10期 予想歴17年
◎エアソミュール
1着/8人気
○ダークシャドウ12着/4人
【予想】
展開は非常に読みにくい。番手馬は山ほどいるが逃げそうな馬がいないという中で、基本的には内前有利の開幕週高速馬場。内のウインマーレライ松岡辺りがハナを切ってペースを引き上げる競馬という可能性は十分にある。グランデッツァも枠が外なので番手で進めるにせよある程度出して行く可能性が高いし、意外とペースは早くなるかなという感じはある。平均ペースぐらいを想定しつつ、それでも仕掛けどころが遅れることはないとみてL3最速戦、基礎スピードとTS持続力を優先する。
今スランプ中なので、できるだけシンプルに考えようかなと。
◎エアソミュールはあまり厳しいペースになるとどうかなという面はあるが、少なくとも1800は一貫ペースに高いレベルで対応できている。巴賞で強い競馬だったが11.4 - 11.6 - 12.0 - 11.8 - 12.4と消耗戦気味の内容で好位で進めつつ3角で楽な手ごたえで先頭列に外から取り付きそのまま直線で一気に抜け出し完勝。軽い馬場で1800ならある程度ペース上がっても大丈夫だと思う。白富士Sでも普通に強い競馬で前が単騎で引っ張りつつのスロー早仕掛けのケースだと思うが、11.8 - 12.0 - 11.7 - 11.6 - 11.8というラップ推移で好位から仕掛けを待つぐらいの手応えで直線スッと伸びてくると仕掛けて伸びて先頭、そのままL1までなにも寄せ付けない完勝だった。この距離でこの面子ならある程度のポジションにつけて折り合いもそんなに苦しまない流れになりそうだし、トップスピードの質も持っていて、持続力は前々走の鳴尾記念で見せている。ここは期待したい。
〇ダークシャドウは復活を信じるのと、適性面を。この馬の場合は基礎スピードが非常に高いうえでTS持続力を持っている。全盛期に天皇賞秋の超絶レコード戦で高いパフォーマンスでの2着があったように、ああいう時計勝負に非常に強い。エプソムCだけならまだ確信は持てなかったけど、決していい条件ではなかったタフな洋芝での消耗戦で勝ちに行ってそれでもL1まで食い込んできた前走の函館記念は評価したい。斤量も56kgに替わるしここ2走を考えれば大きな材料。外枠はポジションという点では厄介ではあるが、この馬の場合は外々回してもしっかりとエンジンをかけての競馬なら問題ないだろう。エプソムC3着は内容的に見てもスローから12.1 - 11.8 - 11.2 - 11.3 - 11.7とL3最速戦で直線序盤動けていながらも進路が確保しきれなかったという感じだし、この馬としては序盤ペースがそんなに上がらなかったのも良い材料ではなかった。ペースが上がってくれれば。
【注目馬】
もともと高い素質を持ちながらも気性難で出世の道が遠かったエアソミュールも鳴尾記念でようやく重賞馬となった。今回は久々に名手武豊とのコンビで府中の1800m戦、重賞馬として毎日王冠に挑む。東京コースでは白富士Sで完勝しているが今回は200m短い1800m戦となる。人馬ともに秋を見据えて良いレースを展開したいところだ。
この馬はちょっと厄介な馬で、気性難なのだがコントロールして後半のポテンシャルを引き出したいタイプの馬。実際前走の札幌記念では流れて58.4-60.7とハイペース。その流れで中団に乗ってこれでもかかり気味に進めるのだが、仕掛けを我慢して好位集団の直後で直線を向く。それでもホエールキャプチャやラブイズブーシェに最後は差されているように、12.1 - 12.3 - 12.3 - 12.0 - 12.0というラップ推移でハープスター、ゴールドシップが千切った流れにも当然ついていくことができなかった。基礎スピードが高くそれをコントロールするのが難しい馬という印象だが、序盤は無理をしない方がいいという傾向が顕著に出ている。
その最たる例が鳴尾記念。阪神2000mでペースは60.6-58.5と2秒以上のスローペース。この流れに後方で溜めつつ我慢をする。11.9 - 11.6 - 11.6 - 11.5 - 11.9というラップ推移でコーナーで最速11秒半ばのラップを連続させながらL1まで踏ん張るという競馬でトップスピードの質はそこまでは問われず、ポテンシャル勝負に近い。後方で終始折り合いを気にしつつも序盤をやり過ごし、3角でもまだブレーキ、外から動いて行ったサクラアルディートを見てブレーキを外し、一気に反応して外々好位まで楽に押し上げる。直線序盤でそこから一気に先頭列に立ちL1で先頭に立ったがアドマイヤタイシの粘り腰、更にフラガラッハの強襲を受け何とか退けた。ただ速いところで外から追走せざるを得ない競馬はラップ推移を見ても厳しい競馬になったのに、要所で全く見劣らなかったように本来トップスピードも秘めている馬だと思うし、これを連続させても簡単に甘くならないポテンシャルは見せた。他にも強い勝ち方だったディセンバーSもスローロンスパの形。
それともう一点、今年の中山記念や札幌記念での崩れ方、昨年の開催が進むにつれて重くなっていった北海道シリーズで進むにつれてパフォーマンスを落としていることからも、軽い馬場の方がいいタイプだろう。基礎スピードが高いのにペースが上がって甘くなるところからも、本質的に2000は長いと思っているし、上手くコントロールできれば脚は引き出せるがその点で1800mへの短縮自体は歓迎できる。今回は恐らく高速馬場…だと思うのだが正直台風の影響がどうなるかということもあるので直前までチェックしたいところ。いずれにせよ良馬場の方がいいのは間違いないと思うので、雨が降ってしまうと良さを削がれる可能性は高い。白富士Sでも前が単騎で飛ばして仕掛けが早い流れでしっかりと最後まで伸びていて後続を寄せ付けなかったようにTS持続力も高い。良馬場ならペースもそこまで前掛かりになるレースでもないし、速めの仕掛けになりやすくこの馬の良さは引き出しやすいといえる。同タイプの馬も多いがポジションも融通が利くタイプで、この馬もここでどこまでやれるか非常に興味深い一頭だ。ロゴタイプを目標にしながらの好位ぐらいで競馬ができれば面白い。武豊久々の重賞制覇をこの馬でとなるか。
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