10期 予想歴15年
◎ゴールドシップ
1着/1人気
○タガノビッグバン14着/6人
△コスモオオゾラ17着/9人
【予想】
展開的には前に行きたい馬が多数いて、逃げ馬がニューダイナスティやビービージャパンと言ったあたりだが、どちらも行きたいというコメントを出しているので、それなりに先行争いは激しくなりそう。最初の3角までが短いので内枠のニューが行き切るか。それに加わってくるのがタガノビッグバンやユウキソルジャー、コスモオオゾラ、トリップと言ったあたりかな。比較的縦長で、ポジションも獲りやすい競馬になると思うし、極端なスローにはならずに平均的な競馬になると予想する。
◎ゴールドシップに絶対の信頼を置きたい。スローでトップスピード勝負にさえならなければ問題ないし、今回最内枠をプラスに見ることにした。この馬は出が悪い馬なので、3角までの距離が短く、ここで多少窮屈になってでもポジションを大きく下げなくていいというのはこの馬にとってはプラス材料。動き出してからの持続力に関しては神戸新聞杯で言うまでもないと思うけど、12.0 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 12.5と、5Fのロンスパ戦でL1落ち込む流れでぶっこ抜いた。ゴールドシップが唯一圏内を外したダービーでは平均的な競馬で12.2 - 12.4 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 12.4のラップ推移、後方過ぎて届かなかった形。問題なのはポジションと仕掛け。これさえクリアできれば、力関係的にも最上位を疑う余地はない。今回はそれなりに前が引っ張ってくれるし、3角からしっかりと進路を確保してほしい。
〇タガノビッグバンは距離と先行力、更にそこからのしぶとさは菊花賞で好走しそうなタイプ。前走兵庫特別では11.8 - 12.0 - 12.0 - 11.4 - 11.4 - 12.6のラップ推移で番手から突き抜けて圧勝。逆に500万下の2走前では12.9-12.4-12.1-11.5-11.7という緩い競馬で0.1差、早めに動いたが突き放せなかったことからも、持続力を最大限に引き出して持ち味を出すタイプ。3000mで3角手前ぐらいからのロンスパ戦になってくればこの馬の良さがしっかりと出てくるだろうし、今回は前目の馬が引っ張ってくれそうなので、番手~先行策でも十分仕掛けるタイミングはあるはず。追い切りも良かったし楽しみな一頭。
△コスモオオゾラは実力を信用して。個人的にダービーは勝ち負けになっていたと思っていて、しっかりと先行する競馬ができればばてないというのは皐月賞や中団ではあったがハイペースのダービーで見せている。この血統で考えにくいけど、かなりのステイヤーだと思っていて、菊花賞では順調なら本命にする予定だった馬だが、この過程だけに下げざるを得なくなったという形。それでも上がり馬が対抗候補の今回のメンバー構成なら、実力的にゴールドシップに伍すのはこの馬ぐらいだと思っているが。
マウントシャスタは神戸新聞杯見ても、ペースが上がって良いタイプとは思わないので、菊花賞で菊花賞のレースになると苦しいと思う。団子でトップスピードを問われる展開なら出番はあると思うけど。
スカイディグニティは面白いけど、差し馬だがそれなりに前目のポジションが欲しい馬が外枠に入ってしまったのはちょっと辛いかなと。ゴールドシップよりは前で競馬したかったと思う。
【展望】
牝馬の三冠路線は三冠牝馬の誕生という形で幕を閉じた。牡馬のクラシック三冠路線は皐月、ダービーと別々の馬が獲り、そして菊花賞に置いても絶対の存在がいない、混戦で迎えられそうだ。その中で、皐月賞馬、ダービー馬が久しぶりに揃って出走。この2強の展開に、前哨戦で好走してきた上がり馬が多数出走。久しぶりに好メンバーに恵まれた菊花賞となりそう。この中で菊の大輪を戴ける、一番強い馬はどの馬か?前編ではまず実績馬を中心に展望を描きたい。
