JCダート2012予想
JCD 既存勢力を撃破しての世代交代と「老馬の法則」。

軍神マルス
08期 予想歴14年

◎ローマンレジェンド
  4着/1人気

○ワンダーアキュート2着/3人
▲イジゲン15着/4人
△ホッコータルマエ3着/9人
×エスポワールシチー
×トランセンド


★傾向分析★
2008年 タイム 1'49"2 (良) 1FAve=12.13 3FAve=36.40
テン36.7-中盤35.9-上がり36.6 『ハイレベル』
1着カネヒキリ・・・フジキセキ×Deputy Minister=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔2-s〕 3-5
2着メイショウトウコン・・・マヤノトップガン×ジェイドロバリー=ロベルト×ミスプロ 〔22-d〕 15-7
3着ヴァーミリアン・・・エルコンドルパサー×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔4-d〕 9-5

2009年 タイム 1'49"9 (良) 1FAve=12.21 3FAve=36.63
テン36.3-中盤36.5-上がり37.1 『前傾・一貫』
1着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 1-1
2着シルクメビウス・・・ステイゴールド×ポリッシュネイビー=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔1-b〕 11-11
3着ゴールデンチケット・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=ミスプロ×サンデーサイレンス 〔3-l〕 11-13

2010年 タイム 1’48”9 (稍重) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン35.9-中盤36.4-上がり36.6 『前傾』
1着トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕 1-1
2着グロリアスノア・・・プリサイスエンド×ジェイドロバリー=ミスプロ×ミスプロ 〔1-j〕 7-8
3着アドマイヤスバル・・・アドマイヤボス×ジェネラス=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔14-c〕 5-6

2011年 タイム 1’50”6 (良) 1FAve=12.29 3FAve=36.87
テン35.8-中盤37.4-上がり37.4 『前傾・中弛み』
1着トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕 1-1
2着ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕 13-13
3着エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕 2-2
 
 08年よりコース変更して今年で5回目となる阪神D1800mで開催されるJCD。過去4年の結果から、流れは『前傾』や『一貫』や『ハイレベル』といった中盤弛みのない厳しい流れになりやすく、強い逃げ馬とそれにより前がつぶされて差し馬が浮上するような傾向にあるようです。

 阪神D1800mのコース特徴(=金満血統王国王様:田端到さんのJRAフルコース、血統が“当たる”のはやはり常識ですを参考にしました)としては、
・ダートコースをほぼ1週するコース形態。スタートしてすぐにゴール前の急坂があるが、最初のコーナーまでの距離が短いため先行争いが激しく、比較的外めの枠のほうが有利。その後は平坦部分が続くのでペースが落ちやすく、最初に良いポジションを取った先行馬がそのまま押し切るパターンが多いため、スタミナ豊富の逃げ・先行が決まりやすいコース。
・好走血統は、クロフネやブライアンズタイム。シンボリクリスエスやマヤノトップガンなどロベルト系にも向く。ジェイドロバリー、キンググローリアス、スキャターザゴールド、ティンバーカントリーなど地味めの中距離型ミスプロ系も好成績。アフリートやエルコンドルパサー、キングカメハメハなども好相性。最近はワイルドラッシュ、ゴールドアリュール、ウォーエンブレムの活躍も多い。
・テイエムオペラオーは特注。「テイエムオペラオー=ダート長距離向き」から、スタミナ型が好走する?
・クロフネ、シンボリクリスエスなど不器用なパワー型タイプは、人気ではアテにしにくい。勝負どころで器用に動けないため、ツメ甘になりやすい。

 血統の傾向は、芝中長距離GⅠで好走するような血統(=フジキセキ、マヤノトップガン、エルコンドルパサー、ステイゴールド、キングカメハメハなど)が好走しやすいように思います。この点もコース特徴に合致する点があると思います。
 母父にもブライアンズタイムやトニービン、ジェネラス、Pleasant Tapなど欧州型の要素を持ったような血統が入っているのもポイントになると思います。特に父系がダート種牡馬ならなおこの傾向が強いと思われます。

