七夕賞2013予想

カタストロフィ
10期 予想歴16年

◎ダコール
  5着/2人気

○エクスペディション7着/3人
▲ラッキーバニラ16着/10人
△タガノエルシコ3着/14人


【予想】
◎05ダコール
〇12エクスペディション
▲14ラッキーバニラ
▼02タガノエルシコ
△04マイネルラクリマ
×01マックスドリーム09サトノパンサー
3連複◎軸〇▲△BOX
3連単F◎〇▲→◎〇▲△→◎〇▲△×


展開は外からラッキーバニラがハナを窺いそう。中目からケイアイドウソジンも主張してくるのでこの2頭の出方がカギ。タムロスカイやユニバーサルバンクあたりが2,3列目に入りそうだし。有力馬は差し追い込みが多いという点でもやや展開的に難しい要素があるか。決め打つか、どんな展開でもある程度対応できる馬を軸に据えたいところ。


◎ダコールは総合力タイプの実力馬。2走前の小倉大賞典でも11.7 - 11.2 - 11.5 - 11.8 - 11.9とL4最速のロングスパート戦。これに後方から外目を押し上げてしっかり最後まで伸びてきた。内からかなりロスなく完璧に立ち回ったヒットザターゲットには及ばなかったが勝ちに等しい高いパフォーマンス。トップスピードとポテンシャルを兼ね揃えた実力馬。反面で基礎スピードはそこそこ、ポジショニングはあまり良くないというのがネック。基本的には平均ペースよりは道中楽に進めてペースが上がってからトップスピード、ポテンシャルを活かす競馬になる方が良いだろう。今回は逃げ馬の出方次第という点はあるが、ケイアイは休み明けだしラッキーバニラは緩めて出し抜くタイプなので、ペースが上がらない可能性は高い。トップスピードは高いので、とにかく3角までに離されず、しっかりとトップスピードに乗せられればという所。外から押し上げるのが上手い蛯名なのでその辺には期待したい。


〇エクスペディションはポテンシャル特化型タイプ。特に超高速馬場に強い馬なので、夏の軽い時計が出やすい野芝中心の馬場が合う。前走の鳴尾記念もまさにこの馬の持ち味が生きる展開で、高速馬場で11.4 - 11.9 - 11.9 - 11.3 - 11.4 - 12.0とロンスパ戦。持ち味のポテンシャルをしっかりと出しきっての2着。こういった持久戦になれば実に強い。反面で小倉大賞典では崩れたりと、基本冬場のタフな馬場はあまり合わない。夏場に強いのは高速馬場で持久戦になりやすい部分も大きい。また昨年の小倉記念勝ちを見てもわかるが平均ペースで12.0 - 11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6の流れで差し切っているように、緩急の無い流れでだらっと走るのが最も合っているので小回り2000で時計の出やすい馬場はベスト。今回緩みそうなのでこれに対応できるかどうかだが、緩まなければ力は出せるし、緩んだとしてもそこで合せずに惰性で押し上げていければポテンシャルを発揮しきれる。


▲ラッキーバニラはここはハナを狙える立場にある。外枠だが1角までの距離はそこそこ長いのでさほど心配はない。ケイアイとの比較で53kgでハナ争いはかなり有利になると思う。日本海Sの勝ち方がこの馬を象徴していて、道中緩めて13.2 - 12.1 - 11.9 - 11.3 - 11.6 - 11.2 - 12.0の流れで出し抜いてコーナーで更に加速して2~3列目の脚を使わせて逃げ切るというのが身上。今回はそれが狙えそうな条件というのは大きい。基礎スピードはさほどでもないので楽にハナを切って主導権を握れるかだろう。緩めることが出来れば3角手前で加速してここで押し上げてきた馬の脚を使わせたいところ。