中心になるのは極悪馬場の内を通って突き抜けた皐月賞馬ゴールドシップ。今や伝説のニックスともいえるステイゴールド×メジロマックイーンの配合。この配合が引き出すのはトップスピードの高さだけではない、強烈な持続力だ。オルフェーヴルを見ればわかりやすいが、日本においてはタフな持続力を問われる競馬でこそ本領を発揮してきた。この馬も同じような傾向で、トップスピードの高さはそれほどではないものの、それを維持する能力が非常に高い。この馬も極悪馬場の皐月賞で最内を通して突き抜けた。ラップ推移は11.4 - 11.6 - 12.2 - 12.7 - 13.6 - 12.1と、前がある程度離れて縦長だったのであてにならないものの、かなり長くいい脚を要求されていて、しかも馬場の悪い内を通してのものだった。この時の馬場経過が読みにくいので、どれほど内が悪かったかは想像できないのだが、これができたのには馬場を苦にしないパワーとトップスピード持続力の高さがあるからこそであると言える。ところが、ダービーでは一変して超高速馬場。更にペースも上がって緩急の無い平均的なスピードを求められる展開となった。12.4 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 12.4と中盤で少し緩んだとはいえ、平均的な競馬の中で最後方グループ。最後までばてずに差を詰めてきていたが、前も大きくはばてない馬場状態で、序盤のポジショニングの差が大きく出たとみていいだろう。ただ、これも序盤から割と積極的なポジショニングをしながらも、後方での位置取りとなってしまい、要所で進路を作れずに動けなかったというのも大きな要因だったようで、序盤のスピード面で上位とは差がある。その点でも、距離延長で序盤ゆったり運べる展開になれば、競馬がしやすいポジションを確保できそうで、そこは歓迎材料。ただし、現代の高速馬場で京都の長距離戦となると、L1落ち込むような競馬になりにくく、勝負どころまでに縦長になるケースが非常に多い。トップスピードが抜けているわけではないので、基本的には早め仕掛けが重要となってくるだろう。各馬と同じ仕掛けになると、反応やトップスピードでは見劣るところが多いので、やはり3角の坂の手前ぐらいから積極的に仕掛けてもらいたいところ。そこからでもばてないだけのパフォーマンスをこの馬は見せてきたはずだ。ポテンシャルは世代屈指だけに、勝負所までにまず前を射程範囲内に捉えておくこと、そして早めの仕掛けをすること。これが勝ちきるには重要になってくるだろう。
相手筆頭には栄光の日本ダービー馬ディープブリランテ。前走は海外の大レースの一つ、キングジョージに挑んで儚くも無残に散り去ってしまった。序盤に折り合いを欠いたし、ポジションも徐々に下げる形。そこから勝負どころで既に脚がなかったので、道中で完全に脚を使い果たしてしまった形に見える。アスコットのきつい上り坂が続くタフなコース形態も響いたか。高速馬場下の平均ペースで行われた日本ダービーでは、そのきついペースに対応して12.4 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 12.4のL3最速戦でもしぶとく抜け出して最後は何とかフェノーメノの猛追を凌いだ形だった。最速地点のL3である直線序盤で仕掛けて前2頭を捕えに動いていて、そこから徐々に減速していく流れを踏ん張った。この馬の良さは序盤のスピードと、そこからペースアップできるギアチェンジ能力にある。そこからの持続力という点では上位とは見劣るのは皐月賞や共同通信杯でも見せたとおり。ペースが上がって縦長になった上に、L3で早めに引き離した分、セーフティリードでギリギリ逃げ切った形。問題は京都の外回りに変わることで、まずこの馬の良さである動き出しの良さが下り坂によって相対的にかき消されるという点が一点不安材料。それと、ダービー自体はかなりのペースで平均的な競馬だった。キングジョージでも見せたが、ペースが緩い時に折り合いに不安があるという点も気がかり。更に遠征明けのぶっつけと、どうしても不安ばかりが目についてしまう。高速馬場は良いだろうし、ある程度のリードを作って直線を向ければチャンスもあるだろうが、まずそこまでをスムーズに走らせることができるかどうか。また、今回は目標にされる立場にあるので、坂の手前までに差がなく、各馬に勢いをつけさせて直線を向いてしまえば、持続力で少し見劣るこの馬としては苦しい競馬になりそう。かなり条件が揃わないと難しいかもしれないが、能力は高いだけに。
