桜花賞2015予想
ロカで狂った歯車。全て因果はクイーンCに。

尾張のうつけ
09期 予想歴19年

◎アンドリエッテ
  6着/4人気


・今年のクラシック第一弾。3戦無敗のルージュバックが1馬人気。以下、ココロノアイ、クイーンズリングと言った順番。

・人気のルージュバックはローテーションと距離未経験というところが、この桜花賞でどう出るかというのが焦点。

・同馬のとって、きさらぎ賞は年明け初戦のレース。またきさらぎ賞からトライアル第一弾のチューリップ賞までは中3週ある。ローテ的に厳しくなく、前日に行われたエルフィンSからチューリップ賞に多く出走しているし、過去にも例が多い。普通ならばチューリップ賞に出走するのが正道というもの。

・過去のデータを見ると桜花賞はチューリップ賞を経由してきた馬が強い。チューリップ賞は桜花賞制覇のための正に王道ローテとも言えるレースである。

・なぜこのレースをルージュバックはパスしたのか。当人ではないし、ネットの記事を読みあさったわけではないのでは詳しいことは分からない。ただ推理するとなれば、所謂社台グループの「使い分け」では無いかと思う。

・チューリップ賞には社台系の馬が多く出走。中でも同門のノーザンファームの馬は5頭出走。出走馬のうち、5/17頭が同牧場の生産馬であった。ルージュバックは強い。多分このレースに出ていれば、間違いなく出走権を獲得しただろう。重賞という場で、他の馬に権利を取らせるために「ヤラズ」というわけにはいかない。他の馬に出走権を譲るためには出ないのが一番手っ取り早い。牡馬クラシック路線を匂わせておけば、そこまで批判も浴びずに済む。そう考えても不思議ではない。

・そこまでして出さなかった理由としては、ここで3着以内に入らないと桜花賞に出られない馬が複数おり、且つその馬には是が非でも桜花賞に出てもらいたかった存在がいるということである。

・おそらくはそれはロカとタッチングスピーチだと考える。前者は1戦1勝でG1で1人気。そこで負けた後は騎手の怠慢騎乗でクイーンCは3着。捲土重来を期して乗り替わりでデムーロを配した。ロカが大事なのは何と言ってもハービンジャー産駒であること。これに尽きる。毀誉褒貶相半ばする、この注目種牡馬。これからこの種馬を売っていくためには、どうしても牝馬でも走ること、(非中山)阪神でも走ること、2勝目を上げられること、etc.を証明する必要があった。なので万難を排す意味でルージュを出走させなかったのではないか。

・後者のタッチングスピーチはサンデーTCで6000万で募集された馬。これは牝馬での最高価格。商売上の上客の馬を邪魔するわけにはいかない。例えこの馬自身の勝ち負けが厳しくても、不出走という誠意だけを見せることは、客商売においては何もおかしくない。

・以上の長い長い妄想により、ルージュバックはチューリップ賞に出走しなかったのでは無いかと考える。ここにノーザンFの慢心と誤算があったのではないか。この馬のことだけを考えれば出すべきだったのでは無いかと思う。

・ルージュバックは強い馬だと思うが、ディープの強い馬とやっていないことがどうしても気にかかる。ポルトドートウィユは強くないし、あの時期の京都はディープに異常に合わなかった芝でもあった。その当時の京都より、今の阪神の方が明らかにディープ向きである。その辺りがどうにもこの馬の強さを認めても、引っかかる。


