有馬記念2012予想
ゴールドシップが2冠馬の底力を見せるか?

予想屋マスター
12期 予想歴23年

◎未定 

○ルーラーシップ3着/2人


今週のメインレースは、2012年の総決算グランプリ・第57回有馬記念である。
第57回有馬記念は、ジャパンカップ1着のジェンティルドンナ及び2着のオルフェーヴルの回避により少し寂しいメンバー構成となってしまったが、混戦模様となり馬券的には面白いレースになりそうである。
そこで、競馬理論は、第57回有馬記念に出走する有力各馬の能力をステップレースごとに分析する。

ジャパンカップ組からは、3着のルーラーシップ(ウィリアムズ)、4着のダークシャドウ(ムーア)、7着のビートブラック(石橋脩)、9着のエイシンフラッシュ(デムーロ)、14着のオウケンブルースリ、15着のメイショウカンパク(蛯名正義)及び16着のローズキングダム(岩田康誠)が第57回有馬記念に出走する。

ルーラーシップのジャパンカップ3着という結果は、インが有利な馬場において道中ラチ沿いで脚を溜めさせたウィリアムズ騎手の好騎乗によるものではあるが、上がり32秒7の脚を発揮してのものであり、ルーラーシップは、どんな展開でも確実に追い込むことを示した。


またルーラーシップは、去年の有馬記念では脚を余して4着に敗れはしたものの、超スローペースを出遅れてオルフェーヴル以上の脚で追い込んでおり、中山2500mの適性も高い。
よってジェンティルドンナ及びオルフェーヴルが不在の第57回有馬記念の競馬予想においては、ルーラーシップに本命級の高い評価を与えるべきである。
ただしルーラーシップは、いつもスタートで出遅れてしまうので、前残りの展開になりそうな場合や極端にインが有利な馬場の場合には、脚を余す可能性が高まる。よって第57回有馬記念の競馬予想においても、ルーラーシップを絶対視することは禁物と判断している。

一方、ダークシャドウのジャパンカップの4着という結果は、ルーラーシップと同様に前残りの競馬で脚を余したものだが、コース取りの差を考えると、レース内容としてはルーラーシップと互角である。


またダークシャドウは、ジャパンカップの走りを見る限り、第57回有馬記念が行われる2500mの距離も問題なさそうである。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、ダークシャドウが内枠を引いて中団のインで脚を溜められるようであれば、ルーラーシップを逆転可能と判断すべきである。

ビートブラック、エイシンフラッシュ、オウケンブルースリ、メイショウカンパク及びローズキングダムは、ジャパンカップの見所のないレース内容を見る限り、第57回有馬記念の競馬予想において、ルーラーシップ及びダークシャドウ以上の評価は不要である。
ただしビートブラックは、第57回有馬記念においても単騎逃げ濃厚なので、極端にイン有利な馬場となって天皇賞・春のような大逃げを打てるようであれば、第57回有馬記念の競馬予想においては注意が必要となる。
またエイシンフラッシュは、去年の有馬記念でもオルフェーヴルに対しても2着と好走しているように、第57回有馬記念の競馬予想においても、去年と同様のスローの瞬発力勝負になると想定される場合には、切れ味勝負が得意なエイシンフラッシュにもそれなりの高い評価が必要である。

一方、クラシックの最終関門の菊花賞組からは、1着のゴールドシップ(内田博幸)及び2着のスカイディグニティ(スミヨン)が第57回有馬記念に出走する。

ゴールドシップの菊花賞の勝利という結果は、2週目の向こう正面から大外をまくって4コーナーで先頭に立つ横綱競馬によるものであり、直線で外から迫ってきたスカイディグニティを突き放したことをも考慮すると、着差以上に余裕のある内容であった。


またゴールドシップは、日本ダービーにおいて今年唯一の敗戦を喫してしまったが、コース取りの差の分だけ届かなかったことによるものであり、ゴールドシップが3歳世代トップレベルの能力を秘めることは間違いない。
また、同じ3歳世代のフェノーメノが古馬の一線級相手に互角の競馬をしていることからしても、今年の3歳世代のレベルの高さを考慮して、第57回有馬記念の競馬予想においては、ゴールドシップにも本命級の高い評価を与えるべきである。
ただし、唯一不安要素をあげるとすれば、ゴールドシップは、菊花賞においてスタート後に行き脚がつかなかったことである。
よって、第57回有馬記念がイン有利の馬場で前残りの展開になった場合には、ゴールドシップの追い込みが不発に終わる可能性もあり得る。

