14期 予想歴17年
◎ゴールドシップ
1着/1人気
○ウインバリアシオン7着/2人
▲ホッコーブレーヴ8着/5人
△ジェンティルドンナ9着/3人
×ヴィルシーナ
2003年の宝塚記念は、自分がデータ予想家から、正統派予想家になるターニングポイントとなったレースです。今でこそ馬場差の重要さを理解していますが、当時は予想に取り入れること自体行っていませんでした。その2年後に、同様の条件であると推定し、高配当3連単を的中できたのも、この予想要素による視点であったことは間違いありません。
(参考:当時の予想過程の記録)
http://blog.livedoor.jp/skypot/archives/26387900.html
さて。昨シーズンから馬場差数値化を試みていますが、今年ようやく形になってきたのがTBI(トラックバイアスインデックス)。既にダービーなどでも予想に大活躍しましたが、宝塚記念を分析していくと、様々な点で気になることが出てきましたので、資料とともにご説明していきたいと思います。
(参考:宝塚記念のTBI資料)
http://baryutensei.com/report/1406bt-takadoc.pdf
まず、全体的に共通して言えるのは、前日のTBIと予想レースTBIの関連性の薄さ。梅雨時期で天候及び馬場が安定しにくいというのはあるのでしょうが、土日ともに良馬場の週でも大きく変化しているのを見ると、最終週ということもあって、馬場が荒れていくスピードが速いということなのかもしれません。
また、当日においても、サンプルを2R抽出しましたが、直前に近いレースのほうが本番に近いTBIとなっています。直前のレースでは時間的に支障が出そうなので、原則、予想対象レースの2つ前までを抽出条件にしています。各年のコメントは以下のとおり。
【2003年】TBIは極端な外差し有利。当日のサンプルは2Rともかなり外差しとなるTBIですから、疑いなく外差し条件で有利となる馬(ネオユニヴァース、サンライズジェガー、ツルマルボーイ、ヒシミラクル、ファストタテヤマ、ダイタクバートラム)重視で馬券を組みたてるべきレースでしたね。この条件で3着に入ったタップダンスシチーは相当強いと思えます。
【2004年】TBIは縦横ともフラット。このような場合は、素直に能力上位馬を信頼すべきです。タップダンスシチー、ゼンノロブロイ、リンカーン、ツルマルボーイ、ザッツザプレンティ、シルクフェイマスが1~6番人気までですが、結果の1~6着もこの馬たちでした。
【2005年】TBIは外差し有利ですので、外差し条件の合う、ハーツクライ、リンカーン、ヴィータローザ、スイープトウショウが狙い目となります。特にスイープトウショウは指数的にも上位でしたし、安田記念経由での好走パターンにも合致していました。前年、秋天、JC、有馬と連勝したゼンノロブロイはおさえることができるでしょう。
【2006年】この年は阪神競馬場を改修していて、京都開催でしたので、他の年と明らかに異なるTBI。極端な内有利、先行有利です。実際、逃げたバランスオブゲームが3着に粘り、最内から捌いたナリタセンチュリーが2着に入っています(枠順的にこちらは事前に狙えるか微妙)。ディープインパクトはいつも通りの競馬で勝利したので、本番のVTBIは前有利となりませんでしたが、本番もかなり内先行有利だったと思われます。
【2007年】TBIは横がデフォルト、縦が後方有利。当日のもうひとつのサンプルレースでは横が外有利の縦がデフォルトだったりで安定はしていませんが、差し脚のある能力上位馬を評価して良い条件だと判断できます。この年は展開が激流となった影響もありましたが、アドマイヤムーン、メイショウサムソン、ポップロックといった人気の差し馬が好走して順当に決まったと言えます。
【2008年】直前のレースでしか当日のサンプルが取れなかった年ですが、TBIは横が極端な内有利、縦がフラットでした。HTBIがこれくらい内有利になると、逃げられそうな馬や枠順が真ん中より内の馬を重視すべきです。当然、逃げると想定されたエイシンデピュティと、内枠のメイショウサムソン、インティライミは本線で選択できると考えます。
【2009年】TBIは横がデフォルト、縦が極端な後方有利でした。であれば、能力上位の末脚がしっかりした馬をピックアップすることになります。ディープスカイ、ドリームジャーニー、サクラメガワンダーは当然評価できますし、特に後方から行くドリームジャーニーに向くと思える条件です。
【2010年】TBIは横がやや外有利、縦がデフォルト。極端な馬場差ではないので、能力上位馬を評価して、ブエナビスタが消えることはないと思われます。また、当日のもう1Rや前日のTBIもどちらかと言えば前有利なので、先行できて、阪神向きのパワーがある馬を重視したいところ、グラスワンダー産駒のアーネストリーやステイゴールド産駒のナカヤマフェスタはBPR先行馬でもあり、拾うことができそうです。
【2011年】TBIは横がフラット、縦がデフォルト。ここも能力上位馬で良さそうなところ、1番人気のブエナビスタが2着、6番人気以内馬のうち5頭が掲示版を独占しました。
【2012年】TBIは横がやや外有利、縦がデフォルト。極端な馬場差ではないので、能力上位馬を評価できるところ、1番人気のオルフェーヴルが実際勝利し、相手も6番人気以内で決まりました。
【2013年】TBIは横がやや外有利、縦がデフォルト。極端な馬場差ではないので、能力上位馬を評価でき、1番人気のジェンティルドンナが3着、相手は5番人気以内で決まりました。VTBIは前有利に近かったところ、2番手を先行したダノンバラードが2着に粘っています。