 牝系の傾向は、No.〔1〕〔4〕が複数好走馬を輩出していて相性が良いと思います。

 ステップの傾向は、JBCクラシック好走馬は、小回り適性の証明があり最重要ステップと考える。特に3着内好走馬は好走率が高い。
みやこS好走馬は、D1800m向きの適性の証明と近走の調子のよさの証明となり好走しやすい傾向。
ブラジルCは東京D2100mなので、スタミナの証明となるのが好走のポイントにつながると考える。

 また1番人気馬の成績が非常に良いGⅠでもあります。過去10年で(5-3-2-0)と複勝率100%と信頼性高し。

★予想★
◎ローマンレジェンド・・・スペシャルウィーク×Awesome Again=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔20〕
 前走みやこS1着(=京都D1800m)。阪神Dコースは(2-1-0-0)、D1800m戦は(7-1-0-0)と抜群の相性。現在7連勝中で、重賞連続好走中でもあり、前々走エルムS(=札幌D1700m)では現ダート戦線でトップクラスの能力を有するエスポワールシチー越えを果たし、世代交代を思わせる充実ぶりを証明。脚質的にも先行して押し切れる堅実性を有していて、現在の本格化モードなら堅軸と考えて期待して評価する。またJCDに関しては、1番人気馬の成績が過去10年で(5-3-2-0)と複勝率100%でもあり、阪神D1800mで施行されるようになった近4年でも(3-0-1-0)と信頼性は高く、この点にも期待する
 スペャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、本来はエンジンの掛かりが悪く末脚が不発に終わることも多いのが産駒の特徴なのだが、本馬は毎回ダート戦でも上がり上位を繰り出し、性能の良いエンジンを積んでいる様子。スペシャルウィーク産駒は、オークスヤダービーなど東京芝2400mでも好走しているし、有馬記念の中山芝2500mでも好走馬を輩出していて、スタミナは豊富な中長距離血統。傾向的には適性は十分に高く、この点には期待する。母父Awsome Againはヴァイスリージェント系で、中長距離で強く、ダート、オールウェザーを問わないが、芝馬は少ない。実が入ると連勝するのがこの系統の最大の特徴で、現在の連勝モードはこの母父に起因するものと思われ、この点にも期待して評価する。
 No.〔20〕の牝系は、フサイチエアデールやフサイチリシャールなどがいる、2歳戦から走れて仕上がりは早いが、古馬になりもう一皮向ける成長力を有す牝系。人気では詰めが甘く、脇役にての好走が多い牝系でもある。小回りコースは得意だが底力はなく、近年は苦戦傾向にある。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプ。

○ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕
 前走JBCクラシック1着(=川崎D2100m)。阪神Dコースは(5-1-0-2)で、D1800m戦は(3-2-0-6)。11年JCD2着馬でもあり、前走では現ダート戦線トップクラスのトランセンドを下しての好走。昨年のJCDではトランセンドに完敗も、前走で逆転していること、また昨年末にはトランセンドと双璧とされていたスマートファルコンに僅差に好走していたりと能力は高く、12年度はフェブラリーS3着後は2戦凡走したが、前走で圧勝。衰えが少ないことを証明したことから、今回の好走も可能と考えて評価する。
 カリズマティック産駒はストームバード系で、馬力と持久力を持ち味とする砂の中距離血統。使われながら地道に力をつける叩き上げ型で、格上げ3~4戦目が狙い目。芝もそこそここなすが、適性は明らかにダート。時計のかかる1800~2200mが最適条件。また阪神Dコースは得意。母父Pleasant Tapはリボー系で、芝・ダート兼用の中長距離血統。仕上がりは遅く、条件戦で揉まれながら力をつけ、4歳でオープン入り、5歳で重賞制覇というような成長曲線をたどる。条件戦でくすぶったまま終わる産駒も多いが、大一番では怖い存在で、人気がなければないほど押さえておきたいタイプ。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分子記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