3番手には神戸新聞杯で狭いところに突っ込んで苦しくなったマウントシャスタ。前走は割と平均ペースとなったが、後半から12.0 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 12.5とL5からしっかりとペースアップする流れでもあった。動き出しは問われず、平均的な競馬を求められたが、L2の直線で鋭く伸びたものの窮屈になってしまったのが少し痛かった。それでもそれを差し引いても、ゴールドシップには序盤から脚色で見劣っていたし、展開を考えても苦しい戦いではあったと思われる。この馬は宝塚記念で以外にも善戦していて、オルフェーヴルやルーラーシップと言った持続馬相手に4角で早めに動いて一瞬見せ場を作った。12.5 - 12.6 - 11.6 - 11.6 - 12.1と平均的なラップで、3角で少し緩み、内を通って押し上げて先頭に立つ形だが、このペースアップで一気に出し抜いているように、かなり動き出しの良さが光る馬。実際毎日杯でも12.3 - 12.0 - 11.3 - 12.7の最速地点で鋭い脚を使い、早く抜け出してしまってL1の落ち込みでヒストリカルに差されてしまった形。基本的には動き出しの良さ、そしてトップスピードの速さが武器だと考えていいだろう。となるとやはり不安はこの距離だけに、全体のペースが上がったり、或いはロングスパート戦になった時だろう。神戸新聞杯では進路が狭かったこともあるが、ゴールドシップに直線序盤から脚色で見劣っていた。トップスピードでは負けないだろうが、まずスローペースで折り合ってそれを引き出せるかどうかが重要なポイントになる。その上で、ロンスパ戦になった時に最後の一踏ん張りが利けるかどうか。その辺りでも不安材料はある。とはいえ、トップスピードの速さと動き出しに関しては世代屈指。うまく嵌るようなら面白い。
4番手にはスローからのロンスパ戦で権利を取ったロードアクレイム。前半ややスローから12.6 - 12.0 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 12.5のラップ推移。後方で脚を溜めてゴールドシップの後ろからマークして伸びてきた。が、ゴールドシップにはどの地点でも脚色で見劣っていて、特にL1では突き放されてしまったように、持続力でもかなわないように感じる。いずれにせよゴールドシップと同じような位置から互角の勝負ができるようには思えない。ただ、夏木立賞では12.2 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 12.0と東京2000にしては平均的な競馬になっていて、ここで結構味な競馬をしている。直線勝負どころで進路がなく、外に持ち出すのにも時間が掛かったが、進路ができたL1でぐんぐん詰めてしっかり差し切った。完全に負けパターンに嵌っていながらも、これを巻き返してきたのだから平均的なスピード持続力に秀でているように感じる。前走もロンスパ戦になって結果を出したともいえるので、そういった適性が抜群なゴールドシップを物差しにすると苦しいが、この馬自身としてはマウントシャスタを抑えているという点からも、ポテンシャルタイプだろう。ということは、展開とポジションが重要になってくる。少なくともゴールドシップと同じ仕掛け、同じ位置では苦しい。淀の外回りということを考えても、ゴールドシップよりいくらかは前にいるか、先に仕掛けることが勝つための前提条件になりそう。もしくは乱ペースになって勝ちに行ったゴールドシップの後ろからという選択肢もなくはないが。ゴールドシップを相手に考えるなら思い切った騎乗が必要だろう。
前編では有力馬を中心に展望を書いたが、後半は今年の菊花賞を賑わせてくれそうなステイヤー候補たっぷりの脇役・伏兵たちにスポットを当ててみたい。今年は夏の長距離路線でパフォーマンスを上げてきている馬がたくさんいるので、この辺りを整理しておく必要がありそう。
穴どころからピックアップしたいのが神戸新聞杯組のユウキソルジャー。函館2600mの北海ハンデでは大きく緩むことなく、12.4 - 12.6 - 12.1 - 12.2 - 11.9 - 12.5のラップ推移で、2列目の中目からコーナーで積極的に動いて早めに先頭に立ちしぶとく押し切った。トップスピードに関しては微妙だったにせよ、それを持続する脚を見せたし、序盤のポジションも良く、手応え以上にばてないというのは魅力的な武器だろう。神戸新聞杯では12.6 - 12.0 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 12.5と5Fのロングスパート戦でL1が落ち込む流れ。早めに先頭を捕えにコーナーで動いて行ったものの、直線序盤で一気に差し馬に差を詰められた形。早めにゴールドシップが襲い掛かる展開で、先行勢には苦しかったがよく頑張った。L1では手応え以上に頑張っていたが、上位とはトップスピードの差が響いたように感じた。正統派のステイヤーという印象で、手応え以上にしぶといが、リードが少ないとどうしてもトップスピードの差で差される。京都外3000mという距離を利用して、上位にどこまで差をつけて直線を迎えることができるかどうかが全てか。ヒシミラクルかビッグウィークのような競馬ができれば波乱を演出するだけのポテンシャルは秘めている。
