報知杯弥生賞2015予想
弥生賞 内枠の先行馬と重賞好走歴に期待。

軍神マルス
08期 予想歴17年

◎シャイニングレイ
  7着/1人気

○クラリティスカイ6着/5人
▲ブライトエンブレム2着/4人
△ベルラップ9着/6人


★傾向分析★
2010年 タイム 2'06"1 (重) 1FAve=12.61 3FAve=37.83
テン37.1-中盤52.2(3F換算39.15)-上がり36.8 『中弛み』
1着ヴィクトワールピサ・・・ネオユニヴァース×Machiavellian=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔8-d〕 7-9
2着エイシンアポロン・・・Giant's Causeway×Sadler's Wells=ストームバード×サドラーズウェルズ 〔1-l〕 4-4
3着ダイワファルコン・・・・ジャングルポケット×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔4-d〕 11-13

2011年 タイム 2’01”0 (良) 1FAve=12.01 3FAve=36.30
テン36.3-中盤50.0(3F換算37.50)-上がり34.7 『加速・中弛み』
1着サダムパテック・・・フジキセキ×エリシオ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-h〕 6-4
2着プレイ・・・ロックオブジブラルタル×サンデーサイレンス=ダンチヒ×サンデーサイレンス 〔7-f〕 3-3
3着デボネア・・・アグネスタキオン×Singspiel=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ 〔4-k〕 8-7

2012年 タイム 2’03”9 (稍重) 1FAve=12.39 3FAve=37.17
テン36.2-中盤52.3(3F換算39.23)-上がり35.4 『加速・中弛み』
1着コスモオオゾラ・・・ロージズインメイ×コマンダーインチーフ=ヘイロー×リファール 〔11-e〕 5-5
2着トリップ・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔9-f〕 4-3
3着アーデント・・・ディープインパクト×Kaldoun=サンデーサイレンス×グレイソヴリン 〔1-p〕 8-8

2013年 タイム 2’01”0 (良) 1FAve=12.10 3FAve=36.30
テン36.5-中盤49.3(3F換算36.98)-上がり35.2 『加速・中弛み』
1着カミノタサハラ・・・ディープインパクト×フレンチデピュティ=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔4-n〕 4-4
2着ミヤジタイガ・・・ネオユニヴァース×El Corredor=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔11-g〕 5-4
3着コディーノ・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔4-d〕 5-7

2014年 タイム 2’01”4 (良) 1FAve=12.14 3FAve=36.42
テン35.6-中盤49.4(3F換算37.05)-上がり36.4 『前傾・中弛み』
1着トゥザワールド・・・キングカメハメハ×サンデーサイレンス=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔9-f〕 6-4
2着ワンアンドオンリー・・・ハーツクライ×タイキシャトル=サンデーサイレンス×ヘイロー 〔A4〕 8-8
3着アデイインザライフ・・・ディープインパクト×サクラバクシンオー=サンデーサイレンス×プリンスリーギフト 〔9-e〕 6-4

 流れは、過去5年全てで共通している中盤が弛む『中弛み』が流れの基本。
『中弛み』・・・逃げ◎ 先行△ 差し× 追込○

 しかし好走馬の位置取りを考えると先行・差しが多いことがわかる。逃げ・追込は厳しい傾向。
テン→上がりで速くなる『加速』の流れの時には、(ラップ差が大きければ大きいほど)先行した馬が好走。
テン→上がりと遅くなる『前傾』の流れの時には、差しが決まる。
オプションとしての流れ(『加速』か『前傾』)で、好走できる位置取りがあると考える。

 血統の傾向は、サンデーサイレンス系のための重賞という感じです。特に大系統ターントゥ系×大系統ノーザンダンサー系が好走馬が多い。
 ロベルト系やグレイソヴリン系など、欧州スタミナ型血統もポイントになっているようで、この時期の中山芝コースがスタミナも問われるということだと思います。

 牝系の傾向は、No.〔1〕〔4〕〔9〕の牝系が複数好走馬を輩出しています。
No.〔1〕や〔9〕の牝系は、仕上がりの早い完成度の高さが活きるものと思います。
No.〔4〕の牝系は、スタミナの要素が問われる中山芝コースの馬場に合い、この時期成長がほかの牝系に追いつくことが好走要因なのでは?と考えます。

