クイーンS2014予想
クイーンS 「ローカルコースの鉄則」に期待。

軍神マルス
08期 予想歴16年

◎キャトルフィーユ
  1着/2人気

○ケイアイエレガント7着/4人
▲オツウ11着/7人
△フィロパトール13着/10人


★傾向分析★
2009年 タイム 1'48"2 (良) 1FAve=12.02 3FAve=36.07
テン35.5-中盤36.8-上がり35.9 『一貫・中弛み』
1着ピエナビーナス・・・フジキセキ×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔19〕 8-8
2着ザレマ・・・ダンスインザダーク×Zafonic=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔4-m〕 3-2
3着アメジストシング・・・フジキセキ×General Assembly=サンデーサイレンス×ボールドルーラー 〔9-f〕 8-8

2010年 タイム 1'47"6 (良) 1FAve=11.96 3FAve=35.87
テン36.2-中盤36.4-上がり35.0 『加速・中弛み』
1着アプリコットフィズ・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔16-c〕 2-1
2着プロヴィナージュ・・・フレンチデピュティ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔22〕 3-2
3着カウアイレーン・・・キングカメハメハ×Silver Hawk=キングマンボ×ロベルト 〔5-g〕 8-7

2011年 タイム 1'46"6 (良) 1FAve=11.84 3FAve=35.53
テン35.1-中盤35.2-上がり36.3 『前傾・一貫』
1着アヴェンチュラ・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔1-p〕 6-5
2着コスモネモシン・・・ゼンノロブロイ×Singspiel=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ 〔14-c〕 13-7
3着アニメイトバイオ・・・ゼンノロブロイ×フレンチデピュティ=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔19〕 8-7

2012年 タイム 1’47”2 (良) 1FAve=11.91 3FAve=35.73
テン35.8-中盤36.3-上がり35.1 『加速・中弛み』
1着アイムユアーズ・・・ファルブラヴ×エルコンドルパサー=ノーザンダンサー×キングマンボ 〔8-f〕 5-4
2着ラブフール・・・ゼンノロブロイ×エルコンドルパサー=サンデーサイレンス×キングマンボ 〔9-e〕 13-12
3着ミッドサマーフェア・・・タニノギムレット×Kingmambo=ロベルト×キングマンボ 〔1-o〕 7-9

2013年 →函館芝1800mで代替施行のため参考外

 流れは『中弛み』『前傾』『加速』『一貫』と様々だが、共通して言えることは、「連対するには4コーナー5番手以内」で、「ローカルコースの鉄則」が活きると思われます。札幌芝コースのコース形態と開催前半の馬場ということが要因と思います。

 ラップは中盤から加速したり、又は一定のラップが持続するような流れが多く、芝2200mのようなスタミナがいる流れと思われる。ここで好走した馬はエリザベス女王杯でも好走することが多いから、芝2200mの適性=持続型スタミナのタイプ向きの流れが問われる適性と考えます。
 
 また着順の前後はあるが、リピーターの好走が多く、適性重視の重賞と考えます(=オースミハルカ、ヤマニンシュクル、レクレドールなどリピーターの好走が多い)。
エルノヴァとヘヴンリーロマンスは馬自体は別だが、サンデーサイレンス×サドラーズウェルズという配合は一緒。アプリコットフィズやアヴェンチュラなどもジャングルポケット×サンデーサイレンス配合で一緒。過去に好走した配合は要注意。

 血統の傾向としては、ニジンスキー系やサドラーズウェルズ系などの大系統ノーザンダンサー系の好走が多く、欧州スタミナ型血統向き。キングマンボ系も好走が多く、やはり欧州スタミナ型血統がポイントになるはず。
またサンデーサイレンス系はスタミナ型サンデーサイレンス系に合う傾向。母父サンデーサイレンスなら、父系に欧州スタミナ型血統なら適性が合うと考えます。

