10期 予想歴16年
◎レディアルバローザ
11着/3人気
○ハナズゴール1着/1人
▲アプリコットフィズ6着/9人
△オウケンサクラ13着/14人
【予想】
馬場は読みにくいけど、ペース次第で前が止まるかどうかはあっても、まだ基本的には内有利だとみる。展開はクィーンズバーンの逃げ宣言、これに外から距離短縮で行けるかどうかのエーシンメンフィスと昇級のフラワーロックが競りかける。基本的にはクィーンズバーンが行き切っての平均ペース寄りの競馬になると思う。
◎レディアルバローザは自分らしくない結論になったと思うけど、枠や展開、騎手を考えると一番信頼できそうなのがこの馬になった。マイルは若干短い気もするんだけど、昔はアパパネやブエナに接戦に持ち込んだハイペースでのヴィクトリアマイルの3着や中山牝馬Sでのポテンシャルの高さを見ても、積極的な競馬でかつ緩まなければ勝負になると思う。昨年のヴィクトリアマイルは中弛みが有って11.8 - 11.5 - 11.2 - 11.5のラップ推移。最内で置かれてギアチェンジで見劣った形なので、京都の下り坂で平均ペースなら。昨年の同レースでは平均ペースで負けているけど、狭いところで挟まれて要所でポジションを落としているし、終いジリジリとは来ていた。インサイドワークが上手く、いい位置につけてくれそうなルメールは合うと思うし、何よりこの枠で逃げ馬の直後につけられそうな条件も良い。出来ればオウケンサクラを制して2列目ポケットを確保してほしいが、悪くともオウケンの後ろにつけられれば。
〇ハナズゴールは素直に本命にはできなかった。前走リゲルSでは11.5 - 11.5 - 11.6 - 12.4のラップ推移で強烈な末脚を見せてマウントシャスタを子ども扱いしたのは確かだが、これは逃げ馬が単騎逃げの形だったし、実質的にはトップスピード勝負だったように感じる。実際上りが33.3という競馬になっているので、スローからのトップスピード勝負で結果を出した形。もともと平均ペースでもそれなりには走れる馬ではあるのだが、今の段階ではトップスピードの質の高さが武器で、京都マイルで平均的なスピードが求められた時にどうかという点では不安。ここも後方からの競馬になると思うし、平均ペースでポジションを上げるタイミングや内の進路が無くなった時に外を回して脚を使い切るリスクはそれなりにあると思う。もちろん少し緩んだりしてトップスピード勝負になればここでは敵はいないし、平均ペースでも上手く内でポジションを落とせずに通せる枠でもあるので力さえ発揮できれば当然勝ち切れるだけの能力の持ち主。この扱いがベストだと判断。
▲アプリコットフィズはもう少し内枠なら本命にしても良かったんだけど、今回逃げ、番手がハッキリしている中での外枠で、内に潜り込める可能性は低い。ポテンシャルタイプなのは明らかで、キャピタルS勝ちがハイレベル戦で11.6 - 11.2 - 11.6 - 11.9と平均ペースからL3最速。基礎スピードの高さとポテンシャルが問われた形で結果を出していて、トップスピード勝負になると弱い。その点で、今回は先行勢がそれなりに揃って平均ペースを刻むのは良いと思うけど、ここだと要所で外を回さざるを得ないと思うので、その辺が恵まれないと安定して上位にとは言えないかなと。ただ持っている能力は本来最上位の馬なので、前走で復活の兆しを見せた今回、マイルの平均ペースで一発を狙う。
△オウケンサクラはもう一度。前走は外枠もあって積極的に番手を取りに行くのに脚を使ったと思うし、本来はあまり序盤に脚を使いたくないタイプ。ある程度の位置から終い二の足を使ってくるタイプなので、平均ペースはあまり好ましくないにせよ、この枠で労せず内ポケットを確保してくると最短距離を通ってロスなくマイペースで進められるという点ではやはり怖い。少し緩んだ時にはさらに怖い。
【展望】