 また好走している馬はすでにオープンや重賞実績のある馬がほとんど。特に1着馬になる馬は前走で1着の馬が多い(=00年以降例外は02年のバランスオブゲーム、11年サダムパテック、12年コスモオオゾラ:ただし朝日杯4着や重賞勝ちの実績はあり、重賞でもある程度好走していた馬でないと厳しいということか?)。勢いと実績のレースということと考えます。

 ステップの傾向は、前走朝日杯FS好走馬はここでもよく好走する(=03年1着エイシンチャンプ、04年2着メイショウボーラー、05年3着マイネルレコルト、07年3着ドリームジャーニー、10年2着エイシンアポロン、13年3着コディーノなど)。これは皐月賞は厳しい流れになりやすいが、弥生賞は中盤弛むためマイラーでも好走できるということ。特にマイラーの先行馬が好走多いように感じます。
 また同コース・同距離の重賞の京成杯好走馬も好走しやすいように思います(=01年ボーンキング、02年ローマンエンパイア、05年2着アドマイヤジャパン、08年1着マイネルチャールズ、11年3着デボネアなど)。14年より、ホープフルSが中山芝2000m重賞として格上げされているので、ホープフルS好走馬も期待できるのでは?と考える。

 また内枠の馬の好走が多い傾向。外枠は先行できる馬の方が良いですが、やや割引は必要かも。

★予想★
弥生賞のポイントは、
①『中弛み』が基本の流れ。4コーナー5番手以内に好走馬が多い。
②内枠の先行馬の好走が多い。
③サンデーサイレンス系が中心。欧州型スタミナ血統の要素があると好走しやすい。
④ダート型の持続適性に優れた血統にも注意が必要。
⑤オープンや重賞好走実績のある馬か、近走好調な馬。
⑥朝日杯FS好走馬、京成杯上位好走馬は好走が多い。
⑦No.〔4〕〔9〕の牝系の好走が多い。

◎シャイニングレイ・・・ディープインパクト×クロフネ=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔3-l〕
 前走ホープフルS1着(=中山芝2000m)。中山芝コースは(1-0-0-0)、芝2000m戦は(2-0-0-0)。中山芝2000mの重賞好走実績もあり、また近親ブラックシェルが08年弥生賞2着好走していて、血統的にも適性は高いと考えて好走に期待して評価する。またステップの臨戦過程でも、前走1着馬が少なく、この点でも好走に期待できると考え、内枠の先行馬という点でも好走の可能性は高いと考えて、好走必至と期待する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父クロフネはヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。“ダートから芝に転じて急上昇”や“詰めの甘かったマイラーが地力先行勝負で本格化”という成長パターンを示す。充実期は連勝が多く、積極的に狙える。重不良の成績も抜群で、“雨のダートのクロフネ”には要注意。
 No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分枝記号lは、クラシックで特注の記号で、能力が高くトップクラスのポテンシャルを秘めていて、成長力も豊富。

○クラリティスカイ・・・クロフネ×スペシャルウィーク=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔2-f〕
 前走朝日杯FS3着(=阪神芝1600m:0.2秒差)。中山芝コースは初で、芝2000m戦も初。前々走いちょうS1着(=東京芝1600m)→朝日杯FS3着と重賞好走もしていて、能力は高い馬。今回初の芝2000m戦だが、堅実な立ち回りが出来る馬と考えて、好走に期待して評価する。
 クロフネ産駒はヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。“ダートから芝に転じて急上昇”や“詰めの甘かったマイラーが地力先行勝負で本格化”という成長パターンを示す。充実期は連勝が多く、積極的に狙える。重不良の成績も抜群で、“雨のダートのクロフネ”には要注意。母父スペシャルウィークはスタミナ型サンデーサイレンス系で、長い末脚を使い、嵌った時の強さは破壊力十分で、カミソリというよりはナタの切れ味。その分、小回りコースでの取りこぼしやスピード競馬での不安定さがある。一方で2歳戦に強い早熟性も有するが、古馬での成長力は豊富。
 No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

