秋華賞2016予想

カタストロフィ
10期 予想歴19年

◎ジュエラー
  4着/2人気

○フロンテアクイーン14着/12人
▲ダイワドレッサー15着/13人


 土曜の馬場を見ると、まあ1200でも7秒台が出ているわけで少なくとも高速状態なのは間違いないと思うが、極端かといわれるとメインの清水S、堀川特別のレースラップを見てもそこまで極端ではない、という結論。普通の高速馬場とみておきたい。馬場は4角L3最速だと内有利になりやすいという側面はあるし、全体で見れば外差しもある程度利く、やや内有利だが外が絶望的というほどではないかなという感じで。


 まあ正直かなり悩んだなあ。今回は本当に自信があまりない。まず展開が読みにくい。通常秋華賞は大体流れるのが常識だし、59秒ではまず流れるとみておきたいんだが、今年はエンジェルフェイスにクロコスミアといったところがハナを主張してくるとなると案外コントロールしてくる可能性はある。特に岩田の逃げ番手はスローに落とすのが基本線になるから、これがペースをコントロールしてのドスローという可能性はまず一つ考えておく必要はある。とはいえ、外から恐らく3コーナーまでは目立ちたいワンダーピルエットや大外で苦しいにせよ前に行かないと始まらないネオヴェルザンディあたりも最序盤からゴリゴリに来そうなので内の2頭がスローに落とすと外から行ききる馬が出てきて単騎の状態になるという可能性もある。特に内に有力馬が固まったこともあって例年に比べてもかなり展開が読みにくいなというのは感じる。ただ馬場自体はやはり時計が出易いので、他の馬もある程度前前を意識してくると思うのでその辺りを考えてもせいぜいややスローまでで留まるだろうと。基本的には流れる想定で、59-59前後ぐらいを基本としてイメージしておくが、場合によっては59.5-58.5ぐらいのスローはあると思っている。後半はビッシュの動きがポイントになるしこの辺りだろう。


◎ジュエラーは悩みに悩んでの本命。枠が出る前と出た後で色々と変えざるを得なかったな、というのが一つある。展開が読みにくいこともあるのでその中でトップスピード面の高さを持っている馬を狙いたかったし春の実力から考えてもトップスピードにしっかりと乗せられれば質、持続力は世代最強でシンハライトとともに他と2段階ぐらい違う。前走ローズSの敗因は個人的には骨折明けで前哨戦ということもあったがそれだけでなく、重馬場でペースが読みにくくなったことで12.5 - 12.2 - 11.7 - 10.9 - 12.0と中盤で相当緩んでL2の地点で一気に加速するという阪神外でもギアチェンジを相当レベル要求された。ここで動かなかったのもあってミルコも諦めた感じ。この馬はこれまでの競馬を見てもそうだがしっかりと前に目標を置いて加速のイメージを持ちながら入ってくることで強烈なトップスピードと持続力を引き出し切って良さが出た。なので前走みたいに窮屈なスペース、前に弱い馬を置く形で要所の仕掛けを意識できず直線序盤で一気に加速しましょうって競馬では合わなかったと思う。というかミルコも含めてそういう競馬は基本的に得意じゃないからね。秋華賞なら基本は流れるし、3角下りからじわっと加速していく競馬になるのでこの辺はこの馬の適性的には合うと思う。そのうえでしっかりと前半無理せず後半要素をしっかりと引き出すことができればというところだろう。それと、距離不安はもちろんあるわけだが、この馬の場合ペースそのものは気にならない。シンザン記念では46.3-47.8と1.5秒の明確なハイ、その中で後方で進めていたとは言ってもこの馬自身でも3Fのバランスは35.9-34.5でそれなりに流れている中でのものだし、ラップ推移も11.5 - 11.8 - 12.3 - 11.7 - 12.0とL1で落ち込んだところでの差し込みだが、ここで5馬身ぐらいの差を一気に詰めていて恐らく11秒前半の脚を使ってきているはずでL1最速を引き出しているのでこの辺りからもペースが上がっても末脚を引き出せる範囲は広いはず。不安はもちろんあるわけだが、春の実力馬が基本的に秋も結果を出してきているのも間違いないわけで、春の4強の一角のこの馬が高速馬場でトップスピード面をある程度引き出す余裕をもって入れればここはビッシュ比較でみてもやはり強いはず。特に今回はビッシュの動きがレースのカギを握るわけだし、戸崎も勝負にいくっぽいことを言っていた。当てにしすぎるのは危険だが、ビッシュが動けばレースが流れるし、その流れがくれば内からでも徐々に加速しながら持って行きやすい。ある程度早めに流れてしまえばギアチェンジもそう要求されないし、距離さえ問題なかったら枠的にもこの馬だと思う。秋の不発からの成長の疑問、距離不安のリスクも覚悟で素直にこれを狙う。


