朝日杯FS2015予想
因縁の戦い

スカイポット
14期 予想歴18年

◎エアスピネル
  2着/1人気

○リオンディーズ1着/2人
▲ユウチェンジ4着/10人
△ショウナンライズ14着/6人
×シュウジ


 昨年は優勝馬ダノンプラチナを本命に、2着に入った14番人気のアルマワイオリを3番手に評価することができ、久々に10万馬券となる3連単を含む、約30万円の配当を得ることができた。朝日杯は中山の時代より相性の良いレースなのだが、良いイメージを持ったまま今年の予想に取り組んでいきたい。昨年、成功しているので予想の過程は基本的に昨年のものを参考にしながら(つまり、阪神JF同様の過程で)行うこととする。

 このコース条件で求められるのはスタミナと末脚。スタミナに関しては、距離実績(とその内容)である程度の判断が可能である。ベストパフォーマンスレース(BPR)とセカンドパフォーマンスレース(SPR)の距離実績が1200m以下までの馬は消しで、1400m以下の馬は、GS(グレイソヴリン)系の血統系統があるか、外国人騎手、指数1位馬を除いて軽視する。、

※BPRは一番近走の重賞3着以内、OP連対、条件戦以下勝利に該当するレースのことであり、SPRは二番目に近走のレースである

 スタミナ判定の次に末脚の分析を行う。阪神マイルは、外回りコースができてから末脚が非常に重要となっているが、中団で折り合って、流れに乗った上で速い末脚が使えることが望ましい。第一に、上がり連対経験を必要とする。

 末脚の力を測る具体的な判断基準として、A.BPRまたはSPRにおいて、3角12番手以降または4角11番手以降の追い込みではなく(上がりが2位より0.8秒差以上速い場合を除く)、B.当該レースにおいて上がり2位以上経験がある(A.が1番手の場合は3位まで可)、とする。

 続いて能力である。これは、暫定的ではあるが阪神JFと同じく指数1位を有力視する。なお、1800m以上からの臨戦馬の指数は多少低くても軽視してはならない。

 次に、未知馬や1800m以上での低指数馬の手応えを確認する。手応えが並み以下だった馬については、指数1位、中弛み超スロー勝利、重馬場等のリスク、持続SHPに注目する。

 以上の項目について、2015年のメンバーを分析していくこととする。

 スタミナの土台として、BPRとSPRが1200mというまず消しで良い馬は、コパノディール、サイモンゼーレ、スリラーインマニラ。

 BPRとSPRが1400m以下という馬に該当するのは、シャドウアプローチ、ショウナンライズ、ボールライトニング。除外項目に当てはまるのは、シャドウアプローチの1頭。他の馬はマイナス評価をつけておく。

 続いて、末脚を確認する。まずは、上がり連対経験がこれまでにない、サイモンゼーレ、スリラーインマニラを消しとする。戦績の割に上がり連対実績に不安があるアドマイヤモラール、タイセイサミットはマイナス評価をつけておく。残っている馬で、BPRまたはSPRにおいて、3角12番手以降または4角11番手以降の追い込みではなく、当該レースにおいて上がり2位以上経験がある(逃げの場合は3位まで可)を満たせない馬はなし。

 指数について。まず、指数56のラインを割り込んでいるアドマイヤモラール、ウインオスカー、コパノディール、サイモンゼーレ、スリラーインマニラ、ツーエムレジェンドは消しで良いだろう。また、指数がぎりぎりのシュウジ、シャドウアプローチにはマイナス評価を付ける。さて、このレースの中心軸となる指数1位馬はエアスピネルである。

 前走の手応えが楽だった馬はエアスピネル。血統的にスピードタイプではないのでプラス評価をしておく。中弛み超スロー勝ち経験馬はリオンディーズ(新馬戦)、ボールライトニング(新馬戦)で、こちらもプラス評価。

 消しに至らなかった馬について、減点材料が少ない順にコメントする。

11.エアスピネル(武豊)
 デイリー杯組は安易に信用してはならないというのが朝日杯予想の定石だったが、それは先行力や器用さが重要だった中山時代の話。加えて、デイリー杯のスケジュールも1か月以上朝日杯に近くなっている。デイリー杯時の指数はそれほど抜けていない(例えば、アルテミスS時のメジャーエンブレムよりも低い)が、今回のメンバーでは頭ひとつはリードしている上、前走は外枠先行という折り合いにくい条件をクリアしつつ、追ったのは残り300m~200mくらいでまだ底を見せていない内容だった。調教はこの世代でも上位の内容であり、勝利に最も近い存在だろう。エアメサイアの仔であり、武豊騎手は中央平地G1の全制覇がかかるが、立ちはだかるのはエアメサイアが2005年のオークスでクビ差負かされてしまったシーザリオの仔、リオンディーズ。世代を超えた戦いとなった。