スカイディグニティの菊花賞の2着という結果は、ゴールドシップにこそ力負けであったが、夏場の成長と長距離適性を示すレース内容であった。


よって第57回有馬記念の競馬予想においては、スカイディグニティがゴールドシップを逆転するためには、相当の展開の助けが必要と判断すべきである。

アルゼンチン共和国杯組からは、1着のルルーシュ(横山典弘)が第57回有馬記念に出走する。

ルルーシュのアルゼンチン共和国杯の勝利という結果は、早め先頭で押し切る強い内容ではあったが、56キロという他馬と比べると有利なハンデ及びG
1級不在の弱いメンバー構成に恵まれてのものでもあった。


よって第57回有馬記念の競馬予想においては、急激にメンバーが強化される点を考慮すると、ルルーシュには押さえ程度の評価が妥当である。
ただし、ルルーシュは器用な先行力があるので、第57回有馬記念がイン有利の馬場で行われ、かつ内枠を引くようであれば、ルルーシュの評価をあげるべきとも、競馬理論では判断している。

金鯱賞組からは、1着のオーシャンブルー(ルメール)及び10着のアーネストリー(福永祐一)が第57回有馬記念に出走する。

オーシャンブルーの金鯱賞の1着という結果は、OP
入り直後のダイワマッジョーレが2着というG2
にしてはかなり低調なメンバー構成に恵まれたものである。


よって、第57回有馬記念の競馬予想においては、金鯱賞組のオーシャンブルー及びアーネストリーに高い評価は不要である。

一方、天皇賞・秋からの直行組では、9着のナカヤマナイト(柴田善臣)が第57回有馬記念に出走する。

ナカヤマナイトの天皇賞・秋の9着という結果は、速いペースについていけず全く見所のない内容であった。


しかしナカヤマナイトは、オールカマーでルルーシュに快勝しており、中山コースは得意な舞台である。
よって第57回有馬記念の競馬予想においては、得意の中山コースで馬場や展開に恵まれるようであれば、ナカヤマナイトにも押さえ程度の評価は必要である。

ジャパンカップダート組からは、12着のトゥザグローリー(三浦皇成)が出走する。
トゥザグローリーのジャパンカップダートの12着という結果は、ダート適性がなかっただけであり度外視可能である。
なおトゥザグローリーは、2年連続で有馬記念3着と好走しており、中山2500mは最も得意な条件である。
よって第57回有馬記念においては、一昨年の有馬記念のように好位のインを追走する展開になれば、トゥザグローリーが3年連続で好走可能と判断している。

一方、ブリーダーズカップターフ組からは4着のトレイルブレイザー(武豊)が第57回有馬記念に出走する。
トレイルブレイザーは、

京都記念において、後続の仕掛け遅れに恵まれたとはいえども、ダークシャドウに2馬身も先着して勝利を収めており、G1級相手であっても、展開でカバーできる程度の能力差しかないと言える。
よって、第57回有馬記念の競馬予想においては、スローペースを早めにスパートして後続を突き放す展開になれば、トレイルブレイザーが好走してもおかしくないと判断すべきである。

以上のように競馬理論は、第57回有馬記念に出走する有力各馬の能力を分析した。
この分析結果に、枠順、展開、調教及び馬場状態などの様々な要素を加味して、第57回有馬記念の最終的な予想を決断する。
競馬理論のファンの方は、第57回有馬記念の最終的な予想をお楽しみに。

以下のURLから2012年以前の有馬記念の関連記事がご覧いただけます。
http://www.keibariron.com/database/arimakinen 

有馬記念のコースやレースの特性が知りたい方には大変好評をもらっています。

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有馬記念2012回顧
ゴールドシップが3つめのG1制覇

予想屋マスター
12期 予想歴23年

次走狙い:ゴールドシップ


第57回有馬記念は、菊花賞馬ゴールドシップが1番人気に応えて勝利を収めた。
競馬理論の競馬予想では、早めにまくって押し切った菊花賞の着差以上の強い内容と今年の3歳馬のレベルの高さからゴールドシップを能力的に一番と判断していたものの、行き脚がつかずに追い込み競馬にならざるを得ない脚質と外が伸びにくい中山の芝の状態から、人気ほどの信頼感はないと判断し、ゴールドシップを本命に予想することはできなかった。

レースでは、ゴールドシップはいつものようにダッシュが鈍く、最後方からの競馬となった。
しかしゴールドシップは、2週目の3コーナーの手前から内田博幸騎手にゴーサインを出されると、外を回ってグングンと追い上げた。
そしてゴールドシップは、直線に向いた後もまだ前との差がかなりあったものの、直線の坂でも脚色は衰えず、内で粘るオーシャンブルー及びエイシンフラッシュをあっという間に差し切って、第57回有馬記念を制覇した。

