではないし、うまくトップスピードに入れることができずに持ち味が活かせなかった。クイーンCを見てもフェアリーSを見ても、トップスピードに入るまでに少し時間がかかるタイプで、中だるみがあったところでスムーズに押し上げられたフェアリーSですら、伸びてきたのはL1になってから。ほかの馬と比べても、この辺りがこの馬の不器用さを表している印象。それだけに、この舞台だと軽視できない条件といえそう。器用さを欠く馬だが、トップスピードにさえ入ってしまえば長く脚を使えるしキレ味もそれなりにある。あとはこの馬も積極的な仕掛けができるかどうかだろう。まだ底を見せているわけではないし、距離延長で逆転の要素もありうる。圏内には入ってきてもおかしくないが。
▲桜花賞で果敢に先行するも潰されたマイネエポナがこの条件で穴をあけるか。中弛みがあって2F勝負となり加速をつけてきた差し馬有利の展開の中、番手で粘ったのは評価できる内容。レースレベルはさほどでもないが、この中では一番の競馬だったと言える。アネモネSではハイペースを刻んで結果パララサルーに差されたもののこの内容もまた評価できる。桜花賞では坂の手前までは頑張っていたし、上位には離されたがそう悲観する必要はないだろう。距離延長で積極的な競馬が必要にはなるだろうが、フェアリーSでは緩めながらも終いしっかりしていたし、距離不安はあまり感じない。それでもパフォーマンスとしては上位と差があるだけに展開の恩恵は必要だろう。
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