春のヴィクトリアマイル戦線へ向けて、牝馬路線もここから始動。昨年はヴィクトリアマイル2着のドナウブルーが勝ったが、今年もここからGIを賑わす馬が出てくるか。素質馬と言われながら順調さを欠いた実力馬が前走混合OPを制してここも中心。それに対抗するのは中山牝馬S連覇を果たした実力馬、混合OPアイルランドT勝ち馬など、なかなかの好メンバー。
中心は昨年のチューリップ賞で昨年年度代表馬ジェンティルドンナを打ち破っているハナズゴール。前走リゲルSではオースミスパークが刻む平均ペースだが、これは単騎逃げ。後方から11.5 - 11.5 - 11.6 - 12.4のラップ推移で馬群の中から鋭く伸び、必死に追われる強敵マウントシャスタを子ども扱いの完勝。直線序盤でマウントシャスタが少しふらついたとはいえ、立て直してからも差を詰められず。この内容からもこの馬のポテンシャルの高さ、そしてトップスピードの高さ両面で評価せざるを得ない内容。牡馬と混じっても全く見劣らない。もともとチューリップ賞でも12.2 - 12.2 - 11.3 - 11.8のラップ推移。内ポケットで加速できずにまごまごしている後の年度代表馬、女傑ジェンティルドンナを尻目に外から豪快に突き抜けての圧勝。もちろん進路を確保しきれずに全能力を発揮できなかったジェンティルドンナ相手とはいえ、全く問題としない強烈な末脚を発揮したのは間違いないし、総合力ならばジェンティルドンナにも引けを取らない馬だろう。少なくともマイルならばこちらの方が上だとみている。タフな馬場でも高速馬場でもこのトップスピードの高さ、そしてそれを維持できるポテンシャルとかなりのものを見せているし、札幌2000のの札幌記念でも、最後にものすごい脚を使えている。秋華賞では大惨敗となってしまったが、馬群の中目でペースアップに対応できずに後方に下がってからの仕掛けとなったのも大きかった。成績が示す通り、不安定な馬で馬体重の増減も大きい。何度も取り消しをしているように、特に体調管理も難しいようなので、常に信頼するわけにはいかないが、持っている素質はジェンティルドンナにも見劣らないものがあるだけに、ここもまともならば当然中心視すべき馬だろう。内有利馬場がどこまで改善するかにもよるが、トップスピードの高さは現役屈指の実力馬。
相手筆頭には中山牝馬S連覇のレディアルバローザ。一度目は阪神1800mで行われた中山牝馬Sだったが、平均ペースで11.8 - 11.2 - 12.1 - 12.4とポテンシャルが問われた競馬になった。ここで中団から突き抜け強敵フミノイマージンやコスモネモシンらを寄せ付けない快勝。そして昨年の中山牝馬Sでは道悪で12.8 - 12.0 - 11.8 - 12.5のラップ推移。ややスロー気味の中で逃げの手に出てオールザットジャズの追い込みを半馬身抑えての勝利。1800mでは安定して高いパフォーマンスを見せてきている。また朝日CCでも3着が有りこの当時は内2000mで行われていた。エーシンジーラインが作るロンスパ戦を追走して11.8 - 11.8 - 11.5 - 11.1 - 12.3のラップ推移で後方からしっかり伸びて僅差の3着。どちらかというと中距離型のポテンシャルタイプのように感じる。反面でマイル戦となると、古馬になってからは苦戦。特に京都マイル2戦共に京都牝馬Sなのだが、どちらも中団から伸びきれなかった。2年前はスローから11.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3のラップ推移。トップスピード勝負になったのでこれは仕方ないが、昨年は11.7 - 11.4 - 11.7 - 11.8と平均ペースのポテンシャル勝負になっていた割には伸びなかったのが気がかり。ただ内有利馬場で外目を回すことになったし、最後までばてていなかったので通った場所の差が大きかったともいえるかもしれない。ただマイル戦は基礎スピードを考えると少し苦しんでいる印象で、特に京都の平均的な競馬で苦労しているように序盤、3~4角がカギ。ポジションを落とさずに流れに沿って、L1落ち込むようなポテンシャル勝負になってくればという所。ハナズゴールにトップスピード勝負では分が悪いので、雨で渋ってくれるか積極的な競馬は欲しい。その点で鞍上のルメールという点が非常に不気味。良いポジションで競馬してくると面白い。
