皐月賞2014予想
難解皐月賞をデータアートで分析!

スカイポット
14期 予想歴17年

◎ワンアンドオンリー
  4着/4人気

○クラリティシチー8着/10人
▲アジアエクスプレス6着/5人
△トゥザワールド2着/1人
×アドマイヤデウス


皐月賞予想ツールの説明

 馬流天星の若駒戦予想は、シンザン記念週以降はアナログ予想に必須である天星指数の算出を停止しております。今年も条件戦以上の指数を概算で出してきたので参考指数は公開しますが、予想のロジックは旧来のデータアートを中心といたします。

 皐月賞データアート(不死鳥データ)は、過去22年の皐月賞の出馬表と結果を分析し、好走パターンについて『称号』を与え、凡走パターンについて「烙印」を付けて、そのバランス等を総合的に分析するといういわゆるデータ予想に基づく予想ツールです。詳細についてはHP上に掲載しているリンクアドレスを紹介させて頂きますので、そちらを参照してください。

 皐月賞「不死鳥データ」… http://baryutensei.com/31sats.htm 
 過去実演… http://baryutensei.com/32sats.htm
 ※初見の方は、先にこちらをご覧頂くことを推奨します。

 なお、過去実演ページでは好走を見抜くことが困難と思われる馬にも印が打たれています。それらは事後的にデータを更新したものも多いのですが、昨年は称号馬のワンツースリーで決まりました。アナログ予想で鍛えた視点を踏まえ、単純に1頭の激走を救うためのデータは作らず、普遍的に適当と思えるデータ改変を行うよう心がけていますので、自分としては進化しているものと考えています。皐月賞は安定的に的中させるロジックを見出すのが至難のレースで、勝率は4割程度ですが、悪くはないと思っています。

 今年も、まずは2009年のような激流(ハイペースになり複数の先行馬が各自の能力からは考えられない失速をしてしまう展開)になりやすいかどうかを事前に把握する展開分析ツール(2010年皐月賞予想時に作成)から確認していきましょう。「皐月賞展開分析ツール」(http://baryutensei.com/report/BPRdata2014sats.pdf)の読み方を以下、ご説明(復習)します。
※長いので、飛ばしたい方は★データ及びアナログによる各馬分析へどうぞ

 まず、左側「結果」には、ラップ、勝ち時計、前後3F、展開、西暦を表記しています。勝ち時計が速かった年に薄青の網掛けを、前後3Fでは前3Fが35.2秒よりも速く、かつ後3Fの時計より速い年に水色の網掛けをしています。展開は基本的に前後3Fの差で出していますが、結果的に激流が発生していない年はMH(ミドルハイ)としています。
 続いて、その右の「BPR分析」に移ります。左から1~18と並んでいる数字は馬番であり、各年の出走馬のうち、BPR1馬に6~8点、BPR3馬に2~4点の配点をしています。この配点は資料の真ん中下に書いているルールに従っています。BPR1馬やBPR3馬は自身のベストパフォーマンスを出したレースで逃げ又は先行していた馬なので、本番でも同じ脚質を採る可能性が高く、展開を速めやすいと考えています。また、外枠のほうに掛け率を加えているのは、外に逃げ先行馬が揃った場合は、内の馬で先行したい馬は被されてしまう(外から前に入られると不可抗力的に位置取りが悪くなる)ことを恐れて、内の騎手たちに余計に前に行く動機が生まれることを考慮しています。
 「BPRが前走でなく、前走BPRと異なる位置取り(差し等)だった馬は配点を+2」というのは、例えばサニーブライアンやサンツェッペリンのように、差す競馬を試してみたけど駄目だったことで腹を括れた騎手が思いきって出していく可能性が高まることを考慮した配点です。

 右の「展開重心分析」では、1番人気馬と2番人気馬の脚質から流れを速くする可能性を配慮しています。例えば、人気馬が追込み馬であれば、他の有力馬の騎手がそれをマークするため、お互いに牽制して先行馬がそのまま残りやすくなりますし、反対に強い逃げ先行馬がいれば早い段階でそれを負かしに行く動きが発生するためペースは速くなる傾向があります。
 「中心馬分析」は、あまりにも1番人気の馬が抜けているようなケースでは、他の騎手が普通に戦っても勝てないと思い、奇策に出る可能性が高まると想定されることによる配点です。断然人気馬が追込み馬であれば、後ろが牽制しているうちに逃げ残れる可能性があるかもしれないと大逃げを打ったりしますし、断然人気馬が逃げ先行馬なら負かそうと絡んでいく場合もあります。

