NHKマイルC2009予想
東京のマイルで変わり身を

KUROSHIMA
08期 予想歴14年

◎アドバンスヘイロー
  16着/17人気

○ティアップゴールド14着/7人
▲サンカルロ18着/3人
×アイアンルック


 展開を引っ張りそうなのが、内枠のゲットフルマークスとジョーカプチーノ。どちらがハナを主張するにせよ、スプリンター性の強い2頭のこと。落ち着いたペースになるとは考えにくく、レースは比較的厳しい流れで推移する可能性が高い。一見差し追込向きの流れだが、直線の長い東京でも、ハイペース=差し追込と決め付けるのはあまりにも安直。ここは緩みない流れをなるべく前でさばけそうな馬に食指が動く。

 ◎というほどの自信は正直ないが、アドバンスヘイローの変わり身に賭けてみたい。近2走、重賞では全く結果が出ていないが、アーリントンCは良馬場でも時計の相当かかる馬場が合わず、ニュージーランドTでは躓いたり直線で前がカベになったりと、着順は惨憺たるものだが敗因らしい敗因が一応ある。また、未勝利を芝1200で勝っているが、ジュニアCで前半3F34.0の緩みない流れを好位から押し切り勝っているように、決して短距離向きという訳ではなく、むしろ気性面を理由に速い流れを歓迎している傾向も見て取れる。厳しいラップの競馬になれば、この馬の能力がもっと発揮できるのではないか。せめて、一昨年のムラマサノヨートーくらいは走れても。

 ティアップゴールドの前走はカラ馬の影響も多分に受けながら
最後までしっかり伸びての2着。派手に切れるタイプではないが、レース内容から長くいい脚を使えそうな印象。左回りさえOKなら、サンカルロとの着差は今回逆転まで可能だろう。休み明けの阪神戦では上がりのかかる展開を好位から押し切って勝っており、脚質にある程度幅があるというのも好感。

 やや恵まれてニュージーランドTを勝ったサンカルロも東京なら信頼性はアップ。持続力よりも一瞬の切れが身上なので、脚の使い処が難しそうだが、コース相性でどこまで補完できるか不安よりは期待の一戦に。

 毎日杯から参戦するアイアンルックは昨年の勝ち馬と同じローテゆえ大きく支持されるのはそれなりに頷けるところ。ただ、毎日杯の勝ち方を比較すると、ほとんど11秒台が続く緩みないラップを好時計で差し切ったディープスカイ、対してアイアンルックはどちらかといえばスローからの上がり勝負を制した格好。走破タイムだけでは判断できないが、同じ毎日杯優勝でも、質的にはディープ>アイアンという評価が妥当だろう。また、スローには対応できても、上がりのかかる展開では良くも悪くも未知数。直線の長い東京だからといって、人気ほどの余裕はないはずだ。


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NHKマイルC2009回顧
人気薄でも内容は「まとも」な優勝馬

KUROSHIMA
08期 予想歴14年

次走危険:フィフスペトル


 ナンデユーザ内でも意外と評価が割れるレース結果となったが、少なくとも勝ったジョーカプチーノはその強さを真っ先に褒めても良いくらい。

 芝の状態が良かったにせよ、レースレコードとなる走破タイムを2番手から自らの脚で叩き出している。前々の馬が好走する状況ではあったが、逃げたゲットフルマークスは直線で完全に失速していることも考慮すると、文句なしに優秀なレース内容だ。成績からは一見スプリンターだが、ダート1700で未勝利を勝ったように、豊かなスピードと砂をこなす底力がマイルの適性に応用が利いたかもしれない。折り合いに専念しつつも、積極的な騎乗でこの馬の騎乗に徹した藤岡康も評価の対象に。ダービー出走に関しては個人的に賛同しかねるが、今後の短距離マイル路線での活躍を約束されるだけの能力に間違いはなさそうだ。

 勝ち馬とは対照的に、結果を出せなかった上位人気馬は総じて弱さと同時に情けなさも目立った。結果論でもろ前残りの競馬になったが、見方を変えれば人気馬の多くがペースの緩急に応じた競馬が出来なかっただけと言っても過言ではないはず。

 各馬について触れると、ブレイクランアウトは朝日杯FSの時がそうだったように、そもそも道中から仕掛けていけるタイプではない。共同通信杯以来の実戦というローテも常識的に良くはなかったはず。距離適性も本質的にはマイルよりはもう少し長めと見て良いかもしれない。

 アイアンルックの表向きの敗因は直線での不利。パトロールフィルムを見る限りはそれほど致命的には思えないのだが。仮に不利がなかったとしても、あの位置から全馬差し切るには上がり3Fで33.0の脚でも使わければ土台無理な話。決め手には優れているが、マイラーとしてのスピード面では昨年のディープスカイよりも明らかに劣っていたということ。

 サンカルロは以前から懸念されていた悪癖?が、厳しい競馬になって一気に噴出してしまった感じ。まだ若さ全開な雰囲気もあるだけに、距離やタイムは抜きにして本格化は古馬以降か。

 フィフスペトル、この馬だけは騎手が前残りを微かながらも察知していたのか、いつもより前目での競馬。安藤勝の状況判断に関しては評価できるが、直線では流れ込みが精一杯。人気馬の中では最も能力を出し切っていた印象が強く、ある意味今回で底がハッキリ見えたのではと思う。


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