AJCC2014予想
AJCC 非根幹距離実績と今の中山芝に合う血統。

軍神マルス
08期 予想歴16年

◎ダノンバラード
  12着/4人気

○トゥザグローリー13着/5人
▲マイネオーチャード6着/7人
△ダービーフィズ9着/8人


★傾向分析★
テン3F-中盤5F-上がり3Fで分けて考えています。

2009年 タイム 2'13"9 (良) 1FAve=12.17 3FAve=36.52
テン36.6-中盤61.4(3F換算36.84)-上がり35.9 『加速・一貫』
1着ネヴァブション・・・マーベラスサンデー×Mill Reef=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔14-f〕 3-2
2着エアシェイディ・・・サンデーサイレンス×ノーザンテースト=サンデーサイレンス×ノーザンテースト 〔4-r〕 6-6
3着トウショウシロッコ・・・アドマイヤベガ×ニッポーテイオー=サンデーサイレンス×リファール 〔23-b〕 6-3

2010年 タイム 2'12"6 (良) 1FAve=12.05 3FAve=36.16
テン36.3-中盤61.2(3F換算36.72)-上がり35.1 『加速・中弛み』
1着ネヴァブション・・・マーベラスサンデー×Mill Reef=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔14-f〕 5-2
2着シャドウゲイト・・・ホワイトマズル×サンデーサイレンス=リファール×サンデーサイレンス 〔22-d〕 1-1
3着トウショウシロッコ・・・アドマイヤベガ×ニッポーテイオー=サンデーサイレンス×リファール 〔23-b〕 7-6

2011年 タイム 2'14"2 (良) 1FAve=12.20 3FAve=36.60
テン37.9-中盤61.2(3F換算36.72)-上がり35.1 『加速』
1着トーセンジョーダン・・・ジャングルポケット×ノーザンテースト=グレイソヴリン×ノーザンテースト 〔9-a〕 4-3
2着ミヤビランベリ・・・オペラハウス×ホリスキー=サドラーズウェルズ×ニジンスキー 〔12〕 1-1
3着ネヴァブション・・・マーベラスサンデー×Mill Reef=サンデーサイレンス×ネヴァーベンド 〔14-f〕 10-7

2012年 タイム 2’17”3 (不良) 1FAve=12.48 3FAve=37.45
テン37.3-中盤63.7(3F換算38.22)-上がり36.3 『加速・中弛み』
1着ルーラーシップ・・・キングカメハメハ×トニービン=フォーティナイナー×グレイソヴリン 〔8-f〕 7-7
2着ナカヤマナイト・・・ステイゴールド×カコイーシーズ=サンデーサイレンス×レイズアネイティヴ 〔6-a〕 4-4
3着ゲシュタルト・・・マンハッタンカフェ×エンドスウィープ=サンデーサイレンス×フォーティナイナー 〔13-e〕 6-4

2013年 タイム 2’13”1 (良) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン36.0-中盤60.8(3F換算36.48)-上がり36.3 『一貫』
1着ダノンバラード・・・ディープインパクト×Unbridled=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔12-c〕 4-2
2着トランスワープ・・・ファルブラヴ×リアルシャダイ=ノーザンダンサー×ロベルト 〔8-f〕 4-4
3着アドマイヤラクティ・・・ハーツクライ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔8-f〕 4-4

 近年の流れは、『加速』や『一貫』が多く、小回りコースの中山芝コースのコース形態も相まって中盤の弛みは少ない傾向。
好走馬の多くは4コーナー5番手以内が多く、コーナーを回りつつ加速していくようなタイプ(=瞬発力型とは対極のタイプ)向き。

 血統の傾向は、大系統ナスルーラ系(=ネヴァーベンド系・ボールドルーラー系・グレイソヴリン系)の血をもつ馬の好走が多い傾向。また馬場状態と流れから欧州型のノーザンダンサー系(=ニジンスキー系・ノーザンテースト系・リファール系)の血も好走馬に多いようです。
 最近の傾向では、サンデーサイレンス系×持続型血統(=ネヴァーベンド系・ボールドルーラー系・ノーザンテースト系など)の好走が多く、暮れの中山コースの重賞好走結果からも中心と考えます。

