10期 予想歴15年
◎ラッキーナイン
11着/7人気
○ローズキングダム13着/9人
△フィフスペトル7着/16人
【最終予想】
え~すみません、ガラッと予想変えます。展望の時点ではマイル戦線を軸にしてきたけど、そもそもマイル戦線のレベルが疑問で、時計的にも32秒を切ってくる可能性が高いのに持ち時計的に微妙な馬、レース内容的にも微妙な馬ばかりなので、いっそ考え方をはっきり変えて、マイル戦線のレベルを疑問視し、力があると思った1頭を中心に人気を落とした馬を拾う方向で。
◎ラッキーナインはここでは力最上位は間違いないと思う。普通に考えて今の貧弱な日本のマイル路線、香港の持続力は凄まじい、シルポートがかなり飛ばせばペースは淀みなくなり、そうなればピュッとした加速力を問われない本質的なスピード勝負。チャンピオンズマイルではグロリアスデイズに屈した形だが、今回は前が止まらない府中の馬場。機動力は活きる。それに、スプリンターズでも不利がなければ恐らく勝ち負けだったはずで、昨年香港Sでカレンチャンを沈めているし、能力という点では疑う余地はない。しかも今回は内枠を確保でき、絶好位置を確保できてなおかつ捌けるプレブル。条件は全てこの馬にプラスに働いていると思うし、その上で能力も最上位なら素直にこの馬を本命にする。やっぱり日本の馬場に適応できている馬は積極的に狙いたい。
〇にはローズキングダム。これも少し無茶かもしれないが、大阪杯は馬場が重く、天皇賞ではそもそも競馬になっていなかった。大体2400mでもちょっと長いぐらいの馬だと思っている。大体この馬が高いパフォーマンスを出すときは往々に高速馬場が付きまとう。基本的には切れ味、トップスピードの速さが武器の馬なので、本来ならハイペースは合わないと思う。それでも宝塚記念4着時は、かなり平均的なスピードが問われながら、エイシンフラッシュと差のない競馬。これを見ても、高速馬場ならペースが上がって悪いとは思わない。天皇賞はオーバーペースだったが、マイルなら追走力もあるし、そこからの切れ味も発揮できる可能性は高い。何より、今の豊にもう一度表舞台に立ってほしいという願望もある。ここは流れに沿って、やっぱり豊だなと思わせてくれるような騎乗を見せてほしい。
△フィフスペトルは持ち時計を評価。大体今の馬場でシルポートが飛ばすと考えれば31秒台の競馬は考えておかないといけない。京成杯では平均ペースで突き抜けていて、この馬のポジション力とある程度の決め手、更に立ち回りがうまいノリ。ここはかなり人気を落としているが、実力的には本来ガルボやコスモ辺りよりは上のはず。適性面も含めてこれを取った。
ヒモには最内でハイペース嵌った時のダノンヨーヨー、そして良馬場で高速馬場なら怖いリアルインパクト。
ガルボは条件は揃ったけど、本質的にハイペース向きの馬ではないと思っていて、シルポートが飛ばす展開を想定するなら、この馬は序盤に脚を使ってダメという可能性が高い。力勝負向きではなく、あくまである程度のペースである程度の位置からそれなりにキレる脚を使えるというタイプ。持ち時計的にも足りないわけで、良馬場なら苦しい気がする。
サダムパテックは切るには勇気がいったけど、切った。人気というよりも、やっぱり今のマイル戦線のレベルを疑問視した方が良いような気がした。前走も上位陣総崩れなわけで、マイル路線で力的に足るかどうかは正直なところ本当はまだわからないんじゃないかと。底は見せていないとは思うけど。
【展望】
日本馬だけでもGI馬が6頭と豪華なように見えて、実際はそういうレベルにない大混戦。何せその6頭のGI馬の全ての馬が今年は勝てていない。その代りに、台頭してきたマイラーたちが数多く登録し、更に海外馬からはチャンピオンズマイルを勝った馬ではない2頭が登録。マイルがベストとは言えない2頭に、日本の実績馬は揃って出だしが悪く、他の馬もスランプから復調してきた馬が中心。何とも言い難い微妙な雰囲気が漂う今年の安田記念。この陰鬱な雰囲気を払拭し、次代のマイル路線を牽引していくのは果たしてどの馬か。