15.リオンディーズ(デムーロ)
 新馬戦のレースラップはテン2F目が11.5秒と遅くない流れながら、上がり2Fが11.1-11.0の中弛み超スローペース。この馬自身のラスト3Fは11.4-11.0-11.0といったところだろうか、ラスト100mでは手綱を緩める余裕があった。特筆すべきは、道中1000m通過まで引っ掛かり通しだったにもかかわらずこのパフォーマンスを出していること。同レースの2,3着馬は既に勝ち上がっているようにレースレベル自体も低くなく、初期指数57台はかなり高い。G1級と思しきエアスピネルを負かすとすればこの馬だけではないか。ただし、調教内容はエアスピネルのほうが上であり、折り合い面の不安もあるので(外枠はこの観点でマイナス)リスクはある。

6.ユウチェンジ(川田)
 秋開催の東京中距離ではGS系の血統系統を持つ馬の期待値が上昇する印象があるが、同様に阪神マイルでもその傾向がある。先週もまさにGS系を母方に持つウインファビラスが10番人気2着に激走しており、引き続き狙う価値はあるのではないか。ユウチェンジは指数を固定後(3走目以降)に上げているのだが、ジャングルポケット産駒が指数を安定させないのと同様の現象が、GS系(または更に広いナスルーラ系)を持つ馬に起こりやすいのかもしれない。前走のアイビーSではゴール直前にヒプノティストに接触した影響の負け。最終追い切りの内容はエアスピネルと同等で(自分が見る限り、12/17の追い切りは馬なり~仕掛け程度)、速い流れに対応できれば馬券圏内に入れる素質はあると考える。

7.イモータル(武幸)
 前走は直線で前が壁になる不利があって、先に抜け出したブレイブスマッシュを捕え切れなかったように見えた。持続SHPに秀でており、1番人気馬を含めて先行馬が多くて前掛かりになりそうな今年においては好走可能性が高そうに思っていた。マイナス要素としては何と言っても騎手だろう(戸崎騎手から武幸騎手に乗り替わり)。武幸四郎騎手はG1で好走例があるが、それもかなり昔の話になってしまった。人気馬で横綱競馬ができるタイプでもなく、極端な戦法を採って自滅するおそれは無視できない。また、調教内容があまり良くないので、調子落ち等のリスクも感じられる。

9.ボールライトニング(蛯名)
 新馬戦では、1400mで中弛み超スロー戦を馬なりのままで勝利しており、続く京王杯2歳Sを勝利。中弛み超スロー勝ちの価値をまたも証明することとなった。この馬はダイワメジャー産駒であるが、この産駒の傾向は、持続SHPの影響が大きくなる条件(複勝回収率は、阪神94%、中京93%、東京、札幌87%、新潟84%、中山、京都73%、函館62%、小倉56%、福島51%となっている)が得意であること。阪神は最も得意としており、いずれかの馬が穴をあける可能性もあると期待している。しかしながら、この馬は1400mの2連勝がいずれも先行でのもの。そして、流石に前走では余力は感じられなかった。無敗馬の割には人気が落ち着いているのだが、例えばこの馬よりも若干高い指数を出しているショウナンライズと比べると期待値は下がるか。

14.ハレルヤボーイ(浜中)
 イモータル同様、展開に恵まれて後方から末脚を伸ばしてくることを期待できる馬。ただ、ド派手(上がり3Fが2位より1.4秒も速い)だった中山での未勝利戦の勝利はハイペースに乗じたものであり、2着のアートラヴァーは次走11着に大敗するなど相手に恵まれてもいた。外枠を引いたことも折り合い面のマイナス要素であり、積極的に狙いたいとは思えなくなったため、おさえまでとしたい。

10.タイセイサミット(アッゼニ)
 前走の東スポ杯では、スタート直後に接触があって普段のように先行できず、直線でも勝ち馬に寄られた影響で少しブレーキを踏まされた。不利があったにしては上々の内容であり、差す競馬でもパフォーマンスが落ちないこともわかったところ、価値のある敗戦だったと思われる。上がり実績ではやや見劣るし、血統系統的にやや軽い(母父エンドスウィープ)ため、本線で狙う馬でもないと思うが、指数は2番手の一線にいながらかなりの人気薄であるため、積極的におさえておきたい。