▲イジゲン・・・Empire Maker×Dixieland Band=ミスプロ×ノーザンダンサー 〔22-d〕
 前走武蔵野S1着(=東京D1600m)。阪神Dコースは初で、D1800m戦は(2-0-1-1)。ゲートに難ありにて、発馬に不安は残るが、スムーズにスタートできた場合には能力的には十分突き抜ける可能性はあると考えて期待する。前走は出遅れたが、外を回して突き抜けた内容から、今回先行馬が揃った点から、展開利が生じると考えて期待する。
 Empire Maker産駒はミスプロ系で、先行力があり、なおかつ溜めても良い脚を使えるタイプ。ミスプロ系の中では底力を持っていて、中距離レースに向く。ダート、オールウェザー、芝と馬場は問わず万能型。母父Dixieland Bandはノーザンダンサー系で、スタミナはもとよりパワーもあり、力のいる馬場を先行させたら強い。差す展開では取りこぼしは多々あるが、ローカルD1700mよりも中央のD1800mや大井に向く。2歳よりは3歳、3歳よりも古馬と成長力はある。
 No.〔22〕の牝系は、タフでスピードとスタミナに優れた牝系。スローの瞬発力勝負は苦手だが、急坂コースの持久力勝負に向く。消耗戦を前々にて踏ん張るタイプが多く、ペースが上がる締まった流れは得意。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走好走からも、この特性にも期待して評価する。

△ホッコータルマエ・・・キングカメハメハ×Cherokee Run=ミスプロ×レッドゴッド 〔9-e〕
 前走みやこS3着(=京都D1800m:0.1秒差)。阪神Dコースは(1-0-0-0)、D1800m戦は(3-0-2-2)。先行して押し切るレースが得意な馬で、上がり勝負となると分が悪いが、それでも重賞連続好走中という点は評価したく、3着候補として期待して評価する。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父Cherokee Runはレッドゴッド系で、仕上がりが早く早熟傾向ではあるが、成長力もある。ダートの短距離が狙い目だが、折り合いさえつけば中距離もこなす。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門で、広いコース変わりはプラス要因。3歳秋以降は本格化が始まり、堅実に走るタイプとなる。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以上での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。

ここで今回嫌いたい馬としては、エスポワールシチーとトランセンド。ともに現ダート戦線トップクラスの馬で昨年のJCD好走馬だが、近走の内容から衰えがみられ、人気ほどの盤石さはないと考えて評価は下げたいと思います。

エスポワールシチー・・・ゴールドアリュール×ブライアンズタイム=サンデーサイレンス×ロベルト 〔4-m〕
 前走マイルChS南部杯1着(=盛岡D1600m)。阪神Dコースは(2-0-1-0)、D1800m戦は(5-2-1-0)と好走は多い。近走は交流重賞でしっかり好走しているのだが、相手関係として考えると以前ほどの強さは感じられず、衰えはみられると考える。それでも09年JCD1着・11年JCD3着とJCDでは過去に好走していて、適性的には問題のない馬なのだが、それでもダートの王者を決めるレースと考えると、いつまでも王者として君臨できるほど甘くないと考えて、「老馬の法則」が通用すると考えて良くて3着と考えて評価を下げました。
 ゴールドアリュール産駒はサンデーサイレンス系で、芝なみのハイペースで飛ばしてもバテず、スピード化の進むダートに向く“芝も走れるダート血統”。ダートで人気の場合の信頼性も高く、軸馬としても安定している。どちらかといえば叩き良化型で、淀みないペースに向き、パワーとスタミナに富む。弱点は小刻みなギアチェンジが苦手なこと。母父ブライアンズタイムはロベルト系で、タフな展開や目一杯に仕上げられた時にMAXの能力を発揮するスパルタ型。休み明けよりも叩いてこそのタイプが多い。またロベルト系は緩い流れよりも厳しい流れに向き、ペースの緩まないマイル戦はプラス要因。
 No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。

