AJCC2013予想

カタストロフィ
10期 予想歴16年

◎ゲシュタルト
  9着/8人気

○ダノンバラード1着/3人
▲サトノアポロ4着/4人
△トランスワープ2着/5人


【予想】
展開はネコパンチの単騎逃げ、これにマルカボルトやルルーシュ辺りが番手。ネコパンチは休み明けで積極的に引き離しに行くにしても各馬これをマークする意識は低く、番手で有力、目標になるルルーシュはまだ日本競馬にあまり慣れていないマクドノーなので、この展開で番手の位置になった時にワンテンポ仕掛けが遅れる可能性が高く、2番手以降はスローで仕掛け所も遅くなるか。


◎ゲシュタルトはナカヤマナイトが出てこないなら普通にここでは力最上位。昨年のAJCCでは12.5 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2のラップ推移、ロンスパ戦で馬場の悪い内目を通って押し上げ最後までしぶとく食らいついての3着。またその前の中日新聞杯では11.7 - 12.0 - 12.4 - 11.8 - 11.6 - 12.6のラップ推移で外を回して押し上げていく競馬。多少緩んで押し上げやすいラップではあったにせよ、コーナーでは速い脚を使わされている中で、L1もばてきっている流れ。これで他馬よりロスが有りながら最後までしぶとく伸びているようにポテンシャルの高さはかなりのもの。ここでも主力のダノンバラードを破っての2着。極端な平均ペースにはあまり強くないが、前半ゆったり運べて後半のロンスパ戦に強いし、小倉や京都・中山が得意なように、下り坂があってそこから加速していく競馬に強い。適度に時計が掛かる今の中山ならキレ負けすることもないだろう。七夕賞では厳しいペースで前半に脚を使っての敗戦だが、それでもL4最速戦で0.4差に粘れているので悪くない。ここが期待している。


〇ダノンバラードもポテンシャルタイプ。前走は序盤からハナを切る競馬になったが、前半スローから11.9 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.0と6Fのロンスパ戦。初めて逃げてこれでは苦しい競馬になった。アンドロメダSでは重馬場で12.4 - 12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.9のラップ推移でしっかり中団から差し切れる脚を持っていて、ポテンシャル型だがポジションも中団ではつけられ、それなりにトップスピードも持っているので安定しやすい。今回は名手ベリーに乗り替わるし、ハッキリとした目標が前にいることになるので、競馬はしやすいはず。


▲サトノアポロは前走を評価。11.7 - 11.7 - 11.8 - 12.2 - 12.2 - 12.8とL6からの6F超ロンスパ戦を好位から押し上げて押し切るかなり強い競馬。ポテンシャル型で強敵のサクセスパシュートを破ってのもので、それも正攻法での形なのでかなり評価できる。この馬は習志野特別でも12.1 - 11.4 - 11.4 - 11.9のラップ推移で大外を回し、直線序盤から違う脚で伸びてきて完勝していて、トップスピードの質でも良いものを持っている。前走かなりタフな競馬でも持ち味が衰えなかったのなら、ここでも通用する。


△トランスワープは普通に函館記念を評価するが、休み明けと前走天皇賞の惨敗が気がかりなので押さえ程度まで。


ルルーシュはオールカマーの負け方を見ると強気にはなれないというのが正直な所。有馬記念の内容よりも、間隔をあけてきているとはいえ、夏からずっと使われてきていて有馬を終えてのここという点でもどうか。それにある程度大逃げになるだろうネコパンチを離れてみながら仕掛けが遅れる可能性もあり、その間に差し馬にポジションを上げてこられると厄介な馬が多いし、個人的にはここでは切って妙味だと思っているが。
【展望】
 中山の外周り2200mで行われるAJCC。昨年はルーラーシップが制覇して香港でGI制覇と勢いに乗せる一戦となっていた。一昨年はトーセンジョーダンが制覇し、その年の天皇賞秋を制覇、JCでも2着。ここ2年で勝ち馬から後のGI馬を輩出していて、登竜門の一戦になりつつある。今年も粒ぞろいの脇役たちが勢ぞろい。サマー2000チャンピオン、アルゼンチン共和国杯勝ち馬、オールカマー勝ち馬、日経賞勝ち馬、重賞善戦マン、更に準OP勝ちからOP重賞と善戦を続けて力をつけてきている馬。この中で今年の古馬王道戦線の中心に飛躍する馬が出てくるかどうか。


