有馬記念2013予想
理詰めの結論はゴールドシップ

カピバラ
13期 予想歴3年

◎ゴールドシップ
  3着/2人気

○オルフェーヴル1着/1人
▲ダノンバラード15着/9人
△デスペラード7着/7人
×カレンミロティック


・傾向
基本的には中盤で12秒台後半から13秒台までラップが緩む。
追走が緩くなって恵まれるのは、中距離馬よりも脚の遅い長距離馬になるだろう。

中長距離で底力を活かしていたタップダンスシチーが好走することは有っても、中距離でスピード持続力・底力を活かしていたアーネストリーが好走するのは難しい、そんなイメージがピタリと嵌る。


・ステップレース見解

アルゼンチン共和国杯
少し内有利な馬場。少し緩急ある流れからのロングスパート戦。
アドマイヤラクティは2頭分外。
ルルーシュは最内。
デスペラードは2頭分外。

ジャパンカップ
内外フラットな馬場。スローからの4Fスパート戦。
トーセンジョーダンは1頭分外。前後有利。持続力発揮。
アドマイヤラクティは最内。
ルルーシュは2頭分外。
ナカヤマナイトは最内。
ゴールドシップは4・5頭分外。

金鯱賞
少し内有利な馬場。テン中盤早い前傾ラップ。
後続は前半の緩い持続力勝負。
カレンミロティックは最内。単騎。
ラブリーデイは最内。単騎。
ウインバリアシオンは最内。4コーナーでは2頭分外。
トゥザグローリーは1頭分外。

カレンミロティックは能力全開。高いスピード持続力を発揮。

※今回から、前後不利、前後有利という評価を控えめにしました。
前傾ラップを前で追走するカレンミロティックは一見すると「前後不利」ですが、馬自身の適性からはこの戦法がベストです。
スローを先行したトーセンジョーダンは一見すると「前後有利」にも見えますが、一気にスパートしたことで最後は苦しくなった馬が多い展開でもありました。
3着に粘りこめたのは、持続力を最大限活かせる展開だったためでしょう。

このように、競馬は見た目のペースだけで語ることが非常に難しいのです。
予想屋マスターさんはあえて細かい分析を排除しているように見受けられますが、それは試行回数を増やすことを最優先しているためでしょう。
私は週に多くても数レースしか予想しませんので、ペースに対する解釈の幅は広く持つスタイルを貫こうと思います。
「このペースだから、こうだ!」という決め付けは、優れた予想をする上では足枷になってしまう恐れがありますので。


・各馬評

オルフェーヴル
底力とキレが最強クラス。ベストパフォーマンスは宝塚記念と2012年の凱旋門賞。宝塚記念では、近走3走で経験していたドスローから一気に追走ペースが上がった上、調子も微妙な中での完勝。2012年凱旋門賞では、歴史的に時計のかかる馬場の締まったペースで、他馬が直線で失速していく中オルフェーヴル一頭が一気に加速し先頭へ。ラストは失速幅を抑えたソレミアにやられましたが、残り100m手前までのパフォーマンスは化け物のそれでした。
今回弱点が有るとするならば、距離の長さから来る持続力不足でしょう。阪神大賞典では逸走したとはいえ、指数上は菊花賞より2秒近く劣るパフォーマンス。距離ロス、ラップロス、かかった面を考えても2秒以上のロスには思えず、距離の壁が響いた感触が僅かにありました。春天では距離ロスと位置、ラップロスが響いた形ではありましたが、距離適性の無さと高いレベルでの持続力不足を露呈させたからこその大敗でした。そもそも、これほどの底力とキレを持つ馬が、ユルユルのペースを追走して6Fくらいのロングスパートに対応するのは非常に難しいことでしょう。適性の外の競馬だったと見ることができます。
有馬記念では中間点が絶対的に緩む可能性が高いため、底力を全開にするのは難しく、5Fくらいのスパート戦になれば持続力不足を突かれてしまう恐れもあります。今年のメンバー的に、ペースに関しては、テンをかなり緩く入って中盤が締まる流れになるかもしれませんが、舞台設定がベストで無いことには注意しておきたいですね。

