14期 予想歴20年
◎ペルシアンナイト
3着/1人気
○トラスト4着/3人
▲メイショウソウビ9着/9人
△ブラックランナー11着/13人
シンザン記念は、第二期に自身初となる3連単20万馬券、第三期に少し勝負をかけて10万勝ち、第五期にアントニオバローズの単勝を的中、第十期では本線的中と自分にとっては相性の悪くないレースだと思ってきたが、近年は極端な内有利バイアスによって実力通りの結果にならず不可解な結果も少なくないので、慎重に予想を進めていきたい。
1.上がり実績
過去12年の馬券圏内馬36頭中、上がり連対実績がなかったのは4頭(ダートも含む)。その4頭のうち3頭はBPRが3番手以内からの競馬だった。BPRに3角以降4番手以下がある馬は連対を求めたい。ちなみに例外となる1頭はドリームシグナルで、この馬は朝日杯4着(最先着)馬だった。
2.指数
過去12年、指数1~3位馬のうち、2頭以上が馬券圏に入った年は6年と半数。1頭も入っていない年も3年あり、指数だけで予想をすると痛い目に遭う。ただし、過去12年のうち5年は指数1位馬が勝利しており、指数が62以上だった馬は大抵好走している。近年、大荒れが起こっているのは、指数1位の指数が60程度以下の混戦のためとも考えられる。昨年はロジクライとシゲルノコギリザメをこの観点で切ってしまっており、少なくとも指数中位までは消さないほうが良い。
3.未知馬
過去12年、キャリア1戦で馬券に絡んだのは後の桜花賞馬マルセリーナとジュエラーだけで、基本的には使ってきた馬が有利。
4.血統系統
SS系を含む馬が27頭と一番多く、ND系が16頭、MP系が12頭と続く。目立つのはPG系が4頭入っていること。MP系とPG系が合わせて16頭おり、5頭の馬が9番人気以下で馬券に絡んでいる。平坦短距離に実績のある耐久SHP系統は穴になりやすい模様。
5.BPR(ベストパフォーマンスレース)
過去12年、BPRが追込みだった馬は5頭だけ馬券に絡んでいるがこれらは朝日杯4着以内馬と調整指数1位馬と後の桜花賞馬ジュエラーだけだった。キャリア1戦馬に来られたのは事故みたいなものだが、基本的にBPR追込み馬は軽視妥当か。
なお、過去12年において朝日杯4着以内馬は、ペールギュント2005年1着、マイネルハーティー2005年2着、ローレルゲレイロ2007年3着、ドリームシグナル2008年1着、ガルボ2010年1着、トウケイヘイロー2012年4着、ウインフルブルーム2014年2着と、ほぼ馬券に絡んでいる。朝日杯4着以内馬は本線候補で考えるべき。
6.枠順
過去12年の3着以内馬36頭中、馬番が7以内またはBPRが逃げ又は番手(道中3番手以内)だった馬は31頭。例外となる5頭のうちトップカミングとヘミングウェイは4角で内に入っていた。残るは2015年の1~3着馬だが、8枠の2頭は3角まで内にいた。
と、ここまでが昨年の分析を更新したもの。今年は更に、掘り下げていく。TBIを出してみたので、こちらの資料をご覧いただきつつ、以下の予想文をご覧いただきたい。
→http://baryutensei.com/report/1701bt-shinTBIdata.pdf
7.TBI(トラックバイアスインデックス)による分析
2009年以降、シンザン記念自体のHTBIが2015年を除き全てマイナス(極端な内有利)となっている。2009、2011、2012、2013、2016年は前日のTBIから傾向を事前に読み取れ、2014年は逃げ馬のミッキーアイルや先行馬のウインフルブルームが人気通り強い競馬をしたためTBIが内先行に寄っただけで、実力通りの結果なので問題はない。
しかし、2010年のように、シンザン記念自体のHTBIは前日の値より低くなる傾向があり、これは、短距離馬等のスピード馬が出走するレースのため、縦長になりやすいという背景によるものと考えられる(縦長になるとインを走れる馬が増える)。
後にG1で馬券に絡むような馬は後方からでも馬券圏に入ってくることがあるが、VTBIのバイアスがフラットよりも後方有利になっていない限り、先行有利の傾向が出ているのも特徴。
「予想時TBI(前日)」という指標があるので、これを活用して馬券選びを考えてみる。
【A:HTBIが「内有利」または「極端な内有利」かつVTBIが「デフォルト」、「前方有利」、「極端な前方有利」のいずれかの場合(2016、2013、2012、2011、2009の5年(馬券圏内15頭)が該当する、近年多いパターン)】
・まず、過去10年で一番単勝オッズの高い馬券圏内馬のシゲルノコギリザメの56.8倍なので、単勝70倍以上かつ指数及び脚質のいずれかに見どころのない馬は割り切って軽視する。
・また、持続系の追い込み馬はまず出番がないので、BPRまたは前走が二桁番手の追い込みをしていた馬は消す。
・馬番7番までの馬は11頭が馬券に絡んでいる。内枠馬の好走パターンとして挙げられるのは、当日の4角で4番手以内の先行をしていた馬(8頭該当)。事前に先行できるかを見極めるためには、BPRまたは前走の距離と位置取り(3~4角の番手)を使う。1400m以下なら差し(9番手)まで、1500~1600mなら5番手まで、1700m以上なら3番手までとすると8頭(+1頭)を捕捉できる。例外は、後の桜花賞馬となるキャリア1戦馬のマルセリーナとジュエラー、後の三冠馬オルフェーヴル(一応、BPRでは捕捉できる)なのだが、これを事前に見出すのは難しい面もあり、とりあえずは残すしかない(逆に言えば、このバイアスで後方から届いた馬は、G1級の素質がある可能性がある)。