 牝系の傾向は、No.〔1〕〔3〕〔4〕のクラシック好走の多い牝系がよく好走しています。
分枝記号cも好走が多く、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強いタイプから開幕週の馬場と力の要る洋芝に合うのだと考えます。

 近年3歳馬の好走も多いクイーンSだが、軽い斤量で3歳クラシック路線の重賞好走馬がその斤量を活かして実力を発揮して好走しやすい傾向にあるようです(=07年2着イクスキューズ:クイーンC1着、08年2着レジネッタ:桜花賞1着・オークス3着、10年1着アプリコットフィズ:クイーンC1着、11年1着アヴェンチュラ:札幌2歳S2着、12年1着アイムユアーズ:11年阪神JF2着・12年桜花賞3着など)。
 古馬に関しても、東京芝1600m重賞好走実績もあるとなお好走しやすい傾向にも思います(=06年1着デアリングハート:05年NHKマイルC2着、07年1着アサヒライジング:クイーンC2着・07年ヴィクトリアマイル2着など)。

★予想★
クイーンSのポイントは、
①「ローカルコースの鉄則」が活きやすく、4コーナー5番手以内に位置取りそうな馬。特に内枠の先行馬。
②過去に好走した血統は要注意。洋芝適性が試される。
③3歳重賞好走歴のある3歳馬は堅軸。軽い斤量で古馬に対して有利。前に行く馬なら特注。また前走オークスからの距離短縮はプラス要因になりやすい。
④東京芝重賞実績があるとなお良い。
⑤リピーター重賞。ただしリピーターは近走内容の勢いが必須。

◎キャトルフィーユ・・・ディープインパクト×Tejano Run=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔12-d〕
 前走ヴィクトリアM5着(=東京芝1600m:0.1秒差)。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(1-3-0-3)。近走GⅢ戦で連続好走している馬で、前走はGⅠでも僅差に好走はしていて、本格化は明らか。福島芝コースや中山芝コースといった小回り急坂コースでも好走が多く、函館芝コースでも(1-0-0-1)と好走していることからも、札幌芝コースでも好走は十分可能と考えて期待する。内枠の先行馬としても「ローカルコースの鉄則」にも期待できるし、好走の可能性が高い馬と考えて評価する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Tejano Runはグレイソヴリン系で、気性が前向きでスピードの持続性能に優れている。
 No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな展開に強いのが特徴。分枝記号なしは、晩成型の傾向と産駒ごとに得手不得手があるのだが平均的に能力を発揮する特性がある。

○ケイアイエレガント・・・キングカメハメハ×A.P. Indy=キングマンボ×エーピーインディ 〔1-n〕
 前走ヴィクトリアM6着(=東京芝1600m:0.3秒差)。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(1-1-0-3)。本馬もキャトルフィーユ同様に福島芝コースや中山芝コースで好走していて、近走は重賞でも同じく好走している。適性が似た馬として一緒に好走が期待でき(=「テイエムオペラオーの法則」)、また本馬も「ローカルコースの鉄則」が期待できる内枠の先行馬にて、好走の可能性は高いと考えて評価する。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父A.P. Indyはエーピーインディ系で、平均ペースで流れる8.5~10Fの中距離に強い典型的なアメリカン血統。瞬発力よりも全体的なスピードで勝負する。夏に強く、芝・ダート兼用型で代表産駒はダートに多いが、日本ではやや芝向き。ローカルの平坦中距離はもちろん、坂のある1800m&2200mでも狙える。
 No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。また短距離向きの馬が多く、中距離馬は洋芝開催向き。