ゴールドシップの第57回有馬記念の勝利という結果は、小回りの中山競馬場で、なお且つイン有利の馬場状態であったにもかかわらず、大外を回って差し切ったものであり、着差以上に強い内容であった。

よって2013年のG1戦線の競馬予想においても、ゴールドシップには本命級の高い評価を与えるべきである。
特にゴールドシップは、長距離適性も抜群なので、極端に追い込みが届かない2012年の天皇賞・春のような馬場でなければ、2013年の天皇賞・春馬となる可能性が高い。
ただしゴールドシップは、現時点においては、オルフェーヴルに能力的に少し見劣る感もあるので、オルフェーヴルを破るためには更なる成長が必要とも、競馬理論の競馬予想では判断している。

第57回有馬記念の2着には、10番人気のオーシャンブルー(ルメール)が入り、波乱を演出した。
オーシャンブルーは、道中、中団よりやや後方の馬群の中でじっくりと脚をためた。
そしてオーシャンブルーは、直線で前が開くと、馬群の真ん中から脚を使い、最内から突き抜けたエイシンフラッシュを捕らえて勝利を収めたかのようにも見えたのだが、大外からゴールドシップに差されてしまい、金星を逃した。

オーシャンブルーの第57回有馬記念の2着は、正攻法の競馬で抜け出したものであり、夏場からの成長を見せつけたものである。ルメール騎手の好騎乗によるものとみることもできる。

よって2013年の更なる飛躍を目指すオーシャンブルーにとっては、次走が試金石の一戦になると競馬理論の競馬予想では判断している。

一方、第57回有馬記念で2番人気に推されたルーラーシップは3着に敗れてしまった。
ルーラーシップは、スタートがいつも以上に悪く、致命的な大出遅れで5馬身近く離されてしまった。
それでもルーラーシップは、馬群に取り付き後方2番手を進み、直線で大外に持ち出されると、豪快に追い込み3着を確保した。

ルーラーシップの第57回有馬記念の3着という結果は、スタート後に馬群に取り付くまでにかなり脚を使わされた上に、イン有利の馬場で大外を回されてのものでもあることから、レース内容としては一番強い内容であった。

よってルーラーシップは、第57回有馬記念を最後に引退することとなり残念ではあるが、子供たちの走りに期待したい。
なお多くの競馬ファンは、スタートで出遅れて豪快に追い込むパッと見が強い競馬をする馬を応援したくなるようで、ルーラーシップやペルーサのようなタイプの馬は成績以上に人気になる。

確かにルーラーシップは、出遅れなければ第57回有馬記念でもきわどい競馬をしただろう。
しかしながらルーラーシップは、いつもスタートが悪く外を回って追い込むしかないタイプであり、スタートを含めて競馬なのだから、このようなタラレバは何の意味も持たない。

むしろ、馬場の管理技術が向上し、外が有利になることが少ない今の競馬では、ルーラーシップのような馬は、好走する確率よりも人気になりやすい人気先行タイプと言わざるを得ない。
よって馬券の期待値を重視するという意味では、ルーラーシップのようなタイプの馬が人気になった場合には評価を下げるべきであろう。
特に、イン有利の馬場や先行馬が少ない時には、ルーラーシップのようなタイプの馬は更に評価を下げ押さえ程度の評価にとどめるべきと、競馬理論では判断している。

さて、第57回有馬記念で3番人気に推されたエイシンフラッシュ(三浦皇成)は、4着止まりであった。
競馬理論の競馬予想では、イン有利の馬場で絶好となる2番ゲートからの発走で中団のインを追走できる展開面を重視し、エイシンフラッシュを本命に予想した。
レースでは、エイシンフラッシュは戦前の想定どおり中団のインを追走した。
そしてエイシンフラッシュは、直線に向くと内から突き抜けて一旦は先頭に立ったものの、外から次々と差されてしまい4着に敗れてしまった。

エイシンフラッシュの第57回有馬記念の4着という結果は、終始コースロスのない競馬をしてのものであり、力負けといった内容であった。

よって2013年のG1戦線の競馬予想においてエイシンフラッシュが差し切るためには、得意の瞬発力勝負などの展開の助けが必要と判断すべきである。

以上のように第57回有馬記念は、ゴールドシップの強さだけが目立つ一戦となった。
競馬理論のファンの方は、2013年もゴールドシップの走りに大いに期待して頂きたい。

以下のURLから2013年以前の有馬記念の関連記事がご覧いただけます。
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