セントライト記念のロンスパ戦で直線鋭く伸びてきたスカイディグニティも圏内。ブライアンズタイム最晩年の傑作となるか。前走セントライト記念では高速馬場の割にスローになって、5Fのロンスパ戦12.4 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.8のラップ推移。中団の中目でコーナーで仕掛けると、直線で進路を確保し鋭い伸びを見せた。強敵フェノーメノに追いすがって差を縮めてきたパフォーマンスは評価すべき。2走前で崩れた阿賀野川特別は新潟2200m内回りで12.0 - 11.4 - 11.2 - 11.1 - 11.9のラップ推移。コーナーで加速、最速戦という競馬になっているが、3~4角で中団中目を追走するも手応えで見劣り直線入りでもう脚がなかった形。軽い馬場でのトップスピード勝負になると不安があるかもしれない。セントライト記念は完全なロンスパ戦になって最速が11.4という流れでもあった。こういった平均的な持続戦になった方が良さが出るだろう。その点でも展開次第の面は出てきそう。前走は中団での競馬になったが、中団で運ぶなら3角手前から積極的なペースアップをしていけるかどうか。有力馬より先にスピードに乗ってしまいたいところだ。
セントライト記念組から、前走展開不向きだったラニカイツヨシを抜擢。11.8 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.8とスローから5Fのロンスパ戦となったが、緩んでいたL7ぐらいでブレーキをかけて、そこから仕掛けたいところでも後手を踏んでどうしようもない位置取りだった。そこからはしっかりとスピードに乗って伸びてきており、あそこで後手を踏まずに流れに乗れていれば違ったな、というのが正直な感想だった。有松特別では12.5 - 12.5 - 11.9 - 11.3 - 12.5のラップ推移でほぼ最後方からL1急追して伸びてきた。バテ差タイプだとは思うが、前走の内容を考えても動き出しに関してはなかなかいいものを持ってそう。トップスピードは少し差があり、持続力は上位に入ってくると思われる。今回は距離延長で血統的にも不安は大きいが、前走同様後方からの競馬になりそうで、展開次第の面は強そう。早めにペースが上がってエンジンが掛かった状態で4角に向かえればこの馬の良さである持続力が活かせないか。ゴールドシップを目標にその後ろをついていくような競馬ができるようなら、ポテンシャル的には圏内まで十分有り得そうだが。
ぶっつけ本番になるが怖いのがコスモオオゾラ。この血統なので、常に距離不安が付きまとってきたのだが、超高速馬場とはいえ、ダービーでも中団からジリジリと伸びてきていて、母父コマンダーインチーフということもあり単なるロージズ産駒という枠組みだけで見るのは怖い。12.4 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 12.4のラップ推移で中団からジリジリという競馬内容。序盤でポジション取りの積極性が足りず、中盤で前に何頭か入られてしまいポジションを下げざるを得なくなったのが厳しかった。それでもペース自体が早く、持久力を問われたのでしぶとさを活かしてL1ジリジリと盛り返してきてはいたが、やはりゴールドシップやワールドエース辺りにはトップスピードで負けてしまったし、ディープブリランテやトーセンホマレボシにはポジションの差で負けてしまった。ポテンシャルは高いがトップスピードが足りない馬なので、とにかく前目の位置を確保しないといけない。皐月賞、ダービーのパフォーマンスを見ても、世代上位であることは疑う余地がない。今回はやはり骨折明けで臨戦過程に問題がある。この辺りは追い切りを見てみないと何とも言えないが、万全とは言えないだろう。ただ、不安が少ない実力馬ゴールドシップを除けば、後は一長一短といったところ。この馬の持久力をもってすれば、本来の力さえ出せれば十分に好勝負できるだけのポテンシャルはある。あとは、出来をどこまで戻せるか、それと馬を信頼してとにかく前で運べるか。これに尽きるだろう。