 それで、過去激流が発生していた1986、1987、1994、2009のポイントが高くなるようにバランシングしたものがこのツール。合計がおおよそ50~60ポイント以上になると、激流が発生しています。
 今年の展開指数は3.6と過去最低を記録。激流になるリスクは低いと考えます。

★データ及びアナログによる各馬分析

 指数表に最新版のデータアートに照らし合わせて『称号』と「烙印」の分布を出したものが以下となります。

【2014年】
番 馬名        指数リスク 『称号』と「烙印」
1 ワンアンドオンリー 61.0  『★中実績』「基礎格、末脚賭」
2 イスラボニータ   60.6  「過程疑、適性不」
3 クラリティシチー  59.5  『★善戦格』「少連対」
4 クリノカンパニー  51.5↓ 「距離不、少連対、前大敗、距離不、過程疑、記念挑、末脚賭」 
5 アデイインザライフ 57.5  「少連対」  
6 アドマイヤデウス  56.1  「阪若削、末脚賭」
7 トーセンスターダム 61.2  「過程疑」
8 ステファノス    59.5  「少連対、毎日削、末脚賭」
9 スズカデヴィアス  56.5S 「基礎格、記念挑」
10 ベルキャニオン   57.9  「末脚賭」
11 ロサギガンティア  59.1
12 タガノグランパ   58.4  「距離不、末脚賭」
13 キングズオブザサン 57.0  「少連対、末脚賭」
14 バウンスシャッセ  57.1  「基礎格、少連対」 
15 コウエイワンマン  53.1S 「基礎格、少連対、他組削、末脚賭、外枠難」
16 アジアエクスプレス 61.3↓ 『★短実績』「末脚賭、外枠難」
17 トゥザワールド   62.0  「外枠難」
18 ウインフルブルーム 60.5↓ 「阪若削、外枠難」

 上記の指数は、1800mのレースでは-0.5、1600mのレースでは-1.5をした値として、見た目にもバランスが取れるように調整しています。

データアートにおいては、称号馬はアジアエクスプレス、ワンアンドオンリー、クラリティシチーの3頭。しかし、いずれも烙印を同時に持っていて、指数分布的に称号も烙印もないロサギガンティア、内枠の軽減点馬アデイインザライフにも3着以内の可能性があると分析できます。ただ、データアートだけでは見えない部分もありますので、ローテーションごとに各馬の好走可能性を分析していきます。

 なお、重要な馬場差については、先週及び土曜日の結果から縦(テンの速さが激流につながる感応度)がやや強めで差し有利、横(内外の差)がフラットと想定します。内がちょっと悪くなってきているようにも見えますが、パワーがあれば対応できる馬場状態と考えます。

★弥生賞組
 今年の弥生賞は良馬場で行われ、内先行有利の馬場バイアスで行われたと考えています。ラップは中盤に一旦遅くなったものの、残り5Fから11秒台のラップに入っていて、本番に通ずる流れだったと思います。指数はトゥザワールドが62.0、ワンアンドオンリーが61.0、アデイインザライフが57.0、キングズオブササンが56.4となっています。2000mで60を超えた2頭は成長も感じられ、他のトライアルレースに比べれば水準は高く、皐月賞においても戴冠に近い存在だと考えます。