 中心はオールカマーで押し上げて楽に勝ち切ったナカヤマナイト。オールカマーではスローから12.6 - 12.6 - 12.0 - 11.7 - 12.3のラップ推移。結果的にややスローの競馬になっていて、早めに押し上げていった分、早めにトップスピードに入れられてそのまま抜け出せた形。ダイワファルコンを目標に3角でゆったり押し上げ、4角では2番手。そこから直線序盤で抜け出し、ルルーシュには最後まで差を詰めさせない完封の内容だった。スローから動き出しの良さで出し抜いただけでなく、最後までしっかりと伸びていた点を評価。もう一つ、昨年のAJCCでは強豪ルーラーシップに正攻法で挑んで差された形。不良馬場で12.5 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2のロンスパ戦。ここで中団から挑み、外から押し上げていく形でルーラーシップの目標になりながら4角先頭。直線序盤でも頑張ってはいたが、流石にポテンシャルでは現役1,2を争っていたルーラーシップにL1に交わされて突き放された。この馬としてはある程度のポテンシャルは持っているものの、基本的にはある程度スローから動きだしの良さを活かしてくるタイプだろう。有馬記念ではゴールドシップが作り出した平均ペースからのロンスパ戦という苦しい競馬で大外を回すも伸びきれず。天皇賞では結果的にスローのギアチェンジ戦でポジションを落としてから盛り返してきているように、意外とトップスピードはそれなりにあるステイゴールド産駒。中山2200mでペースが上がらずに後半勝負になってくれば当然ここでは最上位の馬だろう。


 相手筆頭には金鯱賞でまさかの逃げ沈み、そこから名手ベリーに乗り替わりのダノンバラード。ただでさえ逃げの経験がない中で、11.9 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.0とこのラップ推移を刻んでは苦しい。アンドロメダSでは京都2000で12.4 - 12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.9のラップ推移。スローからのロンスパ戦で中団外からしっかり差し切っていたり、昨年の日経新春杯では12.8 - 11.8 - 11.5 - 11.7 - 11.9のラップ推移で押し上げながらしぶとく粘り込んでの2着。ポテンシャル型なのは間違いないし、傾向を見ても要所で下り坂があるコースに実績が集中。重賞でも通用するのはペースが上がってもばてないポテンシャルのおかげだろう。大きく崩れたのは12.5 - 11.3 - 11.1 - 12.0のラップ推移で強烈なギアチェンジが問われた共同通信杯と、前走未経験の逃げで6F戦だったこの2戦だけ。中山2200mは下り坂でじわっとペースを上げていけるコースで、この時期ならば平均ペースでスピードを問われるというケースは稀。序盤ゆったりさえ運べれば終いのポテンシャルはかなりのものを持っている馬。名手ベリーの手で前走から巻き返したいところ。


 3番手にには金鯱賞で3着、ポテンシャルの高さを徐々に見せつつあるアドマイヤラクティ。金鯱賞ではスローから11.9 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.0とロンスパ戦。ここで後方からジリジリと、本当にジリジリと伸びてきての3着。ただ、最後まで一番いい脚を使っていた。ただ、この馬の場合は3~4角で前にスペースを置いて最内を突き、スムーズに直線入りで外に出しているように流れは向いた。それに要所で押し上げられなかったところからも、基本的にはトップスピードの質が高いわけではなくあくまでポテンシャルタイプの馬だろう。ここからも典型的なハーツクライ産駒だと思うので、距離延長でポテンシャル勝負になった場合に更にパフォーマンスを上げてくる可能性は高い。古都Sでは京都の2400mの舞台、12.3 - 11.9 - 11.8 - 11.7 - 11.9と平均的なラップ推移の中で、後方大外から58kg背負ってヴィクトリースターを破っているし、この相手でもポテンシャルは底を見せていない点で魅力たっぷり。課題は緩んだ時にすっと動けない点にあるので、デムーロのようにしっかりトップスピードに乗せて追ってくれる騎手から内田に乗り替わるのは決してプラスではないと思う。緩んだ時に要所で進路確保できずに置かれてしまうと苦しいし、内田だとその心配は大きい。ゴールドシップ並の競馬をしてどこまで通用するか見てみたいところだ。