デビューが遅れたが、しっかりと軌道に乗せて菊に間に合ったダノンジェラート。11.8 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.8と5Fの勝負で中団から中目、フェノーメノの後ろで早めに動いていたが、スカイディグニティにも交わされての3着。早めに仕掛けたこともあったが、スローからの5F戦でL1がそこまで落ち込まない展開を考えると、L1で見劣ったのは少々物足りない印象は拭えない。札幌1800mではヒットメーカーを相手に12.4 - 12.3 - 11.5 - 11.8のラップ推移で緩い地点で押し上げて突き抜けているように、能力の高さを見せてはいるものの、現時点では一線級相手にどこまでやれるかは未知数ともいえそう。ただ、スローでもしっかりと折り合っているし、距離に関しての融通は比較的利きそう。要所でのトップスピードの高さはそれなりに持っているように感じるので、上手く流れに乗ってどこまでというところ。
面白いのがビービージャパン。逃げ馬なのだが、この馬の場合は緩めての出し抜けが得意技で、トップスピードもそう見劣らない少し変わった馬。白百合賞でもマウントシャスタにはキレ負けを屈したが、下り坂を下りきってからの仕掛けで、他の馬にキレ負けしなかった辺りがこの馬の良さ。逆に青葉賞やラジニケ賞のように全体のペースが上がって平均的なスピードを問われてしまうと厳しくて、スプリングSの前線や好走時は概ねスローペースという点からも、距離延長で自分のペースで運べそうというのは良さそうな条件。とはいえ、時計勝負に実績がない馬なので、3000mで平均的な競馬になった時に持つかどうかという点では疑問があるのも確か。ギアチェンジで出し抜くのが得意な馬なので、どちらかというと一団になった方が持ち味は活かせそう。もちろん縦長でスローになればこの上無い展開ではあるが。マイペースで運んで脚を残していれば、二の脚で突き放せるというオプションは他の先行馬にはないものではある。あとは距離適性。
最後に3連勝で今年の上がり馬の象徴ともいえるフェデラルホール。九十九里特別では12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.2 - 11.9とロンスパ戦でL2最速。スローペースで団子だったが、中団から3角でじわっと動きだし、4角では楽な手ごたえで先頭列に並びかけて直線。直線では抜け出し、手応えほどは弾けなかったが、しっかりと先頭を守りきっての勝利となった。ペース的には緩い流れ、ワンテンポ早い仕掛けもラップ推移からは良かった。南相馬特別も12.9 - 12.2 - 12.0 - 11.9 - 12.0とスローの4F戦で平均的な脚を問われる競馬となったが、L1落ちない流れで外から楽な手ごたえで先頭列に並びかけたのも同じ。ディサイファに少し迫られたものの、内容的には上々と言えた。だが、この2戦を見る限りでは、まだトップクラスの馬相手に戦えるだけのめどは立てていないように感じるが。ステイヤー的要素は感じるし、要所ですっと動けるセンスもあり、いずれは重賞でもやれそうではあるが、今回GIの舞台でどこまでやれるか。
最後にトリップを要警戒。弥生賞ではスローで内ポケット。12.3 - 11.9 - 11.5 - 12.0のラップ推移で上手くコース取りができたともいえるが、スローで後半に動き出しを問われて結果を出してきた。皐月賞ではハイペースを追走して脚を出し切れずにジリジリ下がっていった形。ダービーでは平均的な競馬を追走するスピードは見せたし、そこからの直線序盤も必死に食い下がっていた。だが、L1でやはり脚色見劣ってしまい、7着に終わったが内容は悪くなかった。この内容を見る限りでは序盤に脚を使わずに後半に持続力を活かして戦う競馬が合ってそうだが。その点で距離延長は歓迎しそう。血統的にこの距離が不安という点はあるが、ダービーの内容を見る限りでは、ここでも互角に戦えるポテンシャル自体は有りそうだが。強敵も揃ったし、休み明け。これといった武器はないが、纏まっている適性がある。好勝負するならやはりダービーぐらいのポジションは取りたいところ。
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