10期 予想歴15年
◎ナリタクリスタル
10着/5人気
○アスカクリチャン3着/8人
△マイネイサベル17着/9人
【予想】
◎ナリタクリスタルは前走休み明けだが11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6の平均的なラップで大外からジリッと伸びてきた形。この馬はトップスピードはそれなりにあるが、ハイペースの天皇賞秋でもある程度好走しているように、基本的にはL1の落ち込みで食い込んでくるタイプの馬。新潟が得意なのは、ある程度の位置からある程度のトップスピードで要所に置かれず、しっかりL1で食い込んでこれるところにあるとみている。本来は先行~好位で競馬ができる馬なので、どういう展開になっても競馬はしやすいだろう。内枠なので直線までにうまく進路を確保できるかどうかが課題。小倉記念の内容からも地力で見劣る馬ではないし、追い切りも確実に上昇気配。ここに賭けてきている印象も強いし、期待したい。
〇アスカクリチャンは前走11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6のラップで3~4角で挟まれ気味になってポジションを落として直線を迎えたのが痛かった。この馬雄L1の落ち込みで差しこんでくる持続タイプの馬。七夕賞のようにL4最速戦で脚を出し切れればしぶとさを活かせる。新潟ならトップスピード勝負になってもL1必ず落ち込むし、ここでしっかり差し込んでこれる馬なので、ナリタクリスタル同様にこの舞台では積極的に狙いたい1頭。
△マイネイサベルも同じタイプ。トップスピードもそれなりにあるのだが、L1の落ち込みでこそ伸びを見せてくる馬。前走は好位から伸びきれなかったが、馬場が軽く極端な上がり勝負になってしまって捕えられなかった形。それに最速地点までにややスムーズさを欠いた競馬になっていて上手くスピードに乗れなかった印象。力的にはここで最上位の1頭だと思っているし、2000mは気持ちだけ長い気はするが、1800m戦線なら牡馬に交じっても好走できる力は持っているはず。VMも崩れたがポジションを下げながらの競馬。順々に競馬ができれば力は上位のはず。
トーセンラーは追い切りがあまりにもアレだったので自重、エクスペディションも適性で微妙と思っていたところに追い切りも微妙なので消し。
【展望】
夏を彩ってきたサマー2000シリーズもいよいよ最終戦。サマー2000シリーズの成果ともいえるのか、今年はシリーズに組み込まれたレースの覇者、好走馬が最終戦に続々出走。小倉の覇者、福島の覇者、函館の覇者。ローカルの2000mで結果を出してきた夏の上がり馬たちが一堂に会する新潟の長い直線で見据えるは秋の府中と言ったところ。天皇賞への挑戦、まずは挑戦権を賭けて。
中心はシリーズを制するには勝つしかない、七夕賞、小倉記念ともに2着の善戦マン化トーセンラー。七夕賞では12.4 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.4のラップで外から強襲も、内から粘るアスカクリチャンを差し切れず惜しい2着。そして前走では11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6のロンスパ戦でジリジリ押し上げての内容も、エクスペディションの持続力には及ばずという形。トップスピードとその持続力は良いものを持っている馬なので、基本的には新潟外は合っているはず。5月の新潟大賞典で完敗しているが、これは馬場が重い割にペースが上がって平均的な競馬になったのも大きい。もともと追走に脚を使って良いタイプの馬ではなく、やはり後半でトップスピードを問われたときに真価を発揮している。それだけに、今回時計が出やすい馬場状態で新潟の外回りを迎え、加えてシリーズ制覇には勝つしかないという条件からも、ここへ向けてしっかり仕上げてきていることだろう。相手関係もなかなかに骨っぽいが、単純な格で考えればGII好走を含め重賞善戦を続けているこの馬が一番だろう。スピードに乗ってトップスピードを活かす競馬ができれば。
