14期 予想歴33年
◎シュペルミエール
6着/7人気
○カフジプリンス8着/3人
▲レインボーライン2着/9人
△レッドエルディスト9着/5人
『今年の秋競馬は例年とはひと味違う』
今まで中山と新潟のみで行われていた行われていた開催終了後のエアレーションやシャッタリングが、他場でも横展開されてきた。
その事実を実感したのが毎日王冠で、前半1000㍍のラップが1.00.3と妙に遅く上がり勝負の競馬になった。
本来1400㍍質のスピードが要求された府中の1800㍍に、しっかりとシャッタリング効果が出ていたのである。
先週の秋華賞も59.9の緩いペースで、4コーナー8番手の位置取りから目の覚めるような瞬発力を見せ、ヴィブロスが優勝を飾った。
最後の直線が短く、本来機動力やスピードの持続力が要求されるはずの京都内回りコースで瞬発力が問われるようになっていたのだ。
この傾向が続くようなら、春のNHKマイルカップやヴィクトリアマイルも、1200㍍質のような異常なレース特性から普通のマイル質なレースに様変りし、予想が立てやすくなるはずだ。
さてそこで考えられるのは、おそらく菊花賞で問われるレースの質も変化している事だ。
ここ最近の菊花賞のセオリーは3コーナー坂上から下り坂を利用して仕掛けるロングスパートが主流になりつつあり、ひたすらこのロングスパートに対応出来るスタミナが問われていた。
しかし、シャッタリング効果により馬場の摩擦が高くなりコレが通用しなくなる可能性が非常に高くなったと見る。
おそらく20年前以前の競馬に昔がえりするのではないか?と見ている。
ヒシミラクルやゴールドシップのような極端なステイヤーではなく、どスローに対応出来る『気の良さ』と、レース後半における『スピード&瞬発力』を備え持った馬が有利なりそうだ。
スピードといっても極端なアメリカ系のソレではなく、シャッタリング効果的で馬場の摩擦が強いので、おそらくは『グレイソヴリン系』的な、ちょいとスタミナ色を加味したスピードや瞬発力のイメージだ。
ビワハヤヒデやタマモクロスの時代の競馬をイメージしながら、今回は予想を立ててみたい。
『横山典が2年前に犯した過ちを蛯名が…』
今年のセントライト記念の後半4ハロンのレースラップは、11.7→11.7→11.5→12.2。
ちょうど残り800㍍地点から進出した事を考えると、ディーマジェスティは残り800㍍から、スピードの11秒台前半の脚を3ハロン使い続けたと推定出来る。
ましては、摩擦の高いシャッタリング馬場。かなり無茶な競馬をしたのではなかろうか?
ゴール前縺れているように、最後は手綱を抑えたままの楽勝ではなく、むしろ『踏ん張り通し』の競馬だったはずだ。
すなわち、ペースが上がり始めたタイミングで調子コイて横綱相撲を見せようとしたが為に、無駄に脚を使い続ける事になり、結果ゴール前アップアップになったという内容に私には見えた。
トライアルでありながら、ディーマジェスティにとっては非常に負荷の高かったレースだったと思う。
2年前ワンアンドオンリーがサトノアラジンを力でねじ伏せた後に、サウンズオブアース、トーホウジャッカルとの叩き合いを強要される羽目になった神戸新聞杯のレースを思い出す。
あのレースでのダメージにより、ワンアンドオンリーは菊花賞で9着に大敗する事となった。
トライアルでの無茶は、本番での沈没を意味する。
『ダービー&菊花賞の二冠馬が出ない理由』
過去30年で皐月賞&菊花賞を制した二冠馬は…
ゴールドシップ
エアシャカール
セイウンスカイ
サクラスターオー
…と数は少ないものの、それなりは実在している。
それに対し、ダービー&菊花賞の二冠馬は30年以上に存在していない。
それ以前で探すとなると、昭和48年のタケホープまで遡らなければならない。