中心は流石に日本馬から、ディフェンディングチャンピオンのリアルインパクト。昨年は戸崎の手によって3歳にして史上初の安田記念馬となった。この時は内をうまく立ち回り、直線で中目に出すとL3最速戦の流れでも早めに先頭に立ち、最後は外からストロングリターン、スマイルジャックの強襲をギリギリ退けての戴冠。毎日王冠ではスローから12.0 - 10.9 - 11.1 - 11.6とL3最速戦の流れで、これも好位からしっかり直線序盤で抜け出す。L1ではやはりどうしても脚が鈍ったが、差された相手が強敵ダークシャドウ。ダンス産駒得意のL3最速L1落ち込み高速馬場の末脚出し切り戦。この時点では間違いなく現役マイル路線ではトップクラスのはずだった。が、道悪のマイルCSでは中団やや前目から競馬を進めるのだが、11.9 - 11.8 - 11.6 - 11.9と4Fの平均的な持続戦となっていて、勝負どころで反応がなかった。これは完敗の類で、これまでのパフォーマンスから見ても持ち味を完全に殺されていたように感じる。これはヤヤオモでハイペースとなったマイラーズCでも同じで、瞬発力を活かせない競馬になったのがここまで大きく崩れた敗因の1つではないかと思われる。中山記念でも、やはり動き出しの鋭さに欠けてジリジリとしか脚が使えなかった。通ったところが良かったのもあり、なんとか3着にはという内容だが、これまでのパフォーマンスから考えてもかなり落としてきている。阪神Cはハイペースを追走して脚がなかった。掴みどころはないのだが、一つだけ確実に言えるのはこの馬の持ち味は軽い馬場で一瞬にして加速できる瞬発力だということだろう。それだけに、やはり今の超高速馬場の東京マイルという条件ならば逆転してくる可能性は大いにある。今回はシルポートの出方によるところが大きいが、ペース自体は出来るだけ上がらない方が良いタイプなのは確かで、この辺り追走しすぎると持ち味の瞬発力が相殺される可能性はある。今の高速馬場だと、シルポートがペースを上げきれない可能性もあり何とも言い難いが、東京のマイル戦ならある程度の高速決着には対応できるのは昨年で証明済み。昨年と同じ舞台で復活を果たせるか。
相手筆頭に勢いで上回っている復活馬ガルボ。なかなかコスモセンサーと一進一退を繰り広げている馬なのだが、この馬の良さはマイルでこそのものであると近走の内容からも明らかになってきたように思う。前走ダービー卿CTでは、スローペースで中団からの競馬というこの馬らしくない競馬になった。L4から11.4 - 11.6 - 11.8 - 11.3と加速してはいるのだが、最速地点はL1。直線でしっかり伸びてくると、L1では他の馬の追撃を許さず一番いい脚で抜け出した。これまでイマイチだった1400のスピード持続戦中心から、マイルに変わって明らかに上昇。同じマイル戦でもハイペースのスピード持続戦となったニューイヤーSではコスモセンサーに完敗しているように、ある程度のペースからしっかりと決め脚を出し切る競馬がベター。マイルなら上位のスピードに、そこからの末脚の持続力に秀でているタイプ。東京新聞杯でも先にコスモセンサーに抜け出されたが、11.7 - 11.1 - 11.3 - 11.8のL3最速戦、L1の落ち込みでしっかりと捕えたように、基本的には脚を出し切る競馬が望ましい。近走は時計的にも充実しているし、相手関係を考えてもここでは最上位を張れる馬のはず。それでも、やはり低迷期の不安定さを考えると、今の勢いを素直に信じていいものかどうかという点はやはり悩めるところ。東京新聞杯では相手にも恵まれたし、その上で内有利の馬場。今週も引き続き内有利となるかどうかは定かではないし、この辺りは人気と当日の状況を踏まえて慎重に取捨選択したい。それでも、やはりシンザン記念勝ちからの低迷、そこから立ち直っての重賞2勝は完全復活だと思いたい。
3番手には前走京王杯で復調の兆しを見せたストロングリターン。後方からしっかりと伸びてはいるのだが、上位3頭と比べると、脚色で目立つところはなかった。とはいえ、何せ半年以上の間隔があった休み明けでしかも故障明けを考えると悪くない競馬だ。昨年の京王杯勝ち馬だが、この馬の良さはトップスピードの持続力とある程度の位置で競馬ができる点。京王杯でも安田記念2着時でもL3最速戦、L1のバテ差しで伸びてきている。これはガルボとよく似た形ではあるのだが、流石にガルボより前で競馬できるわけではなく、序盤のスピード面では見劣る。しかし、その分、トップスピードのキレ味はガルボより遥かに上。昨年の安田記念ではやや後方から直線を向いたが、11.6 - 11.2 - 11.6 - 12.2の中で直線のどの部分でもしっかり脚を使って伸びてきているように、キレ味も持続力も持っている。トップスピードと持続力を共に持ち合わせている、ロベルト系特有の破壊力は侮れない。鉄砲は得意としている馬だが、前走はまだ良さが出きっていなかった印象。直線に入る前からやや反応が鈍かった。叩いて2走目で、マイル戦。ペースが上がること自体は歓迎の口だし、良馬場でL1が落ち込み脚を出し切るような競馬なら当然上位。内を立ち回って好走してきた昨年の京王杯、安田だけに、今回も内有利馬場が続くようなら内枠を望みたいところか。昨年の春のマイル路線を引っ張ってきてくれた馬だけに、昨年の惜敗の無念を雪ぐことができるか。