相手筆頭には夏の小倉の覇者エクスぺディション。前走は不調が続くなかでも小倉での実績を評価されて3番人気。そしてそれに見事に応えて11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6のロンスパ戦を外から押し上げて突き抜ける圧巻の競馬。小倉の猛者ぶりを存分にアピールした形だが、今回はやはり新潟適性がカギを握る。基本的には超高速馬場での時計勝負向き。その中でも、序盤ゆったりから後半にかけて持続戦になっていく形で結果を残している。そして、それは向こう正面で下り坂が有り、小回りでトップスピードがあまり問われない小倉に対して凄くマッチしていたともいえる。今回は新潟の外2000m。重賞クラスになるとそれなりに時計も問われるが、それでもやはり反応やトップスピードの良さを問われることが多い。レースの運び方にかなり注文が付きそうな印象ではある。前走は非常に強い競馬ではあったのだが、小倉以外ではちょっと足りない内容が続いているし、関東圏では結果が出ていない。それらを前走の鮮やかな圧勝の勢いで払拭できるかどうかだろう。シリーズ制覇のためにも大崩れは許されない。
3番手には函館記念の覇者トランスワープ。前走はタフで時計が掛かる馬場状態の中で12.4 - 12.3 - 11.8 - 12.4のラップを内から窮屈になりながらもしっかり反応して抜け出して完勝。コーナーの最速地点でごちゃつきながらもしっかりと反応して伸びてきた点は評価できる内容だった。東京2000mのアメジストSでは12.6 - 11.0 - 11.0 - 11.6のラップを自ら刻み、直線序盤で突き放す二の脚の速さを見せている。反応の良さ、軽い馬場でのトップスピードという点でもポテンシャルの高さを見せていて、新潟外回り適性に関しても可能性を秘めている。前走の重賞勝利で今回はハンデが56kgと前回比較で2kg増。だが、ここにきて高いパフォーマンスをしっかり維持してきているし、器用さも兼ね揃えているのはここに入れば武器になる。混戦に断を下し、同時にサマー2000のチャンピオンに君臨できるか。
4番手には今年の春から脇役として盛り上げてくれたトウカイパラダイス。重賞にこそ手は届いていないが、巴賞制覇や目黒記念の2着、確実に力をつけてきている印象だ。この馬の好走条件としては、やはり序盤ペースが上がらず、後半極端なトップスピード勝負にならず、持続戦になっているときが多い。巴賞ではタフな馬場で好位から12.1 - 11.9 - 11.6 - 12.1のラップを内からうまく捌いて完勝した形。ここで見せている内容では、スローペースからしっかり動き出せているが、洋芝で特に函館は例年よりも時計が掛かっていた。新潟で同じ競馬ができるかどうか。目黒記念では11.8 - 11.1 - 11.6 - 12.1とL3最速の持続戦となっている。やはりステイヤー的要素が強い馬なので、新潟の2000mで動き出しと純粋なトップスピードが問われたときに不安はあるだろう。軽い馬場での上がり勝負に関しては実績がないに等しい。今季の出来の良さを活かしてどこまでやれるかだ。
穴どころからは休み明けを叩いて得意の新潟、ナリタクリスタル。成績的にサマー2000制覇は苦しいが、連覇を達成しているここ新潟記念で3連覇を狙うのに、陣営の士気が低いはずもない。小倉記念では大外からしっ仮と伸びを見せたが休み明けも、軽すぎる軽い馬場も影響したか届かなかった。基本的にはバテ差しタイプ。トップスピードもまずまずあるのだが、それを出し切っての消耗戦、L1で踏ん張るのがこの馬の良さだ。加えて本来ある程度の位置から動ける馬でもあり、新潟でU字コースの2000mならこの馬の良さは十分に出てきそう。トップハンデの58kgは苦しいし、相手も強敵。得意コースでどこまでというところだが、割と人気の盲点になりそうというのも良い。好位からしっかりと勝負どころで食らいつければ、終いのしぶとさは一級品。サマーシリーズの頂点を狙う馬たちの陰でひっそりと3連覇に向けて爪を研ぎ澄ましているか。