3番手にはエーシンリターンズ。調教師コメントで引退レースになるかもとのことだが、東京新聞杯辺りの方が良かったなあというのが正直な所。この馬の持ち味はすっと前に行けるポジショニング能力の高さと要所のギアチェンジ能力の高さ、そしてそこから使えるそこそこのトップスピード。逆にポテンシャル勝負では分が悪く、京成杯AHでは外をまわしたとはいえ完敗、京都金杯も3番手から沈む形。どちらも内有利の馬場状態だったが、下り坂が要所にあって最大の武器であるギアチェンジ能力が活かせなかったコースだったと言える。スローから11.7 - 11.1 - 10.4 - 11.3のラップ推移で内ポケットから楽に出し抜き2着の関屋記念や、11.7 - 10.9 - 10.9 - 11.5のラップを刻んで二の脚で突き放し逃げ切ったメイSがこの馬本来の得意な競馬だろう。その点で、要所で下り坂が有って各馬が加速しながら進めやすく、平均的な競馬になりやすいコース。内の馬場状態次第では前掛かりにもなりかねないのでその点でこの馬の不安要素は京都マイルだと多い。このギアチェンジ能力が活かせそうな東京でラストランを迎えてもらいたいが、京都でどこまで頑張れるかだろう。スローで仕掛けを遅らせるような競馬ができれば持ち味のギアチェンジを活かせそうだがどこまで。
4番手にはアカンサス。アイルランドTでは割と平均的な競馬になって11.9 - 11.3 - 11.5 - 11.9L3最速のポテンシャル勝負。この流れを得意とするリルダヴァルを相手に後方からしぶとく伸びて差し切るパフォーマンスの高さを見せた。ケニアブラックを破った初富士Sでも11.5 - 12.0 - 12.2 - 11.9 - 12.2のラップ推移できっちり半馬身捕えているように、フジキセキ産駒らしい軽い馬場で平均的なスピードとそれを維持させるポテンシャルが高い印象。ただし、高速馬場向きの印象で、今の少し時計が掛かる京都の馬場はマイナス材料。古馬になってからは1600mは1戦。秋風Sで惨敗しているが12.2 - 11.9 - 11.1 - 11.2のラップ推移でトップスピードとギアチェンジ、ポジショニング勝負。これだけでは測れないが、印象からも少し短い感じはする。ポジショニング面では常に後手にはなる馬なので、京都マイルで平均的な競馬を刻まれたときに基礎スピードが足るかどうかだろう。ポテンシャル勝負向きなのでL1落ち込む競馬向きだが、それがスローからのロンスパ戦になるか平均的に速い競馬になるかで変わってきそうだ。適性面での不安はあるだろう。トップスピードが少し足りないので出来れば内内を立ち回って要所で置かれない競馬が望ましい。
アスカトップレディも得意の京都マイルなら侮れない。昨年は金杯、京都牝馬Sと重賞で連続3着。金杯ではハイレベルの競馬で平均ペース、11.9 - 12.0 - 11.5 - 11.8のラップ推移で外から押し上げていく形。L1は少し甘くなってしまったがダノンシャークやサダムパテックらを抑えての内容はかなり評価できる。京都牝馬Sでも平均ペースで11.7 - 11.4 - 11.7 - 11.8のラップ推移、L3最速戦で中団から最速地点の3~4角で外目追走、4角出口で仕掛ける形で直線もしっかり伸びた。内をうまく立ち回ったショウリュウムーンに外から迫る競馬での3着でこれはかなり評価できる。