天皇賞(秋)2016予想

カタストロフィ
10期 予想歴19年

◎アンビシャス
  4着/4人気

○ステファノス3着/6人
▲サトノノブレス10着/10人


 天皇賞の展開予想の前に、まず馬場状態を予想していく。アルテミスSでようやく真打が出てきたかな?というところはある。あのラップはちょっと驚いたが、通してみればアルテミスの上位2頭が強かっただけで恐らく時計は標準よりちょっと掛かっていたかも、というぐらい。明日には回復傾向だが曇りだしぱらつく可能性もある。大きく回復はないだろうとみて標準馬場想定、或いは早くなると見積もってもやや高速ぐらい。標準ならハイペース気味で58秒台半ばに入ってくるぐらいだと思う、59-59.5が出ればいいかなと。仮に60秒ペースになれば恐らくだが59秒台前後、58秒台に入ってくるのはちょっと難しいかもという感じ。ただそれぐらいの馬場だし極端に速いラップを踏むのはちょっと難しい感じはするので、トップスピードの質的なものよりは全体的な総合力を見ていきたい。


 そのうえで展開の予想になるが、流れる可能性が高いなと思う。これはもちろん逃げ宣言のエイシンヒカリ(番手はあり得るがAプランは逃げだと思う)、ロゴタイプと逃げ馬がハッキリしているし、これにクラレントも絡んでくるというのはある。ただ、それよりも個人的には外枠のリアルスティールのミルコがドバイのイメージでとなるなら外から速い段階で積極的に来そうな感じはあるのと、その外のラブリーデイも後ろから行っていい馬ではないし近走が物足りないので大外からルメールがリスクを取っての先行策は結構あり得そうかなと思う。前走の京都大賞典でもその布石はあった感じだったし。更にヤマカツエースもペースを引き上げてしまいたい馬となると逃げ番手勢よりも意外と先行勢がプレッシャーをかけに行く形になるんじゃないかなと。そのうえで馬場が軽くはないので仮に58秒まで入ってしまうと恐らく確実にハイペースバランスになる(超高速なら57秒を切るのは証明済みで58.2-58.7とかで実は平均もあり得てしまうがこの馬場ではそれは無理)、となると59秒半ばで平均前後になると考える必要があるし、60秒でも2秒前後のスローなのでまず昨年のような極端なドスローはないと思う。そのうえで、恐らくだが縦長というよりはある程度前が凝縮するような感じでのハイペースでの団子気味、というのをイメージした方が良いかもしれない。まあスタート後コーナーでの内の馬のポジション次第では縦長になる可能性もあると思うんだが、それでも平均前後の流れとみておいてある程度は流れると判断する。基礎スピードとできればパワー型であることが望ましい。時計が掛かった馬場で厳しい流れである程度良さが出ていた馬を狙いたいかな。


◎アンビシャスはこの馬場と枠になった段階で狙おうと思っていた。枠が内になったことで折り合い難のこの馬としても最序盤の持っていき方がそこまで難しくなくなった。し、最内の2角のコーナーワークがどうしてもあるので、ノリとしても中団ぐらいを意識してポジションを取っていきながら末脚を引き出す競馬をした、と音無師にも言いやすくなったという点でも騎乗しやすいと思う。そのうえで、本質的に府中での後半特化で末脚勝負ではちょっと足りないと思う、というのは戦前から言ってきていて例えば前走の毎日王冠でも48.1-46.1と2秒のかなりのスローから12.0 - 11.8 - 11.4 - 11.5 - 11.6と4F勝負でそこまで速いラップは踏んでいないがL2ではルージュとともにかなり速いラップ…恐らく10秒台に近いところまで入っているし、ルージュバックとともに唯一伸びてきたがL2の最速地点ではルージュにちょっとキレ負けしていた。ただこれは今に始まったことではないし、休み明けで想定内の競馬だった中では思ったよりやれたのは他が詰まったことが大きいと思う。むしろこの馬の最大の武器は5Fを長く走れた中山記念と、平均で突きぬけたハイレベル戦のラジニケ賞。まあこのレベルまで来るとラジニケ賞の内容でどこまでというのはあるんだが、それでも47.3-46.9と平均で進めていて12.3 - 12.2 - 11.8 - 11.8 - 11.6 - 11.7と4Fのポテンシャル戦の中で中団から4角で外目に誘導してぶっちぎった。この相手も相当手ごわいし、中山記念に至っては48.1-46.5とスローバランスだが11.9 - 11.6 - 11.3 - 11.6 - 12.0 - 11.1 - 11.8と超ロンスパの中での2段階加速というような競馬。L2でドゥラが外から動いていって堂々と出し抜くのだが、これを後方馬群で我慢しながらL2の地点ではジリジリ、しかしL1でドゥラが落としたとはいえ4馬身近くあった差をL1で時計差なしまで持ってきているようにこの馬自身は11秒前半は確実、L1最速の可能性すらある。それを後半4F46.5の中でやってきたというのは強烈だし、5Fで見れば57.8だから56秒台を後半で出している、それでいてラストを11秒台前半でとなると恐らく段階的にポテンシャルで中間的な脚を使いながら一脚を使ったと。好時計の中でこれだけの脚を使えるなら今の東京2000である程度ペースが上がってというのはこの馬にとっては良い条件だし、厳しい流れの中でも一足を長く鋭く使えるのが武器だと思う。なのでルージュバックの様に緩い流れで瞬間的にドンとくるタイプと比べてもペースバランス的に上がって良さが出る可能性はかなり高くなるはず。 この馬はずっとこういう条件ではドゥラメンテより上と言ってきているのでここまでお膳立てされて狙わないわけにはいかない。流れるのであれば位置取りはそう気にしなくていいと思う。まだ若干外差しがという気もするが内も残っているのである程度流れれば進路も狙いやすいだろうし、そうなれば一番信頼できるかな。平均ぐらいで流れて嵌れば勝つのはこの馬だ、というぐらいの気持での本命。