長くなったが

本命はアンドリエッテ。
 桜花賞はディープの向きのレースであるということは、衆目の一致する所である。過去5年で4勝だが残り1勝はディープ産駒が未デビューの時代であり、初年度産駒がデビューしてからは、マルセリーナから4連勝中である。またその母父がノーザンダンサー系というのも共通している。
 今年、その条件に一致するのはアンドリエッテとメイショウメイゲツの2頭のみ。この2頭の比較ならば、クイーンCの結果やローテを考えてもアンドリエッテが上になる。
 実際にアンドリエッテが強いかどうかが焦点。クイーンCは外目をフラフラしながら伸びてきたし、きついタイミングでミッキークイーンの体当たりを食らったか、ヨレていた。そして前走のチューリップ賞は道中で下がってくる馬に巻き込まれた。直線も明らかに馬場を気にしながらの伸び脚。このレースは展開が後ろの馬に有利だったので、レッツゴードンキより強いとは言わないが、五分の力はあると考える。
 是が非でも出走権を取るために、中2週で調整せざるを得なかった前回よりも、今回の方が圧倒的に有利。そういう意味では余裕を持って前走に使えた阪神JF組よりも今回に対するアドバンテージがあるのではないか。
 重賞勝ちすらないヒサコーボンバー牧田厩舎がいきなりのG1勝ちというのもちょっと怖い気がするがこの馬の単勝を買いたい。
 ヒモを考えるとキリがないので単勝勝負で望みたい。


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桜花賞2015回顧
~偉大なるリスクテイカー~

尾張のうつけ
09期 予想歴19年

次走狙い:アンドリエッテ
次走狙い:クイーンズリング
次走危険:コンテッサトゥーレ


【LV3=平均レベル】

・戦前の評価は3頭の3戦無敗馬VS2歳G1実績馬と言ったところ。3戦3勝が3頭いたたものの、それぞれが王道路線を歩んできたわけではないことが、評価を難しくし、予想を面白くした。
・勝ったのはレッツゴードンキ。前走で抑えきれずに行ってしまった反省を活かそうとしたこのレースでも、やはり行きたがってしまった。ただ今日も無理に我慢せずにハナへ。異常なほどのスローペースに落とし込み、これをまんまと逃げ切った。2着は差し込んできたクルミナル。内枠を最大限活かしたコンテッサトゥーレが3着。今年も結局チューリップ賞組が上位独占。今まで結果の出なかった逃げ馬、内枠の馬が結果を残すというデータ派には厳しい?結果に。

◆1着はレッツゴードンキ。
 好発。出たなりに外の4番手。ただ行きたがっていた。抑えきれないという感じで、早めに行かせる競馬を選択。道中は1馬身程度のリードをキープ。ハナに立った後はしっかりと折り合う。4Cでも手応えは十分。直線に入った後も手応え十分。直線は押し寄せる各馬を逆に突き放した。ドスローに落として、終いは上がり4位タイの33.5秒でまとめれば後続は何も出来ない。完全に騎手のファインプレー。力は元々あったが、展開をも味方に付けた。この着差が実力差ではない。
 この大舞台でこの騎乗が出来るのが岩田である、と再認識させられたレース。控える競馬を至上命題にして中間調整したにも関わらず、本人曰く5%しか考えの無かった逃げの手に出られるのだから大したもの。これがG1を沢山勝てる騎手なのであろう。福永・浜中・戸崎・柴山らがいくら上手かろうともG1を勝とうとも、往時の武豊やアンカツ、デットーリ、ルメール、デムーロまでの評価を得られないのはこの辺りなのではないか。創業家社長とサラリーマン社長的な違いを感じた。後者の騎手はオーナーの命令が絶対であり、それに従ったが故に今の地位を手に入れてたので、自分が正しいと思ってもそこまでのバクチは打てない騎手たちに思える。
 もっとも今回はそこまで大きな馬主や生産者、調教師でなかったこともあり、その分リスクを取れたのは正直ある。社台系の馬だったならばこの競馬が出来たのかは分からない。それに彼も散々、ゴールドシップで失敗してきて正しいリスクの取り方を学んだようにも思える。ただ世間の競馬ファンに「さすが岩田」と思わせるような競馬を見せられたのは今後の彼に取っても大きな財産になる。

