NHKマイルC2016予想
高速府中の距離適性は、実距離マイナス2ハロン

夏影
14期 予想歴33年

◎シゲルノコギリザメ
  18着/14人気

○メジャーエンブレム1着/1人
▲ストーミーシー9着/10人
△シュウジ12着/8人
×イモータル
×ロードクエスト


最近のマイルG1は、どのレースにしても中距離質の体力よりも、ひたすら道中のスピードがモノを言う傾向になってきている。
特に馬場状態が良いタイミングで行われるこのNHKマイルCとヴィクトリアマイルはその傾向が顕著である。

このレースの過去5年の勝馬のうちの3頭は先行脚質。
レースの上がりタイムはそのいずれも34秒台と、とにかく前が止まらない。
更に過去の好走馬を見てみると、ファイングレイン、キンサシャノキセキ、ローレルゲレイロ、グランプリエンゼルなど、後に1200㍍で活躍する馬の存在が目立つ。

ヴィクトリアマイルにしても、過去5年の勝馬のうち4頭は4コーナーで5番手以内の位置取り。
昨年の勝馬ストレイトガールは1200㍍中心に活躍していた馬であり、大逃げしたミナレットはシンガリ人気。実力的に『?』の付く馬ですら、道中のスピードにモノを言わせて競馬が出来れば好走出来てしまう類のレースだという事が解る。
毎年毎日王冠の予想で話している事だが、府中の高速馬場はとにかく道中の減速加速が少なく、その際に生じるスタミナロスも当然少なくなる。それ故に2ハロン短めの距離適性を持つ馬が穴を開けるのである。
高速馬場でマイルのペースは、当然従来のマイルのペースよりは速くなる。
マイラーが、スプリンターのスタート時の加速や道中のスピードで追走するとなると実際しんどいものだ。
本来スプリンターにとってマイルという距離は、体力的な部分で絶対的に不利になるところだが、馬場が良すぎて減速加速が無くなるとスタミナロスも少なくなる。
それ故に素直に短距離馬の体力が殺がれる事なくスピードがのみが生かされるのである。

そんな訳でメジャーエンブレムは素直に評価するのだが、潜在的スピード能力に着目するならばまずはシゲルノコギリザメだろう。

父スーパーホーネットは、1400㍍のスペシャリストで末脚のキレに定評のある馬だった。
1400㍍は競馬で最も体力を必要としないレースである。
レース終盤は体力を残しての攻防になりやすく、これを差すとなると、末脚のトップスピードの違いを武器に差す事になる。
即ちスーパーホーネットは末脚のトップスピードに非常に秀た馬だったという事が言える。
母父タイキブリザードは中距離での活躍が目立った馬だったが、実はコテコテのアメリカン。
やはりスピード秀た馬で安田記念を優勝している。
スピードに秀た馬であって当然の血統背景があり、その恵まれたスピードを父とは逆にテンに生かしているのが同馬の特徴である。
ファルコンSは内容は圧巻、不良馬場で自身前半33.9の殺人的なペースで追走しておきながら3着に粘っている。おそらく道中のスピードは世代トップレベルで、力量もかなりのものだ。

メジャーエンブレムの父ダイワメジャーは個性的な輪郭をぼんやりさせる種牡馬で、母父オペラハウスはヨーロピアン的な重苦しさのある血である。
今までの競馬からスピードも力量も認めるが、スピード面だけに関して言えば、おそらくシゲルノコギリザメの方が上手というのが私の評価である。

おそらくメジャーエンブレム自身は、自滅しない程度の速いペースで競馬を進めていく事になるだろう。
血統的に中距離色の強いメジャーエンブレムで『自滅しない程度の速いペース』ならば、短距離色の強いシゲルノコギリザメにとっては『楽な流れ』という事になる。

道中の行きっ振りとスピードが問われるレースなら、じっくり構える競馬に高い適性を持つ馬には用はない。
ロードクエスト、イモータルは人気でも切り捨てる方向で考えたい。
差し競馬にヤマを張るなら短距離色が強く、且つハイペース差しに適性のある馬、ストーミーシーに注目だ。
単調なスピード持続性に富んだミスプロ系の父に、母父は軽快なスピードを持つカーリアン産駒のゼンノエルシド。
軽薄なノーザンダンサー系の血を持っているという点では、シゲルノコギリザメと共通している。


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