△トゥザワールド(川田)「外枠難」
 弥生賞では単勝1.6倍の断然人気で優勝しました。昨年にもご紹介しましたが、過去22年(激流年を除く)の弥生賞馬中、本番馬券に絡んだ10頭中9頭は弥生賞時に2番人気以内で勝利しています(具体的には、2番人気以内は(3.2.4.3.0.1)、1番人気に絞ると(3.1.0.3.0.0)、3番人気以降は(0.0.1.2.0.3))。なお、馬券に絡んだ10頭中全てが、当日3番人気(1頭を除けば2番人気)以内に支持されていたことも付け加えると、1番人気で弥生賞を勝利しているトゥザワールドの4着以内は堅い気がしてきます。
 指数62.0は2000mでは今期最高値。脚質的にも中団より前で競馬ができる強味があり、加速SHPに優れていて馬群を捌くことや一気に抜け出せる特徴がある上、5Fの持続にも耐えたからには勝ちに最も近い馬と言えそうです。
 ただし、弥生賞(2番人気以内)から皐月賞の連勝が、ハイセイコー、カブラヤオー、ミスターシービー、シンボリルドルフ、アグネスタキオン、ディープインパクト、ヴィクトワールピサといった歴史的な名馬にしか成し遂げられていないので、勝ちのみを想定した馬券の絞り方はまずできません。
 母父SSの馬は昨年、ロゴタイプが初勝利を飾りましたが、総数は(1.0.3.2.1.16)と、まだ不振傾向にあります。
 近年は外枠馬の好走例のほうが多いとJRAのデータ分析にありますが、2009年は激流、2010年と2013年は実力馬(称号馬)が外に多かったこと等によるもので、歴史的に見れば内有利が基本。この枠はプラスではないと考えます。

◎ワンアンドオンリー(横山典)『★中実績』「基礎格」「末脚賭」
 3戦目の未勝利戦で大勝負を仕掛けて以降、出走する度に好配当的中をもたらしてくれた、個人的に非常に思い入れの強い馬です。3戦目の未勝利戦では進路が開くまで時間がかかったため後続に着差をつけられず、萩ステークスではバイアスの差(騎手の差とも言える)によってデリッツァリモーネを捕え損ね、東京スポーツ杯でもハイレベルの相手に距離ロスがある競馬で僅差の6着と、惜しい内容が続きましたが、ラジオNIKKEI杯でそれまでの鬱憤を全て吹き飛ばす快勝、弥生賞でも外を回す競馬でトゥザワールドを写真判定にまで追い詰めました。
 元々、調教が動かなくて人気にならないタイプだった記憶がありますが、直前の追い切りでは栗東坂路で4F50秒台を出すなど、成長期(少なくとも好調期)に入っているのではないでしょうか。データアートでは称号『★中実績』を持っており、血統系統はSS系×ヘイロー系(×ND系)で、瞬発力とパワー(と底力)を有するバランスの良い配合で、上がり実績は前走に1位を達成しています。
 マイナス要素としては、データアートの「基礎格」(馬券圏内率0.8%)に該当している点、最内枠はアクシデントが多く、スタートで出遅れやすいことに加え、内の馬場が悪くなってきているので、最後の直線でうまく外に持ち出して捌ききれるかという点。しかし、大外枠よりは良いと思うので本命とします。(ダメだったら「内枠難」か?)

・アデイインザライフ(田辺)「少連対」
 新馬、京成杯の2戦はスタートから後手を踏んで、後方一気の競馬をしていましたが、弥生賞では内々を先行する器用な競馬ができました。ただ、その完璧とも言えるトリップ(立ち回り)をしながら連対馬には2馬身半離されてしまったので、力負け色の濃い内容だったとも言えます。内枠を引いたので、データアートでは△が付きますが、アナログでは軽視したいと思います。

・キングズオブザサン(浜中)「少連対」「末脚賭」
 弥生賞では、仕掛けるタイミングが遅れた上、内に入っていった後に進路が狭まるシーンもあり、力を出し切れなかったように見えます。ただ、馬が嫌がったり、騎手が立ち上がったりというような目立った不利ではなく、そもそも京成杯で僅差だったアデイインザライフが力負けをしているので、うまく進路が取れていたとしても勝ち負けに加わることはできなかったでしょう。上がり経験も2位が最高であり決め手に優れておらず、先行力や枠順から、先行して持久SHPの素質があればという方向にも考えにくいため軽視します。

★スプリングS組
 今年のスプリングSは良馬場で行われ、デフォルトの馬場バイアスで行われました。ラップはミドルペース。3F目から7F目まで12秒台前半が続く淡々としたペースで、追込み馬にはやや向かない流れとなりました。全体的に指数は標準で、勝ったロサギガンティアは59.6、2着のアジアエクスプレスは休み明けのせいか指数を下げて58.5、3着のクラリティシチーは60.0となっています。