※ちなみに、スローからの持続力勝負だった大阪杯と2012年フォア賞は、共に楽勝しているとはいえ着差が小さく、適性が微妙なことは明らかです。スローのキレ勝負だった有馬記念、ダービーでのパフォーマンスは低くなく、仕掛けの地点を遅らせた方が良いと推測されます。ハイペースを一瞬の脚で抜けだした宝塚記念、2012年凱旋門賞のパフォーマンスが圧倒的なのは前述した通り。2400mがやや長いと推測しているのは、後傾ラップで微妙なパフォーマンスだった大阪杯、フォア賞と、長距離でパフォーマンスを落とした2戦を参考にしてのものです。

※勝っているレースも微妙などと評価しているのは、オルフェーヴルのレベル、適性(個性)にあわせた評価なので悪しからず。

ゴールドシップ
ジャパンカップの敗因は回顧で長々と書いたのでそちらを読んで下さい。京都大賞典はテンで一気に高スピードに乗せたこと、内外の距離ロス、後半の無謀なロングスパートに付き合ったことが主な敗因でした。一気に高スピードに乗せないレースでは崩れておらず、5Fスパート戦がデフォルトの有馬記念は適性ドンピシャ。中間点でペースが落ちれば無理なく前と差を詰められそうなのもプラス。仮に、テン緩く中盤が締まったペースになったとしても、宝塚記念の経験が活きるはずで前進は確実。

アドマイヤラクティ
ジャパンカップは最内を追走して4着。アルゼンチン共和国杯は2頭分外を回されて2着。やや中距離寄りの持続力を持つようです。中距離的な追走力が問われた目黒記念では大敗しており、ダイヤモンドSでは完勝していることから、追走が緩い長距離がベストと推測されます。中間点が緩みやすい有馬記念は悪くない条件で、ある程度の評価が必要では。

ウインバリアシオン
2012年の日経賞を見たときから、「有馬記念で買うか!」と思っていました。長距離寄りの持続力勝負が向いている上、コーナーでの加速も問題なし。金鯱賞でもそれを証明してくれました。少し人気しすぎている印象ですが、追走が緩いこの条件はかなり良いはずで、前進を期待。

カレンミロティック
高いスピード持続力を持っていますが、2500mだとそれを積極的には活かせないはず。単騎逃げの形になると怖いですが、適性面は微妙。

トーセンジョーダン
ジャパンカップは4Fスパートが嵌った形。持続力は健在です。再現率は低く、今回の大外枠もマイナスですが、展開利を受ける中で持続力を活かせられると一発がありそうです。

デスペラード
ステイヤーズSは1頭分外を回っての勝利。思い芝にも適性がありそうです。長距離的な持続力に優れているので、前がギクシャクした追走となって、こちらがマイペースで付いていけば前進が有るでしょう。

ナカヤマナイト
中山巧者ですが、持続力は劣ります。中盤の速い流れをある程度追走した中山記念で勝利していますが、相手はダイワファルコンやタッチミーノットといった緩急戦で強いタイプで、能力を発揮できなかった馬でした。近2走からも枠の恵まれが無くなり、前進は難しいでしょう。

ルルーシュ
テンの緩いレースを得意としているので、今回のコース形態&メンバーはプラスになりそうです。ただ、テンの早いレースを苦手としていることや大跳びであることから、小回り適性不足が推測され、条件がベストとは言えません。

ダノンバラード
宝塚記念ではテンの緩い単騎逃げのような形になり、持続力を活かして好走。戦績を見ても分かるようにテンを緩く入ると良い馬で、今回のコース形態はプラス。パワーの要る芝、自然と先行出来そうな枠もプラスで、一発を期待。

トゥザグローリー
金鯱賞ではパフォーマンスを上げてきました。追走力に難がある馬で、中距離的なスピードが問われた時点で勝負に参加できません。パワーを問われる条件、中間点が緩みやすい条件は共にプラスで、良化していれば前進が有っても。



せっかくなので、競馬ナンデの編集長おくりばんとさんの質問にも答えます。

1、オルフェーヴルの追い切りは微妙との評価もあるが状態は大丈夫か?
肺出血の影響は?凱旋門賞の疲れは?衰えは?
A.衰えは少し有るでしょう。ブエナビスタやドリームジャーニーでさえ、ラストはパフォーマンスを落としてきていましたから。

2、ゴールドシップの秋2戦の惨敗は何だったのか?
復活はあるのか?本調子ではないのか?衰えか?
A.敗因は前述の通りです。復活はあります。調子は悪くはありません。衰えよりも明確な敗因が目に付きます。