▼タガノエルシコは大穴狙い。個人的には大穴というつもりはないんだけど、現時点で14番人気は流石に舐められすぎかなと。この馬は嵌らないとこないので本質的に穴馬になるのは仕方ないんだけど、その中でも安定している方。持ち味はL1の差し込みポテンシャル型なのは言うまでもないんだけど、この馬の場合は時計勝負にも対応できるしトップスピードの質もそこそこ高い。大阪城Sでも12.0 - 11.6 - 11.7 - 11.2 - 12.4の流れでL1バテ差で強敵リルダヴァルやトリップと言ったところは抑えている。今回は内枠で、内がかなり良い馬場状態。しかも展開的には序盤スローで道中のペースアップが起こる可能性が高い。早仕掛けで、最速地点で内を立ち回って上手くスペースが開けばポテンシャルはまとめて差し切れるだけのものを持っている。人気なさすぎる印象。


△マイネルラクリマは今回内枠に入ったのと内有利馬場なので、この馬の良さである基礎スピードとポテンシャルを活かし切れるかどうかが焦点。逃げ馬を見ながら内目の3列目ぐらいになると思うのだが、ここだとペースが上がらなかった時に凝縮されて自由に動けないリスクがある。トップスピードに乗ればそこそこのものは持っているけど、本質的には出しきって良いタイプのポテンシャル型だし、ギアチェンジはあまり高くない。内で前が壁になってペースアップが問われたときに要所で置かれる危険を考えると頭では狙い辛いかな。ただ前目で競馬できる可能性は十分にあるし、今の福島で内を立ち回れること自体は悪いことではない。


×マックスドリームは内枠を引いたので腹をくくって内で立ち回ってL1バテ差が有れば。ポテンシャルは高い馬なので。サトノパンサーは休み明けは気になったけど、追い切りだけ見ればかなり良く見えた。小倉大賞典はL4最速からのコーナーで大外ぶん回すロス。トップスピードは高く立ち回り次第で浮上しても良い。



【展望】
 サマー2000シリーズの初戦、今年は久しぶりに7/7七夕にきっちり開催できる七夕賞だ。これまで開催後半に行われてきたので、過去を見ても追い込みが強いレースなのだが今年は開催2週目となるのでどう出るか。福島民報杯ワンツーを筆頭に重賞善戦級が中心も、重賞勝ち馬は意外と多く混戦模様。夏だけに状態の良さで取るか、それとも実績を重視するか、非常に悩ましい一戦だ。


 中心は完全に復調したと言っていい昨年京都金杯勝ち馬のマイネルラクリマ。京都金杯勝ちがイメージとして強いので距離がどうかと思っていたのだが、不良馬場の福島民報杯で圧倒的なパフォーマンスを示したことで2000mにも高い適性を持っていることを証明した。その福島民報杯は不良馬場で12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.1 - 12.5とややハイペースの流れ。ここで中団から追走し、捲っていった馬たちの直後につけて直線その2頭の外に出すと、先に抜け出したマックスドリームをL1で捕えて一気に突き放す圧巻のパフォーマンスで完勝。不良馬場でタフな展開、捲りの流れで前を目標に置いたと言っても最後までばてずに突き抜けた辺り、高いポテンシャルを見せたと言っていいだろう。もともと初重賞勝ちとなった京都金杯でも11.9 - 11.9 - 12.0 - 11.5 - 11.8と平均的な競馬で3列目から直線外に持ち出して伸びを見せたし、何よりL1でアスカトップレディを離しているように高いポテンシャルがこの馬の武器だろう。前走都大路Sは内有利馬場で重馬場。上手くリルダヴァルの直後をつけたが、ポテンシャルタイプのリルダヴァルがばてなかったのも大きく差し切れなかった。それでも最後まで食い下がってジリジリとは詰めていたし、強敵エアソミュールは問題としていない。内をロスなく立ち回って理想的な競馬ではあったが、ここ2走からも重賞級なのは間違いなかろう。京都金杯勝ちも強い内容だった。問題は開催2週目の馬場にある。先週のラジオNIKKEI賞含め、少なくとも開幕週の先週はかなりの内有利馬場になっていた。この馬としては基本的にすっと動けるほど器用なギアチェンジ、質の高いトップスピードは持っていないので、ペースアップが問われる競馬になった時に前を向けているかどうかがポイントだろう。平均ペースなら大きな不安はないが、そこだけはポイントだ。斤量57kgは実力を考えれば少なくとも重くはない。もう少し背負わされてもおかしくなかったと思うので、57kgでも気にならない。