△ロサギガンティア(柴田善)
 前走はややスタートを出遅れてしまいましたが、内枠を利用して1,2コーナーで中団に取りつき、向こう正面では最内を自然な流れで進出、4角でも前の馬を無理なく交わしながら後方の馬を外に膨らませるような綺麗なコース取りで優勝しました。流石はMデムーロ騎手ですね。ほぼ完璧なトリップだったので、鞍上の弱化も含めて条件は悪くなると考えます。
 同馬は現状のデータアートでは称号も烙印もありませんが、次のデータ(の種)に該当しています。1つ目は「2000m未経験の馬で、中山又は阪神の重賞連対かつ他場のマイル以上の重賞又は朝日杯の連対を満たせない馬は消し」というデータ。過去激流を除く20年61頭の3着以内馬中、2000mを経験していた馬は50頭。そして、上記データを満たしている馬が10頭で、満たしていないで好走したのはダイワメジャーだけでした。(なお、今回のメンバーでは、他にイスラボニータ、クリノカンパニー、ステファノスが該当しています)
 さらに、2つ目は「芝キャリアが5戦以上の場合、12月以降のマイル以上のOP以上戦を2戦していない馬は消し」というデータ。好走例はジェニュインとエイシンフラッシュしかいません。2頭は12月以降無敗なので、ロサギガンティアも救えるかもしれませんが、ジェニュインは連対率100%、エイシンフラッシュは中弛み超スローの重賞を勝利していたという評価材料がありました。(なお、今回のメンバーでは、他にアドマイヤデウス、クリノカンパニー、ステファノスが該当しています)
 これらから、ロサギガンティアはデータアートをクリアし、指数的に通用できる馬でありつつ、経験値不足な面も否めず、大きな負荷のかからなかった前走の内容からもおさえ程度に評価するのが妥当と思われます。

▲アジアエクスプレス(戸崎)『★短実績』「末脚賭」「外枠難」
 スプリングSではスタート良く先行しつつ、1コーナーあたりでは中団に落ち着き、4角ではロサギガンティアの直後から追い上げを開始。コーナーのロスは少なく、残り200mからの末脚は目についたものの、先に抜け出したロサギガンティアを交わすことができませんでした。この時の指数は物足りないですが、仕上げきっていなかったと想定され、上積みがあると思います。
 データアートで『★短実績』の称号が付いていますが、「朝日杯及び皐月賞トライアルを使って芝連対率100%又は12月以降無敗の馬は(3.2.2.0.0.0)」というプラスデータにも該当しています。
 マイナス面について触れておくと、皐月賞はSS系の活躍が目立ち、過去9年の馬券圏内馬27頭中22頭にSS系が入っています(うち父系に入っているのが17頭)。SS系が入らなかった好走馬は、ND系のメイショウサムソン、サンツェッペリン、MP系のエイシンフラッシュ、RO系のヴィクトリー、マイネルチャールズですが、SS系の入っていないアジアエクスプレスはその点が不安要素です。

○クラリティシチー(内田博)『★善戦格』「少連対」
 スプリングSではスタートを普通に出つつ、外目の枠なりに後方に下がり、残り800mくらいから徐々に進出を開始。3、4角で外を回りながら直線入り口で勝ち馬に並びかけようとしましたが、強引な仕掛けの影響から、最後はアジアエクスプレスにも交わされてしまいました。ロスを計算するとメンバー中の指数はトップ。負荷がかけられていて、トライアルレースとしては文句なしに良い内容です。
 そして、データアートでは久々となる『★善戦格』に該当。上がりの速度は常に上位ですし、母方にSS系も入っています。内枠及び内田騎手への乗り替わりも好感で、狙いが立つと思います。

・ベルキャニオン(福永)「末脚賭」
 スプリングSでは後方に待機しつつ、コーナーでの進出を躊躇って直線一気の競馬を試みますが、淡々と流れたミドルペースでは前も止まらず、見せ場なく敗れました。BPRである前々走の共同通信杯も最内でロスの少ない競馬ができての結果であり、ホープフルSも内を捌いた鞍上の好騎乗に助けられていました。持ち指数が見劣る以上、今回は軽視したいところです。