 また好走馬の多くが中山コースを得意としていた(=好走歴あり)ため、中山好走歴はチェックすべきと思います。特に芝1800m・芝2200m・芝2500mが比根幹距離で流れが似ていることも多く、この適性は非常に重要と考えます。
 セントライト記念、オールカマー、AJCCと中山芝2200m重賞で過去に好走したことのある馬は、同じコースで再度好走しやすく要注意。

★予想★
AJCCのポイントは、
①ペースは『加速』になりやすく、中盤は締まる傾向。4コーナー5番手以内につけられそうな馬に注目。
②中山コースのスペシャリストか、GⅠ好走クラスの馬でないと、後方からの位置取りで届くのは至難の業。
③中山芝コース巧者。特に中山芝2200m重賞実績があれば最良。中山芝1800mや中山芝2500mの非根幹距離での実績馬も好走しやすい。
④サンデーサイレンス×スピード持続型血統配合(=ネヴァーベンド系やボールドルーラー系の大系統ナスルーラ系、ニジンスキー系やノーザンテースト系のマイル~中距離のスピード対応型の大系統ノーザンダンサー系)。
⑤近走の重賞好走馬から、ステップや世代間の能力差を考えることもポイント。

◎ダノンバラード・・・ディープインパクト×Unbridled=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔12-c〕
 前走有馬記念15着(=中山芝2500m:4.7秒差)。中山芝コースは(1-0-1-3)、芝2200m戦は(1-1-1-0)。芝2200mは、13年AJCC1着・13年宝塚記念2着・13年オールカマー3着と重賞でも好走していて、崩れていない馬。近走は天皇賞秋16着(=東京芝2000m:3.0秒差)→有馬記念15着と凡走続きだが、天皇賞秋は瞬発力の上がり勝負になりやすく適性の違いからの凡走、有馬記念は好走のない距離適性の上限を超えての内容と考えると、好走の多い適距離に戻る今回は見限れない馬と考えて、好走に期待する。リピーターが好走の多い重賞でもあり、この点にも期待して評価する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Unbridledはミスプロ系で、芝・ダート兼用の中距離血統。ミスプロ系の中では我慢強さがあり、揉まれる展開になってもレースを投げるようなことはしない。芝に限れば直線まで溜めていると爆発的な脚を使うが、その分展開に左右され不発に終わることもあるが、強気に勝負したい血統。ダートなら先行しても差しても安定性はある。古馬になっても力の衰えは少ない。
 No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

○トゥザグローリー・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔9-f〕
 前走有馬記念8着(=中山芝2500m:2.4秒差)。中山芝コースは(0-0-2-3)、芝2200m戦は(2-0-0-2)。芝2200mは、11年京都記念1着好走歴があるが、中山芝2200mは初。しかし非根幹距離の中山芝2500mでは、10年・11年と有馬記念で連続3着の好走歴があり、中山芝2200mが合わない馬ではないと思われ、また前走は直線で前が壁になり、追出しを待たされてでは直線の短い中山芝コースでは届かずの内容にて、反撃は可能と考えて好走に期待して評価する。7歳馬だが、まだまだ能力の衰えは少なく、好走に期待する。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門で、広いコース変わりはプラス要因。3歳秋以降は本格化が始まり、堅実に走るタイプとなる。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

▲マイネオーチャード・・・ステイゴールド×ティンバーカントリー=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔13-c〕
 前走1600万条件戦クリスマスC1着(=中山芝2200m)。中山芝コースは(1-0-0-1)、芝2200m戦は(1-0-1-2)。近走は条件戦だが大崩なく好走していた馬で、6歳馬だが成長の跡がみられる。中山芝コースはステイゴールド産駒の好走も多いし、また母父ティンバーカントリーは先週の京成杯1着好走のプレイアンドリアルが好走したばかりで、馬場的にも適性は合うと思われ、好走できる血統構成と考える。相手強化の方がステイゴールド産駒の特性も活かしやすいし、この点にも期待して評価する。
 ステイゴールド産駒はスタミナ型のサンデーサイレンス系。ステイゴールドは母父ディクタスの特性がでていて、サンデーサイレンスというよりはサッカーボーイに近い特徴があり、夏~秋にかけてよく軌道に乗ることが多い。ディクタスのスタミナ型の特性とまた強敵相手に食い下がる勝負根性は、ステイゴールド産駒の持ち味。1戦燃焼型のタイプも多く、惨敗後から涼しく巻き返す能力も高い。断然人気よりも穴で狙いたいタイプで、人気馬よりもその人気馬をマークする立場の方が好走しやすい。母父ティンバーカントリーはミスプロ系で、軽いスピードのウッドマン系だが、パワーとスタミナを備えたステイヤーを多く輩出するタイプ。早めに先頭に立っての押し切りや、3~4コーナーからのマクる競馬を得意としていて、コーナーが4つある中山、阪神、ローカル小回りコースが合う。
 No.〔13〕の牝系は、クラスの壁をキャリアを積みながら超えていくタイプが多い牝系。叩き良化型でもあり、洋芝向きのパワー型だが、器用さもある。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