 相手筆頭には安定感抜群のディープインパクト産駒ダコール。翻せば勝ち切るだけの武器が無いともいえるが、ポジショニングは悪くとも序盤無理せず道中トップスピードに乗せることが出来れば長くいい脚を繰り出せる典型的な後半ポテンシャルタイプ。2走前の小倉大賞典では1800mで序盤スローから11.7 - 11.2 - 11.5 - 11.8 - 11.9とL4最速と非常にわかりやすいロンスパ戦のポテンシャル勝負。3角手前のペースアップぐらいから仕掛けるのだがここで置かれずにしっかりポジションを押し上げて行き、3~4角で中目やや窮屈になりながらもしっかりと押し上げて3列目に取り付けると直線外から鋭く伸びる。内でロスなく溜めて出し抜いたヒットザターゲットには僅差で負けたものの、ダローネガらは全く問題とせず、着差を考えても勝ちに等しい内容と言っていいだろう。この馬の良さは割とトップスピードも高いタイプなので、ペースが上がってからの仕掛けになっても置かれることなくしっかりと押し上げていける点にある。これが崩れない要素だろう。脚質の割にはあまり展開に左右されにくいタイプだ。またトップスピードタイプなので開幕2周目でもあまり気にしないで済むというのも良い。高速小倉を得意としているように、馬場の良いところを通ってトップスピードに乗せる事の方が大事だし、最後までばてないポテンシャルも持っているので、多少ロスが有っても武器であるトップスピードに乗せ、出しきる方が重要だろう。崩れているのは冬場の京都、内有利馬場もだが時計が少し掛かっていた日経新春杯、重馬場のオールカマーとGII、また昨年の時計が掛かりまくっていた新中京競馬場の名古屋城Sの4着。いずれも得意の高速馬場ではなかった条件だ。高速馬場のトップスピード戦ベストは間違いないが、ポテンシャルも高く、多少時計が掛かるぐらいなら大きくパフォーマンスを落とすわけではない。ここに入れば最上位の1頭になるしハンデも56kgと手ごろ。今の超絶内有利馬場は脚質からも相対的に見ればマイナスではあるが、高速馬場自体は歓迎だ。


 3番手には夏馬の代名詞エクスペディション。前走も2,3走前の二桁着順から豪快に激変したが、夏の軽い阪神で持ち味のポテンシャルを発揮した形だ。トウケイヘイローがスローからハナを奪ってペースアップし11.4 - 11.9 - 11.9 - 11.3 - 11.4 - 12.0と分かりやすいロンスパ戦になり、この流れに乗って上手くポテンシャルを出しきって馬群の中からL1グンと伸びて2着を確保。3着ダノンバラード、4着エアソミュールと接戦だったがこの2頭ともかなり強敵だし、ポテンシャル型で再先着したという点は素直に評価すべきだろう。昨年の小倉記念勝ちでも12.0 - 11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6と最後まで落とさないラップの中で中団からしっかり流れに乗って加速して行き、ポテンシャルを活かしてL1唯一ばてずに突き抜けた。平均ペースはあまり得意ではないが、トーセンラーに0.4差、更にダノンバラードには0.7差も付けての圧巻の勝ちっぷり。この馬は夏馬ということもあるのだろうが、超高速馬場での適性が高い馬で昨年でも雨で少し渋って重い馬場になっていた七夕賞では12.5 - 12.4 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.4とL4最速戦で平均ペースとこの馬にとっては良さそうな展開だったにも拘らず中団から前を向いて押し上げ気味の競馬も全く伸びなかった。ここからも単に平均ペース、ポテンシャル勝負向きというだけでなく、高速馬場という条件が必要なのだろう。そしてそういう競馬になりやすいのが夏の小倉ということではないか。ただ、昨年の七夕賞は休み明けでもあったし一概には言い切れない。いずれにせよ、先週の福島を見る限りこの馬には歓迎材料となりそうな馬場状態だったのではないか。ポテンシャルを発揮する形なら前走、小倉記念の勝ちっぷりからもかなり強い1頭なので、今回もそういう競馬が出来ればという所。前を向きたい馬なので内有利馬場はダコール同様相対的にはマイナス材料ではある。斤量57kgは重賞勝ち、前走2着からも仕方あるまい。悪い材料ではない。