穴どころにはヴィクトリアマイルで馬群を割って伸びてきた昨年の桜花賞馬マルセリーナ。実は3歳秋から古馬に揉まれても意外と安定しているマイル路線の1頭。阪神C、阪神牝馬Sと共に地力戦になりやすい阪神1400mである程度の位置から競馬を進めて伸びてきている。この辺りはかなり評価できるポイント。番手で出して競馬して折り合いを少し欠き、脚をなくしたローズSを除けば、必ず終いは伸びてきているように、持続力は意外と侮れない。反面、やはり序盤のスタートは決してうまくなく、出が悪くても押し上げられる枠の方が良いだろう。ヴィクトリアマイルは序盤で出負けしてポジションがどうしても後ろになってしまった。最後は伸びてきたが、中盤に多少緩んで3F勝負では圏内まで食い込んでくるのは難しかった印象。そういう意味でも緩みがあるレースよりは、一旦スピードに乗ったら大きく制御する必要のない一貫ペース向きのように感じる。桜花賞でも前がばてたから届いたともいえ、オークスでは位置取りも悪かったが、前が大きくばてない競馬になって伸びきれなかった。秋華賞は前残りの展開で平均ペース。位置取りが致命的だった。今の府中も前が大きくばてない展開にはなりやすいが、ヴィクトリアマイルを見ても、トップスピードはここに入ってもトップクラス。持続力も十分にある。あとはそれをどこで使えるかだ。前にポジションを取りに行っても極端に脚をなくす馬ではないので、追走に脚を使ってみてほしい。高速馬場でもパフォーマンスを下げなかったし、今回の相手ならば意外とどうにかなってもと思わせる馬。
京王杯で弥生賞以来の復活勝利となったサダムパテック。高速馬場化で平均ペースの中、割とスピードが問われる展開ではあったが、中団から鋭く抜け出しての完勝だった。ただ、相手関係を考えると、評価という点ではなかなか難しい。有力馬が皆後方からの競馬になっていて、ちょうどいい位置で競馬ができていたというのもあった。軽い馬場でのスピード勝負に対応してきていて、単に脚を使わされて良くないタイプというわけではなさそうなのだが、やはり東京新聞杯の惨敗が気がかり。確かに内有利の傾向が顕著ではあったしかなり折り合いを欠いてはいたのだが、それにしても時計的に1.4も離されてしまっているのは。金杯も平均からややハイペースで脚を出し切れる競馬となりながらも伸びきれなかった。京王杯の内容だけならマイルでもと思えるのだが、これがウィリアムズマジックなのか、1400mで極端にペースが上がらなかったのが良かったのか、単に調子が戻っていたのか。この辺りが判断の難しいところ。ただ、個人的には東スポ杯で最速地点でグンと突き抜けたように、高速馬場で自ら加速できる瞬発力があるというイメージがあるので、基本的には序盤に脚を使わない方が良いような気はする。これはセントライト記念や金杯で伸びきれなかったという点でもそうだし、基本的には動き出しの速さで勝負する馬だと思う。その点でも東京マイルは本来は合っていいはず。東京新聞杯の敗因を折り合いで全て完結するなら、今回はそんな不安とは無縁のウィリアムズ。実に怖い。ただし、依然マイル以下での時計的な強調は出来ないのも事実で、ペースが上がってパフォーマンスを上げたことがないという点は純粋に不安材料といえそう。シルポートが引っ張る展開、更に今回はある程度突きそうなコスモセンサーにガルボがいる。単純な競馬にはならなそうなので、不安材料は不安材料としてしっかり把握しておきたい。
