14期 予想歴19年
◎ヴゼットジョリー
1着/3人気
○イブキ3着/2人
▲モーヴサファイア8着/1人
△オーバースペック2着/6人
新潟2歳Sは長い間苦手意識があり、予想自体を回避することも多かったレースであるが、上がり実績や血統系統等の見立てを使用するようになった3年前から攻略の糸口をつかみつつある。今期は昨年に引き続き、走法、上がり、血統系統を中心とした切り口で、より精度の高い予想を配信できればと考えている。
過去の新潟2歳Sの馬券圏内馬のほとんどは、(1)持ち指数が元々高かった馬か、(2)走法に適性があった馬(もちろん、それなりの能力は必要だが)、(3)前走が新馬戦で力を出し切っていない馬、のいずれかに該当する。
走法の適性で求められる性質は、「s」(ストライド)、「a」(滞空力)、「g」(ギア)のうちのいずれかに該当すること、「p」(ピッチ)ではないこと、の2観点で見極められる。
若駒戦予想開始からの過去12年の馬券圏36頭のうち、上記の走法に適合していた馬は27頭。残り9頭中、元々指数が高かった馬が5頭、力を出し切っていない馬が3頭。例外はツクバホクトオー1頭だけと整理している。
逆に、過去12年の1,2番人気馬で、馬券圏から消えた馬の走法を確認したところ、上記の走法に適合していたのに圏外となった馬は、ヒプノティスト、カラフルブロッサム、タケミカヅチの3頭だけであり、この条件における走法の重要性を感じるところだ。
また、過去12年の3着以内馬36頭の前走上がりは1位が28頭と圧倒的で、2位が5頭。上がり連対でない馬の好走は3頭しかいない。そのうち2頭は前々走に上がり連対をしていたので、前2走に上がり連対実績がない馬は基本軽視で良いことになる。
血統系統は、過去12年の3着以内馬36頭のうち、父方と母方いずれかにSS系、ND(ノーザンダンサー)系、GS(グレイソヴリン)系、RG(レッドゴッド)系のいずれもがなかった馬は5頭しかいない。
走法適性(s,a,g)あり、前走上がり1位、血統系統4系統あり、の3条件の分布を見るに、過去12年の3着以内馬36頭のうち、2条件以上満たしていた馬は33頭。非該当はピークトラム、マイネルレーニア、コスモミールの3頭だけだが、レース時指数は既に圏内だった馬である。
これらの観点から今年の予想に入っていきたい。
走法の観点から軽視できてしまうのが、ピッチ走法のワールドツアラー。
また、ストライド等の求められる走法適性を持たないと思う馬は、アピールバイオ、アンジュシャルマン、ウインシトリン、オーバースペック、キャスパリーグ、サンライズソア、チシャーキャット、マイネルバールマン、マイネルパラディ、マテラフィールド。昨年、指数が通用できる位置にいたウインファビラスが馬券に絡んだように、これだけで消すのは危険だが、軽視材料にはなる。
上がりの観点では、前2走に上がり連対のないクイントゥープル、サンライズソア、チシャーキャットが軽視できる。また、芝レースの前走で上がり3Fが36秒以上かかっていた馬の馬券圏は過去1例のみ(稍重)。この点でもクイントゥープルは軽視となる。
血統系統からは、オーバースペック、ワールドツアラーが4系統いずれも持っておらず軽視対象となる。
3条件中、2条件合致をクリアできていない馬は、アンジュシャルマン、オーバースペック、キャスパリーグ、サンライズソア、チシャーキャット、マイネルバールマン、マイネルパラディ、ワールドツアラー。前走、持続する末脚に余力を感じさせたオーバースペックと上積み警戒種牡馬産駒のキャスパリーグを除き、割り切って消去する。
<消去>
アピールバイオ(木幡巧)
前走は2着を1.3秒も離す大楽勝で、それなりに人気になりそうと思っていたのだが、11番人気は想定外。それでも、逃げての楽勝、直線もしっかり追われており、走法もノーマルという判定なので、狙うというのも違うか。