 4番手にはこのメンバーなら素質で対抗できそうなモンテエン。前走は休み明けでディセンバーS。割と平均ペースで11.5 - 11.8 - 12.2 - 11.5 - 12.4と仕掛けも早い流れ。かなり変なラップになっているが、後方から外々じわっと押し上げてL1でジリジリ伸びてきた形。5着と敗れているが、タフな展開になったことも影響しただろう。それに年末の中山の馬場に苦しんだともいえる。基本的に高速馬場向きで、メイSでは府中1800らしいスローから11.7 - 10.9 - 10.9 - 11.5と質の良いトップスピードだけでなくある程度のポテンシャルを問われる競馬で、ギアチェンジ馬エーシンリターンズには出し抜かれ、強敵ステラロッサにはトップスピード負けしたが、この馬も中団からいい脚を使えていた。トップスピードの高さはまずまず高い。また4走前福島民報杯では12.3 - 11.9 - 11.9 - 11.5 - 11.8の流れで最内前列壁になり仕掛けが遅れてしまったのがいたかった。L1ではヒットザターゲットとの差は詰めていたことを考えると相手関係からも悪くない競馬だったと言える。高速馬場向きは確定的なので、今の福島は歓迎できるし、勢いに乗る横山典弘想定というのも良い。ただ、ハンデ55kgは少し実績の割には見込まれた感じはする。それでも実力はここでも通用して良いし、高速馬場なら好勝負可能だろう。


 穴どころからはラッキーバニラを推奨したい。この馬は新潟内回り巧者というイメージが強いが、要所でペースアップして二の足で出し抜くタイプの逃げ馬。特に昨年の日本海Sは顕著で、13.2 - 12.1 - 11.9 - 11.3 - 11.6 - 11.2 - 12.0とスローに落としてから向こう正面でペースアップし、3角で更に速めた。きついコーナーである新潟で外々を走らせて2列目に脚を使わせて自身は最内立ち回ってコーナーワークで出し抜く競馬だ。実際追いかけてきた馬は伸びを欠き、最後はメイショウジンムが大外強襲というように、この馬の良さは緩急をつけて2,3列目の脚を潰すところにあると言える。左回り巧者なら東京でも走れるはずだが、東京ではさほど能力は発揮できていないし、福島2600mの信夫山特別でも同じように12.3 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 12.4 - 12.5のラップを刻んでコーナーでペースアップし後続に脚を使わせて捻じ伏せている。こういったタイプなので、出来ればスローでまず序盤ゆったり目に運びたい。3角で2列目の動き出しに合わせてペースを引き上げて、潰しに来た馬たちを返り討ちにする競馬が出来れば面白い。そして先週の馬場を見る限り、この馬にとっては追い風となりそうな内有利馬場。ラジニケ賞でも外から押し上げていた馬が全滅する流れだったので、競馬はしやすいはずだ。今回は同型にケイアイドウソジンはいるが以前ほど積極的には行っていない。この距離は若干短い気もするが、上手くマイペースに持ち込んで舐められればしてやったりだろう。53kgという斤量もニヤリ。相手関係も何頭か強敵はいるが通常の重賞としては比較的楽。馬場、展開を味方につければ一仕事あっても驚けないだろう。