東京で名誉挽回できなかったGI2勝馬グランプリボス。京王杯ではかなり後方からの競馬にもなったが、脚色も特筆できるほどのものではなく、上位陣には離される形となった。外差しが利いていた競馬だっただけに、位置取りや枠はあまり言い訳にならないところもあるか。ここ数走で好走と言えるのは阪神Cだけ。しかしこの時は3着馬フラガラッハやマルセリーナ辺りは完封しているだけに、単純に実力が衰えたというわけではないと思うのだが。本来は軽い高速馬場で勝負どころでトップスピードにすっと入る絶妙の瞬発力とその持続力が武器。NHKマイルでは中団やや前から、直線序盤で馬群を捌いて進路を確保すると、L2からしっかり伸びてL1で突き抜けた。11.9 - 11.3 - 11.4 - 11.9とL4-3の加速で馬群の中にいながら弾いても減速せずにしっかりと伸びを見せているし、そこからの弾け方は素晴らしかった。なので、この瞬発力がペースが上がることと、3角の坂で相殺される京都という舞台が不得意という点はなんとなくわかる。マイルCS・マイラーズCはそれ以前に道悪も大きかったような気はするが、スローのスワンSでも勝負どころですっと動けなかった点からも、下り坂は良くない。東京でこの瞬発力を活かしたいところ。それだけに、前走の敗因が掴めないという点はつらい。多少平均ペース向きとはいえ、同じような位置にいた馬にすら負けていた。脚を使って押し上げたという点もあるが、出負けして後ろからになったのも辛かったかも。好走するにしても、今の状態ならロスなく立ち回ってという条件が付くような気がしますね。ペースが上がって追走に脚を使うと良さが消えるような気が。いずれにせよ、取捨がかなり難しい。
ヴィクトリアマイル組からはドナウブルーも圏内に入ってくる。前走ヴィクトリアマイルでは前後半がやや早く、やや中弛みがあって勝負どころで器用さが問われた競馬となった。直線入りでホエールキャプチャを内に見ながらじわっと仕掛けるような感じになったが11.8 - 11.5 - 11.2 - 11.5とL2最速地点でホエールキャプチャの瞬発力で一気に出し抜かれる形。L1で外からジリジリと伸びているように、この馬としては平均的な脚を使っている印象で、個人的には前走は序盤から早めに仕掛けて押し切りを狙った方が良かったのではないかと思っている。この馬も今となっては二冠牝馬の姉というレッテルを貼られてしまったが、この馬も京都マイルの重賞勝ち馬。平均ペースで好位から押し切っているように、完全にスピード持続戦向きの馬だと思っている。高速馬場で先行し、脚を出し切る舞台が望ましいと思うので、緩んでの瞬発力・キレ勝負に特化するよりはむしろ、厳しいラップを刻んでくれる牡馬混合戦向きではないかと思っている。ただし、今回は確実にいい位置を確保してくれるウィリアムズがサダムパテックに乗るので、川田に乗り替わりの予定。これが吉と出るか凶と出るかという点はある。緩急さえなければ、好位のポケットで進めるのが馬場状況からも最も理想的だと思うので、内枠か、シルポートの近くの枠を引いてうまくその後ろを確保できれば。まだ平均ペースのマイル戦では力を出し切っていないはず。京都牝馬Sの後半4F11.7 - 11.4 - 11.7 - 11.8での押し上げは不気味で。
ローズキングダムがここに武豊を擁して出走。マイル路線に疑問符はつくが、2歳時とはいえ朝日杯勝ち馬。1600mのGIを勝っているという点は忘れてはいけないか。何より2着馬はマイルCS勝ち馬エイシンアポロン、4着馬はここでも中心の1頭であるガルボ。それらを完封しているだけに、マイルだからと侮っていい馬ではないだろう。この馬の持ち味は京都大賞典、ダービー、JCと数々ある好走の中からもわかるように、基本的にはトップスピードの速さ。持続力はそこまではないのだが、トップスピード自体はエイシンフラッシュやブエナビスタにも見劣らないほど。平均ペースの皐月賞や宝塚記念、または2011年の日経賞、日経新春杯を見てもL3最速戦で完敗してしまっている。しかしJCはL3最速戦で2位入線、京都大賞典でもL3最速戦だが普通にビートブラックを退けている。レースレベルの違いはもちろんあるのだが、もしかするとこの馬は冬~春にかけての時計が掛かる重い芝が合わないという可能性はある。実際3歳時でもスプリングSでは明らかに格下に完敗しているし、ダービーや神戸新聞杯では極上のキレ味を見せている。この辺りからも、今の超高速馬場ならむしろこの脚を引き出せる可能性はあるかもしれない。ただし、持ち時計は足りない。それでも、天皇賞ではハイペースをある程度の位置で追走できていたし、宝塚記念では平均ペースながら意外と最後まで伸びていて、ブエナビスタと0.1差、4着ルーラーシップ以下とは0.6差の差をつけているように、高速馬場という条件ならば、あらゆる可能性を排除してはいけないような馬だと言える。前走天皇賞はごまかしがきかない平均ペースで距離、大阪杯は重い馬場でキレ味を削がれた。有馬記念は3F勝負でL1最速。いくらなんでも最後方で動かなければ苦しい、JCはロンスパ戦で消耗、秋天は超ハイペース。一応の言い訳は出来なくもない。どうせ穴人気するのは間違いないし、本来ならば手を出せるほどの条件ではないとは思うが、高速馬場ならば何かをやってのける可能性は否定できない…。