▲ブライトエンブレム・・・ネオユニヴァース×ウォーエンブレム=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔3-c〕
 前走朝日杯FS7着(=阪神芝1600m:0.5秒差)。中山芝コースは初で、芝2000m戦も初。前走は約3か月半の休み明けで朝日杯FSに出走したが、距離不足の感じもあり僅差で7着。今回距離延長のなるのはプラスと考えて好走に期待する。また弥生賞ではネオユニヴァース産駒の好走も多く、この点でも好走に期待する。
 ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、中山芝コースなど小回りコースでの好走が多く、短い直線をぐいっと抜けてくる器用さが武器。また内枠で我慢できるのも、ネオユニヴァース産駒の強み。上がりの速いキレ味勝負より、平均ペースに乗って短い直線でぐいっと出る競馬に抜群の適性を有す。また鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多い(=アンライバルド、ミクロコスモス、ヴィクトワールピサなど)。また産駒はパワータイプの馬も多く、ダート中距離で好走も多い。芝馬は最初から能力の高さを見せるが、旬は短く、ゆっくりクラスを上がって強くなるのはダート中距離型。母父ウォーエンブレムはミスプロ系で、速い流れに乗って、1600~2200mでスピードを持続する能力が抜群に高い、レコード決着に強い屈指のハイペース適性を有した血統。最初から活躍するのは芝馬で、古馬になって充実するのはダート馬という傾向もある。ダートの人気馬は安定感があり、特に稍重と重のダートの成績は素晴らしく、良で足りない馬も、ひと雨来れば着順を上げる。気性が繊細で折り合いに難のある馬も少なくないが、下手に抑えるくらいなら行かせて前で勝負した方が強い。内回りコースが得意で、内枠もプラス要因。
 No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

△ベルラップ・・・ハーツクライ×シンボリクリスエス=サンデーサイレンス×ロベルト 〔16〕
 前走京都2歳S1着(=京都芝2000m)。中山芝コースは初で、芝2000m戦は(2-0-0-0)。中山芝コースは初で、小回りコース実績がない点と、この時期のハーツクライ産駒はまだ信頼性でやや不安な点があることを割り引いて評価するが、内枠の先行馬ということでは好走に期待する。休み明けは(0-0-0-1)と叩き良化型と思われるので、その分も割り引いて連下候補と考える。
 ハーツクライ産駒はサンデーサイレンス系で、ハーツクライ自身はサンデーサイレンス×トニービン配合。母父トニービンの不器用さをやや受け継ぐタイプが多く、一瞬でエンジンがかかり加速できる器用さはないが、助走をつけて末脚が全開になりギアが入れば長く良い脚を繰り出す。馬群の外をのびのび走れるコース向き。サンデーサイレンス系としては、ダンスインザダーク産駒に近く、点火しづらい弱点を持ちつつ、嵌れば大仕事という“難儀なステイヤー血統”。ペースが締まるGⅠほど、大駆けが期待できる。また距離が延びて成績が良くなる馬も多く、本質は中距離~クラシックが能力を活かしやすい。牡馬は芝1800m~2600m、牝馬は芝1400m~2000mを中心に走る。後方一気型は展開に左右され、直線だけの勝負や、内しか伸びない馬場は不発多数。スローが苦手なわけではなく、前半じっくり追走して、助走付きのロングスパートが出来れば好走可能。長い直線+剛腕騎手はプラス条件になる。母父シンボリクリスエス産駒はロベルト系で、本格化前までは詰め甘で、持久力とスピードの持続性能に優れていて厳しい流れでこそ本領発揮するが、意外にあっさり強敵相手に凡走する淡泊さも持ち合わせている。2歳~3歳春の時期のロベルト系は全般的に詰め甘なことが多いが、クラシック春シーズンを終えると本格化を始める。またロベルト系は緩い流れよりも、ペースの締まる流れで底力を問われると好走しやすくなる特性もある。特にレコード決着など時計が速くなる厳しい流れで覚醒する。叩き良化型でさらに上昇中はロベルト系の好走ポイント。
 No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳春以降に成長を始め、距離が延びて本領発揮が多いステイヤー特性を持つ牝系。叩き良化型も多い。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプ。