 ナリタクリスタルは実績最上位。重賞3勝の力の持ち主だが、近走はやや下降線。それでも3走前の小倉記念では12.0 - 11.8 - 11.6 - 11.6 - 11.7 - 11.6の流れで最後方から鋭く伸びての3着。トーセンラーとは僅差、ダノンバラードには先着といまだ健在ぶりをアピールしたと言っていいだろう。トップスピード、ポテンシャル共にそこそこのものを持っているし、本来は中団ぐらいで競馬ができる馬だ。前走鳴尾記念は休み明け初戦の競馬で、11.4 - 11.9 - 11.9 - 11.3 - 11.4 - 12.0とポテンシャル勝負になっていた。ここで内内を立ち回ってシッカリと置かれずに追走できていたのだが、直線で詰まって待たされてしまった。L1では進路開いてそこからはばてずにジリジリと盛り返していたので、休み明けとしては悪くない競馬と言っていいだろう。2走前の新潟記念はポジションを落としながら直線を向いたし、32.5の脚でそこから押し上げられないならポジション差が決定的だったというレースなので気にする必要はない。近走着順こそさえないが、このメンツなら普通に好勝負できる実力であることは間違いない。今回は内有利馬場になるので、ある程度ロスなく立ち回ることが出来ればという所。内田と窮屈になりやすい阪神内2000の前走でもコーナーでは加速の流れにも置かれずに上手く立ち回れていた。ポジションを落とさず競馬が出来ればチャンスは有るだろう。相変わらず斤量は58kgと背負わされるが実績的には仕方ない。ロンスパ戦、トップスピード戦の両方に対応できるタイプではあるが、どちらも武器になるほどではないのでどちらにせよポジショニングを良くすることでカバーしたい。それが好走条件になるだろう。


 トレイルブレイザーが有馬記念以来久々に国内レース参戦となる。酷い鼻出血持ちの馬で、正直ゲートに入るまで出るかどうかも結構際どかったりするので何とも言えない。それに出れたとしても日本では鼻出血に対する薬であるラシックスが禁止されているため、これなしでどう調整してくるかという点においても不安の方が先に立つし、実力的には良いものを持っているので以上に狙い辛いところだ。ただ、それ抜きにしても2000mはこのクラスになると気持ち短い印象は有る。アメリカGIIではマイルでも2着に入ってはいるが、5頭立てだし参考にしづらい。アルゼンチン共和国杯では12.5 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 11.5 - 11.7 - 12.5のラップでポテンシャル勝負となっているが、これを好位から突き抜けてポテンシャルの猛者オウケンブルースリの強襲を楽にあしらった。かなり高いポテンシャルを見せた。京都記念では12.4 - 12.0 - 11.3 - 11.8 - 12.4の流れでL3最速。3角で3番手から一気に加速して押し上げ4角先頭列に並びかけ、そのままの勢いで押し切ってダークシャドウを封じ込めた。ここ2走からも後半ポテンシャル勝負向きのステイヤー型のパフォーマンスとみている。基礎スピードが問われて良さが出るような感じはしないので、福島の小回り2000で立ち回りを求められるとどうだろうか。いずれにせよ状態面をまず最大限に重視したい。ハンデ58kgは正直少し軽いぐらいだと思う。GII2勝のメンツを見ても、かなり強敵だし強い勝ち方をしている。59とまでは言わないけど、58.5kgでも決しておかしくない馬なので58kg自体はさほど悲観する材料ではないだろう。とにかくレースまでに鼻出血が再発しないか、もちろんそれを気にした調整で動きがイマイチならかなり割り引きたいところだ。人気次第にはなるだろうが、ある程度の人気は集めそうで狙い辛い存在にはなるだろう。