△ダービーフィズ・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔16-c〕
 前走ディセンバーS3着(=中山芝1800m:0.2秒差)。中山芝コースは(1-1-1-1)、芝2200m戦は(0-1-0-0)。芝2200mは13年セントライト記念2着好走歴があり、スタミナを活かせる非根幹距離の流れは合うはず。今の中山芝コースはスタミナがかなり要る馬場のようで、トニービン系の好走が多い馬場でもあるし、この点もプラス要因と考えて好走に期待して評価する。
 ジャングルポケット産駒はグレイソヴリン系で、小回りコースが得意なタイプと広いコースで末脚を繰り出すタイプとがいる。本馬は東京芝コースでも好走歴があるが、近走は中山芝コースで好走が多く、本質は小回りの持続型タイプと思うが、速い上がりも繰り出せるので広いコースで末脚を活かすことも可能なタイプ。ただし東京芝コースでは詰め甘。緩い流れで瞬発力勝負より、持続した流れでスタミナを活かす方が強さを発揮しやすい。ジャングルポケット産駒は菊花賞でも好走しているし、スタミナの豊富な馬が多くステイヤータイプも輩出する。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳秋以降に本格化する成長力があり、また叩き良化型のステイヤー特性がある。そのため距離延長で本領発揮のタイプが多い牝系。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。


tipmonaとは?

AJCC2014回顧
AJCC 有馬記念出走馬を侮るなかれ。

軍神マルス
08期 予想歴16年

次走狙い:ヴェルデグリーン
次走狙い:サクラアルディート


2014年 タイム 2’14”0 (良)1FAve=12.18 3FAve=36.55

ラップ
①12.5-②11.1-③12.9-④12.2-⑤12.4-⑥12.3-⑦11.9-⑧12.3-⑨12.4-⑩11.9-⑪12.1
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-1.1 ③+0.7 ④±0 ⑤+0.2 ⑥+0.1 ⑦-0.3 ⑧+0.1 ⑨+0.2 ⑩-0.3 ⑪-0.1
テン36.5-中盤61.1(3F換算36.66)-上がり36.4 『一貫』

『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△

1着ヴェルデグリーン・・・ジャングルポケット×スペシャルウィーク=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔1-b〕 10-6
2着サクラアルディート・・・ディープインパクト×マルゼンスキー=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔16-a〕 5-2
3着フェイムゲーム・・・ハーツクライ×アレミロード=サンデーサイレンス×リボー 〔1-t〕 8-8

流れは、テン-上がりのラップ差と中盤の締まりから『一貫』の流れ。展開的には、差しが最も恵まれ、次いで先行、逃げ・追込には厳しい流れと考える。

1着ヴェルデグリーンは、前走有馬記念10着(=中山芝2500m:2.6秒差)からの好走。中山芝コースは(4-1-0-3)、芝2200m戦は(1-0-0-0)でした。中山芝2200mは、13年オールカマー1着好走歴がある馬で、今回◎と考えたダノンバラードとは天皇賞秋8着(=東京芝2000m:1.8秒差)→有馬記念10着と臨戦過程は同じで、オールカマー1着以後の成績はダノンバラードをすべて上回っていた馬でした。中山芝コースでも好走が多かった馬だが差しに位置することが多く、先行馬の好走が多いレースであったため届かないのでは?と考えてしまったため◎ダノンバラードとしましたが、本馬は展開にも恵まれ差しでも4コーナーでは6番手と好位につけ、1着好走。侮ってしまったことは反省したい。距離には限界があると思うが、中距離では能力がある馬にて、上がり勝負にならない中山芝コースが向く馬として、今後中山記念などに向く馬として好走に期待したい。
 ジャングルポケット産駒はグレイソヴリン系で、小回りコースが得意なタイプと広いコースで末脚を繰り出すタイプとがいる。本馬は東京芝コースでも好走歴があるが、中山芝コースで好走が多く、本質は小回りの持続型タイプと思うが、速い上がりも繰り出せるので広いコースで末脚を活かすことも可能なタイプ。ただし東京芝コースでは詰め甘。緩い流れで瞬発力勝負より、持続した流れでスタミナを活かす方が強さを発揮しやすい。ジャングルポケット産駒は菊花賞でも好走しているし、スタミナの豊富な馬が多くステイヤータイプも輩出する。母父スペシャルウィークはスタミナ型サンデーサイレンス系で、長い末脚を使い、嵌った時の強さは破壊力十分で、カミソリというよりはナタの切れ味。その分、小回りコースでの取りこぼしやスピード競馬での不安定さがある。一方で2歳戦に強い早熟性も有するが、古馬での成長力は豊富。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号bは、基本的に晩成傾向で使い減りしないタイプが多く、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。