 穴どころからはゲシュタルト。小倉記念以来の休み明けとなるが、この馬も後半型のポテンシャルタイプ。それと下り坂からなだれ込む競馬を得意としていて、中山、京都、小倉と相性が良い。それと、平均ペースで基礎スピードが問われる舞台よりも、序盤スローで下り坂からのロンスパ戦になって持ち味を出してくる馬。例えば中日新聞杯はヤヤオモで少し時計が勝勝て12.0 - 12.4 - 11.8 - 11.6 - 12.6のラップ推移。ここで外から最速地点で捲り気味で直線しっかり伸びての2着。ダノンバラードを抑えてのもので評価できる。昨年のAJCC3着でも12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2のラップ推移、スローからのロンスパ戦で内を立ち回って押し上げていき、ナカヤマナイトとはそう差のない3着で通った馬場差を考えれば十分評価に値する。ここまでのパフォーマンスならここでも最上位の1頭と言えるはず。問題はそれ以降崩れている点。七夕賞、小倉記念は序盤からのスピード勝負になってこの馬には苦しかったし度外視していいが、京都記念の負け方が気がかりで、流石に4.4差は。それでも、ここ2走は得意ではない展開で崩れていないので、京都記念さえ目をつぶれれば、ここでもヒモでは是非とも拾いたい1頭と言える。内でも外でも立ち回れる器用さも魅力。


 ルルーシュが有馬記念で壁を痛感も、再び巻き返しの道。有馬記念は大外枠で序盤からペースが早く、そこから番手の外を確保する苦しい競馬になったし、何せゴールドシップが後方の馬の仕掛けを早めてしまったので、先行馬には苦しい展開になった。ある程度は度外視していいだろう。が、道悪で行われたオールカマーではスローから12.6 - 12.6 - 12.0 - 11.7 - 12.3のラップ推移、要所でポジションを下げる不利があったものの、L1で詰め切れずに終わったのが個人的には少し物足りない。アル共も圧勝できたがレースレベルにはまだ疑問符が付くところで、しかも内有利の状態だったことを考えると額面通りには。トータルで考えるとタフな馬場よりは高速馬場向きの印象で、スピードとギアチェンジ能力の高さを活かして押し切る競馬が合ってそう。ここは正直相手も骨っぽい馬が多いので、人気の中心になるようであれば少し狙いを下げたいと思っている。オールカマーは緩い地点で押し上げられてしまったのも大きいとは思うが、それでもユニバーサルバンクぐらいは抑えてほしかった。


 サマー2000チャンピオンのトランスワープがウインターでも戦えるか。前走天皇賞秋では確かに外々を回されたが、それにしてもあまりに不甲斐ない内容。ペースもそこまで早かったわけではないので、これで後半失速したのは正直に心配材料。ただタフな馬場で行われた函館記念のパフォーマンスはなかなかに高かった。平均ペースで12.4 - 12.4 - 12.3 - 11.8 - 12.4のラップ推移、これを中団内で追走すると、最速地点の4角出口で少し壁に窮屈になりながらも捌いて直線すぐに反応し伸びて捕える競馬。着差以上のパフォーマンスだったと言える。新潟記念では超スローから11.7 - 10.9 - 10.3 - 11.9のラップ推移、中団で鋭く伸びて、タッチミーノットやアスカクリチャンらを抑えての勝利。普通に地力はここでも最上位。ただし、流石に天皇賞の負けが気がかりで、2200mも初距離。不安もそれなりにはある。それでも函館記念からはある程度のポテンシャルとギアチェンジ能力、新潟記念からはトップスピードと総合力の高さをうかがわせる馬。怖さは当然ある。出来次第だろう。