▲オツウ・・・ハーツクライ×トウカイテイオー=サンデーサイレンス×マイバブー 〔8-f〕
 前走1000万条件戦かもめ島特別1着(=函館芝1800m)。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(1-2-0-1)。近走条件戦を連続好走している上昇中の馬で、小回り芝コースの小倉芝コースや函館芝コースでも好走していて、札幌芝コースにも対応可能なはず。大外枠だが、先行脚質の馬でもあり、それほど不利にはならないと考え、また上昇中のハーツクライ産駒は格上挑戦では侮れない特性にも期待して評価する。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父トウカイテイオーはマイバブー系で、緩急ある流れは得意ではなく、平均的に速めのラップが続く展開で能力を出すが、しかし毎回そうはならないため結果的にムラ駆けになる。逃げ馬なら溜めずに逃げる騎手、差し馬なら引っ張る馬がいるかに注目。穴をあけた次走でも人気にならず、続けて激走する例もよくある。持続力が問われるハイペースの勝負大駆けするが、スローの長距離は振るわない。条件級ならステイヤーも多いが、クラスが上がると忙しそうにみえる中距離が狙い目となる。
 No.〔8〕の牝系は、2歳~3歳春シーズンも好走は可能だが人気の時には詰めが甘い特性があり、本領発揮は3歳秋以降で、古馬で真価を発揮するタイプが多い。叩き良化型で、高速時計にも強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

△フィロパトール・・・ジャングルポケット×Wild Again=グレイソヴリン×ニアークティック 〔2-f〕
 前走1600万条件戦天の川S1着(=福島芝1800m)。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(3-2-2-6)。福島芝コースで(3-1-2-2)と小回り芝コースを得意としている馬で、3走前の福島牝馬Sではキャトルフィーユやケイアイエレガントと一緒に好走していて、適性は本馬も似ていることにも期待して評価する。本馬も先行馬にて、「ローカルコースの鉄則」にも期待する。
 ジャングルポケット産駒はグレイソヴリン系で、小回りコースが得意なタイプと広いコースで末脚を繰り出すタイプとがいる。本馬は中山芝コースや函館芝コースなど小回りコースでも好走していて本質は小回りの持続型向きと思うが、速い上がりも繰り出せるので広いコースで末脚を活かすことも可能なタイプ。緩い流れで瞬発力勝負より、持続した流れでスタミナを活かす方が強さを発揮しやすい。ジャングルポケット産駒は菊花賞でも好走しているし天皇賞春でも好走馬を輩出し、スタミナの豊富な馬が多くステイヤータイプも輩出する種牡馬でもある。母父Wild Againはニアークティック系で、ワイルドアゲイン×リボー系という男臭い血統。ペースの緩まないダートがベストで、強気で前にて勝負すると強い反面、たるいペースでは詰めの甘さを出す欠点もある。しかしダートの走りは堅実で、道悪や時計のかかる馬場ならなお良い。ジワジワと成長し、ひとたび本格化するとその部門のヌシ的な存在となり、高齢でも力の衰えは少ない。パワフルな先行力があり、一方で差しに構えると良い脚を使う。
 No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。


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クイーンS2014回顧
クイーンS ヴィクトリアMからのステップ馬に期待。

軍神マルス
08期 予想歴16年

次走狙い:キャトルフィーユ
次走狙い:スマートレイアー


2014年 タイム 1’45”7 (良) 1FAve=11.74 3FAve=35.23

ラップ
①12.3-②11.3-③11.5-④11.3-⑤11.4-⑥11.5-⑦11.8-⑧12.4-⑨12.2
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.4 ③-0.2 ④-0.4 ⑤-0.3 ⑥-0.2 ⑦+0.1 ⑧+0.7 ⑨+0.5
テン35.1-中盤34.2-上がり36.4 『前傾・ハイレベル』

『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
『ハイレベル』・・・逃げ× 先行○ 差し◎ 追込○

1着キャトルフィーユ・・・ディープインパクト×Tejano Run=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔12-d〕 3-3
2着アロマティコ・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔19〕 14-10
3着スマートレイアー・・・ディープインパクト×ホワイトマズル=サンデーサイレンス×リファール 〔4-m〕 12-10

流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』と中盤の締まった流れから『ハイレベル』の複合ラップ。展開的には、差し・追込が最も恵まれ、逃げ・先行には厳しい流れと考える。

