10期 予想歴15年
◎ロードカナロア
2着/1人気
○スギノエンデバー8着/8人
△エーシンヴァーゴウ6着/4人
【最終予想】
◎ロードカナロアは前走函館スプリントSで11.9 - 11.4 - 11.8とL2最速の地点で前のスペースがなくポジションを上げられずにドリームバレンチノに出し抜かれた形。そこからL1で伸びてきていたので、脚は余している。この馬の良いところはトップスピードが高いという点。それに加えて宮記念で見せたタフな競馬にも対応できている点。今回積極的な逃げ馬がいない状態で、しかもペースが上がりにくい阪神1200m。この馬の持ち味であるトップスピードが活きてくる展開になりそう。岩田に替わるのは個人的には不安材料だが、平均ペースで決め手が問われる展開になったらまず崩れることはないとみているが。
〇スギノエンデバーはここ2走を評価。前走は嵌ったのもあるが、嵌ったにせよまず7秒台を切ってきたという点は評価したい。この馬は今まで時計勝負で弱かったので、そこで結果を出せたのは力をつけてきたという可能性は高い。この馬も持ち味はトップスピードの高さなので、阪神1200のように完全な前傾ラップにならずにそこからある程度のキレ味を問われる展開になれば面白い。
△エーシンヴァーゴウはこのメンツなら恐らく外目の番手を確保することになると思う。積極的な逃げ馬皆無で、誰が逃げるのか分からないのが難しいけど、哲三はあまりハナに行きたがらない騎手なので、何かを目標に番手で競馬ができれば昨年の再現に近い競馬はできそう。前走はかなり厳しい競馬になっているし、基礎スピードの高さはここでは上位。トップスピードはそれほどないが、L1踏ん張る力は十分にあるので。
カレンチャンはこの枠で緩んだ時にどうかなという不安はある。阪神1200はややトリッキーで、半端な位置を取ると3角でごちゃついてポジションを下げながら競馬をしないといけない。カレンチャンはたふなけいばで最大限にパフォーマンスを発揮しているだけに、今回展開が読めない中での内枠ってのは嫌いたい材料。ハナ切っちゃえば問題ないけど、前哨戦でそれをやってくるかなあと。
【展望】
サマースプリントシリーズの最終戦ではあるが、既にパドトロワのシリーズ優勝が決まっているので、このレースは単純にスプリンターズSへ向けての前哨戦という位置づけとなりそうだ。ただ、前哨戦と言っても、もうこれが本番ではないかと思えるほどの超豪華メンバーが揃った。秋春スプリントGI制覇を達成した女傑の秋初戦を筆頭に、サマーシリーズの重賞勝ち馬、宮記念で1番人気を背負った実力馬、昨年の阪神C勝ち馬、鞍馬Sで上がり最速32.2のキレ味を発揮した馬など。これらが3角までの距離が短い阪神1200mというややトリッキーなコースで本番を見据えてどういった競馬をしてくるか。
不動の中心は昨年スプリンターズSを完勝し、今年の高松宮記念でもサンカルロをクビ差抑えきってスプリントGI連覇を達成した名牝カレンチャン。完成されてからはハイペースでも平均ペースでも良質なスピードを活かして追走できるし、その上でそこからもう一段階脚を使えるのが強み。スプリンターズSでも見せたようにパドトロワを楽に捕まえる脚はこの馬しか出せなかった。もともと超ハイペースで厳しかった昨年のキーンランドCでも番手からハイペースを刻むパドトロワをしっかり捕えて、強豪ビービーガルダンの追撃を凌いでいる。本質的には前傾ラップ向きであることは確かだろう。その点で、今回はこの馬自身あまり得意とはしていない休み明け初戦に、平均的な競馬になりやすく、かつL2最速戦になりやすい高速馬場想定の阪神1200mとなれば、他馬につけ入る隙を残す形となりそうだ。超高速馬場でも強いし、スプリンターズSのように極端なハイペースではなくともしっかりと終いを伸ばす競馬ができているので対応力は高いとは思うが、今回に限れば56kgで休み明けにややトリッキーな阪神1200mと決して万全ではないとしておこう。力だけを測ればやはり1枚は抜けていると思うのだが。
