宝塚記念2009予想
阪神で行われる芝2200の大きなレース

KUROSHIMA
08期 予想歴14年

◎マイネルキッツ
  7着/5人気

○スクリーンヒーロー5着/6人
▲ディープスカイ3着/1人
×サクラメガワンダー
×ドリームジャーニー


 ステイヤーとして開眼したマイネルキッツは距離短縮がどうかだが、少なくとも前走の天皇賞はうまく乗ったとはいえ、自分で勝ちに行ってつかんだ勝利。今回も4角で2、3番手以内の競馬ができれば、後続を凌げるだけの持続力はあるはず。元々大崩れしない成績が物語るように、器用さと立ち回りにかけては派手さこそないが、他の有力馬より一枚も二枚も上手。渋太い面があるので、直線うまく叩き合いに持ち込めればなお良し。阪神には初出走だが、京都の天皇賞然り、まだ見ぬ関西の競馬場がこの馬にとっては想定外のスイートスポットかもしれない。

 変わり身という点ではスクリーンヒーローも面白い。前走で本質がステイヤーでなかったことは明らかになったが、そもそも3歳時はラジオたんぱ賞やセントライト記念で好走しているように、中距離への潜在的な距離適性はあるだろう。前々で速い馬も少ない対戦相手だけに、ハナを切るくらいのつもりで先手を取れば、まだ意外性は秘めている。昨年の有馬記念ではダイワスカーレットにただ1頭喧嘩を売りに行く3角スパートが印象的。敗れたとはいえ5着、ドリームジャーニーやアルナスラインよりは強い競馬をしたのではと思う。

 ディープスカイは能力的にまず崩れることは考えにくいが、直線の長くて広いコースで素質を発揮している馬。阪神芝2200は全然ダメではないだろうが、パフォーマンスが更に向上するような条件とも思えない。早めの競馬も視野に入れているかもしれないが、終いが切れる馬というのは、他馬に並ばれる経験も少ないだけに、得てして叩き合いになると案外脆いもの。結果的に能力で圧倒してしまうかもしれないが、コース条件的には乗り難しさがつきまといそうなのが気持ち割引に。

 サクラメガワンダーの人気には正直驚いたが、この馬に関しては一言「弱い者いじめ」キャラというのが個人的な見解。カンパニーみたくGⅠに越えられない壁を感じずにはいられない。というよりも、強敵相手に反発するような競馬をした記憶がこの馬に関してはほぼ皆無。昨年の4着については、他馬が軒並み苦にするような極度の道悪を自身なりにこなした分と解釈したい。

 天皇賞3着のドリームジャーニーは、前走の最後の止まり方から今回の距離短縮に色気が出てくるのはもちろん当然の話。ただ、昨年の有馬記念4着もそうだったが、GⅠだと条件がうまく嵌っても少し足りない印象は否めない。大阪杯は文句なしの強い競馬だったが、あれがベストのレース条件と思えば、当時から200M延長の今回はむしろ不安が先行する。好走する時の競走条件が非常に限られた馬に映り、その点で今回は良くても3着までか。


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宝塚記念2009回顧
次走狙い、但しGⅠ以外に限る

KUROSHIMA
08期 予想歴14年

次走狙い:サクラメガワンダー
次走狙い:アルナスライン
次走危険:ドリームジャーニー


 個人的な話で恐縮だが、09年春のGⅠ戦線は馬券収支とは別で、荒れる荒れないに関係なく的中ゼロ、ほとんど掠りもせず。そういう意味で、今回予想で消しにした2頭で決まったというのも、自身の前半戦を振り返り何とも象徴的と思えるような苦い結末になってしまった。

 ドリームジャーニーは、単純に言えば阪神内回りの適性が抜けて素晴らしい。芝2200も割と終い1Fが時計を要する傾向もあるだけに、末脚勝負のこの馬には追い風に違いなかった。天皇賞春3着の競馬をそっくり当てはめた感じだが、コース替りと距離短縮が素直に嵌ったというのが率直な印象。レースレベルを「3」としたが、このレベルを担保しているのは実質ドリームジャーニーのみと判断したい。秋以降は舞台が東京と中山がメインに。このコース替りは実績上からあまり頂けないのも確か。今回は文句なしの完勝だが、秋はこの結果を一旦はずして検討してみたい。

 サクラメガワンダーがとうとう?GⅠで2着。しかも、正攻法の競馬で連対、予想では消しとしたがこの結果を評価しない訳にもいかない。だが、サクラに先着を許した3着~7着辺りまでを評価してみると、やはりその「弱い者イジメ」キャラは健在と見ていいだろう。

 3着ディープスカイは、小回りプラス早めスパートでパフォーマンスが著しく低下。4着カンパニーはGⅠのカベが顕在で高齢もネックに。5着スクリーンヒーローは距離適性は見せたが復調途上。6着アルナスライン、7着マイネルキッツは中距離のスピード競馬に転じて流れに乗り切れず……。

 サクラが負かした馬達はもちろん強豪だが、何らかハッキリした弱点を抱えていたことも確か。加えて、宝塚記念は09年前半最後のGⅠ。サクラは今回が春2戦目。GⅠ2着といっても、力と力のぶつかり合いという感じではなく、どこか他馬の隙と特異な消耗戦がもたらした結果に思えて他ならない。ただ、馬の充実度は文句なし。秋初戦の毎日王冠辺りなら、むしろ積極的に狙ってみたい。

 その他では、まず6着アルナスライン。「その時点でGⅠを勝っていない、菊花賞2着馬」という観点からも、GⅠではどうしても越えられないカベに阻まれている印象が。しかも、中距離の流れに思ったほど乗れなかった辺り、最低でも2400は欲しいクチ。馬の手応えは昨年以上なので、鉄砲でも秋の京都大賞典に出走なら相当期待できそう。

 7着マイネルキッツは、芝中距離になるとスピードと決め手が多少劣るのか持ち前の渋太さが鳴りを潜めている。それなら年末の有馬記念まで寝かせておいて、それまでは死んだフリでもしてもらえばかなり面白いのだが。


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