★若葉S組
 今年の若葉Sは良馬場で行われ、デフォルト程度の馬場バイアスで行われました。ラップは中弛みのミドルペース。中弛みのミドルペースでの好走馬は嵌っている可能性が高いので注意が必要です。激流の発生には至りませんでしたが、逃げたグッドスピリッツやそれを追いかけたオールステイはもちろん、メイショウパワーズ、ウインフルブルームあたりまではテンにおけるダメージが直線のパフォーマンスに影響したと見ます。指数はアドマイヤデウスが56.1、ウインフルブルームが57.9。

・アドマイヤデウス(岩田)「末脚賭」「阪若削」
 若葉Sではテンの速くなったところで馬を下げており、4角から直線入り口はうまく馬群がばらけたことでスムーズに進出、突き抜けることができました。中弛みミドルペースでは、タフ系SHPに優れた先行馬や持続SHPの追込馬が好走することが多いですが、今回もそのような結果であったかと思います。展開に恵まれた結果と考え、軽視します。

・ウインフルブルーム(柴田大)「阪若削」「外枠難」
 既に紹介した通り、若葉Sではテンで脚を使った分、最後に伸びを欠いてしまったと考えています。ただ、それを踏まえての指数もそれほど高くありません。上がり経験も2位が最高で、決め手勝負になると通用しないでしょう。
 スタートは良い馬なので、前々で競馬を進めることが活路を開く方法ですが、若葉Sで止まってしまった以上、持久SHPの素養も強調できなくなりました。血統系統においても、父または母父がPG(プリンスリーギフト)系である馬の馬券圏は2004年のコスモバルクにまで遡ります(今開催の中山でPG系は好走していますが)。

★その他のレースからの水準指数馬
△イスラボニータ(蛯名)「過程疑」「適性不」
 新潟と東京しか走っていないで、重賞2勝2着1回、OP1勝という過去に例がない実績を有しています。
 これによって、昨年の予想レポートでご紹介した、関連レースの有無という視点から作成したマイナスデータ(より合理性を求めた修正をしています)「以下①~③の関連馬柱がない馬は(0.0.1.4.8.139)(出馬表の前走において物理的な不利があったと明示されている馬を除く)①中山の皐月賞TR又は朝日杯3着以内、②中山の12月以降のマイル以上重賞連対、③阪神の皐月賞TR又は12月以降のマイル以上重賞連対」に該当しています。(出走馬中、イスラボニータ、クリノカンパニー、コウエイワンマン、スズカデヴィアス、ステファノス、トーセンスターダム、ベルキャニオンが該当)
 共同通信杯優勝から直行して馬券に絡んだ馬は過去22年で4頭(ジャングルポケット、フサイチホウオー、ダノンバラード、ゴールドシップ)いますが、いずれもラジオNIKKEI(たんぱ)杯連対馬。パワーの要る馬場に対応してきた馬たちです。
 イスラボニータは優秀な戦績からおそらく人気上位に入ってくるでしょうが、パワーの要る条件への対応が未知な点や前走はロスの少ない競馬であった点からは妙味がないようにも思われます。しかし、指数上位であり、大きく拡がる投げ出し走法は中山の坂にも対応できるとも考えられ、先行できる脚質は有利で、重賞で直線半ばまで(蛯名騎手が)仕掛けを待てる手応えを見るに、通用しても不思議ではありません。展開利を受けられる可能性があり、おさえてはおきたいですね。

△トーセンスターダム(武豊)「過程疑」
 年始の指数レポートにおける中距離路線の指数最上位馬です。京都2歳Sでは、強めの内先行有利のバイアスが生じている中、大外から手応えもある感じで差し切った内容が非常に強く感じられました。しかし、きさらぎ賞では、太目残りが影響したのか、バンドワゴンを交わすのが精一杯といった内容に見え、実力No.1といった印象はなくなりました。指数的にも混戦ですし、直行というローテーションにも不安があります。近年の予想時に書いてきたもので、きさらぎ賞勝ち馬中、皐月賞トライアルレースを3着以内していた馬は(1.3.2.0.1.0)、不出走または4着以下だった馬は(0.0.0.1.0.10)というデータからもマイナスです。
 血統系統では、母父エンドスウィープというのが軽すぎないかという気がします。MP系を父あるいは母父に持つ馬の好走例は、最近増えているキングマンボの系統を除けば僅か(過去9年で2頭)。また、ダービーが陣営の目標であり、それを考えて抑えて乗るだろう武豊騎手であることも、皐月賞ではマイナスではないでしょうか。
 なお、プラスデータとしては、指数上位であること、無敗であること、全3走とも上がり最速であること、SS系を父に持つこと、2000mを勝っていることがあり、好枠を引いたことからも、おさえまでという評価です。

