10期 予想歴16年
◎エクセラントカーヴ
1着/3人気
○インパルスヒーロー12着/4人
▲テイエムオオタカ6着/11人
△ダノンシャーク2着/2人
【予想】
◎07エクセラントカーヴ
〇01インパルスヒーロー
▲13テイエムオオタカ
△04マルカボルト
△08ダノンシャーク
×05ワイズリー10ルナ
3連複◎軸〇▲△BOX
3連単F◎〇▲→◎〇▲△→◎〇▲△×
展開は逃げ馬がルナだがこれは番手でも構わないタイプ。それよりもこの距離延長で何とかハナを切りたいテイエムオオタカが大外枠に入ったのでおむすびコースで行き切るなら強引にでも外から行き切ってしまいたい。これがこの距離このメンツでハナを取り切るとみる。この2頭がペースを作ることになりそうなので、ペースが上がり切る可能性はあまりないかなというイメージ。
◎エクセラントカーヴはマイルに延長して、更に基礎スピードとポテンシャルが問われる競馬でパフォーマンスを大幅に上げてきた。3走前の江の島特別では11.1 - 11.4 - 11.7 - 11.8 - 11.8と厳しいペースで中団外外から直線でしぶとく伸びL1できっちり突き抜けての完勝。次の新潟日報賞は新潟内1400mで11.1 - 11.9 - 11.5 - 12.1の流れでこれも中団外目から直線でしっかり伸びて、これもL1でグンと伸びて捕まえた。波乱にはなっているがこのレースは結構ハイレベル戦だったし重賞でも通用する目途は立てたと言っていい。この馬の良いところはトップスピードをそれなりに持っていながらペースが上がって良さが出てきたという点で総合力の高さにある。ポジショニングはそこまで良くはないがトップスピードとポテンシャルは今回のようにペースが上がり切るかどうか分からない時はありがたい材料。ハンデも52kgで相手関係もダノンシャークは強敵だが後はそれぞれ不安がある。夏の勢いと展開への対応力を評価して。
〇インパルスヒーローはペースが緩んだ時に怖いクロフネ産駒の良さを持った馬。今回は中山マイルでペースが完全に上がり切るかわからない条件で、その点で3走前の東京1400で見せた12.4 - 11.2 - 11.2 - 11.3でのギアチェンジ出し抜きを評価した。今回は内ポケットの2列目で運べる可能性が高く、それより後ろでの競馬になったとしても枠を考えればロスなく立ち回れるのは魅力。一応厳しいペースではNHKマイルの2着があるが、これ自体は時計的にもさほど価値は無い。この馬の適性と相手関係を考えると緩いペースで要所の良さを活かしたいところ。トップスピードとギアチェンジは一線級。
▲テイエムオオタカは距離延長で狙っていた馬。この馬の良さはある程度の基礎スピードと要所でペースアップできるギアチェンジ能力にあった。いわゆる総合力型の逃げ馬。スワンS2着のようにある程度楽なペースを刻んで11.5 - 11.0 - 11.2 - 11.6とじわっとペースアップして出し抜いて押し切るのがこの馬の持ち味。距離も3歳時に中山1800mで逃げて12.7 - 12.1 - 11.0 - 11.6のラップを刻んで出し抜いているように問題ない。マイルはこなせるはずで、後はハナを取り切ってから少し緩めてこの馬の持ち味であるギアチェンジを活かせれば、相手関係は楽でペースを緩められればここでは最上位のはず。
△マルカボルトは基礎スピードは若干足りないのでマイルは少し不安はあったのだが中山マイルで内枠、更に今回はそこまでペースが上がらないという点で狙ってみた。小倉大賞典のようにややスローから11.7 - 11.2 - 11.5 - 11.8 - 11.9とペースアップしてポテンシャル勝負になればこの馬の良さであるポテンシャルが活きてくる。前走は道悪もだが12.3 - 12.0 - 11.6 - 11.4 - 11.5と3Fの競馬で加速する形。L1が11.5ではこの馬の良さが出ない。好位の最内で上手く立ち回って、序盤緩いペースからのロンスパ戦気味の競馬になれば面白い。ディセンバーSや小倉大賞典からもこのメンツなら力は足りるはず。内枠を利した競馬が出来れば。
△ダノンシャークはここではちょっと狙いを下げる。58kgは全然気にしていないのだが基本的にこの馬は要所ですっと動ける馬ではないので厳しい流れになってくれた方が良いのだが今回は逃げ馬が緩めてきそうなテイエムとルナ。これは出来ればペースを引き上げてもらいたいダノンシャークにはあまり歓迎できない材料。どう見ても今回は実力的には抜けている馬になるので、自由に動けない可能性が高い上にペースに緩急が有れば取りこぼす可能性は低くはないだろう。