新潟と言えばもう一頭、マイネイサベルも圏内。前走関屋記念ではいい位置から伸びきれなかったが、内目で最速地点までにうまく加速ができなかった感じはあった。11.7 - 11.1 - 10.4 - 11.3と、L2が10.4とかなり速い脚を要求されていたし、L1ではそれなりにしぶとく粘っていたが、出し抜かれては苦しい。この馬は本来トップスピードの持続力で良さを見せている馬で、ホエールキャプチャが抜け出し、そのあとに食い込んでくるというイメージが一番わかりやすい。L1落ち込む競馬でこそ良さが出てくる馬。前走を見ると、マイルは少し短い印象もあり、ゆったり運んで自分のタイミングで押し上げられるこの距離の方が良さそうだ。多少不安定な面もあるが、ローズSや福島記念、クイーンCを見ても中弛みがある競馬には強いタイプなので、コーナー2つでペースが緩みやすいこの条件なら面白い一頭。前走はレースレベルも高かったし、これで評価を落とすのは怖い。
今季はやや期待外れの感があるタッチミーノット。初戦のメトロポリタンSでこそスマートロビンの2着と好走したが重賞で続けず。そのメトロポリタンSでも12.0 - 11.1 - 11.0 - 11.6の流れでコーナーで最内、しかも前にスペースがあって加速して直線に向かえているし、ロスなく最高の形。相手がスマートロビンということを考えれば決して悪い内容ではないが…。目黒記念では11.8 - 11.1 - 11.6 - 12.1のラップで最内ロスなく立ち回っても伸びきれず、七夕賞では先行したが良さが一切出ずに脚を使わされた形。基本的には序盤はゆったり、トップスピードの持続力を活かす正統派ダンス産駒なので、タフな馬場で先行した前走はある程度度外視しても良いが、前回は追い切りも微妙だったので、今回はそこに注目しておきたい。軽い新潟外ならとも思うが、トップスピードに関しては他にも良い馬がいるので、今回どこまでやれるか。
NST賞で得意の反応二の脚突き放しで完勝を収めたスマートシルエット。この馬はある程度の位置で競馬ができて、とにかく反応が抜群のタイプ。前走も11.9 - 10.9 - 10.7 - 11.7のラップで早めに抜け出しそのまま凌ぎ切った。相手がトップスピード持続力抜群のスピリタス。これを完封したのだから力は認めざるを得ない。ただし、わかりやすい程に平均ペースで不安がある馬。一度新潟内2200mで強い競馬をしているので難しいところだが、平均ペースでの時計勝負となっているパールSでは5着と牝馬限定準OPで崩れているし、基本的には要所での動き出しが武器で、スピードを必要とすると良さが削がれる傾向にある。それだけにこのコースでは多少展開次第の面はあるかもしれない。重賞クラスになると57秒台の競馬になることも多いし、脚を使わされたときにどう対応してくるかがポイントだろう。
七夕賞覇者も小倉記念では圏外、得意の新潟でサマー2000覇者を目論むアスカクリチャンも怖い。小倉記念では11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6とロンスパ戦となり、窮屈な馬群の中でポジションを不用意に下げたのが結果として響いた。ラップとしては落ちていない流れの中で、進路を確保できずに下げたのはトップスピードで見劣る馬にとっては痛かった。この馬はトップスピードはそれなりだが、L1のしぶとさが魅力的。七夕賞ではタフな馬場で12.4 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.4とL4最速戦で内からしぶとく伸びてきている。新潟外回りで良績が偏っているように、L1が落ち込んでトップスピードを出し切れる条件ならば侮れない馬だ。今回は完全に盲点となってそうだし、前走のあのロンスパ戦でもL1落ち込まなかった展開を考えれば、逆襲の余地は十分に残されているだろう。
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