 最後にこれもステイヤータイプのファタモルガーナまで。ダイヤモンドSではやや後方から13.2 - 13.2 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 12.0 - 12.5とコーナーでペースが上がる競馬の中で、速い地点で外から押し上げていることになり、そこそこのロスが有った分、伸びあぐねている。相手関係は結構強敵が多かったので、ここで勝ちに動いての内容なら別に悪い内容ではない。ステイヤーズSでは下り坂を使って13.2 - 13.0 - 12.5 - 12.0 - 12.2 - 12.1 - 12.6とこれもペースアップの中での押し上げになっているが、3角に入りきるまでに先頭列まで押し上げきったし、そこからは中目を立ち回って後続との差を広げながらの競馬になったのでしぶとく粘ることが出来ての2着だろう。中山と府中の差ともいえるが、いずれにせよ高いポテンシャルを見せているのは確か。ただし言うまでもなく、これらは3000m超の長距離レース。今回は中距離の中でも基礎スピードを要求される福島の2000mという舞台でしかも高速馬場内有利馬場ときた。U字コースなら対応できても良いが、やはり1周コースとなると条件的には難しいだろう。斤量55kgは思ったよりは軽いが、これでどこまでやれるか。



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七夕賞2013回顧

カタストロフィ
10期 予想歴16年

次走狙い:マイネルラクリマ
次走狙い:エクスペディション


1:58.9 12.1 - 10.7 - 10.9 - 12.3 - 12.6 - 12.3 - 12.1 - 12.1 - 11.7 - 12.1


 良馬場発表だったが、実際は少し時計が掛かる馬場。それでいて内有利は継続中というような厄介な馬場状態だったとは思う。ただ、序盤から逃げ馬がゴリゴリペースを引き上げて、しかし道中若干緩んだこともあり、最終的にはマイネルが離したこともあるがL1はあまり落としておらず、そこまで極端なポテンシャル勝負にはなっていない。どちらかというと飛ばした2頭以外は平均ペースで緩急の無い基礎スピード勝負になったのかなというイメージは有る。タフな馬場というか前が残っていて緩い馬場だったとは思うし、当日の時計を見ていて正直58秒台が出てくるとは思わなかった。軒並み59秒台は出ているし、思っていたより出やすい馬場に回復していた可能性は有るけど、この内容で突き放した勝ち馬は凄いなと思う。


 1着マイネルラクリマはまずまずのスタートからある程度押して行くと楽に先行争いに加わるぐらいで抑えて2列目で進めていく形になる。結局序盤ハイペースを2列目の最内、2角過ぎでペースダウンに苦労し折り合いを欠く形になるが何とかなだめる。終始先頭列との間にスペースを置いていたが、向こう正面で外に出し3角へ進めていく。3角では徐々にペースアップしていく流れで中目からじわっと先頭に立って内2頭を交わし、4角で最内に切り込み、上手く押し上げてきたトレイルブレイザーと併走状態、半馬身差ほどを保って直線。序盤からジリジリとトレイルとの差を広げ、最後まで全く他馬を寄せ付けずの完勝だった。ん~もう1枚も2枚も上手の競馬。ここでは格が違った。緩んだ時にどうかなって不安はあったんだけど、まず今回はスローにはならずに序盤から厳しいペースでかなり縦長の3番手になった。ただ道中中弛みは地味に有って、押して先行させていただけにペースダウンでコントロールに苦しんだのはあったと思う。今回は2角過ぎ~向こう正面前半ぐらいで緩んでいて、ハナ争いが長引いた結果、逃げ馬の苦肉の策という感じで緩めたという展開だったわけで、それに付き合ったこの馬はここで楽をして3角手前で押し上げてきた馬よりはかなり苦しい競馬になったと思う。まあ4角からは最短距離を通れてはいるんだけど、まあそれでも抜きんでたパフォーマンスだったということは間違いない。京都金杯もそうだし、ここ2走の好走もそうだけど、基本的に基礎スピードが高いということと、とにかくポテンシャルで底を見せていない。これがこの馬最大の魅力だろうなあ。トップスピードもそこそこは有るけど、ギアチェンジ面ですっと動けるものはないので、こういった要所での動き出しがあまり問われない平均的な競馬が良いんだろうなあ。適度に渋ったのもこの馬には追い風だったと思う。12秒前後のラップを連続させる競馬になれば現役屈指の実力馬だと思うな。これならGI戦線でもやれるとは思うんだけどなあ。今の出来でトップスピードをどこまで出せるかは興味がある。まずはサマー2000シリーズ制覇を狙いたいところだなあ。夏の超高速になりがちな小倉記念で超高速馬場巧者エクスペディションあたりに正攻法で勝てるようなら面白い。