×ワイズリーはトップスピード、ポテンシャル共に高いがどうしてもマイル重賞でも最後に甘くなってしまい。末脚を引き出すのに徹して内をロスなく立ち回って3着までは。ルナはこのメンツでハナを切れればとも思うが、テイエムオオタカが大外から積極的に押してくることはほぼ確実で、テイエムの外から動く競馬になると要所が良い馬としてもどうしても甘くなるかなと。春興Sを見ても本質的には1800が一番良さを出せそうなので評価はするも3着まで。
【展望】
サマーマイルシリーズの最終戦となる京成杯オータムハンデ。今年もサマーマイルシリーズの覇者を狙って関屋記念組、中京記念組が揃った。その中で、今年の安田記念3着馬が参戦。関屋記念で惨敗した中京記念馬が巻き返しを狙い、ディフェンディングチャンピオンがここを制してサマーマイル覇者を目論む。北海道、新潟の上がり馬、更に魅力的な3歳馬もここに加わってなかなかの混戦模様のレースとなりそうだ。
中心はやはり安田記念3着で力を示したダノンシャークだろう。もともとかなり安定した走りをする馬だったが、勝ち切るのになかなか苦労していた。昨年の京都金杯ではハイペースで11.9 - 12.0 - 11.5 - 11.8の流れ。極端にではないがハイペースでトップスピードがそれほど問われずに淡々とした流れ。これで後方から直線大外から突っ込んできての2着。勝ち馬がマイネルラクリマで、この流れからもポテンシャルを活かしての内容だったと言っていいだろう。エプソムCやマイラーズCの2着の内容もこれに近く、厳しい流れでL1のバテ差しこそがこの馬の本領なのは疑う余地もないだろう。実際今年の京都金杯では12.1 - 11.6 - 11.5 - 11.2 - 11.8とペースはそこまで早くはなかったが4Fの流れでL1少し落ち込む競馬。この流れで3列目の最内ポケットで競馬すると、直線序盤で上手く外目に持ち出してL1で突き抜けての完勝だった。これまでの善戦マンっぷりが嘘のような圧巻の競馬。ポジショニングがある程度改善してきたのも大きいと言える。その後、休み明けのマイラーズCで11.7 - 11.5 - 12.1 - 11.5 - 11.7の流れで好位から直線馬群の中から伸びを見せたもののグランプリボス、サンレイレーザーには完敗。これは休み明けの影響もあったが序盤からペースが早い中で序盤に脚を使ってしまったのが大きいと感じる。本来ポテンシャル勝負でサンレイレーザークラスに後れを取るような馬ではないはず。安田記念ではマイラーズCよりじっくりと乗ってロードカナロアを目標にして11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.7の流れで直線序盤に鋭い伸びを見せた。結局岩田のタックルを2度も食らって減速した形になったがあれがなければと思わせるだけの序盤の脚色だったと言っていい。特に超高速馬場でトップスピード面で見劣らなかったのはこの馬に対するイメージを一新するだけの材料と言っていいだろう。ディープ産駒らしく、傾向としては高速馬場の方が強いが、タフな馬場でもエプソムCやマイラーズCからそれほど大きな影響は及ぼさない。序盤無理せずかつある程度の位置を取って、L1落ち込むポテンシャル勝負になればこの馬の出番は当然だろう。意外にも中山は初めてになるが、タイプ的にもペースが流れてギアチェンジがあまり求められずポテンシャル勝負になりやすい舞台は歓迎のはず。58kgは実績の割には少々背負わされた感は有るが、有力馬もそれなりに重い。ここは力を見せてもらいたいところ。
相手筆頭にはディフェンディングチャンピオンとなるレオアクティブ。昨年は世界レコードのおまけつき、1:30.7という時計で最内からグンと伸びた。最内が伸びる超高速馬場で11.1 - 11.1 - 11.2 - 11.5 - 11.8のラップ推移、確実に嵌ったことは間違いないのだが、高い基礎スピードとポテンシャルが要求される全く紛れの無い良質なスピードの持続戦で最内から鮮やかに差し切っているように、レースの流れに緩みが無い条件でこそこの馬の持ち味が出ると言っていいだろう。今年に入って、バーデンバーデンCを除き、全てのレースである程度高いトップスピードを要求されている。それ故この馬の持ち味である緩急ない競馬での破壊力を活かせず、多少なりともギアチェンジ面が要求され、そこですっと加速できずにL1で突っ込むも届かずという内容が続いている。