3、アドマイヤラクティは善戦マンのイメージがあるが、G初制覇はあるのか?
また2着?3着?
A.適性は悪くありませんが、ジャパンカップと京都大賞典は恵まれがある中での競馬で、今回それ以上の恵まれが見込めない限りは厳しいでしょう。正直、ここまで人気されると過剰に評価されている気がします。

4、カレンミロティック、デスペラードなど上がり馬の台頭はある?
A.カレンミロティックは開幕週でスピード持続力を活かして好走しているので適性微妙。デスペラードは中距離にも有る程度対応しているので、今回の距離はドンピシャかもしれません。前述のプラス要素もありますし、期待していいんじゃないかと思います。

5、ヴェルデグリーン、ナカヤマナイトといった中山巧者の一発はあるのか?
A.中山巧者に注目が集まるのは仕方の無いことですが、ナカヤマナイトは有馬記念で要求される持続力を示していませんし、ヴェルデグリーンは指数レベルで不安が有るにもかかわらずそこそこ人気しています。中山巧者なら、ダノンバラードに期待するのが良いと思います。



・予想
逃げ馬不在ということで、かなり緩いテンからのロングスパートになる可能性があります。
デフォルトは中間点で緩む流れですが、今年はそうならないかもしれませんね。

馬場は内外フラットで、かなり時計のかかる状態。


本命は、ゴールドシップ。
近走の敗因は明確な上、条件は大きく好転。時計のかかる芝、急坂、デフォルトのラップ、それぞれ全て得意で、有馬記念適性に最も優れた馬と言えるでしょう。

○オルフェーヴル
調子、適性がベストではない今回。地力の高さでこなす可能性はありますが、単勝1.8倍なら他馬の逆転を狙うのが妥当です。

▲ダノンバラード
メンバー的にテンを緩く入って先行することが出来そうで、マイペースの競馬になるのでは。他馬の捲くりが怖いですが、前半~中盤をスムーズに進められた利を活かして対応することを期待。

▲デスペラード
アルゼンチン共和国杯は内外不利、目黒記念は中盤の早い追走ペースが合わなかった。時計のかかる芝はプラス。インの後方を追走出来そうな今回は漁夫の利を狙う絶好のチャンスで、スムーズに持続力を活かしての前進を期待。

▽ウインバリアシオン
有馬記念適性は高いのですが、ベストは間違いなく長距離。コーナーを6回通過する今回は機動力不足、追走力不足が響きそう・・・という僅かなマイナスがあります。積極的な競馬をして4着だった宝塚記念の時の能力を発揮すれば全く気になりませんが、前走でそこまでの能力を測ることが出来たとは思えません。妙味無い押さえとして。

▽トゥザグローリー
調教の様子から良化していそうですが、近走のパフォーマンスからは好走するとは思えません。仕掛けの地点が早くなりそうなのもマイナスで、不人気を考えても妙味無い押さえまでです。

※▽の馬は買わないかも・・・。




おまけ
今回ゴールドシップを本命にする上で、頭を過(よ)ぎったのがエスポワールシチーの存在。2013年フェブラリーS以前の2走で大敗していて、衰えを囁かれていました。2012年ジャパンカップダートはかかって無謀なペースで飛ばしたという敗因、2012年東京大賞典は出遅れが響いたという敗因がそれぞれありました。私も敗因があることを見抜いていたのですが、どうしてもパフォーマンスを上げるイメージが出来ず、フェブラリーSでは3番手くらいの評価にしてしまいました。

結果は9番人気2着。

驚いたと同時に、自分が「イメージ」や「周囲の意見」に無意識の内に流されていたことを反省しました。安易に敗因(衰えなど)を決め付けて、前進の可能性を勝手に小さく見積もっていました。これでは、優れた予想とはいえませんよね。


今回のゴールドシップ本命の根拠は、イメージや周囲の意見、ましてや自分の感情でもありません。
競馬に対して誠実な分析を行った結果です。
そのことを、理解してくれる人が一人でも居てくれれば嬉しいです。



まとめると、
◎ゴールドシップ
○オルフェーヴル
▲ダノンバラード
▲デスペラード
という印。


ペース別に分けると、

・テンをかなり緩く入って、その後は淡々と緩急が生じない流れ
オルフェーヴルとダノンバラードが少し有利。
ダノンバラードに2500mは長いので、出来るだけ追走力を活かしたいところ。
ゴールドシップもこなせる。