 マルカボルトも圏内。ディセンバーSでは11.5 - 11.8 - 12.2 - 11.5 - 12.4、L5からペースアップ。2列目から4角で先頭列に並びかけるも直線入りで手応え見劣る形。それでもL1では手応えの割にしぶとく最後はクビ差の2着。相手関係もそれなりで、ポテンシャルもまずまずは見せた形。この馬の良さはある程度のポジショニング、基礎スピードも持ち合わせているという所。レインボーSではハイペースで12.3 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.1のラップ推移で番手から抜け出しケニアブラックをハナ差退ける内容。ただ、こういったスピードを前面に出す競馬で結果を出していて、ディセンバーSでも12.2-11.5の加速の段階ではかなり流れに沿った競馬をしながら置かれていたので、この時期の中山2200mでややスローから後半4F勝負になった時にペースアップに置かれないかどうかはポイントだし、2200m以上の実績がない以上距離に関してはリスクはそれなりにありそう。


 最後に日経賞で波乱を起こしたネコパンチ。名前的にも人気がある一頭だが、流石に今回は宝塚記念以来の一戦となり、割引は免れない。2200mも短く、単騎で逃げられる展開ではあるが日経賞ほど大きなリードを広げることができるかどうかがポイントだろう。ある程度のペースからギアチェンジで押し上げていくことは難しい馬なので、単純に単騎でどれだけリードを広げられるか。雨で渋ってくればという所。


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AJCC2013回顧

カタストロフィ
10期 予想歴16年

次走狙い:トランスワープ
次走危険:アドマイヤラクティ
次走危険:マカニビスティー


2:13.1 12.3 - 11.5 - 12.2 - 11.6 - 12.1 - 12.2 - 12.4 - 12.5 - 12.1 - 11.5 - 12.7


 展開的には平均気味の競馬だが、道中少し緩んでL2最速が11.5の流れ。L1かなり落ち込んでいるけど、ペース考えると少し落ち込み過ぎの印象で。L2が11.5と速いのである程度は仕方ない。中弛みのタイミングが仕掛け所になっているので、差し馬は楽に押し上げられる展開だったはずだしL1も落ち込んでいるので、これで差し込めなかったとしたら力負けと言えるかも。


 1着ダノンバラードは五分のスタートからある程度積極的に追われて3列目の内ポケットで競馬。ただ、1~2角でネコパンチが飛ばして行き、先行勢もポジションを取って縦長になり、中団にポジションを下げるような形で進める。3角で少し外に出し、楽に2列目に押し上げていくような形。4角で逃げ馬がつぶれ、押し出された2列目のゲシュタルトが先頭、これに外から並びかけて先頭列で差なく直線。序盤で外から内に一気に切り込み、内から伸びてきていたトランスワープの進路を妨害、更に煽りを食らってゲシュタルトは失速。その後L1で突き放せずに2馬身あった差をトランスワープに少し詰められての後味の悪い勝利となった。まず冷静に分析すると、直線までの持って行き方は神がかり的にスムーズで評価すべき。最内ポケットで道中ロスなく運び、3角で進路を確保して緩んだところでじわっとポジションを上げる。そのままの勢いで加速していく流れにワンテンポ早く仕掛けたことで置かれずに最高の流れでL2最速地点に向かえた。これは要所で置かれがちのこの馬にとっては大きかったし騎乗面での評価をすべき点が多い。斜行の是非に関してはコラムで書いているので割愛。ただ影響に関しては冷静に考える必要はある。他馬よりワンテンポ早く仕掛けて外からトップスピードに乗っていた状況なので、ラップ的にも不利を与えていたL2で脚色が良いのは当たり前。ここで斜行しなくても本当に突き抜けるだけの脚があったなら、トランスワープは斜行の被害を受けなかったと思うんだな。トランスワープは2列目の内で競馬していて、ダノンは先頭列で加速して直線を迎えていたわけ。トランスワープは内から加速してトップスピードに乗っている段階の所でカットされているのは間違いなくて、実際1列差があったのに直線序盤で不利を受けたということは1馬身差を詰めていく段階にあったと思う。これが不利で1馬身下がってしまったことを考えれば、そこからまた3/4馬身は詰めていることになる。これダノンはL1見ても明らかに最後落としているので、トランスワープが11.5の最速地点で不利を受けながら直線盛り返しているのなら、余力もあったし不利がなければ個人的には逆転は可能だったとみている。まあそれでも際どいところなので、何とも。少なくともアドマイヤラクティにこの展開で完勝できた点は評価できる。ロンスパ向きだけど器用さがないし、今回みたいにベリーが上手く流れに沿っていい脚を見せることができたけど、基本的にはトップスピードはそんなにない馬。今後も勝ち切るとなると展開次第の馬じゃないかな。斜行以外の部分の騎乗はパーフェクトに近い。GIでは難しいと思う。