パラダイスS、関屋記念の内容からもトップスピードに乗ってしまえば長くいい脚を使えるのは間違いないが、レッドスパーダに2走とも完敗しているように、ある程度のペースを刻んでそこからすっとペースアップに持ち込める馬相手にU字コースではどうしても苦戦してしまう。その点でペースが比較的緩みにくく、かつ要所まで下り坂がずっと続く中山外回り1600mという舞台はこの馬にとっては非常に競馬がしやすい。基礎スピードは高いが序盤のポジショニングに難がある馬なのでペースは昨年のように上がれば上がるほどポテンシャルを活かせる。緩急も起きにくく下り坂で加速もしやすい。昨年のパフォーマンスを丸々信用して良い舞台と言える。ただし、この馬は道悪は分かりやすい程ダメではないが、決して得意ではない。開幕週の馬場で雨が降って騎手の心理の中にペースを抑える意識が強くなって緩急が産まれると不安材料として露呈する可能性は有る。パンパンの良馬場なら問題ないが。57kgは上位と比べれば悪くない材料。
3番手には北海道で横山息子と共に力をつけてきたルナを抜擢。前走の漁火Sはまだ極端に時計が掛かるというほど重い馬場ではなかったが、それなりにタフな状態ではあった。その中でややスローから12.1 - 11.7 - 12.0 - 12.0 - 12.3とL4最速の厳しい流れを逃げて作り出しての完勝だった。1800の1周コースで楽にハナを切ってペースを引き上げ他馬に脚を使わせての内容で価値ある勝利と言っていい。中山マイルは春興Sで結果を出していて、割と平均ペースの流れで11.4 - 11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.8とそれでもL2最速11.3と中山マイルにしてはトップスピードもそれなりには問われる競馬ではあった。ここでも楽にハナを取り切って4角出口で出し抜くような競馬で2馬身ほどのリードを保っていたがL1で甘くなりエスピナアスールに強襲を受けた。中山のマイル戦にしてはペースがそこまで早くならず、要所の出し抜けを活かしての粘り込で勝ち切ったが勝ち時計を考えると少し物足りない面もある。一貫ペースになると基礎スピード面でマイルでは少し物足りない面もあり、ベストは恐らく1800mになるだろう。ポジショニング能力と要所ですっと動けるギアチェンジ能力がこの馬の武器なので、このクラスの中山マイル戦、ごまかしのない競馬で基礎スピード面が問われると不安もある。道悪で少し前の意識が薄くなればこの馬の良さである要所の動き出しは春興Sの内容からも面白いので、展開次第ではチャンスも有っていいだろう。55kgと雨で前の意識が下がればチャンスは有る。
4番手には新潟発の上がり馬エクセラントカーヴ。元々は梅雨の東京開催で勝ち上がってきた馬。3走前は東京1600mでスローから12.0 - 11.3 - 11.1 - 11.7とギアチェンジやトップスピード勝負になっていて、ここで中団外から鋭く伸びての勝利。しかし江の島特別では逆に序盤からペースが上がって11.4 - 11.7 - 11.8 - 11.8と前掲ラップで後半3Fが11秒台後半という厳しいラップ推移。ここで3~4角で広がる2列目を見ながら割とロスなく進められたとはいえ、中団から直線中目、馬群を捌いて伸びてくるとL1で後続を突き放し唯一粘るメイショウヤタロウをも楽に捻じ伏せての完勝。これは高い基礎スピード面を見せてきたと同時にポテンシャルの高さも証明したという解釈で良いだろう。ペースが上がってもパフォーマンスをしっかりと伸ばしてきた。そして極めつけは前走の新潟日報賞。新潟内1400mと基礎スピードがかなり要求される舞台。11.1 - 11.9 - 11.5 - 12.1と3角で減速して4角で少し加速は有るもののL1が12.1とかなり落ち込む流れ。ここで大外枠からこの流れを追走し、中団で3~4角も外目を回されるロス。直線で馬群を捌いて伸びてくると最後は大外から強襲してくるターフェルもきっちり凌いで強い競馬だった。減速戦で準OPでも強い競馬が出来たというのはかなり評価できるし、1400mでかなり高い基礎スピードを要求されても後半のポテンシャルが削がれなかった。これならこのクラスの中山1600mでも力を発揮できるのは間違いないだろう。ある程度のトップスピード、ギアチェンジ能力を持っていながらクラスが上がればポテンシャルを発揮してきた。これはかなり面白い存在と言える。相手関係次第では当然あるが、条件は良いはず。十分主役になれるだけのパフォーマンスは見せている。牝馬だが52kgは同じ準OP勝ちのルナより実質軽く、正直かなり恵まれた。
