10期 予想歴17年
◎未定
○メイショウマンボ10着/2人
昨年の変則三冠馬、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯を鋭く差し切ってきたメイショウマンボ。今年はヴィクトリアマイルで貫録の2着は示したものの、阪神内回りとなった2走では牡馬に交じったといっても思わぬ大敗を喫することとなった。ここは牡馬相手に戦えるのかどうかを示すうえでも無様な競馬はできない一戦。エリザベス女王杯で勝ち切った京都外回りで真価を発揮できるか。
この馬は本来あまりタフな条件が得意ではないと思っている。厳しい流れとなったマイルの桜花賞、JFで伸びなかったように、基礎スピードがあまり高い方ではなく、追走に脚を使わされると良さが出ないという印象だった。だからオークスでの距離延長はプラスに働くとは見ていたが、あっさりと勝ち切ってしまったのはちょっと驚いた。まあ、ここら辺までは3歳春の話だし、限られた枠の中から選ぶならやはりエリザベス女王杯となる。
昨年のエリ女は重馬場表記だった。ペースは62.7で重馬場なら難しいところなのだが結果的にラップを見ると13.2 - 12.7 - 11.7 - 11.6 - 11.2とL1最速戦で脚を出し切らないトップスピード勝負となっている。ドスローの上にレース全体の仕掛けが遅いという競馬だ。この流れで中団やや前から3角でじわっと動きつつ、4角で仕掛けると好位列に並びかける。直線でそこから一気に先頭列に並びかけ、L1の最速地点でも当然他馬を寄せ付けずにしっかりとじわっと離しての完勝だった。この馬はこぶし賞からトップスピードの質に良さを感じていた馬なのだが、距離延長でゆったり進めることでそれをしっかりと引き出す形で結果を出したといえる。
ヴィクトリアマイルは1600mの距離がどうかとも思ったが、JF、桜花賞と違い馬場が軽かったことが大きかったように感じる。ペースは800ベースで46.2-46.1と綺麗な平均ペースだが少し緩んでから11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.7とじわっと加速しL2最速戦、トップスピードの質もそれなりに問われている。ここで好位で進めた上で、3~4角で前にスペースを置いての3列目で直線を向く。そこからはがっぽりあいた内のスペースを上手くついてヴィルシーナの直後をL2で鋭く伸びてくる。L1で詰めきれずにストレイトガールの強襲を受けぎりぎりの2着だった。ただ、やはりというか最速地点での伸び脚はトップスピードの質が高いホエールキャプチャを凌駕していたようにも見えたので、正直かなり高いパフォーマンスではあると思う。一瞬脚を使ったが序盤の追走のせいもあったが、中距離戦の勝ちパターンでは見せなかった終いの甘さにはなった。
大阪杯、宝塚記念とともに阪神内回りで結果が出なかったが、恐らく特有のロンスパ戦に巻き込まれてしまったのかなという印象だ。ただそれにしても大阪杯は崩れすぎてどうしようもというところ。まだ宝塚記念はタフな馬場で12.1 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 11.8 - 12.1と12秒前後を連続させる中で外から追走してどうにかなる馬ではないので仕方ない。ただ大阪杯の時はそこそこは時計が出だしていたし、実際キズナやエピファネイアは同じ後方集団からしっかりと伸びてきた中で、この馬は最初から反応すらできなかった。 トップスピードの質が良い馬なので3~4角ではまだ余力が確実にあったと思われるはずなのに全然動けなかったのは不満が残る。ヴィクトリアマイルではスペースがあったとは言ってもすぐに反応できていたし、急激なペースアップというわけでもないので動けなかった理由がよくわからない、正直個人的には謎の一戦である。負けるにしても要所でここまで見劣ってしまうとは思わなかった。もしかしたら、大阪杯の時でもこの馬にとってはタフな馬場だったのかもしれない。
まあまだ結論を出すのは早いが、エリ女で重巧者と思いがちだが、多分そこまで馬場が重くならずに各騎手の意識の方が強くてスローになった結果トップスピードの質を引き出せたのが勝因とみるべきか。そう考えればこの馬の好走条件はおおむね軽い馬場に集約される。秋華賞では12秒前後を後半連続させる中で、デニムの仕掛けを待ってからの動き出しでこれを外に張って上手く直線で伸びるというような競馬ができていたし、馬場が軽ければある程度仕掛けの速い競馬にも対応できるとは思う。京都で強い競馬を魅せていてトップスピードの質の高さが武器ということからもトーセンラーとかぶるところはあるが、この2頭がどういった戦いを繰り広げるのかは個人的には非常に興味がある。しかし今年は月曜開催で、13日には台風の影響を受けそうな気配。天気がトップスピードを活かしたいこの馬にとって、エリ女のように作用するか、ローズSのように作用するかで結果が変わってくるか。
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