15期 予想歴9年
◎タマモベストプレイ
14着/15人気
○ウインバリアシオン12着/6人
▲ホッコーブレーヴ6着/11人
△クリールカイザー16着/12人
×キズナ
×ゴールドシップ
今回の春天にはキズナとゴールドシップという、2頭の人気馬が出走します。この2頭はともに過去同レース1人気を背負って馬券外に飛んでいます。ゴールドシップはゲート内で暴れた末に大きく出負け、キズナはレース中に骨折。キズナは結局これでその1年を棒に振ることになってしまいました。そんなほろ苦いレースに舞い戻って、いざ雪辱という様相ですが、そもそもこの春天に出る必要はあるのでしょうか?キズナの大目標は凱旋門賞のはずで、ゴールドシップについては、自分のお庭でグランプリ連覇がかかっています。
春天は長丁場で消耗の激しいレースの割に、勝ったところで種牡馬価値が上がるわけでもない、一流馬にしてみればハイリスクローリターンの難儀なレースです。近年はいわゆるクラシックディスタンスでは一枚足りない馬たちがG1馬という名誉を求めて虎視眈々とする、言わばニッチなG1に成り下がっているのが現状で、そんなレースを日本調教馬史上初の凱旋門制覇という青写真を描くスターホースがメイチで狙ってくるでしょうか?
キズナにとってはただでさえ、昨年レース中に骨折した忌まわしい舞台です。高速馬場の長丁場で激走すれば、例え骨折は免れても、レース後疲労は著しく、その後に影響を及ぼすことは間違いありません。逆に言えばレース後の激しい消耗を承知で仕上げてくる「一枚足りない」馬こそが春の盾を獲ってきたとも言えます。キズナにとって使命の凱旋門制覇を遂行するには、ここで昨年と同じ轍を踏むなど論外です。そもそも、テキですら、キズナはマイラーとまで言って春天への適性がないことを認めているのです。じゃあなぜ、出走するのか。
JRAの客寄せパンダとして利用されているのではないか、と既に指摘されている方もいますが、なるほど説得力があります。
世界に通用する一流馬が今後、春天を回避して、凱旋門獲りにフランスへ渡り秋天も空洞化するとなると、売上で小さくない打撃をうけます。名に天皇を冠する大レースとして、主役級がいないのは困りものです。そして、ただでさえ春天はニッチ化したG1です。秋天と比べて役者が足りない感は否めない。そのアンバランスも是正したい。ということで、キズナ、ゴールドシップを何とか引っ張り出したいのではないでしょうか。出馬表に名前さえ載せれば、売り上げに十分貢献してくれます。実際のパフォーマンスは二の次です。極端な話、負担のないよう回ってくるだけのヤラズもあり得るわけです。地力の高さでそれなりの格好はつけるかもしれません。しかしここを是が非でも獲りたいメイチの他馬を上回わることは難しいでしょう。オルフェーブルですらぶっ飛ぶわけです。
というわけで、予想の上ではキズナ、ゴールドシップは軽視します。まあ、そうでなくてもキズナは前走の完敗ぶり、距離適性と、不安要素は多々あるので、かなり買いにくい馬であることは間違いありません。是が非でも獲りたいメイチの他馬、に一番合致するのはウインバリアシオンです。彼ほど悲願という文字が似合うG1未勝利馬はいないように思います。前走日経賞で復活気配、過去2年連続馬券内と適性も文句なし。問題は本当に復活しているかどうか、体調面です。
春天は基本的に前目が有利。4角手前から仕掛けて、下り坂を駆け下りてダラダラっと粘りこむ、そんな競馬をできる馬がねらい目。クリールカイザー辺りがいかにもやりそうですが、京都の実績がない。ならば、同型のタマモベストプレイはどうか。京都は(3,1,1,2)と巧者です。
タマモベストプレイは、きさらぎ賞を制した辺りは、血統的な裏付けもありマイル以下が適距離と見る向きが多いようでした。しかし昨年の走りはもうステイヤーなのかというようなジリっぽさとしぶとさがあります。丹頂Sでは早めに仕掛けて4角をまくっていきながら逃げるサトノシュレンを早々と捕らえ、可愛がりながら着差以上の完勝。ハンデ差2キロを考えれば、圧倒したとも言えそう。そのサトノシュレンは春天のステップとも言える大阪ハンブルクCで逃げ切りを決めています。
洋芝の長距離でこれだけやれば、スタミナは問題なさそう。一番適性を判断しやすいのは菊花賞ですが、かなりのロスをくらっています。4角手前で和田が狭い最内を突こうとしたが開かず、立ち上がりかけるほどの大ブレーキをしてしまっていました。そのまま後方まで下げ、再度押し上げて直線半ばでまだ手ごたえを残しながらも、流石にキレ負けして後続に飲み込まれ8着。この不利がなければ…というところで、流石にエピファネイアには届かないでしょうが、上位争いには届いてそうです。当時和田のこの騎乗は物議をかもしました。昨年丹頂S後、津村に落ち着きましたが、手が合うようで京都大章典も積極的に仕掛けていって、最後ラストインパクトに差されたものの、タイム差なし2着。この実績は春天で激走するには十分です。その後ジャパンカップは1.5差10着に敗れましたが、前半59.6という決して楽ではないペースで前を行き、残り200でエピファネイアに並ぶ間もなくかわさたものの、内でしぶとく抵抗する底力は見せていました。
京都巧者でありながら、2度の着外は上述の菊と今年の日経新春杯。0.6差7着と案外でした。ただこれは+14の太目残りでフットワークも鈍重に見えました。その上アドマイヤデウス他、上位陣よりハンデも背負っていたとあれば致し方ないところか。一つ叩いて臨んだ日経賞も行きっぷりはイマイチで0.7差7着と2戦続いての凡走になりましたが、今度は-22と一気に減らしていました。更に両前脚も落鉄していました。ようするに、近2戦は度外視してよさそうです。その後万全の調整を経てここに臨んできたとすれば、アッと言わせる力は十分備えているとみて◎とします。
相手筆頭にウインバリアシオン、リピーターは来る傾向なのでホッコーブレーヴも。クリールカイザーも警戒します。
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