◆2着はクルミナル。
 出遅れ。テンに促すも行き脚つかずに後方から。内からスルスルと上がっていき10番手の辺りまで押し上げる。馬群の中で折り合っていた。4Cでペースが上がる辺りは他馬よりも勢いは見劣る。直線入口では後方6番手。直線は徐々に外に出して進路を確保。外からいい脚を使って、勝ち馬以外は全部ぶっこ抜いたが…。不利な流れの中、実力を発揮。
 元々オークス向きと言われていた馬。今日の結果からはオークスのオークスの最有力候補の一角。エルフィンSは相手が弱すぎたこともあり、この馬の実力を図り損ねるところはあったが。チューリップ賞での敗戦は本当に馬場に泣いた模様。

◆3着はコンテッサトゥーレ。
 好発。出たなりに進めて好位のインを確保。4番手のイン。インでリラックスして追走。コースロスなく直線に入り、直線では進路を最内に見出す。内からジワジワと伸びて3着を守り切った。今日の競馬では2番めに力を出し切った。最内枠を活かしきった鞍上のファインプレー。ただこれが精一杯のレース。実力では他馬よりも下だろう。距離もマイルもギリギリだし、今後は姉のアルティマトゥーレみたいな進路になるのか。

◆クイーンズリング
 出遅れ。テンに行く気無く控える。掛かり気味に上がっていくが中団後方まで。4Cでは10番手の辺り。馬群の中に入り、直線へ向く。直線はアースライズの後ろに入り、強引に馬群を捌いてくる。馬群にも怯まずによく伸びたが4着まで。いい根性をしている。
 とにかく競馬ぶりにセンスの良さを感じさせる馬。根性もある。前走の体重減など厳しい調整の中、よく走っている。母父のアナバーはあのトレヴの母父でもある。オークスでも距離不安はない。じっくりと調整が可能なオークスならばチャンスあっても。

◆アンドリエッテ
 五分のスタート。テンに行く気無く控える。内から上がっていくが各馬が手綱を抑えることにより馬群が密集。結局は後方2番手。いい手応えで4Cを迎える。ただここで位置を上げきれず、直線は後方4番手で入ってくる。直線は馬群に突っ込む形になり、クルミナルが切り開いた進路を追って伸びてくる。上がり最速で伸びてきたが6着まで。
 今回も酷い乗られ方ながら、良い末脚を見せた。この末脚が毎回確実に使えるのは強みである。鞍上の競馬ぶりがいかにも中途半端で何がしたいのか、どこに付けたいのが分からなかった。レース後のコメントでは「ルージュバックをマークして、マークする馬を間違えた」とのこと。これだけの馬なのだから自分の競馬をして欲しかった。馬は強い。

◆ルージュバック
 五分のスタート。スピードに乗っていたが手綱を引いて控えて行く。中団に位置していたが、徐々に位置取りが下がっていく。馬群の中で人馬の呼吸が今ひとつ。結局、4Cでは後方4番手。外から来たキャットコインにも脚色が見劣る。直線は馬群んい突っ込んで伸びてきたが、切れ味は見られず。鞍上の乗りミス。
 いかにもマイル使わなかったことが裏目に出た敗因。無敗馬故に己の弱点が正確に把握出来ない怖さが出た。普段通りの前付けをしなかった騎手も酷いが、このローテ選択した陣営が一番悪い。この辺りがG1実績のない厩舎の怖さ。

◆キャットコイン
 五分のスタート。テンに行く気無く控える。控えて後方3番手。4Cでしごいてしごいて上がっていくが前に取り付けない。直線はココロノアイの更に外に出したが、伸び切れず。この上がりではどうしようもない。今日は発馬を決めたのに勿体なかった。

◆ココロノアイ
 出遅れ。テンに行く気無く後方から。行きたがるのを宥めていたが持っていかれるような感じで後方6番手辺り。4Cでは大外。直線入口では後方4番手。直線は大外に出したが伸び切れず。この競馬ではステイゴールド産駒はディープ産駒と比べて幾分分が悪い。今日は乗りミス。ヤネは頑張っていない。

◆その他
 アースライズは前々で競馬して7着。今回もいい根性を見せたし、手前を替えなかった割に奮闘。G1では厳しいが今後も牝馬戦線で良いバイプレイヤーになってくれそう。自分好みの馬である。後は手前を替えるのが下手な幸騎手から乗り替わってさえくれれば。


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