天皇賞(秋)2016予想
府中根幹距離G1勝馬は3頭も…

夏影
14期 予想歴33年

◎モーリス
  1着/1人気

○ヤマカツエース15着/13人
▲ヒストリカル8着/12人
△ステファノス3着/6人
×エイシンヒカリ
×ロゴタイプ


過去10年の勝馬を見てみると…

2015 ラブリーデイ
2014 スピルバーグ
2013 ジャシタウェイ(安田記念)
2012 エイシンフラッシュ(ダービー)
2011 トーセンジョーダン
2010 ブエナビスタ(オークス、ヴィクトリアマイル、ジャパンC)
2009 カンパニー
2008 ウォッカ(ダービー、安田記念、ヴィクトリアマイル、ジャパンC)
2007 メイショウサムソン(ダービー)
2006 ダイワメジャー(安田記念)

他の府中コースで行われる他の根幹距離G1レースの勝馬が何と6頭いる。
良く口にする事だが、府中のG1レースは各々似たり寄ったりの物理特性が問われる為に非常にリンクしやすい。

安田記念の勝馬はジャシタウェイ、ウォッカ、ダイワメジャーの3頭。
更にヴィクトリアマイルの勝馬ブエナビスタを含めると、府中のマイルG1勝馬は4頭とリンクしやすい事が理解出来る。
府中のG1はマイル質のスピードとキレの高い両立性がはっきりと問われる。
そんな理由から、府中G1の勝馬から馬券を攻めたい。

該当する馬は3頭、昨年の覇者ラブリーデイと安田記念の勝馬ロゴタイプとモーリス。
ラブリーデイに関して言えば、昨年のような勢いが見られず明らかに精神的に均衡状態なのは明らか。勝ち負けが期待しにくい。
今年の安田記念は逃げ馬、翌週のエプソムCも逃げ馬が3着に粘ったように、今現在の府中の馬場とは比べものにならないくらい物理特性が異なっていた。
ならば、昨年の安田記念の覇者モーリスに注目だ。
今年の安田記念は、中山巧者ロゴタイプが制したように中山コース的な異常な物理特性が問われたレース。そんな競馬にモロに付き合っての2着で、やはり自力が違っていた。
前走は最後に詰め寄って来たレインボーラインが、先週の菊花賞で激走したように体力色に偏ったレース。あのレースでスピードとキレを語るのはナンセンスだ。
昨年の安田記念で強烈なヴァンセンヌの末脚を押さえ込んだあのレースこそがこの馬の本質であり、府中G1の本質なのだ。
ヴァンセンヌの半端ないキレも生かされていたし、モーリスの素軽さも生かされたレースだった。

ヤマカツエースはしぶとさのある末脚が売りで、純粋な瞬発力というタイプでもないがマイル戦に対応できるスピードがあり、且つタフな競馬に対する適応力が魅力。
内枠を引いたエイシンヒカリは、スタートから抑え控るような競馬は不可能。まかり間違って控える競馬をしようものなら、2コーナーポケットのスタート地点から始まる僅かな距離での激しいポジション争いにより、馬群の内側に押し込められてしまい、そのタイミングでエイシンヒカリの競馬は終わってしまう。
おそらくは逃げるか?それに近い競馬となる。
勝負どころからロゴタイプが動くとなると、レース中全く息の入らない展開すら考えられる。
ヤマカツエースの府中コースの実績はないが、父はダービー馬キングカメハメハ、母父はターントゥ系のグラスワンダー、母母父はデピュティミニスター…と府中のスピード&キレ系統のレースに適性を示す血は満載されているのも確か。
モーリス以外の有力馬は、根幹距離重賞未勝利なのに対し、この馬は何と3勝も挙げている。
瞬発力だけの次元でいうなら、ルージュバックやリアルスティールだが、道中のスピードや体力、精神力を含めた総合力という面で見たらこの馬も引けをとらない…というか、それ以上である事を物語っている。

スピードとキレに注目するならヒストリカルが一番面白い。
2009年の覇者カンパニーの半弟で、母方から兄同様のスピードとキレをしっかりと受け継いでいる。
圧巻なのは2012年の毎日杯。
2014年の覇者スピルバーグを上回る末脚を披露しレースを勝っている。
4年振りのG1参戦となるが、出世を遅らせたのはひとえに疲労に対する脆さ。
2戦好走すると→疲労が溜まり調子を落とす→休養すると調子を戻す…このリズムを幾度も繰り返しているように、休み明け後の勝負は2走しか出来ないもどかしさがあるのだ。
前走好走も、今回は休み明け2戦目。
疲労が蓄積されていないタイミングで、今回も激走が見込める。
疲労を溜めやすい=1走で放出するエネルギー量が高い…という裏返しでもある。一発に期待したい。

ステファノスは、昨年最速上がりで2着。
昨年も評価したように、適性は申し分ない。
前走は最後の直線で前が壁になり、なかなか前に出られない不完全燃焼の競馬。
ダメージの残らない競馬で、前哨戦としては最高の形だ。昨年同様のパフォーマンスを期待したい。

リアルスティールは、ダービー4着、菊花賞2着。
今年の安田記念は物理特性が異なる為に無視したいところだが、それにしても負け過ぎの感が強い。
ダービー以上に菊花賞に適性を示したところも何となくズレている。
府中根幹距離G1に対する適性にちょっとした疑問を抱いている。
ルージュバックの重賞勝ち鞍は何と非根幹距離レースのみ、キレは認めるが道中のスピード不足が気になるところ。

エイシンヒカリはヨーロッパG1を圧勝して注目を集めているが、少頭数の非根幹距離のヨーロッパの馬場、しかも重馬場で行われたもの。
どう考えても、マイル質のスピードとキレの両立性という概念からはあまりにも遠く離れたレースだ。
この程度の馬が勝ち負けになるくらいなら、ダイワスカーレットはこのレースを圧勝しているはず。
このレースに逃げ馬の勝馬はいない。

馬券は、モーリスは連複系馬券の軸で、ヤマカツとヒストリカルの一発に期待して単勝をちょろっと押さえておきたい。


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