相手筆頭は高松宮記念で1番人気に推されるほどの力を見せてきていた実力馬ロードカナロア。この馬はトップスピードに乗ってからのキレ味がとんでもない馬。しかも、それをある程度の位置で追走しながら、しっかりとスイッチが入ってトップスピードに乗って伸びてくる。反面で、課題は純粋なスピードが問われる本質的なスプリント勝負にどう対応してくるかという所だったが、それをハイレベルでタフな馬場だった高松宮記念で見せてきた。思ったより伸びきれなかったが、これが前半で追走に脚を使った分ともいえそう。休み明けの函館スプリントSでは11.9 - 11.4 - 11.8と加速するラップで要所に加速スペースを作ることができずにドリームバレンチノに出し抜かれたことが敗因といえる。この辺りをしっかり準に追って進めてやれれば終いは必ず伸びることは分かった。今回は阪神1200mなので、外枠を引いて好位ぐらいからカレンチャンを目標に外からじわっと押し上げていく競馬が望ましいか。京都に強いように、下り坂で徐々に加速してトップスピードに乗せていくタイプだし、前走を見てもすっと反応できる馬ではないと思うので、しっかりと加速できる状態で勝負所を迎えたいところ。極端なハイペースにはなりにくいメンバー構成だとは思うので、ここは期待したいところだが、やはりスプリント戦で福永から岩田に替わるというのは不安要素ではある。全くのテン乗りというのも気がかり。
3番手にはCBC賞制覇でスプリント戦でも力を見せることに成功したマジンプロスパー。後半が11.2 - 11.3 - 12.5とかなりL1で落としている正統派のスプリント戦になっていたのだが、これを3番手追走し直線で鮮やかに抜け出す競馬。ハンデ戦だったとはいえ相手がダッシャーゴーゴーやタフな馬場でL1バテ差しのスプリングサンダー。これを退けたのは本当に力をつけてきたことの証明ともいえそう。ただし、この馬の場合、高いパフォーマンスはやはり時計が掛かる馬場に偏っている。特に阪急杯や宮記念、CBC賞とこの馬の評価のほぼ全てともいえるレースはいずれもタフで時計が掛かっていた。秋の阪神開催はほぼ例外なく高速馬場で行われるので、この辺りで軽いスピードが問われたうえに、そこからの動き出しを求められるとどうかという不安は無きにしも非ず。ただし、本番ほどペースは上がらないのは間違いないので、積極的に前目で競馬をすることができれば十分対応できる範囲だろう。個人的にはカレンチャンより前で競馬ができるかどうかがこの馬がここで勝ちきるための重要なポイントになるのではないかと思っている。いずれにせよ、力をつけてきた一頭であることは間違いなく、ここも課題をクリアしてくれば本番へ向けて視界良好となるだろう。
4番手には1400ベストも1200でも善戦を続けるサンカルロ。前走京王杯スプリングCでは好位から競馬を進めたが全く伸びなかった。基本的には後方から鋭く脚を使ってくる馬なので、前走は追走で脚を使ってしまった分もあったのだろう。宮記念ではタフな馬場で外からL1しぶとく伸びてきての2着。2年前阪神で行われた高松宮記念でも馬群を割って最後の最後に伸びてきた。トップスピードも速いが、基本的には持続戦で良さを引き出してきている馬だけに、前哨戦で少し緩いペースになった場合に対応できるかどうかは未知数だろう。脚を出し切れずに届かないと言ったケースが負けパターンの大半ではあるので、どのポジションで、かつ押し上げながら直線を向けるかどうかが最大のポイントだろう。今回は相手もかなり強敵が揃ったが、この馬の場合は相手がどうこうよりも自分の脚を引き出せる展開になるかどうかの方が問題だろう。高速馬場でも外枠から流れに乗れる方が好ましいとみるが。