トランセンド・・・ワイルドラッシュ×トニービン=ニアークティック×グレイソヴリン 〔A4〕
 前走JBC3クラシック3着(=川崎D2100m:1.6秒差)。阪神Dコースは(3-0-0-0)、D1800m戦は(7-0-0-2)と好走も多い。10年・11年JCD1着馬だが、GⅠ3連覇というのは「老馬の法則」で考えるならば、非常に困難なことと思われ、良くて2着と着順は下がると考えて今回は評価を下げたい。12年はフェブラリーS7着(=東京D1600m:1.2秒差)→DWC13着(=ドバイD2000m)と春シーズンはリズムを崩し、前走は約7か月半の休み明け後ではあったが、JBC3着だが、1.6秒差と以前では考えられないほどの負け方。昨年ほどの盤石さは感じられず、叩き2戦目で前進は見られるとは思うが、過信禁物と考えて評価は下げました。
 ワイルドラッシュ産駒はニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ワンペース型の速力で、コーナー4つのコースの方が息が入り、安定感は高い。D1400~1800mでは特に存在感を発揮し、得意条件。母父トニービンはグレイソヴリン系でスタミナもあり、強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性を持っている。一度上昇して連続好走中なら一定期間は期待出来る。
 No.〔A4〕の牝系は、米国で活躍の多い牝系。高速決着は得意だが、メリハリある流れは苦手。体力があり、シーズンオフは得意。


tipmonaとは?

JCダート2012回顧
JCD みやこS好走馬と芝中長距離GⅠ血統を中心に。

軍神マルス
08期 予想歴14年

次走狙い:ニホンピロアワーズ
次走狙い:ホッコータルマエ


2012年 タイム 1’48”8 (良) 1FAve=12.09 3FAve=36.27

ラップ
①12.6-②10.7-③12.5-④11.7-⑤12.3-⑥12.6-⑦12.6-⑧11.6-⑨12.2
1FAveとの誤差
①+0.5 ②-1.4 ③+0.4 ④-0.4 ⑤+0.2 ⑥+0.5 ⑦+0.5 ⑧+0.5 ⑨+0.1
テン35.8-中盤36.6-上がり36.4 『前傾・一貫』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△

1着ニホンピロアワーズ・・・ホワイトマズル×アドマイヤベガ=リファール×サンデーサイレンス 〔22-d〕 4-3
2着ワンダーアキュート・・・カリズマティック×Pleasant Tap=ストームバード×リボー 〔1-a〕 5-5
3着ホッコータルマエ・・・キングカメハメハ×Cherokee Run=ミスプロ×レッドゴッド 〔9-e〕 2-2
4着ローマンレジェンド・・・スペシャルウィーク×Awesome Again=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔20〕 8-7
5着グレープブランデー・・・マンハッタンカフェ×ジャッジアンジェルーチ=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔3-n〕 6-3

流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』と中盤と上がりのラップ差の少なさから『一貫』の複合ラップ。展開的には、差しが最も恵まれ、次いで追込、逃げ・先行には厳しい流れと考える。

1着ニホンピロアワーズは、前走みやこS2着(=京都D1800m:0.0秒差)からの好走。阪神Dコースは(2-0-1-2)、D1800m戦は(5-4-3-2)と好走が多い馬でした。みやこS好走馬は、10年に新設されてから今年を含め3年連続で好走馬を輩出しているステップで(=みやこS→JCD:10年1着→1着トランセンド、11年1着→2着ワンダーアキュート、11年2着→3着エスポワールシチー)、非常に相性の良いステップと再確認。特に逃げ・先行で好走したタイプは連続して好走しやすいようで、来年はこの手のタイプを狙っていきたいと反省します。近走では重賞でもきっちり好走していたし、本格化の兆しは十分と考え、今後の活躍にも期待したいと思います。
 ホワイトマズル産駒はリファール系で、欧州型のスタミナ血統で淀みない流れの中長距離戦で高い能力を発揮する。スローペースの瞬発力勝負で負けても、厳しい流れならすぐに反撃する。前走が惨敗でも、展開が向けばあっさり好走する。この特性がホワイトマズルの真骨頂。母父アドマイヤベガはスタミナ型サンデーサイレンス系で、同じ重賞で違う産駒が良く好走する特性がある。また前走0.5秒差以内で5着以内で好走した馬が次走も好走しやすい特性も併せ持つが、近年は高齢馬も増えてきたため毎回堅実に走る馬は少なくなり、叩かれながら上昇する馬や得意コースで一変する馬などムラ駆けの傾向が強まっている。また人気だと不発になることも多いが伏兵の立場だと好走しやすいタイプでもある。父×母父ともに天皇賞春や菊花賞好走馬を輩出したスタミナ型血統でもあり、芝中長距離GⅠ血統という点では注目すべき馬でした。うまく評価できなかった点には反省が必要ですが、芝中長距離GⅠ向き血統は来年にも活かしたいポイントと考える。
 No.〔22〕の牝系は、タフでスピードとスタミナに優れた牝系。スローの瞬発力勝負は苦手だが、急坂コースの持久力勝負に向く。消耗戦を前々にて踏ん張るタイプが多く、ペースが上がる締まった流れは得意。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。前走重賞好走していて、この特性を引き出しやすい状態だったと反省します。