2着サクラアルディートは、前走中山金杯9着(=中山芝2000m:0.4秒差)からの激走。中山芝コースは(0-0-0-2)、芝2200m戦は(0-0-0-1)でした。約6か月半の休み明け後は、ディセンバーS5着(=中山芝1800m:0.2秒差)→中山金杯9着(=中山芝2000m:0.4秒差)と凡走続きではあったが、着差は僅差だったことは侮ってはいけない馬でした。中山芝コース実績や芝2200m実績は乏しかったが、内枠で外国人ジョッキー騎乗という点では穴として警戒すべき点はあったかもと反省します。牝系からも叩き良化型であったし、僅差で好走していた馬であれば調子は上向くと考えるべきでした。今回の好走を評価して、今後の好走にも期待したいと思います。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父マルゼンスキーはニジンスキー系で、すべてに柔軟性があり、底力と成長力に優れている。母父としても一流で、頑固なステイヤー種牡馬との配合ではスピードを、イケイケ短距離種牡馬との配合ではガマンを伝えている。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号aは、気性的に素直なタイプが多く、また父親よりもスケールが小さくなる傾向。

3着フェイムゲームは、前走ディセンバーS6着(=中山芝1800m:0.2秒差)からの好走。中山芝コースは(2-0-0-4)、芝2200m戦は初でした。前走は約8か月の休み明けだったが、2着サクラアルディートと同様に僅差に好走していた馬で、叩いた効果が見込める馬でした。また半兄バランスオブゲームなども中山芝コースが得意な馬だったし(=しかも非根幹距離重賞での好走が多かった馬)、そう考えるとこちらも穴としての好走が考えられる馬だったと反省する。牝系的には成長力が早いのだが、半兄バランスオブゲームを考えると息の長い活躍をした馬でもあり、今後の成長にもまだまだ期待できる馬なのかもと考えて好走に期待する。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父アレミロードはリボー系で、本質はステイヤー血統ながら、気性が前面に出過ぎていてマイル~中距離が適距離。仕上がりは早いが、高齢馬でもハイペースから追込が効く展開になれば一発があり侮れない。出来れば時計のかかる馬場が良く、ダートは湿った馬場を得意とする。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号tは、京都や中京などスパイラルカーブのあるコースで本領を発揮する。一瞬の脚があるので中山も得意。

AJCCのポイントは、
①ペースは『加速』になりやすく、中盤は締まる傾向。4コーナー5番手以内につけられそうな馬に注目。
②中山コースのスペシャリストか、GⅠ好走クラスの馬でないと、後方からの位置取りで届くのは至難の業。
③中山芝コース巧者。特に中山芝2200m重賞実績があれば最良。中山芝1800mや中山芝2500mの非根幹距離での実績馬も好走しやすい。
④サンデーサイレンス×スピード持続型血統配合(=ネヴァーベンド系やボールドルーラー系の大系統ナスルーラ系、ニジンスキー系やノーザンテースト系のマイル~中距離のスピード対応型の大系統ノーザンダンサー系)。
⑤近走の重賞好走馬から、ステップや世代間の能力差を考えることもポイント。
⑥前年のオールカマー好走馬に注目。
⑦前走有馬記念出走馬なら、巻き返し好走も可能(=なるべくは着順も良い方が良い)。
⑧近走凡走馬でも、休み明けで僅差好走馬なら要注意。


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