天皇賞(春)2015予想
高速ステイヤー"トニービン"の血

夏影
14期 予想歴32年

◎カレンミロティック
  3着/10人気

○サウンズオブアース9着/4人
▲ラブリーデイ8着/8人
△ホッコーブレーヴ6着/11人
×アドマイヤデウス


ここ近年いつも感じる事は、この時期の京都コースの時計がとにかく速いという事。

先週準オーブンのマイル戦の勝ち時計は1.32.0。
未勝利戦でも1分33秒台の時計が出ている。

そこで注目してみたのは2012年に行われたレース。
この年も高速馬場で行われ、ビートブラックが、3.13.8の速いタイムで逃げきったレースだ。
オルフェーヴルが人気を裏切り大荒れとなった訳だが、掲示版に載った馬には面白い共通点があった。

1着 ビートブラック(父母父トニービン)
2着 トーセンジョーダン(父父トニービン)
3着 ウインバリアシオン(父母父トニービン)
4着 ジャガーメイル(父父トニービン)
5着 ギュスターヴクライ(父母父トニービン)

何と5頭全てがトニービンの血を保有していたのである。

そんな訳で、この血を保有しているハーツクライ産駒に注目してみたい。
出来れば先行力があり、コースの少ない内枠に入った馬が良い。

◎②カレンミロティック
前走は4着と敗退したが、勝負所で最内を突こうとしたところで前の馬に内を締められブレーキを掛ける羽目に。
一旦後方に下がりながらも、再び着差を詰めて来た。
この不利が無かったらかなり際どい競馬になっていたはずだ。
エーピーインディは母父に入ると、意外なほど疲労に対する耐性が身に付く事は、ウマゲノム信者には知られている。
超長距離戦は前走が初めてでレースに対する鮮度も高いし、前走の内容が内容だけに改めて注目してみたい。

○⑮サウンズオブアース
高速決着となった昨年の菊花賞の2着馬で、このレースに対する適性は高いはず。
こちらも、古馬対決2戦目で鮮度の高い状態。
欲を言えば、もうちょっと内枠に入って欲しかった。


▲⑩ラブリーデイ
前走は本命に推してみたが、流石に3分以上ダラダラと走らされ気持ちが切れたようだ。
ただ、前走一回距離を体験した上に、高速馬場により前走よりもペースアップが期待出来る上に、攻防も激しいくなるので、前走よりは気持ちをコントロールしやすいレース環境になる事も確かだ。
前走を度外視して、再度注目してみる。

☆⑥ホッコーブレーヴ
昨年の3着馬。
集中力高く、多頭数競馬でインを捌くのが上手いし、攻防が激しくなる競馬も向く。比較的内側の枠順を引いたのもラッキーだ。

△⑬キズナ
昨年はトライアル勝利後の挑戦により疲労を残しての敗退となったが、今年は叩き台で実力を出し切れていなかったところがミソ。
昨年よりは理想的なステップとなったが、道中後方に置かれる競馬になるとやはり昨年の二の舞となりそう。

△①ゴールドシップ
正面及び向正面の距離が長いコースで単調なリズムで長い時間走らされると気持ちが切れてしまうタイプで、本来このレースに向かないのだが、今回は内枠に入った。
密集した団子状態の馬群の中で揉まれながら道中レースが進められるようなら、集中力を切らさずに済む公算が高くなる。
ただ、例年縦長の流れになる事が多いのも確かで、高速馬場なら尚更その傾向が強くなるはずで...。

△⑯ウインバリアシオン
2012年は3着、2014年は2着と惜しいレースをしているように適性は高い。
しかしながら、基本的に鮮度要求の度合いが高いのがハーツクライ産駒の特徴でもある。
この路線にどっぷり浸かってしまっているだけに、昨年ほどのテンションでこのレースに挑めるかは疑問だ。

