10期 予想歴19年
◎マカヒキ
1着/3人気
○スマートオーディン6着/5人
▲リオンディーズ5着/4人
日本ダービーの展開予想の前に、まず土曜の馬場を整理しておきたい。土曜を見ると少し読みにくいところはあるんだが、それでも未勝利マイルでも1:34.0、もちろんペースはそれなりに流れたが、というのはあるし、全体で見ても雨がそれなりに降っていたことを考えたら影響はさほどでもなかったかなと。1000万下だとスローで1:33.9だからなんとも言いがたいが、土曜の段階で高速状態~稍高速ぐらい、昨年のダービーの前日に近いぐらいの馬場なんだが、昨年は雨の影響はなかった。回復傾向でかなりの高速状態を想定しておいたほうが良いと思うし、超高速まで上がる可能性も考えたほうが良さそう。皐月賞の面々が厳しい流れになれば恐らく23秒半ばぐらいは普通に出てくると思うし、このメンツだと流れれば22秒台まで視野に入れたほうがいいかも、というぐらいのイメージかな。
その上で展開予想。内からマイネルハニーが行くというのは恐らくほぼ確定、それを外からアグネスフォルテが番手で先頭列の隊列は恐らく早い段階で出来上がる。その中で外から内に切り込んできそうなのがアジュールローズやマウントロブソンでこれが2列目の中に入り込む形をとるか前2頭を突く形を取るかで変わってくるかなと。ノーザンでも少なくともキャロット勢はリオンディーズがエース、それに対してアジュールローズが先行して突く形でリオンを内に入れるスペースも確保するという形を取ってくる可能性は高いかなと見ている。内からある程度先行しそうなのがエアスピネル、サトノダイヤモンドと好位~中団ぐらいの馬という感じになるし、レインボーラインなんかはこの2頭を見ながら中団で内に入り込んで我慢しそうなので、スタートがそこまで上手くないディーマジェスティはそれより後ろになる可能性が高いかなと。マカヒキも含めて恐らく後方だろう。リオンは気性難と戦いつつも今回は少し下げてくると見ていて好位~中団といったところになるかな。完璧に最内は難しいと思うが壁を作りにくるだろう。最序盤はそれなりには流れそうだが、それでも極端ではないかなと。恐らく逃げるマイネルハニーの列では59秒台に入ってくると思うが道中少し息が入ってという形で昨年のようなケースになる可能性が高いかとみる。まあ昨年の場合は仕掛けが相当遅かったのでL2最速顕著になったが、ひとまずバランス的にはハイペースで流れたようで息が入って総合力勝負という形を想定する。トップスピードの質を基本的に最重要視しつつ、皐月賞やそれまでの競馬の中で基礎スピードの幅を見せてきた馬、+ギアチェンジの性能が高い馬を狙いたい。前の隊列はブレイブスマッシュのノリがどういう競馬をしてくるかでちょっと変わってくるが…イメージ的には59.5-25.5-59ぐらいの流れで少し緩むことで上がりきらずの2:23.0を一応イメージ。ただ展開は読みにくいので決め打ちはせずに、ドスローになっても大丈夫な馬を中心には据えたい。青葉賞のような超ロンスパの形は前半がそれなりに上がるので無いと見る。
◎マカヒキは今回のダービーの予想の象徴になってしまったけど、底を見せていない馬の中で、魅力的な馬をとなるとこの馬になったと。皐月賞の場合は中山2000で超高速馬場だと基本的に流れるのは当たり前。今年も58.4-59.5と明確にハイの中で脚を使わされるリスクをはらんでいたがそれを全く問題としなかった。12.5 - 11.5 - 12.4 - 12.2 - 11.6 - 11.8というラップ推移で3~4角の緩みがあっての4角出口再加速だがこの馬は外から押し上げながら取り付いて完璧に川田が運んでくれた。それでも直線入りでの反応で少し見劣ってディーマジェスティに先に抜けだされてしまってL1でバテ差してきた形である。L1で11.8のところを4馬身差から1馬身ちょっとまで詰めていて、恐らくここで11.3前後を刻んできている。L2-1をフラットぐらいで進めてきていて、坂の上りでも減速せずにぐんと伸びて差を詰めてきたという形になる。これは弥生賞もそうで、弥生賞は恐らくこの馬としては2F戦、ハイペースだが極端な淀み、極端な2F戦の中で12.8 - 12.5 - 12.5 - 11.3 - 11.3とこの2Fで明らかにキレてリオンを捕らえている。L1はリオンでも11.3でまとめている、減速していない中でこの2Fで明確にキレて捕らえきったのは素晴らしい。L2の段階ではまだそこまで詰めていなかったし、この馬としては思ったよりもエンジンの掛かりが遅くて、トップスピードの質も極めて高いがもしかするとTS持続力が非凡かもと。同じく底を見せていないサトノとの比較で考えるとトップスピードの質ではこちらの方が見せているものは上。しかもエンジンが掛かってからのTS持続力は皐月賞でも見せたように底を見せていないのだから、これはやはりダービーの舞台では魅力。それとコーナーでの加速で少し手間取っているような感じもあり、圧勝したが若駒Sでも3~4角での動き出しの感じはいまいちで直線序盤で徐々に点火し若干だけタイムラグがあってL1でようやくエンジンが掛かりきるという印象。