・ステファノス(後藤)「少連対」「毎日削」「末脚賭」
 毎日杯3着からの臨戦です。指数は通用する値なのですが、データアートで複数の烙印が付いており、既にロサギガンティアの解説時に、追加データとして示した2つの消去データにも該当していまして、軽視妥当でよいかと考えています。
 毎日杯からの臨戦で馬券に絡んだ馬は、過去22年で2頭のみ。1993年のシクレノンシェリフは2戦2勝での臨戦で、ガレオン降着による繰り上がりの3着。1999年のテイエムオペラオーは毎日杯を0.7秒差の楽勝、芝連対率は100%でした。毎日杯3着以内からの臨戦馬を集計してみると(1.0.1.1.1.19)、1800mに変わってからの馬券圏内馬はゼロです。指数的には通用できたはずと思う馬には、チアズシュタルク、ローゼンクロイツ、インテレット、ナムラマースなどがいますが、全て掲示板にも載れませんでした。年明け4戦以上使ってきた使い詰めの馬も中にはいますが、それだけで説明できず、毎日杯からのローテーションは相性が悪いとしか言いようがないように思っています。

・タガノグランパ(石橋脩)「距離不」「末脚賭」
 前5走中4走で上がり最速を記録、データアートでは距離実績不安の項目に該当していますが、キャリア2戦目でラジオNIKKEI杯に挑戦し、上がり最速で5着に入るなど、中距離でも結果を出しており、また、前走こそ極端な追込みを決めましたが、その前のレースであるアーリントンCでは2番手からの競馬で2着に粘るという器用なレースぶりを見せています。人気よりは好走できそうな気がしますが、血統系統的にパワー型ではなく、冷静に考えると馬券圏までは流石に厳しいでしょうか(遊びで買うのには面白いかも)。

★その他
・クリノカンパニー(江田照)「基礎格」「少連対」「前大敗」「距離不」「過程疑」「記念挑」「末脚賭」
・コウエイワンマン(松岡)「基礎格」「少連対」「他組削」「末脚賭」「外枠難」
・スズカデヴィアス(シュタルケ)「基礎格」「記念挑」(1800m未満実績のないすみれS勝ち馬)
・バウンスシャッセ(北村宏)「基礎格」「少連対」

 いずれもデータアートの烙印が2つ以上かつ指数が低めで、推奨できる材料がないと考えます。

★まとめ
 以上の分析より、下記のとおり印を打ちます。左がデータアートによる印であり、右がアナログを踏まえた結論としての印です(「・」は無印の意味)。今年は激流想定を行いません。

デア
◎◎1.ワンアンドオンリー
・△2.イスラボニータ
△○3.クラリティシチー
△・5.アデイインザライフ
・△7.トーセンスターダム
△△11.ロサギガンティア
○▲16.アジアエクスプレス
・△17.トゥザワールド

※参考になりましたら、(競馬ナンデへ無料登録して)拍手を頂ければ嬉しいです
→http://www.keibanande.net/?m=pc&a=page_o_public_invite


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皐月賞2014回顧
3つの敗因と、拍手の御礼

スカイポット
14期 予想歴17年

次走狙い:ワンアンドオンリー
次走狙い:イスラボニータ


皐月賞の回顧

 今年の皐月賞は、本命に推したワンアンドオンリーが、最後方から大外をぶん回すというこの条件で一番やってはいけない騎乗をされながら、最後まで脚を伸ばして3着にアタマ差の4着に入りました。豪快な脚色は見せてくれたものの、3着以内に入れなかったので予想としては不的中でした。