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報知杯弥生賞2015回顧
弥生賞 皐月賞に向けて①。

軍神マルス
08期 予想歴17年

次走狙い:サトノクラウン
次走狙い:ブライトエンブレム


2015年 タイム 2’01”8 (稍重) 1FAve=12.18 3FAve=36.54

ラップ
①12.5-②11.4-③12.3-④12.4-⑤12.7-⑥12.0-⑦12.1-⑧12.1-⑨11.9-⑩12.4
1FAveとの誤差
①+0.3 ②-0.8 ③+0.1 ④+0.2 ⑤+0.5 ⑥-0.2 ⑦-0.1 ⑧-0.1 ⑨-0.3 ⑩+0.2
テン36.2-中盤49.2(3F換算36.90)-上がり36.4 『一貫』

『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△

1着サトノクラウン・・・Marju×Rossini=ノーザンダンサー×ミスプロ 〔20-c〕 5-4
2着ブライトエンブレム・・・ネオユニヴァース×ウォーエンブレム=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔3-c〕 10-10
3着タガノエスプレッソ・・・ブラックタイド×キングカメハメハ=サンデーサイレンス×キングマンボ 〔9-f〕 7-8

流れは、テン-上がりのラップ差が少なく、中盤もそれほど緩まずのながれにて『一貫』の流れ。展開的には、差しが最も恵まれ、次いで先行、逃げ・追込には厳しい流れと考える。

1着サトノクラウンは、前走東京スポーツ杯2歳S1着(=東京芝1800m)からの約3か月半の休み明けでの好走。中山芝コースは初で、芝2000m戦も初でした。弥生賞では、内枠の先行馬の好走が多く、またこれまでのオープン戦や重賞好走実績がそのまま重賞になることも多いが、その点では2戦2勝で重賞好走していた本馬は、休み明けでも要注意と考えるべきでした。前走で上がり上位で差して好走していたため、東京向きの馬と思っていましたが、今回は締まった『一貫』の流れでも1着好走。非サンデーサイレンス系配合馬ということで、こちらの方が本質的には合う流れだったのかもと反省します。現時点では広いコースも小回り急坂コースもこなし、先行出来る器用さも持ち合わせているようで、完成度の高い馬と考えて次走の好走にも期待したいと思います。
 Marju産駒はノーザンダンサー系で、距離は1600m~2400mまで幅広くこなし、また活躍馬は2歳から古馬までと年齢層も厚い。特に高齢馬をなめてかかると痛い目に合う(=セニョールグループの特性で、地味にしっかりと力をつけて高齢でも衰えが少ない)。海外ではGⅠ馬も多数輩出しているが、前哨戦やトライアル的なレースに向いた血統でもある。スピードの持続力があり、時計勝負も得意。母父Rossiniはミスプロ系で、Miswakiの流れをくむミスプロ系。詳細は不明だが、Miswaki系の特性を受け継いでいると思われ、Miswakiは、ミスプロ系の中では中距離適性に優れ、成長力もある。先行させるとしぶとく、脚を溜めると末脚もしっかりしている。また大レース向きの血統。
 No.〔20〕の牝系は、フサイチエアデールやフサイチリシャールなどがいる、2歳戦から走れて仕上がりは早いが、古馬になりもう一皮向ける成長力を有す牝系。人気では詰めが甘く、脇役にての好走が多い牝系でもある。小回りコースは得意だが底力はなく、近年は苦戦傾向にある。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