2着ワンダーアキュートは、前走JBCクラシック1着(=川崎D2100m)からの好走。阪神Dコースは(5-1-0-2)で、D1800m戦は(3-2-0-6)でした。11年JCD2着馬でもあり、前走では現ダート戦線トップクラスのトランセンドを下しての好走。昨年のJCDではトランセンドに完敗も、前走で逆転していること、また昨年末にはトランセンドと双璧とされていたスマートファルコンに僅差に好走していたりと能力は高く、12年度はフェブラリーS3着後は2戦凡走したが、前走で圧勝。衰えが少ないことを証明したことから、今回の好走も可能と考えて評価し、結果2着好走。近年JCDでは前年好走馬が再度好走するリピーターの好走が増えてきていて(=09年1着→11年3着エスポワールシチー、10年1着→11年2着トランセンド)、今年は本馬が11年2着→12年2着と好走したことに。着順は基本的には下がると考えて、「老馬の法則」が活きると考える。好走した内容は評価するが、それでも今後衰えは出てくると考えて、過信は禁物と考えたいと思います。
 カリズマティック産駒はストームバード系で、馬力と持久力を持ち味とする砂の中距離血統。使われながら地道に力をつける叩き上げ型で、格上げ3~4戦目が狙い目。芝もそこそここなすが、適性は明らかにダート。時計のかかる1800~2200mが最適条件。また阪神Dコースは得意。母父Pleasant Tapはリボー系で、芝・ダート兼用の中長距離血統。仕上がりは遅く、条件戦で揉まれながら力をつけ、4歳でオープン入り、5歳で重賞制覇というような成長曲線をたどる。条件戦でくすぶったまま終わる産駒も多いが、大一番では怖い存在で、人気がなければないほど押さえておきたいタイプ。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分子記号aは、気性的には素直な産駒が多いが父親よりはスケールが小さくなる傾向。

3着ホッコータルマエは、前走みやこS3着(=京都D1800m:0.1秒差)からの好走。阪神Dコースは(1-0-0-0)、D1800m戦は(3-0-2-2)でした。先行して押し切るレースが得意な馬で、上がり勝負となると分が悪いが、それでも重賞連続好走中という点は評価したく、3着候補として期待して評価し、結果3着好走。本馬もみやこS好走馬と考えると、やはり相性が良いステップと考える。本馬はまだ3歳馬で、今後の成長が期待できる馬なので、今後の活躍に期待したいと思います。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父Cherokee Runはレッドゴッド系で、仕上がりが早く早熟傾向ではあるが、成長力もある。ダートの短距離が狙い目だが、折り合いさえつけば中距離もこなす。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門で、広いコース変わりはプラス要因。3歳秋以降は本格化が始まり、堅実に走るタイプとなる。分枝記号eは、気性が荒く、平均ペース以上での雪崩れ込みが得意で、上がりのかかる消耗的な流れに強い特性がある。また重馬場やダートなど時計のかかる馬場に強いが、一旦調子を崩すと復活が難しく、調子のピークが短い。