1着キャトルフィーユは、前走ヴィクトリアM5着(=東京芝1600m:0.1秒差)からの好走。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(1-3-0-3)でした。近走GⅢ戦で連続好走している馬で、前走はGⅠでも僅差に好走はしていて、本格化は明らか。福島芝コースや中山芝コースといった小回り急坂コースでも好走が多く、函館芝コースでも(1-0-0-1)と好走していることからも、札幌芝コースでも好走は十分可能と考えて期待し、結果1着好走。内枠の先行馬としても「ローカルコースの鉄則」にも期待し、好走の可能性が高い馬と考えて評価しましたが、今回特殊な流れで不利な流れの中、先行してきっちり好走。やはり本格化しているのは明らかで、今後の好走にもまだまだ期待できる馬として活躍に期待する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Tejano Runはグレイソヴリン系で、気性が前向きでスピードの持続性能に優れている。
 No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな展開に強いのが特徴。分枝記号なしは、晩成型の傾向と産駒ごとに得手不得手があるのだが平均的に能力を発揮する特性がある。

2着アロマティコは、前走巴賞1着(=函館芝1800m)からの好走。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(3-0-1-6)でした。札幌芝コースは初だったが、前走洋芝の函館芝コースで、オープン戦の巴賞で牡馬相手にも好走していた馬で、侮ってはいけない馬でした。例年だと差しはなかなか好走しにくいのだが、今年は中盤が締まる流れにて、厳しい流れだったこともあり、後方に位置した差し馬でも好走したと思われる。13年エリザベス女王杯3着馬でもあり、まだまだ能力的には好走は十分可能と思うので、今後の好走にも期待したいと思います。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
 No.〔19〕の牝系は、スピードが持続するような淡々と流れる厳しい流れにに強いタフな牝系。2~3歳戦に強く、ローカルコースも得意だが、底力はイマイチ。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプ。

3着スマートレイアーは、前走ヴィクトリアM8着(=東京芝1600m:0.4秒差)からの好走。札幌芝コースは初で、芝1800m戦は(3-0-0-1)でした。前走ヴィクトリアM8着でも僅差に好走していた馬で、このレースではヴィクトリアMで8着あたりに負けた馬の反撃も多い重賞でした。ヴィクトリアMからのステップ馬にも注意と反省したいと思います。前々走阪神牝馬S1着(=阪神芝1400m)と重賞でも好走していて、能力的には侮ってはいけない馬でした。今回は外を回した分届かず3着でしたが、まだ成長の余地がある4歳馬でもあるし今後の好走にも期待したいと思います。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父ホワイトマズルはリファール系で、欧州型のスタミナ血統で淀みない流れの中長距離戦で高い能力を発揮する。スローペースの瞬発力勝負で負けても、厳しい流れならすぐに反撃する。前走が惨敗でも、展開が向けばあっさり好走する。この特性がホワイトマズルの真骨頂。
 No.〔4〕の牝系は、2歳時にも好走可能だが、3歳春から力をつけてクラシックでも好走することの多い牝系。成長能力に優れ、スタミナも豊富。2歳時はもともとの素質で走る感じだが、3歳春シーズンになると実が入り始め、3歳秋~古馬にかけて本格化する。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。よく言えば自分の持てる力を全て吐き出すが、相手がそれ以上だとあっさり負けてしまうタイプ。ただし弱い相手には滅法強いタイプ。 ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。

クイーンSのポイントは、
①「ローカルコースの鉄則」が活きやすく、4コーナー5番手以内に位置取りそうな馬。特に内枠の先行馬。
②過去に好走した血統は要注意。洋芝適性が試される。
③キングマンボ系も好相性。
④3歳重賞好走歴のある3歳馬は堅軸。軽い斤量で古馬に対して有利。前に行く馬なら特注。また前走オークスからの距離短縮はプラス要因になりやすい。
⑤東京芝重賞実績があるとなお良い。
⑥リピーター重賞。ただしリピーターは近走内容の勢いが必須。
⑦ヴィクトリアMからのステップ馬の反撃も期待できる。8着前後の馬でも好走が可能。


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