2着ブライトエンブレムは、前走朝日杯FS7着(=阪神芝1600m:0.5秒差)からの好走。中山芝コースは初で、芝2000m戦も初でした。前走は約3か月半の休み明けで朝日杯FSに出走したが、距離不足の感じもあり僅差で7着。今回距離延長のなるのはプラスと考えて好走に期待し、結果2着好走。また弥生賞ではネオユニヴァース産駒の好走も多く、この点でも好走に期待したが、やはり本馬の好走からもネオユニヴァース産駒の適性が嵌るレースと反省します。また本馬は、14年札幌2歳S1着(=札幌芝1800m)好走していて重賞好走歴があった実績馬であったし、札幌2歳S好走馬は弥生賞でも好走が多い傾向もあり、洋芝小回りの札幌芝コース好走歴がうまく中山芝コースに嵌ると反省する。能力は高い馬にて、次走皐月賞での好走にも期待したいと思います。
 ネオユニヴァース産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、中山芝コースなど小回りコースでの好走が多く、短い直線をぐいっと抜けてくる器用さが武器。また内枠で我慢できるのも、ネオユニヴァース産駒の強み。上がりの速いキレ味勝負より、平均ペースに乗って短い直線でぐいっと出る競馬に抜群の適性を有す。また鋭い瞬発力を繰り出すタイプには能力の高い馬が多い(=アンライバルド、ミクロコスモス、ヴィクトワールピサなど)。また産駒はパワータイプの馬も多く、ダート中距離で好走も多い。芝馬は最初から能力の高さを見せるが、旬は短く、ゆっくりクラスを上がって強くなるのはダート中距離型。母父ウォーエンブレムはミスプロ系で、速い流れに乗って、1600~2200mでスピードを持続する能力が抜群に高い、レコード決着に強い屈指のハイペース適性を有した血統。最初から活躍するのは芝馬で、古馬になって充実するのはダート馬という傾向もある。ダートの人気馬は安定感があり、特に稍重と重のダートの成績は素晴らしく、良で足りない馬も、ひと雨来れば着順を上げる。気性が繊細で折り合いに難のある馬も少なくないが、下手に抑えるくらいなら行かせて前で勝負した方が強い。内回りコースが得意で、内枠もプラス要因。
 No.〔3〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。直線の長いコースでの末脚勝負にも強く、東京や京都芝コースでの好走も多い。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。

3着タガノエスプレッソは、前走朝日杯FS6着(=阪神芝1600m:0.5秒差)からの10番人気での3着激走。中山芝コースは初で、芝2000m戦も初でした。14年デイリー杯2歳S1着(=京都芝1600m)好走歴がある重賞好走歴がある実績馬でした。内枠で先行すると思いましたが、今回は差しての好走。上位2頭とはやや離されての3着で、展開的に恵まれた感はあると思うが、距離実績はなくても、やはり重賞好走歴のある馬はこのレースでは侮ってはいけないと反省します。
 ブラックタイド産駒はサンデーサイレンス系で、ディープインパクトの全兄でもあり同配合。現役時代もディープインパクトと比較して馬格で上回り、その傾向は産駒にも現れているようだが、本馬は馬体重は440kg前後。ディープインパクト産駒のイメージとみて良いと思われる。ディープインパクト産駒のイメージだと芝でキレる脚を使う中距離型のタイプなのだが、ブラックタイド産駒の傾向としては逃げ・先行の粘り込みだが、それほど器用とは思えない様子で、ゆったり流れる展開を前々で押し切るか、ハイペースを大外から差し切る競馬が合う。適距離は芝1600m~2200mで直線の長いコース向きだが、もっさりした馬はダートが主戦場になる可能性も高い。母父キングカメハメハはキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。軽い先行力、瞬発力勝負の切れ味、指示通りに動く反応の速さが武器で、芝1600m・2000m・2400mと根幹距離の重賞で特に強く、人気馬なら堅実。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。距離延長を不安視されることも多いが、折り合いさえつけば距離はこなし、むしろ1400mや1600mなどの忙しい流れで末脚を溜められなかった時に不発が目立つ。中長距離型が安定しているのは、スローの良馬場で、ハイペースや力のいる馬場は凡走もある。マイラー型は高速馬場の内枠を活かしての先行粘り込みが得意。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。

弥生賞のポイントは、
①『中弛み』が基本の流れ。4コーナー5番手以内に好走馬が多い。
②内枠の先行馬の好走が多い。
③サンデーサイレンス系が中心。欧州型スタミナ血統の要素があると好走しやすい。
④ダート型の持続適性に優れた血統にも注意が必要。
⑤オープンや重賞好走実績のある馬か、近走好調な馬。重賞好走実績は要注目。
⑥京成杯上位好走馬は好走が多い。
⑦札幌2歳S好走馬にも注目。
⑧No.〔4〕〔9〕の牝系の好走が多い。


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