 2着トレイルブレイザーはやや出負け気味だが積極的にポジションを取りに行き、中団の競馬になる。先行集団とは離れた位置にいたのだが2角過ぎでペースが緩んだのでここで差を詰める形になり、ペースが上がってからもじわっと追走して3角。3角では2列目の中目まで押し上げ、4角では先に抜け出していたマイネルラクリマの外に並びかけて2番手半馬身差ほどで直線。序盤で勢いに乗ってこれからという所でマイネルに楽に離されてしまう。しかしL1で踏ん張って粘り切り2着を確保。う~ん、買い時が難しい馬だ。鼻出血持ちの馬はホント取捨が難しい。個人的な感情は別にして、この馬の実績を考えれば、この流れならこれぐらいはやれても別に驚かない。状態とは別に高速状態の福島がどうかなと思っていたんだけど、土曜とは違って雨が降って適度に緩い馬場になったのもこの馬には追い風になったと思う。時計勝負にはなったけど実際12秒平均の競馬だから。この馬のポテンシャルを活かすという点では良い競馬になったんじゃないかな。トップスピードはこのメンツでもさほど高くない馬なので。それと、地味に序盤3Fがハイペースで4~5Fで緩んだのもこの馬には良かったと思う。もちろん緩んだ時にしっかり進路確保して合わせずに押し上げているからこその事なんだけども。前が勝手に飛ばしてスペースを作ってくれたし、勝手に緩めて差を縮めてくれた。恐らくこの馬ぐらいの位置が縦横ともに良かったんだと思う。それも嵌った要因かな。ポテンシャルは非凡なので今回の展開でまともならこれぐらいはできる。ただL1離されていたように、マイネルラクリマとはポテンシャル面でも差があったかな。諸条件考えたらこの比較自体にあまり意味は無いと思うけど。状態が本当に良ければアル共のパフォーマンス見てもGIでもやれる馬だと思うし。もうこれに尽きる。今回は展開的には嵌っているので、次走人気なら嫌いたいのはある。マイネルは強かったけどレースレベル自体はそこまで高くないと思うので。


 3着タガノエルシコはまずまずのスタートからある程度出していって追走し、中団での競馬になる。縦長で丁度中団の位置で競馬していたが、2角で少し緩んだので先行集団が凝縮していき、この馬も脚を使わず前との差を詰めていく競馬になる。3角で最内で競馬をするも前列が開かず、4角でも逃げ馬が下がってくるという流れを内目で待機で我慢の展開、追い出せずに前も向けずに中団で直線。序盤で捌いて上手く最内を突くと、L1でグンと伸びて3着に滑り込んだ。嵌り切らなかったなあという印象。ちょっと今回の展開はかわいそうだったけど、内枠の追い込み馬なので仕方ないかな。2角過ぎぐらいまでは外も選択肢に入れていたと思うんだけど、内で立ち回っている内に凝縮して外の差し馬もポジション押し上げに行ってたから外に出すことは出来なくなった。結果的に内で我慢して正解だったとは思うけど、3角でもう勝ち負けは苦しい流れだったと思う。逃げ馬には苦しい流れになったし3角で垂れてこられちゃうと進路確保には苦しむね。良くスムーズに捌いた方だと思う。一応これL2最速戦だからね。ここで流れに乗れなかったのは痛かった。まあまた大方の人が嵌って3着だろうと思っているとは思うし、これまでのパフォーマンスでここで14番人気なんだから今後もきっと人気薄の宿命だろうな。関係なくL1ばてる競馬になれば来るからほんとに押さえておいた方が良い。条件無視して全レースで押さえておいても多分これから先も損しないと思う。タフな馬場のポテンシャル勝負でも来るけど、この馬トップスピードも乗りさえすればそこそこあるからね。ベストはU字の1800mだとは思う。とりわけ新潟1800とか阪神1800なら安定しそうだな。新潟記念出てもそこまで人気しないだろうし、ここでも狙うつもり。14番人気とかホント悪い冗談ですよ。前日だけかと思ったら最後まで人気上がらなかった。舐めてもらっては困る。


