08期 予想歴16年
◎ホクトスルタン
4着/6人気
○アサクサキングス3着/1人
×ドリームパスポート
×トウカイエリート
はじめて見たレースが、いまから15年前の天皇賞(春)だった。
当時13歳だった少年のぼくは、当然のように、当時最強馬として君臨した芦毛馬を応援した。
発走の3分あまり後。僕は、直線で精悍な黒鹿毛馬の後塵を拝するヒーローの信じ難い姿を目にすることになる。
王者の座に就いたかに思われたその黒鹿毛馬も、その後長いスランプに陥る。
2年後の同じ淀の舞台。「すでに終わった」はずの黒鹿毛馬は、メンバー中唯一のGI馬としてのプライドをかなぐり捨て、なりふり構わぬ3角先頭の積極策で復活を遂げる。
その2カ月後に同じ淀の舞台で彼を襲った悲劇については、もはや語る必要もあるまい。
あの時代のイメージは、僕の中に競馬の原風景として確かに、ある。
2マイルになんなんとする長距離でありながらも、いずこへと向かうとも知れない、果てしなき道程を急ぐかのように緩みなく、張り詰めたペースで正面スタンド前を駆け抜けていく優駿たち。
3角の坂の上り下りで力尽きた馬たちは落伍し、直線を向いたときには馬群はばらけ、栄光を争うのはあらゆる意味での力を併せ持った幾頭かの馬だけである。
淀の2マイルを美しく駆け抜ける馬。おかしな表現かもしれないが、その光景を見ることを、ずっと、どこか心の奥底で望んでいたように思う。
その後、20世紀も終わろうとする頃、横山典弘とコンビを組む芦毛の逃げ馬が忽然と(無名の種牡馬の仔であった)現われ、淀に白い鮮やかな残像を遺してくれた。彼は、春の盾には残念ながら手が届かなかったが、爽やかな一陣の風のような気配は、いまもすぐに思い出すことができる。
あれから幾星霜。メジロマックイーンの忘れ形見とも呼べる一頭の芦毛の逃げ馬が、長距離の条件戦で胸のすくよう逃げ切り勝ちを収め、この天皇賞に駒を進めることとなった。ライスシャワーと同じ、リアルシャダイの血も入っている。騎手は、こともあろうかセイウンスカイと同じく横山典弘である。
ここ数走、先行争いが激しくなっても譲ることなくハナを奪っている。アドマイヤメインとの先行争いが気になるが、ガリガリ遣り合うことはないだろう。500kgを切るくらいまで仕上がっていて欲しい。
対抗は地力を買ってアサクサキングス。前走が阪神大賞典だったら◎にせざるを得なかったが。
ドリパスは今回も不完全燃焼。トウカイEは高齢すぎ。サムソンすでに終わった。
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