 予想過程を検証した結果、敗因は以下の3点と考えています。

1.展開(前残り)リスクの軽視
 今回、展開が激流になるかどうかの指標において、過去20年以上で最低値となっていたことを説明していました。ただ、過去に当該値が一桁の年でもそれなりのペースになっていたことから、前有利の想定をしていませんでした。これは馬場バイアス(縦)でテンが速いレースでは負荷がかかる差し有利な馬場と想定していたせいでもあります。しかし、当日は逃げ馬がそのまま勝つなど、縦のバイアスがやや前寄りに変わっていました(もしくは、前日までのレースで把握できなかったミス)。
 ただ、ウインフルブルームが楽にハナを奪い、一度スローに落とした上で、中盤以降を澱みないラップを刻んで2番手以降を離して逃げるような展開になった場合、残られる可能性は否定できないとも考えられました(当日、不的中となる可能性として考えたパターンでした)。この想定ができる以上、ウインフルブルームを消してはいけなかったのではないかと考えます。また、中弛みミドルの指数計算式は未確定なので、前走指数を根拠に軽視したのも失敗でした。

2.ワンアンドオンリーのトリップに係るギャンブル
 この馬はラジオNIKKEI杯で重賞を勝利した際も1枠1番であったことから、当時のように中団の内から徐々に外に出すように乗ってくれると安易に考えてしまいました。しかし、予想時にも書いた最内枠が出遅れやすいことも影響したのか、行きっぷりが悪く、最後方から大外を回る競馬となりました。後方ポツン待機も厭わない横山典騎手に乗り替わっていたこと自体にリスクもあったように思われますが、最近はある程度の位置につけることも多くなったのと、ワンアンドオンリーはスタートがそれほど悪い馬ではないと思っていました。フラット想定とはいえフルゲートの一番外を回ったらロスがありますし直線の長さから届くのは至難の業です。
 このあたりは出てみないとわからないところでしたので、まさにギャンブルに敗れたと思うところです。溜めたからあの脚が使えたとも言えますが、ラジオNIKKEI杯時のようなトリップができていれば自分は少なくとも馬券圏に入れたと思っています。
 ダービーでも、近年は高速馬場化により、内先行馬有利となることが多く、最後方からの競馬にこだわられると届かないケースは大いにあり得ますし、適性的に母父がヘイロー系というパワー寄りの血統系統ですので強気になれない面もありますが、元々人気のしない馬で、イスラボニータ、トゥザワールド、レッドリヴェールに続く4番人気に甘んじるようなことがあれば、勝ちまで狙っても妙味があると考えます。

3.データの運用方法
 例年の皐月賞予想では、データアートに該当していなくとも、ぎりぎりの線上にいて、ちょっと修正をすれば称号が得られる等、予想において多少柔軟に捉えつつ分析をしてきました。しかしながら、昨年にデータアート上の印のまま買っていれば本線的中だったところ、データの余白部分等を考慮しすぎたため、余計な馬を評価したり、本命馬まで見誤るなどの失敗をしたことから、今年はできるだけデータアートの評価をそのまま採用していました。
 このため、勝ち馬イスラボニータや2着馬トゥザワールドは、アナログの観点から残せてはいたのですが、馬券の中心的印を打つことができませんでした。データはあくまでも可能性のある馬を残すところまでの利用とし、馬券の軸や本線の検討においては、枠順や展開をより重視すべきなのかもしれません。


 今回書かせて頂いた予想は、事前に72もの拍手を頂くことができました。拍手をして頂いた方に御礼申し上げます。私のメルマガ読者が多数だったかもしれませんが、一定の評価を得られたと思っています。(実際、予想に使った根拠としては、多くが来年にも使えるものです)

 過去の競馬ナンデで高評価されている記事(ランキング)を見ると、高配当を的中しているものばかりです。競馬ナンデのコンセプトに、「「知的推理ゲーム」としての競馬の面白さを追求し、競馬文化の発展に寄与」するというのがありつつも、外れた予想が上位になることに納得して頂けるものかと思う気持ちも正直なところあります。(これは、予想の優秀さをいかに評価するかという課題につながるもので、問題があれば見直されていくものでしょう)

 今回の予想で私を知った方もいるかもしれませんので、少々自己紹介を。私は、今回のような馬柱ベースのデータ予想については、春の一部のG1でしか行っておらず、8月~翌1月(シンザン記念週)の若駒戦を対象とした正統派予想をメインに予想活動をしています(たくさんのレースを予想できる人間ではなく、データ予想では自信度B以上となるレースは多分お送りできません)。8月以降、競馬予想が楽しく奥の深い知的芸当であることが伝えられるような精緻な予想をお送りしていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。


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