2.ショウナンライズ(池添)
 前走のくるみ賞では、2番手先行から上がり最速で京王杯2歳Sよりも速い時計で勝利している。道中のラップ等を踏まえると京王杯と同等の内容ではあるが、ボールライトニングより人気をしないのであれば妙味はあると思う。内が良い条件であれば、内枠で勝負をかけられる騎手であることも強調材料となる。レースぶりからはスピードタイプと見て良いのだろうが、母父がRG(レッドゴッド)系であり、距離はこなせても不思議ではない。

12.シュウジ(岩田)
 調教時計が速いためか、引き続き上位人気に推されている。前走のデイリー杯では、直線入り口での手応えは悪くなく、直線残り300mまで仕掛けを待ったにもかかわらず、エアスピネルに完敗し、ノーブルマーズにも半馬身差まで詰め寄られてしまったこと、走法がピッチであることから、明らかに距離適性は短いところ向き。前走時、岩田騎手はできれば抑えたかったものの、馬の行く気に抵抗できず逃げる形となってしまっており、外枠に入ってしまった今回も制御が難しい。京都マイルはスプリンターでも好走できるコースであったが、阪神マイルは末脚勝負になるため、条件の悪化は確実と考えられる。等々、昔の中山マイルであれば(キャプテントゥーレの反省から)買わなければならないだろうが、この条件では買いたいと思う要素がないため、思い切って消去することとした。

14.シャドウアプローチ(中谷)
 父が天邪鬼なジャングルポケット(GS系)なので注目していたが、G1実績のない騎手への乗り替わりと外枠を引いたことで狙いは大幅に下落した。流石に厳しいと見て消しとする。

結論
◎エアスピネル(指数1位。調教良し)
○リオンディーズ(中弛み超スローペース勝ち経験あり。高い初期指数)
▲ユウチェンジ(調教良し。天邪鬼なGS系を有する)
△ショウナンライズ(指数上位の1頭。内でロス少なければ浮上も)
△イモータル(指数上位の1頭。乗り替わり、調教はマイナス)
△ボールライトニング(指数上位の1頭)
△タイセイサミット(指数上位の1頭)
△ハレルヤボーイ(指数上位の1頭)


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朝日杯FS2015回顧
グレイソヴリン系に泣き、笑ったシーズンでした

スカイポット
14期 予想歴18年

次走狙い:リオンディーズ
次走狙い:エアスピネル
次走危険:シャドウアプローチ
次走危険:ユウチェンジ


 最後の直線、手応え良く抜け出したエアスピネルを、後方大外からストライドの大きい走法で追い込んできたリオンディーズが差し切って優勝しました。そこまでは予想通り。問題の3着は大混戦でしたが、クビ差抜きん出たのは何とノーマークのシャドウアプローチでした。

 シャドウアプローチはグレイソヴリン系のジャングルポケット産駒。今期の途中でも反省を入れながら、先週の阪神JFではウインファビラスの評価にも繋げていましたので、なぜ消してしまったのか、悔いの残る1戦となりました。

 ルメール騎手であれば間違いなく買っていましたし、普通の騎手でもそうだったでしょう。替わりの騎手が中谷騎手に決まった時に、先入観で「消せる」と思ってしまったのが運の尽きでした(予想文を見ても、非常に乱暴な消し方をしてしまっています)。中谷騎手は枠なりに外々を回らされていたので、腕で持ってきたというよりは馬が距離延長を問題とせずに能力を発揮したと思いますが、ヘグらなかったのは評価すべきでしょう。

 時の運(紛れ)に敗れたというのも強調したいところであり、3着以下は0.2秒差に9着までひしめいていましたし、4着のユウチェンジと7着のタイセイサミットは直線で進路を失ったロスが響いていて、不利がなければ3着に届いていてもおかしくなかった内容でした。

 特に、狙っていたユウチェンジは惜しかったです。シャドウアプローチもグレイソヴリン系ですが、このあたりはやはり血統に好走理由を求めるしかない気がします。ラップはテン2Fに10.8秒を踏んでいますから、先行馬に厳しいタフな流れになっていますが、こういった展開でも踏ん張れるのでしょうね。タフ系の「持久SHP」や「剛力SHP」に関連があるような印象です。

 馬券の選択上、シャドウアプローチを拾っておいてもよかったということに加えて、リオンディーズ→エアスピネルを読めていたのに、その馬単13.4倍をカバーしていなかったことも反省ですね。1400mがBPR、SPRである馬の取捨のラインも正しかったことになりますし、予想過程は間違っていないので、高配当は来年に挑戦したいと思います。

 連対馬2頭は指数63以上なので、G1級。来年もクラシックを引っ張るでしょう。危険馬は、この好走で人気の上がるだろう天邪鬼なGS系。

 回収率は0%と情けない結果でしたが、予想において読めている部分の幅が予想文から伝われば幸いです。


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