あまりにハイレベルなのでレベルの低いところではわからなかったが、弥生賞はそもそもコーナーで前が我慢していたので楽々押し上げられたし、皐月賞の感じからは3~4角完璧に川田が進路をイメージ出来ていたのにディーマジェスティに出し抜きを食らうとはちょっと驚かされた。その点からも3~4角がゆるやかでかつスパイラルカーブの府中、そして直線が長い分だけ加速のタイミングを早く進めやすいという点で見てもダービーでこそだと思う。皐月賞でハイペースを追走したのもあるが、この馬自身あのペースを後方で脚を残しながらしっかりと高いレベルで後半のトップスピードの質、そしてL1上り坂でも減速していないレベルでTS持続力を見せてきている、かつスローならトップスピードの質を高められるところからも距離は心配していない。できればもうちょっと外枠のほうが信頼しやすかったけど、あとは川田を信じて任せます。とにかく3角までにしっかりと動くまでのイメージを持って進めてほしい。
◯スマートオーディンは逆にマカヒキやディーマジェスティを逆転する形の馬を狙うのであればやはり出し抜きタイプになると思う。エイシンフラッシュの時ほど極端などスローと言うのは勘弁だが、それでもこの馬の場合は前走の京都新聞杯は評価したい。切れる脚を使ったということよりも単純に60.8-59.5と最低ラインの基礎スピード面をクリア出来たこと。皐月賞だとこれでは不安だが、ダービーだと仮に前が59秒台で引っ張ったとしても無理せず追いかければいいしどこかで緩むので取り付ける。スローバランスだが極端でない中で12.3 - 12.8 - 12.2 - 11.8 - 10.8 - 11.9とL2最速戦で4馬身差ぐらいを一気にL2だけで3馬身以上詰めてきている。この辺からもこの馬自身推定で10秒台前半~遅くとも半ばの極上のキレを引き出していることになる。この時は雨も少し残っていたし、今年は通して極端な高速状態にない淀でこのペースでこれだけの究極的なトップスピードの質を引き出すのは難しい。マカヒキと違ってこの馬の場合は京都新聞杯でなんとか底上げできたとはいえ基礎スピードに不安があるので前半無理はしないほうが良い。その代わり極上の切れ味があることと、そこまで点火するまでのギアチェンジが非凡でマカヒキと違って瞬時にトップスピードに載せられるという武器はやはり大きい。ペースが上がってくると実質平均で60秒を切る形で追走しても不安があるので本命にはできないが、一定レベルでコントロールされてそこから各馬が牽制し合った時のその中でじっとしても要所で優位に立てるギアチェンジがこの馬最大の武器になると思うし、もちろん究極的なトップスピードの質も高い。流れが読みにくいダービーでは大きな武器ではあるし、噛みあわなければ吹っ飛ぶ可能性ももちろん高いが、逆に噛み合えば勝利を意識するだけのキレを持っている。マカヒキやディーマジェスティより前で仕掛けを待って馬群の中で進めながら、瞬時の反応の良さでしっかりと出し抜きたい…刺さりグセに注意しつつになるが…。
▲リオンディーズ
結局この馬を単穴のポジションに入れることにした。3走前のパフォーマンスを冷静に振り返った時に、少なくともあの時の少し時計が掛かっていた馬場の中でL2で見せたトップスピードの質ってのはやはり再評価すべきだろうと思う。阪神芝外1600mで平均ペースだが中だるみ顕著、12.6 - 12.7 - 11.9 - 10.8 - 11.7とレースラップで見てもL2最速10.8は速い中で後方から上手く中だるみで取り付いたにせよ直線序盤の最速地点で最後方列、先頭との差は恐らく5馬身はまずあったという中でL2の段階でぐんと伸びて2列目まで押し上げている。恐らく3馬身近くは詰めているわけで、そこからL1では流石に明確に減速ラップを刻んだものの、この瞬間的なトップスピード面は非凡、10秒前半も視野に入ってくるはずのレベル。もちろんここ2走はそういう競馬にならなかったし無駄の多い競馬に結果的になった。2走前は前半早く入ったが中盤無駄に緩みすぎたことと仕掛けが遅く2F戦になったことで後方で楽に脚を残していたマカヒキに差し込まれた。結果的には切れ負けしたがこちらが無理なく自分の競馬を進めていたら、という面も当然ある。前走に至っては58.4-59.5と明確にハイだし超高速馬場で風の影響もあって気持よくスピードに乗って行ったのも大きい。ギャンブル的にはあれも仕方ないところはあるが、結果として前半に足を使い果たした感は強い。またあれによって今回気性的なコントロールが難しくなるのは必定だが、それでもそれをクリアすれば持っている後半のトップスピードの質に関してはマカヒキやスマートオーディンら相手に戦えるだけの目途を立てている唯一の馬とも言える。基礎スピードの幅自体は弥生賞で見せてきたが、前半無理をしないことで後半の鋭さを引き出す競馬ができれば面白い。
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