穴どころからはマイルに延長してきたテイエムオオタカを挙げたい。元々は1200m路線で結果を出していた馬なのだが、その内容は序盤にハナを取り切り、ペースを少し緩めて出し抜くギアチェンジ面の良さ、若いころは函館スプリントS2着のように10.9 - 11.5 - 11.4 - 12.0とハイペースを刻んで粘ってカレンチャンのクビ差2着なんかもあるので基礎スピード自体も本来は有ったはず。ただし、近走はとにかく出足が悪い。春雷Sでハナを切れなかったのは個人的にはそろそろ基礎スピード面で限界を感じさせる内容だと感じていた。ここ2走はハナどころか先行すら危うい。そんな状況なので距離延長なら行く気で行けばハナを取れる可能性は高くなるし歓迎できる。本来距離はあまり気にしない方で緩めて出し抜けるわけなので基礎スピードをコントロールする力は有る。3歳時は若竹賞で逃げて12.7 - 12.1 - 11.0 - 11.6のラップ推移を刻んでいるように、1800mでペースアップするだけの力は有るのでペースさえ落とせればマイルは問題ないだろう。開幕週の雨予報で、逃げ馬に対してのマークが楽になりペースを落として要所で引き上げるギアチェンジの競馬に持ち込むことが出来ればこの馬の二の足は怖い存在になるだろう。最内を立ち回って4角ですっと仕掛けて2列目を引き離す競馬になれば内外フラットの馬場で押し切る公算大だ。注意すべき存在だろう。重賞こそ勝っていないがOP特別2勝で56kg。これはプラス材料だろう。斤量を活かして出し抜きたい。
サマーマイル覇者をかけてフラガラッハが前走からの巻き返しを誓う。中京記念では直前追い切りでも坂路50秒台で駆ける分かりやすい好調ぶりもあったにせよ、11.5 - 11.5 - 11.3 - 11.7 - 11.8と速い地点の3~4角コーナーで普通に大外を回してロスの有る競馬をして押し上げながらも最後まで脚色衰えずにきっちり突き抜けての完勝だった。これは相当高いパフォーマンスでポテンシャルという面で考えれば破格の内容だったと言える。昨年の中京記念ではもっとわかりやすくL1が落ちたので、L1での強烈な差し込みが目立ったが、今年は極端に落ちなかった代わりに3~4角の速い地点で外々回して押し上げるというロスがあったので、視覚的インパクトは去年の方が上かもしれないが、パフォーマンス的には同等かそれ以上とみていいと思う。問題はこれが全く安定しない。前走の関屋記念では確かに外回りの競馬ではあったが11.7 - 11.8 - 10.8 - 12.0とL1はそれなりに落ちてはいる内容。レッドスパーダが番手から抜け出し押し切る競馬ではあったにせよ、一伸びもないというようなラップ推移ではないはず。昨年の米子Sを見てもわかるように本来トップスピードも高い馬なので、ハッキリと解せない内容だった。ただ元々昨年も中京記念以降謎の大敗を繰り返していて、今年も中京記念で復活したもののまた昨年と同じ道を辿っているだけという解釈もできなくはない。それほど中京1600mの舞台が嵌っているのかもしれない。昨年の米子S勝ちさえなければそれで済むのだが、それゆえ難しい存在。中山マイルは下り坂で比較的ポテンシャルが問われる舞台なので、その点では中京記念の中京1600同様右左の差は有れど条件は悪くなさそう。しかし、今週は雨予報の上に開幕週で内外フラットの馬場状態。雨でペースの意識が変わって緩いペースになってしまうようだとこの馬としては持ち味のポテンシャルを発揮できない可能性は十分にある。中京記念のパフォーマンスだけ見ればここでも中心の1頭なのだが、とにかく安定せず悩ましいところだ。ハンデ57.5kgもあまり良い材料ではないが、57kgで重賞2勝を考えれば本人に関しては全く問題はないだろう。