 4着マックスドリームは好スタートだったが下げて後方。向こう正面ではもう外に出していて、3角手前ぐらいから仕掛けていく。3角で大外をぶん回し、そのままの勢いで4角では2列目まで押し上げて直線。序盤は勢いが有ってトレイルブレイザーまで届くかという所だったが流石にL1甘くなっての4着に終わった。まあ…仕方ないかな。福島民報杯のイメージで乗ったらこうなるけど、あの時と違ってそこまでズブズブの展開ではなくペースアップしてコーナー向かっているし加速しながら4角が最速地点にあたるから、あそこで捲ってしまうと厳しい。しかも内有利だからね。そう考えれば今回の4着はかなり高いパフォーマンスだと思う。ただ、ここまでやれるとは思っていなかったけど、多分少し渋って平均的な競馬になったのは大きかったんじゃないかと。時計が掛かる馬場の方が実績があるから、今回は好時計決着でも少し雨が残っていたと思うし、まあその辺は有ると思う。でもこの条件の中ではかなり強い競馬をしている馬なので、これからもポテンシャル勝負、多少渋った馬場、そして外差が利き出して来たら忘れない方が良いです。かなり強いよ、福島民報杯も目標になったけど頑張ってたし。まあただ今の福島の馬場で捲るなんて流石フルキチ。人気では怖くて一切買えんわ。穴騎手たる所以かもなあ。もっと頑張ってほしいけど。大知もすっかり東の有力騎手になっちゃったし。同期最初のGIジョッキーなんだからもっと頑張れ。


 5着ダコールは出負けして後方からの競馬だがこれはいつものこと。ただ、前がかなり飛ばしてかなり縦長の競馬になってしまった。道中も若干緩みは有ったが楽に詰められるというほどでもなく、後方のまま3角を迎える。3角では中目を押し上げ4角で外から大外に持ち出して中団で直線。序盤で大外からジリジリ。L1でも急追ならずなだれ込んでの5着に終わった。まあこの展開では仕方ないね。平均的な競馬になってしまってこの馬の持ち味であるトップスピードが全く活かされない競馬になった。唯一基礎スピードに弱点がある馬で、それが如実に表れる展開となってしまった。また緩い馬場になったのもよりトップスピードが削がれる要因にもなったし序盤の追走で脚を使わされる要素にもなった。全てにおいて悪い面が重なってしまったなあというのが正直な感想。緩みがさほどなかった時点でダメかなと思ってみていたけど、個人的には思ったよりは頑張ってくれたと思う。ポテンシャルもなかなかある馬なので、それが最低限の見せ場を作ってくれた。でもやっぱりこの馬はトップスピードに乗せないとダメだね。展開、馬場両面でちょっと苦しい競馬になった。でもこの5着は悪くないよ。


 7着エクスペディションは五分のスタートからじわっと出して行くような形で中団に取り付く。2角の緩みでも特に折り合いに苦労するようなことは無く、上手くポジションを押し上げて好位まで進める。3角で大外から押し上げていくような競馬になり先頭列に並びかける。4角で2つほど内に切り込んで3番手で直線。序盤でジリジリ粘っているがL1で伸びを欠いての7着完敗。まあ3着との着差で測ればそこまで悪い競馬ではないんだけどね。ただ、やっぱりこういう渋った馬場だと持ち味のポテンシャルが甘いよね。小倉で見せる時だってこれぐらい厳しい競馬やってるから、外から捲ったのは馬場を考えれば不利でもこの馬ならもうちょっと頑張れるはず。それが直線序盤でもう甘くなってるから、やっぱり馬場が敗因なんじゃないかな。高速馬場なので行けると思ったけど、やっぱり中間雨が残ってしまったのが痛かったと思う。これもあまり気にしないで良い負けじゃないかな。超高速小倉なら巻き返せると思う。



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