夏の上がり馬といえば格上挑戦で重賞を制したスギノエンデバー。厳密にいうと、3歳時は重賞でも善戦していた馬なので、上がり馬というよりは再度この舞台に立ってきたという方が表現は近いかもしれない。前走北九州記念では外差し馬場もあったが、超高速馬場で時計勝負になりながら大外を突いて伸びてきた。これまでも純粋な時計勝負ではやや分が悪かった馬だけに、ここ2走の内容からはバクシンオー産駒らしい4歳夏での完成という形かもしれない。今回は阪神1200mと比較的ペースも上がりにくいコースなので、この馬の持ち味である切れ味を活かせる競馬になる公算も大。今の勢いなら十分スプリント戦線の上位とも戦えそうだが、北九州記念や佐世保Sからは相手は大きく強化されてくるので、単純に力関係がどうかだ。
鞍馬Sで脅威の上がり32.2を繰り出して差し切ったヘニーハウンドも圏内。追走に脚を使わされてどうなるかがポイントだった北九州記念では中団につけられたうえで、3角で少し窮屈になりながらも直線までしっかりと伸びてきた。外に伸びの差で負けた形だが、脚を使って追走していたし展開的にも外差し馬場も考慮すれば十分に評価できる内容と言える。ここ2走はこれまでの内容からは考えられないほどに良くなっているので、ここでも通用していいものは見せたと言える。ただし、今回は阪神の内回り1200m。下り坂がある小倉、京都と比べると、下り坂もあるとはいえ、ほぼフラットな阪神、更にコーナーが長いというのがこの馬にとってどう転ぶか。スピードに乗ってからが良いタイプなので、器用さを問われると少し難しいところもあるかもしれない。
ディフェンディングチャンピオンのエーシンヴァーゴウも圏内。前走は実質トップハンデの56kgで外差し馬場のハイペースを3番手追走と強気の競馬。最後は脚が上がってしまったが、あのペースでしっかりとした競馬ができた点は評価できる。昨年のこのレースでは平均ペースから11.3 - 11.0 - 12.1とL1落ち込む競馬。最速地点ではダッシャーゴーゴーに脚色見劣るところもあったが、L1でしぶとく粘って抜け出しての勝利という形。良いスピードとしぶとさを持っている馬なので、昨年のように番手の外を確保できれば安定してきそう。昨年はレースレベルも高かった中での勝利なので、前走のオーバーペースに外差し馬場で評価が下がるようであれば侮ってはいけない存在だろう。
北九州記念で大外一気鋭く伸びての3着を確保したエピセアローム。完全に終いだけの競馬になったが、前崩れで外差し馬場もきれいに嵌っての3着となった。ただ、1200mで大幅に時計を更新してきた点は評価したいし、この馬の良さは本来もう少し距離が長いところで発揮できるもの。極端なスピード勝負から、平均的な競馬になりやすい阪神1200mになることで、序盤の位置取りを上げることができれば面白い存在になる。力関係を考えると相手は一挙に強化されるが、うまく嵌れば上位に食い込んできても。
最後にエーシンヒットマンまで。前走北九州記念では序盤から前目に取り付きに脚を使ったが、結局ポジションを下げてしまい、勝負どころで早めに外から押し上げていった結果甘くなってしまった。ただ、やや時計不足だったこの馬がハイペースで勝ちに行く競馬をしても悪くない内容だったというのは覚えておきたい。阪神1200mだと道中少し緩む可能性が小倉よりは確実に高く、外目の好位ぐらいを追走できれば終いはかなり伸ばしてこれる馬。スピード面での不安も前走で解消できたと思うので、積極的に運べればチャンスはあるか。
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