〇ステファノスはちょっと悩んだなあ。ただ力をつけてきているのは間違いないし、超高速馬場だったというのも間違いない。本質的には軽い馬場の方が合っていると思うんだが、それでも一応宝塚記念では稍重でかなりタフな馬場、59.1-61.3と2秒のかなりのハイの中で中団追走しながらも一足は使ってきたしここではドゥラメンテと差がなかった。12.4 - 12.3 - 12.2 - 11.9 - 12.2 - 12.7と最後はここまで落としたので苦しくなったが2200はちょっと長かった感もあるしその中でタフな流れから早仕掛けというポテンシャル戦でここまでやれたのは驚いた。前走の毎日王冠はどん詰まりだしまあ川田は可哀想だった展開だけどいずれにせよ外差し馬場で詰まった段階でそう気にしなくていいと。鳴尾記念でも見せたようにこの馬の良いところは決してトップスピード特化型ではなく59.0-58.6と平均ペースからの12.0 - 11.7 - 11.4 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 11.3 - 12.2と中間的な脚を連続する様な競馬の中で外々からサトノノブレスを目標にしながらでも最後までしぶとく伸びてきたというように、色々な競馬ができる。ここでも後半58.6だしコーナーでもちょっと緩んでいるので外々のロスがそこまであったとは思わないがそれでも1000通過がこの馬で目視で大体60秒前半ぐらいだから57.6は間違いなく後半で刻んでいる、それも外で、ということになる。長く脚を使える、またはペースが上がってもしっかりとついていける基礎スピードの幅を今回は要求されると思うのでそこは合致した。ただ悩んだ理由はやっぱり高速馬場向きではあると思うので、宝塚で一定の目途を立ててきたこと、近走の充実ぶりとのバランスをどう考えるかで悩んだ。まあそれでも今回は他も総じて不安材料が多いし、外枠だが昨年も外枠での競馬だった。また今回は外枠を嫌って先行勢もそこそこ前に行きそうだし、ハイペースの中で好位列まで結構凝縮する可能性(トウケイヘイローの時のような感じかな)もある。となると外枠で無理をしないで良いこの馬の立場は結構やりやすいと思う。まあ色々考えて上位3頭は素直にペースが上がっても良い、買いたい馬を狙ったという感じかな。この馬の場合はサトノノブレスよりもスローバランスへの対応力が高い馬なのでその点も良い材料で印的には悩んだがこちらを大綱にしたのはその辺かな。ただ基礎スピード、段階的なポテンシャル・トップスピードの合わせ技が問われればアンビシャスはかなりのもんだと思っているのでアンビシャスを上位にという感じかな。


▲サトノノブレスは天皇賞秋の展望の段階でまず単穴以上の評価はしたいとは思っていた。で、今回正直に言えば本命まで視野に入れていて悩んでいたんだがこの位置に落ち着かせた。まず世間が過小評価なのは間違いないと思ってる。この馬は今年になって地味にパフォーマンスを上げてきている感はある。鳴尾記念は59-58.6と平均ペースから中間的な脚を連続する中で普通に先行して3~4角で外から来るステファノスなんかに対して優位性を保って直線での一足を引き出し簡単に差されず粘り込む。これまでの傾向を見ても2000mがベストで、しかも流れ過ぎず、適度な平均ペースの中で総合的な能力の高さを見せてきたと。前走のオールカマーもちょっと違うが近い競馬。59.9-59.9の平均ペース、雨が残っていてそこまで高速状態ではなかった中で、12.1 - 12.3 - 12.2 - 12.1 - 11.3 - 12.0と淡々としながらの一足。まさにこの馬にとってうってつけの遅すぎない流れで仕掛けが遅い、というパターンを好位の外から動いていってゴールドアクターを内から待って加速して外に張る、という競馬。ここで序盤できっちり抵抗できていたしL1でも王者の貫禄は見せられたが食らいついた。この辺からもやはり全体の競馬が理想なのと要所で動きたいときにある程度スッと動けるギアチェンジ、そして中間的な脚なら長く脚を使ってくるという点でもポテンシャル寄り、スローでもトップスピード面をそれなりには引き出せるが基本は全体の競馬をしたい馬であると。ならば今回の馬場状態でペースもそう極端にはならないだろう(少なくとも極端なスローはなりにくい、極端なハイはあり得るがという感じ)、その中でこの馬の武器である基礎スピード面は活きてきやすいだろうしステファノスなんかに比べるとこちらの方が馬場への適応力は広い。またパフォーマンスの上昇カーブはメンバー中でも地味に一番か二番ぐらい。ゴールドアクターの正攻法の競馬を前受出来たといってもあそこまで食らいついたならかなりのもんだと思う。まあ平均でこちらの土俵ではあったが、それでもこれなら相当楽しみが出てきたなという感じ。なんでこんなに人気がないのかはちょっとわからないが、このレースの中で最大の穴馬はこの馬だと思う。複勝に突っ込んで流れろーっと祈りたいぐらいだ。逆に言えばこのある程度時計が掛かる中での平均、という条件だとそんなに抜きん出た馬はいない…アンビシャスも期待はしているけど未知数だからね。


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