・デフォルトの中間点が緩む流れ
ゴールドシップ、デスペラードが少し有利。

となります。


買い目はブログで発表するつもりでしたが、時間的余裕があるので、買い目も書いときます。
馬連
01-06 24.8
05-14 82.8
01-14 80.3
三連複
01-06-14 38.3
05-06-14 41.4
ワイド
05-14 21.6-24.6
馬単
01→06 107.6
05→14 298.9
三連単
14→05→06 412.5

オルフェ、ダノンは中距離寄りで、ゴルシ、デスペは長距離寄りなので、そこを意識しました。


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有馬記念2013回顧
自らの力で切り開いた21戦12勝のドラマに拍手を

カピバラ
13期 予想歴3年

次走狙い:デスペラード


『ふなっしー馬券、売れる。』

いつも堅苦しいコラムばかり書いているので、たまには息抜きを。

さて、今年の有馬記念はオルフェーヴルが圧勝し、有終の美を飾りました。
レース前から注目度が高かった有馬記念ですが、世相を反映した馬券を買っていた競馬ファンもいたのではないかと思います。
ネット上では、「ふなっしー(02→07→04)決着」の馬券が売れているとの意見がありましたが、実際のところどのくらい売れていたのでしょうか。

オッズを並べて確かめてみます。

三連単
02→07→04 1865.2倍
(ふなっしー)
(ヴェルデグリーン→タマモベストプレイ→ウインバリアシオン)

数字を一つだけずらした場合の三連単上位人気
06→07→04 1512.7
14→07→04 7733.9
10→07→04 15485.6

02→06→04 632.5
02→10→04 2503.4
02→14→04 2949.4

02→07→06 10398.6
02→07→14 24507.1
02→07→03 34956.4

一つ数字が違うだけでこれほどの人気の違い。


三連複ではどうでしょうか。

三連複
02-04-07 497.4
(ふなっしー)
02-06-07 640.9
(ヴェルデグリーン-オルフェーヴル-タマモベストプレイ)

なんと、06オルフェーヴルを含む買い目よりも売れています。


ふなっしーの圧倒的な人気は、こんなところにも表れているのですね。



『有馬記念 回顧』

ラップタイム:6.9-11.1-12.3-11.6-12.4-12.8-12.4-12.0-11.8-12.3-12.6-11.8-12.3
区間ごと:41.9-37.6-36.1-36.7

回顧が遅れました。
遅れた理由は、ラップタイムの評価が難しかったため。
ルルーシュ大敗、オルフェーヴル圧勝、ラブイズブーシェ4着などの結果を考慮すると、差し追いこみ馬にとって有利な流れであることは間違いないのですが、それ以上の細かい評価をするには少々情報が足りませんでした。
タイム指数、馬場指数などを確認してから回顧を書こうと、レース後に思いました。

今現在確認したことを並べてみます。
馬場指数は「標準~ほんの少しかかる」くらいの評価。
タイム指数、スピード指数からの評価は、オルフェーヴルの走りは近年の中では高レベルで、ウインバリアシオンの走りは例年のレベルよりほんの少し劣る、といったもの。

オルフェーヴルの圧勝によってレース上がり3Fも早くなっていますが、例年のレベルのレースだと仮定した場合のレース上がり3Fは37秒台後半くらいでしょうね。
それをベースにラップタイムを評価すると、
「テン平均的、中盤前3F早く、中盤後3F早く、上がりがかなりかかる」
という具合になりますね。

私は予想文で、「テンをかなり緩く入って、その後は淡々と緩急が生じない流れ」ならオルフェーヴル有利だと書きました。
この文章の趣旨は正しいと言えるのですが、私はそれ以外にも、「有馬記念では中間点が絶対的に緩む可能性が高いため、底力を全開にするのは難しく、5Fくらいのスパート戦になれば持続力不足を突かれてしまう恐れ」が有ると評価してしまいました。
結果として、これは全くの杞憂に終わりました。
力量差を考えると、苦手な流れでも楽々勝利していた可能性が高いですね。

ルルーシュ、カレンミロティックの果敢な先行策により、ほとんどの馬は残り3Fを残して相当のスタミナを消耗してしまっていました。
そんな中、ただ一頭追走に苦しんでいなかったのがオルフェーヴル。
中距離的な底力を、見事に活かすことが出来ました。
宝塚記念から約1年半振りの、オルフェーヴルペースとなった訳です。

オルフェーヴルの資質を振り返るのはまたの機会にするとして、回顧は一旦ここで終わります。


自らの力で切り開いた21戦12勝のドラマに拍手を。
ありがとう、オルフェーヴル。


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