中京記念善戦、関屋記念惨敗組からはミッキードリームも警戒。前走は割と平均ペースの流れを積極的に追走して直線でまったく伸びる気配がなかった。もともとこの馬は1800mぐらいがベストの馬。毎日王冠3着の内容からも、序盤あまり無理せずにある程度の位置につけて、そこからある程度のトップスピード勝負でしぶとく食らいついてL1ズドンの後半型のポテンシャルタイプ。基礎スピードがやや不足していたのが前走の内容と判断していいだろう。その点で中京記念の好走は何よりも序盤そこまで極端にペースが上がらず、11.5 - 11.3 - 11.7 - 11.8と後半減速していくポテンシャル勝負になったのでこの馬の良さがシッカリと引き出せたとみていい。先行して早めに仕掛けながらも直線序盤ではジリジリ、L1で抜け出すしぶとい立ち回り。ポテンシャル型のフラガラッハには差されたものの昨年ほどの強烈な末脚を引き出させなかったようにこの馬もばてていない。こういう競馬が合っているので、どちらかというと序盤ペースが上がらない阪神の外周りぐらいが競馬としてはしやすいのだろう。そう考えると中山マイルは必ずしも歓迎できない。要所までずっと下り坂が続いてペースが上がりやすい舞台。しかも開幕週。不安材料の方が多かった。更に雨予報。雨予報でペース自体が緩む可能性は出てくるも、この馬は残念ながら道悪はあまり得意としていない。まだヤヤオモまでの経験しかないので何とも言えないが、京都ではいずれも勝負に加われる競馬になっていなかった。材料としては悲観的なものが続くうえにハンデ57kg。個人的にはあまり良い材料を見つけることが出来なかったが、古豪の意地を見せられるか。
3歳馬でNHKマイルC2着のインパルスヒーローが古馬に胸を借りる立場で挑む。NHKマイルCでは後方からあわやの伸び。一貫ペースで11.7 - 11.3 - 11.6 - 12.0とL3最速の消耗戦で外目から直線しぶとく伸び、マイネルホウオウと共にL1グンと突っ込んできて3頭接戦の中2着を確保した。厳しいペースになったが徐々に減速する流れの中でポテンシャルの高さを活かしてしっかりと伸びを見せたという点は評価できる。ただラップ推移からも先行馬には苦しい流れになっていて、後方で脚を溜め、直線最序盤が最速という流れを考えれば脚を出しきれたというのも好走要因の一つだったと言えるだろう。ただし、同日準OPの湘南Sよりも勝ち時計は遅い。これは例年のレベルで考えるとやや残念な要素ではある。少なくともダノンシャンティやグランプリボスが勝った時ほどの時計的なインパクトは感じなかったのが正直なところだ。ただファルコンSでも11.8 - 11.7 - 11.8 - 12.0の流れで中団から馬群を捌いてしぶとく伸びての勝利、3走前は東京1400で12.4 - 11.2 - 11.2 - 11.3とギアチェンジが要求される競馬で2列目ポケットからすっと反応して楽に抜け出したりとクロフネ産駒らしい総合力の高さを感じさせる。ハイペースで淀みない競馬になると有力古馬の方が有利だろうが、道悪の影響でペースに淀みが出てくればこの馬の良さである総合力が活きてくる可能性は高い。基礎スピードやポテンシャル面ではNHKマイルだけでは古馬を打ち砕くほどのパフォーマンスとはまだ思っていないので、器用さを活かせる展開なら。
最後にゴットフリートにも少し触れておこう。中山マイルの適性は朝日杯のパフォーマンスからもある程度見せているのは間違いない。上位2頭は皐月賞馬と3着馬。11.9 - 12.2 - 11.8 - 12.1とハイペースの消耗戦で中団から3~4角中目を通してコディーノの直後を通しながら最後までしぶとく伸びて3着を確保した。トップスピードの高さを見せてきていた馬だったが、これで基礎スピード面、ポテンシャル面である程度の目途は立てたと言っていい。共同通信杯では12.1 - 11.8 - 11.3 - 11.2 - 11.5と4F勝負になってはいるがL1落ち込まない流れで好位から2列目からはしぶとく伸びての2着。トップスピード勝負でも対応しているが、メイケイペガスターが向こう正面で押し上げて2列目からの競馬で出し抜かれていることからもパフォーマンスとしてはそこまで高いものではなかった。そしてNZTとNHKマイルCではまさかというほど伸びあぐねた。特にNZTは12.1 - 12.2 - 11.7 - 11.4 - 11.7とペースがまだそこまで上がっていない段階で仕掛けて最速地点へ向けて押し上げて行く流れだったがそこからが伸びなかった。確かに岩田に外から内に押し込められるような競馬で接触を繰り返していて、この辺が影響があったかもしれないが、もう少し伸びてほしかったのが正直な所。NHKマイルは前傾ラップの消耗戦で後方で脚を貯める競馬をしながらマイネルホウオウらとの勝負の舞台に立てさえしなかった。この2走ともゲートが悪かったのも影響しているが、それでも最後に伸びてくるだけの材料はレースの流れとしては有ったはず。ここは立て直しての一戦、正念場の舞台だ。
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