 2着トランスワープは好スタートからじわっと先行争い、コーナーワークで楽に3列目の内ポケットを確保する。道中ゲシュタルトの直後でスペースを作りながら絶好のポジショニングで3角へ。3角で少し緩んで、ネコパンチが下がってきたので更にゲシュタルトが目標になってしまいペースが上がらず。そのせいで前のスペースがなくなって抑えるような形で内目追走。4角でも馬なりで進路が開くのを待つ間に外から緩い地点で捲ってきたダノンバラードに先に行かれて2列目の内、1馬身ほどの差で直線。序盤で進路が開くとすぐに反応してまずゲシュタルトは楽に交わし、外から来るダノンバラードに抵抗する脚を見せる。しかしそのダノンが外から一気に切り込んで前カットをされてしまい1馬身は下がる完全な不利を受けてしまう。ブレーキが掛かってからも再度差を詰めていて脚は残っていたが下がったことが致命的となっての2着に終わった。単純計算で、不利を受ける前が約1馬身差。そこから不利を受けて1馬身不利を受け、そこから3/4馬身盛り返しているので計算上スムーズだったら1馬身ほどの差から3/4以上は詰める脚を持っていたことになるので十分勝つ可能性はあったと言えます。もちろんそんなに単純ではありませんが。ただ、不利が致命的だったことはラップ推移からも明らかで、11.5の段階で脚を持っていて進路が空けばトップスピードに入って伸びていた可能性はかなり高かった。先頭列の間に進路ができた時の反応は勢いをつけてきたダノンバラードと比較しても見劣らないもので、実際外から1馬身近く差があったダノンバラードが直線で切り込んで不利を与えているように、差はそれ以上はつけられてません。むしろ縮まっていたからこそ不利があったと考えるべき。であるなら、前述の計算からも、あそこでダノンが斜行だと考えて立て直していたなら恐らく勝っていたのはトランスワープだったと個人的には思っています。斜行の是非についてはここでは述べませんが、もし斜行がなければと考えた時にこの馬のパフォーマンスの方が高いと考えた方が良いでしょう。それと緩んでの要所のギアチェンジで良いものを見せたという点からも距離に対しても目途を立てたと考えることもできます。今後が楽しみになったなあという印象。夏の勢いはフロックではなかった。これからの活躍を期待。