ネオユニヴァース産駒はパワータイプが多く、複勝回収率は芝が56%、ダートが94%といつの間にかダート向き種牡馬になってしまっている。また芝の開催地別では北海道の2コースで複勝回収率80%超、中山、中京、京都で60%超となっているものの、その他は壊滅的(新潟は50%で新潟マイルは4%)。
更に、前走の3,4角を1番手で走った馬が馬券に絡んだのは過去12年でマイネルレーニアとフローライゼのみ。
前走が中弛み超高速上がりラップに近いのが気持ちの悪いところだが、消しで良いのではないか。
<おさえ候補>
キャスパリーグ(藤岡佑)
走法はピッチとは言わないがノーマルな掻き込みという判定。基本的には軽視して良さそうだが、上がり競馬が得意で、上積みが大きい傾向があり、上位クラスで活躍しやすいディープインパクト産駒なのでおさえておいてもよいかもしれない。兄リアルキングは微妙。
ウインシトリン(丸山)
走法はノーマルという判定。データでは牝馬限定戦の勝ち上がりがマイナスと言われているが、初戦のメンバーの次走を見るにレベルは低くない印象。上がり1位馬でもあるし、おさえは必要か。
マテラフィールド(松若)
2戦経験しながら指数54程度では通常年のレベルで決着すると考えれば厳しい馬であるが、走法は掻き込み振り出し可変の{v}のみと判定しつつ、ストライドに見えなくもないので、微妙なところ。前走上がり1位でレジェンドセラーに迫ったことを考えれば、おさえておく価値はありそう。
<相手候補>
オーバースペック(岩部)
こちらも走法をストライドと少し迷ったものの、ノーマルという判定。持続SHP色が強く見える末脚で、直線の短かった前走では力を出し切っていないとも考えられ、例年の決着水準には足りない指数だが一概には軽視できない。
ただし、前走の位置取りに二桁番手があった馬の馬券圏は過去12年で、2015年のロードクエスト、マコトルーメン、2012年のノウレッジ、2005年のショウナンタキオンの4例のみ。4頭はいずれも前走が上がり1位で走法適性があった。
<本線>
モーヴサファイア(石橋脩)
走法はストライドの判定。新馬戦は、2着にハイレベル未勝利戦勝つラヴィングアンサーがおり、そこそこのレベルにあると思われるし、上がり1位で血統系統的もクリアしているので普通に高評価となる。ハービンジャー産駒は現状とても成功しているとは思えないが、このコースが特に苦手ということもないし、2~3歳戦のG3での複勝回収率は100%を超えており、格が足りないとも言えないと考える。兄にブラックスピネルがいる。
イブキ(田辺)
走法はストライドの判定。1800mローテで上がり2位という点がやや不足感もあるのだが、ルーラーシップ産駒であることに期待がかかる。同産駒は既に5頭が勝ち上がっているが、イブキの他は、マテラフィールドに手応えで勝ったストライド走法のレジェンドセラー、残り200mまで追い出しを待って追い出すとストライド走法で後続を突き放したダンビュライト、2000mの新馬戦で直線最後に滞空力を感じさせたキングズラッシュ、同じく2000mの新馬戦でストライド走法で勝利したマテラレックスと、いずれも父に似て走法が良いので、キングカメハメハの後継候補になる良種牡馬になっていくのではないか。その一端を見せてくる可能性に賭けるのもありかもしれない。
ヴゼットジョリー(福永)
走法に滞空力{a}を感じたため、1400mからの臨戦であるが本線に引き上げた。ローエングリン産駒は1200m~1800mの距離に適性が高く、パワーと持続力に優れており、新潟を得意としているわけでもないが、母父SSはG1でも好走したロゴタイプやゴットフリートと同じ配合のため上位クラスのレースにも対応できる可能性はある。姉にはベルルミエールがいる。
馬券は上記の分類に応じて選択する。
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