ポジショニング能力が低く、ギアチェンジ能力も微妙だがポテンシャルはかなり高くトップスピードもそれなりにはある。なので京都の外周り、しかもペースが平均的になりやすい京都外マイルはベスト条件ということだろう。愛知杯ではほぼ最後方から外を回して上がり最速だが超スローから12.0 - 11.5 - 11.0 - 12.1のラップ推移で前残りの展開。度外視していい。もちろん少し緩んだ時に不安も残るが、下り坂が有ってトップスピードに乗れる舞台ならば安定して勝負に食い込んでこれるだろう。内有利馬場がどこまで解消してくるかが焦点。スローになってもトップスピードはそれなりにはあるので対応はできるだろう。今の適度に時計が掛かる馬場も歓迎材料。
愛知杯を逃げ切ったエーシンメンフィスは試金石の一戦。超スローから12.0 - 11.5 - 11.0 - 12.1のラップ推移で逃げ切った形だが、51kgの軽ハンデ、時計が少し掛かる重い馬場でハンデも活きる舞台だったし、何より超前残りの展開でサンシャインすら残ってしまうレベルではあったので、純粋に高い評価はできない。それにペースがかなり緩かったからこそ逃げられたともいえるし、距離短縮でハナを切れる保証はない。衣笠特別でも不良馬場ではあったが12.1 - 11.7 - 11.4 - 11.8と結局超スローの単騎逃げ。これも押し出される形での逃げだったわけで、この距離の高い基礎スピードが問われる舞台、斤量も55kgと負担増。条件を考えれば普通に苦しい一戦だろう。相手も強敵では狙い辛い。
大穴でアプリコットフィズを警戒。近走は完全にまた不調期に陥っているように見えるが、前走で復調の兆しを見せた。この馬は基礎スピードの高さと高いポテンシャルが武器。富士Sでは不良馬場で12.1 - 11.5 - 11.2 - 12.7とL1落ち込む競馬で好位からしぶとく抜け出して粘り、エイシンアポロンやマイネルラクリマ、ストロングリターンらが相手。これらと互角以上のパフォーマンスを見せているように、力を出し切る競馬になれば重賞級なのはまず間違いない。キャピタルSでも11.6 - 11.2 - 11.6 - 11.9のラップ推移、平均ペースからL3最速で脚を出し切るポテンシャル勝負になって、2列目で先行して直線ジリジリ伸び、最後に抜け出しての勝利。相手がガルボやコスモセンサー、マイネルラクリマということを考えればこれもかなりのパフォーマンス。正直当時のパフォーマンスだけならここでもハナズゴールに匹敵しうるだけのものを見せている。後は展開だが、ギアチェンジが問われず平均的な競馬になりやすい京都外マイルはこの馬にとっては良いはずで、しかも高速馬場・重馬場問わず平均ペースなら問題ないという点も良い。内枠でも引いて上手く2~3列目につけられればこの相手でも十分やれるだけのポテンシャルを持っている。
最後に上がり馬のサクラクローバーについて少し。前走市川Sではハイペースから11.7 - 11.8 - 11.9 - 12.3のラップ推移をうまく内からじわっと押し上げていく形で勝ち切った。やや展開面では恵まれた印象はあったものの、勝ち時計自体は優秀。飛騨Sのバテ差や、清水Sでスローのトップスピード勝負で伸びきれなかったように、基本的にはポテンシャル勝負向き。またペースが上がってもばてないポテンシャルはあるが、序盤にいい位置にはなかなかつけないので、外を回して要所でポジションを下げてしまうと巻き返せない。スローだとこれで苦しみそうだ。京都外なら4角出口で広がりやすく進路は確保しやすいのでできれば内枠が欲しい。内枠で平均ペースになってくればという所。ただ今回は相手もかなり揃っているので、ペース緩まずに自分の競馬に徹してどこまでやれるかというところまでかなという印象。
http://blog.livedoor.jp/catassan/
tipmonaとは?