 3着アドマイヤラクティは五分のスタートから無理せず後方で競馬。そこからしばらく動かずに後方で向こう正面。向こう正面から3角の入りぐらいでペースが緩み、そこで脚を使わずに外からじわっとポジションを押し上げに掛かる。3角で外目からダノンバラードを目標にじわっと仕掛ける。4角でダノンの外、大外を回して仕掛けて3列目、2馬身半差ほどで直線。序盤で外から勢いをつけていた割にトップスピード負けして伸びず。L1で不利があったトランスワープにも脚色で勝てずになだれ込んでの完敗の3着。敗因はトップスピード不足。3角手前で押し上げていこうとして一旦止めちゃって、ダノンが仕掛けてからの仕掛けになった分、最速地点で外を回されたかなという印象もある。ただどのみちL1は脚色同じになっていて、勝ち負けとなるとちょっと差があった印象。もっと後半平均的なロンスパ戦になった方が良いと思う。今回はタフな馬場でL2が11.5とかなり速い脚を要求されていたので、ここで外から脚を使い果たした形だと思う。中京では下り坂からじわっと競馬が出来て最後まで伸びてきていて、ハーツクライらしく純然たるポテンシャルタイプだと思うので、序盤ゆったりから平均的なロンスパ戦でパフォーマンスを上げてきそうかな。ただちょっと負けすぎで、現段階ではまだ少し足りない。


 4着サトノアポロは五分のスタートから無理せずに下げて後方で競馬。道中で外に出してアドマイヤラクティを見ながら進める。3角でアドマイヤが仕掛けたのを見てこの直後から仕掛けて動く。4角で大外を回して中団で直線。序盤で大外から一瞬伸びかけたが一瞬。最後はジリジリとなだれ込むだけの4着に終わった。ん~まあアドマイヤラクティ同様の評価と言ったところ。直線序盤はそれでもアドマイヤより良い脚を使って半馬身まで詰めてはいたんだけど持続力で見劣った。クリスマスCの内容が良かっただけにここでは残念だけど、もう少し積極的な競馬でも良かったかもしれない。前後半が速いステイヤー型の競馬になったとは思うので、この辺の適性もあまり合わなかったのかも。


 5着マカニビスティーは五分のスタートから無理せず後方で競馬。3~4角で中団列がポジションを上げていき、そのうちのスペースを突いてロスなく立ち回って後方で直線。序盤で外に持ち出し、L1は一番いい脚だがそこまで目立たず掲示板確保の競馬。ん~評価も何も、後方で競馬して、仕掛け所でロスなく立ち回って、L1どこまで伸びるかって競馬で、L1が落ち込んでいてポテンシャル型なのである程度は伸びて当たり前。前後半速い流れをフラットに乗れる後方の馬に展開が向いたわけで、むしろあれだけロスなく競馬してこの伸びしかないのではまだまだ本調子ではないと思う。ちょっと苦しい。


 7着ルルーシュは出負けして、内に切り込み内に入り込んで中団。ただ、1角で少しごちゃついてからコントロールが難しくなった形。向こう正面ではまだペースは早かったのに少し掛かっていた。3角では最内でトランスワープを見ながら追走も手が動き出して反応微妙。4角で手応えの良いトランスワープの直後につけるが反応の差が明らかで離されて3列目で直線。序盤でもう脚色なかったことが幸いして不利は受けず。そのままジリジリ下がって7着惨敗となった。ん~まあ騎乗面も悪かったから何とも。ただ中山で上手く立ち回ってという感じの馬ではないと思うな正直。ロブロイの仔は小回りがダメな馬が結構多いけど、札幌の緩いコーナーや東京で実績が偏っているし、小回りの函館ではトウカイパラダイスに出し抜かれてるし、オールカマーの負け方見ても、窮屈にならずに徐々にトップスピードに乗れる舞台の方がいいんじゃないかなあ。今回は出負けしてリカバーしたのは良いけど、気合が入ってしまった感じで最後は脚自体もう残っていなかったし、それ以外の要素も多分にある。でも確かに中山では強い競馬が出来ていない馬なので、この辺はよく観察した方が良さそう。ロブロイ産駒は東京のような広いコースでコーナリングが問われずにのびのびと走らせるのが一番いいんだと思う。



http://blog.livedoor.jp/catassan/archives/6883545.html


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