こんな視点で予想を行い、的中できればと考えています。今年の予想は当日、競馬ナンデ上で更新しますので、ご確認頂ければと思います(最終結論は、当日9Rの後になります)。
※現時点の印は、データアートと個別評価から行っています。
(参考:宝塚記念データアート)
http://baryutensei.com/31taka.htm
◆宝塚記念出走馬の個別評価
まず、馬券圏が難しい馬から。
ヴィルシーナは、前走こそG1を勝利したが、最内が良い条件で最内を通っての結果であったので、実力的に強調できない。BPR1馬(逃げ馬)の好走例も阪神開催の宝塚記念では近年ないので、消しで良いと思う。
ヒットザターゲットは重賞を3勝しているが、全て平坦コースでのもの。近走成績がある程度重要となる宝塚記念では好走できない馬柱のはず。
トーセンジョーダンは昨年の秋にJC3着があるG1馬ということで、まだ可能性を秘めているようにも見えるが、昨年のJCは7着のヴィルシーナまで0.2秒差、13着までも0.6秒差という僅差になった参考外的レース。近走の他のレースでは見るところもなく惨敗していることから、消しで良いと考える。
ヴェルデグリーンはG2を2勝しているが両方ともやや手薄なメンバーでの中山戦。実力が足りないと思うので軽視。
フェイムゲームも、天皇賞こそゴールドシップに先着しているものの、AJCCではヴェルデグリーンと僅差であり、まだここに通用できる程の本格化を見せたとは言えない。
メイショウマンボ。昨年の牝馬2冠とエリザベス女王杯を勝利しているが、世代のレベルが高いとは特に思えず、エリ女で戦った古馬牝馬のレベルも強調はできない。前走のヴィクトリアマイルでは最内を通れた利を受けているし、走法的にパワータイプではなく、フィリーズレビューを勝っているものの、阪神では5戦1勝、4着以下4回と振るわない。軽視。
デニムアンドルビーは、昨年のJC2着、それもジェンティルドンナとハナ差を演じたことで一定の評価を得ていると思うが、自分は昨年のJCは瞬発力だけの勝負であって、宝塚記念で求められる適性は不明と考えている。その他のレースから見るこの馬の実力は、混合戦での一線級には思えない。馬券圏に入れるとしたら、内有利な条件に嵌った時くらいか。
カレンミロティックは昨年の金鯱賞で先行して0.4秒差の勝利。昔の宝塚記念では非常に相性の良さを感じるステップである。有馬記念でも前が厳しい展開になったところ先行馬の中で最先着を果たしている。この時期の能力であれば、ここでも通用しそうだ。ただ、今年に入ってからの成績がいまいち。中山記念は全く競馬になっていないし、大阪杯では、こちらが2着なら納得だが、トウカイパラダイスに競り負け。鳴尾記念も微妙なメンバーに敗れている。完全復調であること、内先行有利の条件が好走の鍵だろう。
ジェンティルドンナ。一昨年に牝馬三冠を達成、JCで当時の最強馬オルフェーヴルに競り勝ち年度代表馬となったが、昨年は凄みを感じさせるレースを見なかった。既に述べたように昨年のJCはメンバーレベル的にもっと離して勝っても良いくらいのレースだったし、宝塚記念や天皇賞秋では着順は圏内でも離されて負けてしまい、今年はついに京都記念で理由不明の6着惨敗で掲示板も外している。ドバイシーマCを勝利しての臨戦で人気は依然あるのだろうが、勢いは感じられない。先行有利の条件が好走の鍵か。
ホッコーブレーヴはまだ5番人気程度だと思うが、前2走の内容はウインバリアシオンとほぼ同等。持続SHPを感じさせるので、距離短縮はマイナスだし、内枠に入ってしまったのも仕掛け遅れにつながるのでマイナス。ウインバリアシオンほど自在に動けないため、高速馬場や展開が遅くなるケースでは出番がなくなるが、最終週の阪神ではタフな流れになって末脚を活かせる可能性が高く、面白い存在。後方有利の馬場差であれば本線に。
ウインバリアシオンは長期休養明け2戦目から、古馬一線級に返り咲き、前走の天皇賞春では0.0秒差の2着。オルフェーヴルの後ろをついて行って、G1の2着は4回。そろそろ戴冠しても良い馬であり、かつ、宝塚記念はG1の善戦マンに初G1をプレゼントしてきた歴史がある(メジロライアン、マーベラスサンデー、メイショウドトウ、ダンツフレーム)。最近は捲り戦法で好走しており、外差し有利な条件では崩れそうにない。
ゴールドシップは今年も春の天皇賞を惨敗して、個性の強い馬となった。つまり、パワーの要る中山、阪神では安定して好走するが(8戦6勝、2着1回、3着1回)、パワーの要らない東京、京都ではパフォーマンスが落ちる(7戦2勝、5着以下5回)というもの。単純ではあるが、今回は巻き返せる舞台と考えられる。ただ、最近はあまり後方から行くと諦めてしまっているような時も見られるので、ある程度前で競馬をするための気遣いが必要か。追い比べでは、ウインバリアシオンよりズブい分有利。復権に期待。
◆当日追記
予想時TBI(当日)は、横が92.7、縦が79.3のフラットと出ましたので、今年は極端な波乱はないと考えます(資料は更新済です)。
人気3頭で決まっても不思議ではありませんので、手広くはいけませんが、バイアス安定条件でも6番人気くらいまでは圏内ですので、フラットであれば、母父ND系の持続力にも期待してホッコーブレーヴを狙います。
本命はパワーのあるステイゴールド産駒のゴールドシップで、いざ勝負!
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