三冠牝馬が終わった…と誰もが思ったであろうヴィクトリアマイル。決して悪い競馬ではなかった。確かに多少緩んだし、昨年のVMと違って勝負所での瞬発力を問われたので、そのあたりでどうなのかという点もある。それでも、中団から伸びなかった。どの地点でも他馬に見劣る内容で、スムーズな競馬の流れでの完敗というのは残念と言わざるを得ない。昨年の安田記念では1番人気に推されながらの6着。昨年勝利のVMと同じくL3最速戦で脚が伸ばし切れなかったという点からも、力負けの印象。VMの比較から言うと、瞬発力勝負でパフォーマンスを下げてきている点からも、もう上積みは厳しいとみるのが正直なところだろう。VMの上位は4歳世代。実際昨年VMで破った馬たちは今回も破っていた。レースレベルの問題もあるし、この馬としてはあとはどこかでもう一度だけでも輝きを見せたいところだろう。それがこの舞台になるかどうかは難しいところではあるが…。それでも、終わったと言われた馬が復活してきたことを何度も見ているだけに、何とかいいところを見せてほしい。
昨年のマイルCS覇者のエイシンアポロンも前走で不甲斐ない大敗。道悪で馬場が渋ってこの馬としては絶好の条件と思ったが、シルポートが作るハイペースに追走でいっぱいになってしまった。この馬の不安材料はやはりマイル戦での良質なスピード勝負にあると思われる。基本的にこの馬は瞬発力勝負で結果を出してきた馬で、毎日王冠2着にしても、朝日杯2着にしても勝負どころですっと抜け出してくる器用さが武器。かつ、この馬は道悪巧者でもあり、軽いスピードが相殺される競馬で初めて良さを出してくる馬だと思っていた。なので、個人的には前走の大敗はシルポートが飛ばした以上ある程度想定できていたのだが、今回狙えるかというと正直微妙ではないかと。NHKマイルCでもあり得ないほど大敗しているのだが、この時も31秒台の高速決着。こういった良質なスピード持続戦だと脚を使い切ってしまうように感じる。高速馬場自体は得意だが、トップスピードは速くてもそれを一瞬しか使えない馬でもあり、L1がどうしても甘くなる。2度の毎日王冠を見てもそれは良くわかるはず。マイル戦だとかなり速いスピードを早い段階から要求されてしまうのがどうか。雨でも降れば浮上してくると思うが、パンパンの良馬場だとマイルでは苦しいか。緩んで瞬発力勝負になると面白いが。
香港馬2頭はマイル戦ではちょっとよくわからないけど血統背景だけは見ておく。
ラッキーナインはスプリンターズSでパドトロワに不利を被った馬なんだけど、これがなければかなり際どかったというのは間違いないし、実際1200~1400mでは世界で屈指の実力馬。ドバウィは日本でも割となじみのあるドバイミレニアムの系統。もっと言えばシーキングザゴールドの血統で、母父グリーンデザートはダンジグ系でも割とスプリント色が強い血統。ドバイミレニアムを経由しているので、シーキングザゴールドほどスプリント色は薄まっているかもしれないけど、基本的にはマイルはちょっと長いかなという血統背景ではあるかな。ただ、ミスプロ系でもノーザン系が絡んでいる方が好成績を出している印象でもあり、その点ではグロリアスデイズよりは強調できるかも。
グロリアスデイズの方は、日本では初めて。血統は父ユソネット。これは日本ではほとんど走っていないけど、マイナーなミスプロ系。ミスプロ×ラジャババと非常にアメリカ色が強い血統。ミスプロ系×ボールドルーラーと言った方が分かりやすいかも。イメージ的にはやっぱりダート向きのスピード色が強い感じかなあ。更に母系は母父がCentaine。5代前に遡るとマイバブーになるという。これも日本の馬場に対応できるかどうかとなると未知数かな。
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tipmonaとは?