アドマイヤデウスは平坦コースでの持続力特性の強いミスタープロスペクター系の直系であり、且つトニービンの血も保有しており血統的には非常に面白いのだが、昨年の春は若葉S→皐月賞→ダービーとハードなレースを使われていく度にパフォーマンスを落としているのが気掛かり。
日経新春杯は休み明け、日経賞は2ヶ月以上レース間隔を開けての出走だったように、このクラスでレースをするならどうしても疲労が抜けたタイミングでないと苦しい。
アドマイヤドン産駒の疲労耐久指数は何と37(平均値50)と恐ろしく低い数字で、如何にレース後に疲労を残すタイプであるかを物語っている(泣)。
日経賞は2.30.2とかなり速いタイムでの決着になった長距離戦で、かなり馬体に負担のかかる競馬となったはず。
疲労を残した状態で、しかも極限の問われるレースで高速馬場の大外枠という不利を克服出来るとはどうしても思えない。ここは静観するだけに留めておきたい。


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天皇賞(春)2015回顧
横山典、人事を尽くして天命を待つ

夏影
14期 予想歴32年

次走狙い:キズナ
次走狙い:ラブリーデイ


ゴールドシップの特徴をおさらいしてみると...

①体力が無尽蔵にある
②性格は本質的に気の悪い集中力主導系で、気持ちに余裕を与えてしまうと自分の走り以外の事に気を取られてしまう。
③常にトップギアでの走りになる為に加速が非力でスタート直後のダッシュが利かないが、一旦スヒードに乗ればなかなか衰えない。

私が懸念していたのはまずスタート。
案の定、③の欠点からやはりスタートは後方に置かれた。
横山典の非常に巧いところはこの後だ。
『スタートの悪さは仕方が無い』と受け入れ、スピードが乗って来た1周目の4コーナーでゴールドシップの走りのリズムだけでポジションを押し上げているのだ。

気分良く1周目の正面直線を通過し、更に1-2コーナーを過ぎると、この馬の②の欠点の露呈が懸念される向正面に差し掛かるのだが、ここで横山典は"待ってました"と言わんばかりに手綱を全開にしごいてみせた(笑)。
これは②の欠点と①の長所をしっかり把握出来ているからこそ出来る究極の戦法である。
本来ペースが中弛みになり、ゴールドシップが退屈に感じてしまうタイミングなのだが、横山典はそうはさせなかったのだ。
この向正面さえ"気を抜かず"に走ってくれれば、坂頂上付近からは攻防が激しくなるので、ラストまで集中力全開で走ってくれる。

一見常識はずれに見える騎乗だが、実は馬の個性を100㌫把握した上で、スタートからゴールまで常に受け入れられる欠点は受け入れ、長所でカバー出来る欠点は長所でカバーした最高の騎乗をしていた事が全て私には理解出来た。
誰にも真似の出来ない究極のレースだったと思う。

以前、池添は阪神大賞典で掛かったオルフェーヴルの手綱を引いてしまい馬の走りを止めてしまった事があった。
これは、『馬を個性や心を持った生き物』と捉えていない考えの表れであり、車を運転する感覚で馬をコントロールしていた事の表れでもある。
『掛かる』、イコール『燃え盛る競走意欲』と捉えて受け入れていれば、阪神大賞典にしても『天皇賞(春)』にしても結果は違っていたはずだ。
案の定、次走の天皇賞(春)では自分の型にはめた競馬を馬に強要し、馬を退屈にさせた結果があの結果...なのである。



...この手の馬の主戦は一番やっぱり横山典がふさわしいですね。
引退までこのコンビでいて欲しいと思います。

私としては、複勝のみの的中となってしまい嬉さ半減となりましたが、最高のレースを見させて頂いてもの凄く感動しております。
カレンミロティック本当に惜しかったなぁ...(泣)

ゴールドシップはおそらく無理な競馬をしているので、かなり疲弊していると思われます。
宝塚記念までしっかり休養を取って欲しいですね。

次走距離短縮のペース激化で、キズナとラブリーデイの2頭に注目したい。

最後ゴールドシップの名誉の為に言っておきます。
ゴールドシップは『クセの悪い馬』なんかではありません。
本質は『頑張り屋』な馬なのです。
人間でも結構そういう人多いんじゃないですかね?...仕事が忙しいと滅茶苦茶バリバリ働くけど、暇になると作業を止めて無駄話とかついついしてしまうって感じ。
ゴールドシップはそんな感覚で競馬をしているのです。
だから、横山典は向正面で手綱をしごいて叱咤したのです『仕事しろ!』ってね(笑)。


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