4着ローマンレジェンドは、前走みやこS1着(=京都D1800m)からの好走。阪神Dコースは(2-1-0-0)、D1800m戦は(7-1-0-0)と抜群の相性でした。7連勝中かつ重賞連続好走中でもあり、前々走エルムS(=札幌D1700m)では現ダート戦線でトップクラスの能力を有するエスポワールシチー越えを果たし、世代交代を思わせる充実ぶりを証明。脚質的にも先行して押し切れる堅実性を有していて、現在の本格化モードなら堅軸と考えて期待して評価しましたが、結果4着。JCDに関しては、1番人気馬の成績が過去10年で(5-3-2-0)と複勝率100%でもあり、阪神D1800mで施行されるようになった近4年でも(3-0-1-0)と信頼性は高く、この点にも期待しましたが、残念ながら馬券圏外の4着に。上位好走した馬が本馬よりも前にて展開での好走にて、もう少し前に位置していたなら着順はかわったのでは?と考える。断然人気馬の場合、中団に構えるよりも逃げ・先行に位置しないと差し届かずの可能性は高いのが、ダートGⅠと考えて反省します(=08年以降のJCDの場合の1番人気馬は、09年1着エスポワールシチー、10年.1着11年1着トランセンドは逃げての好走、08年3着ヴァーミリアンは4コーナー5番手で差し届かず)。今回は初GⅠ挑戦、1番人気で僅差の4着なら、次走の巻き返しは可能と思うので、今後の再上昇に期待したいと思います。
 スペャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、本来はエンジンの掛かりが悪く末脚が不発に終わることも多いのが産駒の特徴なのだが、本馬は毎回ダート戦でも上がり上位を繰り出し、性能の良いエンジンを積んでいる様子。スペシャルウィーク産駒は、オークスヤダービーなど東京芝2400mでも好走しているし、有馬記念の中山芝2500mでも好走馬を輩出していて、スタミナは豊富な中長距離血統。傾向的には適性は十分に高く、この点には期待する。母父Awsome Againはヴァイスリージェント系で、中長距離で強く、ダート、オールウェザーを問わないが、芝馬は少ない。実が入ると連勝するのがこの系統の最大の特徴で、現在の連勝モードはこの母父に起因するものと思われ、この点にも期待して評価したが、届かずでした。
 No.〔20〕の牝系は、フサイチエアデールやフサイチリシャールなどがいる、2歳戦から走れて仕上がりは早いが、古馬になりもう一皮向ける成長力を有す牝系。人気では詰めが甘く、脇役にての好走が多い牝系でもある。小回りコースは得意だが底力はなく、近年は苦戦傾向にある。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプ。

5着グレープブランデーは、前走みやこS6着(=京都D1800m:0.4秒差)からの好走。阪神Dコースは(1-1-1-0)、D1800m戦は(3-2-0-2)でした。みやこSからのステップの相性の良さと、阪神DコースやD1800m好走実績が良かったことが好走要因と思います。また本馬も前にて展開していた馬で、今回はこの位置取りも好走要因でポイントだったと考える。
 マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。また道悪の成績が良く、パンパンの良馬場よりも多少時計の掛かる馬場向き。丈夫さが取り柄で、詰まったローテーションや高齢馬が穴をあける。母父ジェッジアンジェルーチはボールドルーラー系で、斬れがなく、といっても芝の重が上手いわけでもなくい、なまくら血統。馬群を割る根性もない。マイルは苦手で、1200m&1800m&2000mを稼ぎ場としている。
 No.〔3〕の牝系は、古馬での成長力も豊富で、東京コースなど広いコースでの好走が多い牝系。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。

JCDのポイントは、
①流れは、『前傾』や『一貫』といった厳しい流れになりやすい。
②強い逃げ馬は崩れず好走しやすく、前がつぶれるようなら差しが浮上するが2・3着になりやすい。
③ダートG1だが、芝中長距離血統がポイント。
④No.〔1〕〔4〕の牝系の好走が多い。
⑤みやこS好走馬が好走しやすい。先行して好走している馬は軸に向いている。
⑥JBC好走馬も好走しやすい。
⑦リピーターの好走も多いが、「老馬の法則」が活きる。
⑧1番人気馬は信頼性が高い。


tipmonaとは?

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