〇フロンテアクイーンは枠の並びを見ていっそ本命にしてやろうかと思ったんだけど、流石にそれはダメだと、ブレーキがかかった。ただこの馬は紫苑Sでのあの負け方を見た段階で本番では内枠引けば穴で狙いたいと思っていたし、ましてシンハライトまでいなくなったわけなのでこのメンバー構成の中では実は一番適性的にチャンスがある馬。クイーンCでは1600の高速決着に好位で対応しながら一脚を使っていた。オークスでは2400で59.8-59.8の平均も中弛みからのL3最速戦で中団内から鋭く反応もL1では甘くなる。ギアチェンジが武器だが使える脚が短いタイプ。なので直線ヨーイドンでも入りの段階で一気にビッシュが来るような感じでは加速では対抗出来てもL1は甘くなるし、コーナー地点では中弛みで緩かったのでここで内で我慢したところがあまりプラスに働いていなかったし、位置取りも理想より2列後ろだった。あれでは辛い。紫苑Sは不利を受けて下がってしまったし、59.6-60.1の平均ペースだが時計も掛かっていて最速11.7でL3最速。下がってしまったので最速地点でつかまえに行く立場になったしこの流れでは一瞬は脚を使えても甘くなるのは必定。そしてフローラSでは59.6-60.1と平均で淀みない中これもL3最速でしぶとく伸びての4着であると。この馬は基礎スピードを問われても対応してきている、自身走破で平均でも上位相手に戦えてしまっているんだが、理想を言えばオークスで中弛みからの再加速になる。ただあのオークスは位置取りを後ろにしすぎて消極的な競馬になったことで位置取りが悪くて一瞬の脚で先頭に並ぶことしかできなかったと。なので秋華賞では今回極端ではないにせよ高速馬場、その流れで好位で進めながら自身60秒ぐらいで入って行って後半要素を引き出し余力を作る。3~4角で外から押し上げてくるビッシュに対してコーナーで速い脚を要求させて外に張る形で進めればこの馬の持ち味が活きてくるし、そのままうまく速い脚で出し抜いてしまっての粘り込…というところかな。まあラストは甘くなってしまうとは思うんだが、それでも複勝というか3連複の軸馬としては面白いと思う。というかこれまでの条件から全てにおいてプラスに転じると思うし、長所であるサムソン産駒らしいどんな競馬でも対応しちゃうところ、それでもこの馬にはその中でGIレベルでもギアチェンジと瞬間的な脚は通用していたというところ。これを上手く好位で削がれない程度にポジションを取って進められれば。基礎スピードの幅も広いし確実に高速巧者だと思うので、馬場も距離も対応できるペースの幅も含めて適性は一番だと思う。なので実力的には若干足りなくても適性と読みにくい展開の中で上手く嵌れば馬券的にはこれが一番旨みがあるかなと思う。


▲ダイワドレッサーは内枠なら迷いなく本命にしていたが、この枠で評価を下げた単穴。理由としてはやはり基本的にトップスピード持続力をオークスで見せたのが最大の評価で、質的にはそうでもない。あるならやっぱり極端な外でコーナーで脚を使わされると仮にそこで脚を使わされてL1突っ込んでくることで脚は出し切れるとしても、結局コーナーで外からでは速度的に見劣ると思う。なので脚を使ってばてなくても外から押し上げようとすると逆に内にペースを引き上げられてそこで置かれるリスクは出てくる。個人的には恐らく今回そこそこ前で競馬してくるとは思っているんだが、それでもこの枠でとなると多少運がいる。例えば内のエンジェルフェイスとクロコスミアがペースを極端にスローにすることで外の先行各馬が行ききってくれればその後ろからじわっと2列目を狙って行けるが、じゃあ逆にエンジェル、クロコの外にワンダーやネオがつけると好位列が雁行状態になるのでその外でとなってしまうと。枠的にはやっぱりどうしても難しいのでリスクを背負った先行策を取れるかどうかがまず一つ。ただ、素材的に見てもオークスでは59.8-59.8からの中弛み、後方から脚を残して直線でも壁を作っていた状況での3F戦、L1でも上位がほとんどラップを落としていない中で唯一目立つ脚を使って上位争いに食い込んできた、出し切れていなかったというのは基本流れやすい、L1でのバテ差しが利きやすい秋華賞では噛み合いやすい。それと前走のラジニケ賞でも47.2-47.4を普通に2列目外で追走して勝負に行ってしぶとくL1まで粘っての2着ってところからも平均ペースへの対応ができている。流れても不安がない馬だし、むしろ流れてしまえば3~4角で極端に前も引き上げられないし、縦長でそこまでロスなく運んでいける。個人的には完全に流れればこの馬にチャンスが出てくると思う。クイーンCなんかでもマイルではちょっと短いなあという感じだったし、フェアリーSでもL2最速でおかれ気味だったから京都の下りでじわっとは良いと思うからね。この単穴はフロンテアとは違って単純に地力と人気の乖離が酷い、という意味で積極的に。正直この馬が13番人気ってのは流石に無いと思うんだけど。前日の段階では人気が本当に無い。内枠だったら前目を取るリスクがほとんどなかったし、いうことなかったけどね。


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