実はダービーは"府中の根幹距離特性"が非常に強いレースで、勝馬が後の天皇賞(秋)を制するパターンが過去10年だけでも3頭出ている。
エイシンフラッシュ
ウォッカ
メイショウサムソン
これは、府中の根幹距離体系ではマイル的なスピードやキレが求められるのに対し、非根幹距離的体系て行われる菊花賞では持続力が求められるのが理由で、この両レースは全くの真逆の指向性が問われているという事なのである。
『結論』
長距離の非根幹距離レースに融通性を示し、上がりの脚に秀た馬に注目。
◎シュペルミエール
府中の2000㍍、阪神の2400㍍の根幹距離レースでキレ味を発揮し1勝ずつしているが、いずれも時計の掛かったレース。
摩擦のある馬場で力強いキレ味と持続力を発揮出来るあたりは、母母父カルドゥンの影響力をうかがわせる。
3戦目の寒竹賞以外は、全て最速上がりを駆使。
シャッタリング馬場で行われる菊花賞での適性を見込むとともに、高い体力を評価したい。
今回本命に推すとともに、今後タフさの求められるレースでは常に注目してみたい1頭だ。
気の悪さがネックになりがちなステゴ産駒も、超どスローの競馬をさんざん経験し克服している事から心配は無用。
むしろ、今までのレースよりも攻防がハードになる分、精神的なコントロールが楽になるはずだ。
北村宏の菊花賞連覇を大いに期待したい。
○カフジプリンス
こちらは、ヒシミラクル系"超どステイヤー"。
加速効率の悪い…いわゆる"ズブい" タイプで、前走のレース内容も正にそんな感じだった。
4コーナーではおっつけ通しも、加速の悪さを露呈し一気に後続馬群に飲み込まれたが、その後ゴール前でバテた馬を全て交わし4着に押し上げて来た。
まるっきり、14年前の神戸新聞杯のヒシミラクルのレースを再現したか?のような内容だ。
加速効率は悪いが、一度加速された末脚は実にしぶとく持続する馬で、淀の3000㍍で大化けする典型的なタイプだ。
当然、鞍上の岩田はこの事を理解しているはず。
シャッタリング効果の影響が気になるところだが、敢えてこの馬の一か八かのロングスパートに期待してみたい。
▲レインボーライン
『スピードタイプでもなければ、キレも無いのに何故かマイラー』…というのがこの馬。
おそらく物理的本質はマイルではなく中長距離非根幹距離系も、力量のみでマイル戦を克服していたのだろう。
NHKマイルCでは、メジャーエンブレムにはスピード負け、ロードクエストにはキレ負けの3着。
しかしながら、高速馬場の大外枠という不利を克服しにかかるあたりからして、現役トップクラスの能力の持ち主な事は確か。
ダービーでは、やはりスピード競馬に対する弱点露呈も、前走は洋芝の小回り競馬であのモーリスと差の無い競馬を披露。
スピードやキレではなく素直に力量が問われる競馬になれば、やはり実力を発揮してくれる事を証明してみせた。
今回の菊花賞では物理的には期待出来るが、ネックなのは精神的な部分。
ステゴ産駒の欠点は "気の悪さ"。
小回り→外回り、1000㍍の距離延長をどう克服するか? が課題。
次走が有馬記念なら、真の狙いはそのレースになる。
外回り→小回り、500㍍の距離短縮となり精神コントロールが容易になる。
雑誌で1週前の馬体を見たが、とにかく『精悍』の一言。
究極の仕上げに見えた。
気の良さがあり、更にステイヤー的なキレを求めるなら、△レッドエルディスト。
長距離適性と精神的な新鮮味を求めるなら、コスチュームシャーベあたりまで手をひろげてみたい。
サトノダイヤモンドは、ダービー時で評価したように、スピードとキレを兼ね備えた府中根幹距離向きタイプ。
今回は、自身の物理特性とはかけ離れたレースなだけにちょっと厳しい?と見ている。
直線勝負で着を拾いに行く競馬が無難と見る。
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