・馬番が8番以上という外枠の馬は、4頭しか馬券に絡んでいない。シゲルノコギリザメは当日逃げたので3~4角は最内を走っており、ヘミングウェイとレッドデイヴィスも3~4角を最内、トップカミングも3~4角を内から2頭目で走っていた。驚くべきことに、このバイアスの5年の3着以内馬15頭は、全て、3~4角を最内か内から2頭目で回っている。中枠より外の馬は、いかにインに入ることができるかに注目して選定するべき。
・インに入れるかの着目点は2つ。まず、逃げまたは2番手まで押し上げられる脚質かどうか(そこまで行ければ自動的に内2頭分までで走れるため)。これは、BPRまたは前走の距離と位置取り(3~4角の番手)を使う。2007年以降の10年中9年で、本番で逃げることができたのは、BPRが新馬戦を除き、1400m以下なら3番手以内、BPR1600mなら逃げていた馬のため、1400m以下なら3番手以内、1500~1600mなら1番手(いずれも新馬戦を除く)を求めることとする。
・もう1つは、騎手と馬。騎手にバイアス認識があり、それに合わせた騎乗ができるかと、馬がある程度のスピード(器用さ)があるかである。騎手は池添騎手、浜中騎手、幸騎手、あとは基本外国人騎手も内で脚を溜めるので含まれるか。馬のスピードは、新馬戦を除く1600m以下のレースで3番手以内経験があるかを求める。(騎手の判定は、今後柔軟に運用していく必要はありそう)
・以上の選定を行うと、
2016年はレオナルド、ロジクライ、ジュエラー、シゲルノコギリザメ、ショウナンアヴィド(5頭)
2013年はエーシントップ、タマモベストプレイ、ネオウィズダム、レッドアリオン、ヘミングウェイ(5頭)
2012年はタイセイシュバリエ、マイネルアトラクト、ピュアソウル、プレミアムブルー、ジェンティルドンナ、シゲルアセロラ(6頭)
2011年はオルフェーヴル、マルセリーナ、シゲルソウサイ、レッドデイヴィス(4頭)
2009年はアントニオバローズ、ダブルウェッジ、キングストリート、キングスレガリア、トップカミング、ツルマルジャパン(6頭)
に絞ることができる。
・残った中の最上位人気馬から3連単流しと、3連複のボックス買いをすれば、全て的中できることになる。消えた馬でも、1番人気馬は4着程度に入ってくることが多いので、そこだけ3連複でおさえるのもありだし、内枠と外枠の境界をどこにするかは少々悩ましいので8番の馬は内枠基準も参考にしても良いかもしれない。
(参考)
【B:HTBIが「デフォルト」から「外有利」かつVTBIが「デフォルト」または「フラット」の場合(2015、2014、2010、2008、2007の5年(馬券圏内15頭)が該当するパターン)】
・該当年のうち、最も単勝オッズの高い馬券圏内馬はセレスロンディーの25.7倍。バイアスがまともなので、能力的に厳しい馬の台頭はない模様。単勝35倍以上は全て割り切って軽視することにする。
・BPRが1200mまたはダートの馬は消去する。
・前走が未勝利戦の馬は、0.5秒差以上の楽勝を除き消去する。
・前走が条件戦で1.0秒以上負けている馬は消去する。
・指数1位馬と、いれば朝日杯4着以内馬を軸とする(該当する5年の朝日杯の最先着馬は全て馬券に絡んでいる)。
・以上の選定を行うと、
2015年はノースストーム、サトノフラム、グァンチャーレ★、ダッシングブレイズ、ロードフェリーチェ、ナヴィオン(6頭)
2014年はウインフルブルーム◎、タガノグランパ、ワイレアワヒネ、ビップレボルシオン、モーリス、ミッキーアイル★(6頭)
2010年はセレスロンディー、ピサノユリシーズ、ガルボ◎★、シャイン、キョウエイアシュラ、タガノパルムドール(6頭)
2008年はミッキーチアフル、ドリームガードナー、ドリームシグナル◎、チョウサンデイ、オースミマーシャル、マヤノベンケイ、タケミカヅチ★、ウイントリガー(8頭)
2007年はエイシンイッキ、ローレルゲレイロ◎、アドマイヤオーラ★、ダイワスカーレット(4頭)
に絞ることができる。
・指数1位馬(★)及び朝日杯4着以内馬(◎)を軸にして3連複を流せば、ある程度的中できる(◎と★が被る場合は1着固定3連単が面白いか)。
今年は極端な内有利のバイアスが発生しているとみられるので、個別の馬ごとに上記Aを参照しつつ、買う馬を決めていきたい。
まず、指数が低く単勝オッズが70以上のミルトプリンス、テイエムアニマンテ、エテレインミノル、ケンシンと、前走追い込みかつ指数・調教時計的に強調できないキョウヘイ、イエローマジックは消去する。
2.ブレイヴバローズ
前走、1400mの未勝利戦を5番手以内で走っており、4角4番手以内を走れる可能性がある(データ残留)。未勝利戦勝ちからの臨戦は相性があまり良くないのだが、指数は中位であり、初速もこのメンバーでは安定して速いので相手本線に入れるべき。
3.メイショウソウビ
前走、1200mの条件戦を逃げ切っており、また、逃げてしか結果を出せていないので、おそらく今回も逃げるだろうが、ゲートの出が悪いのは不安材料。いけなければまず消えるだろう。単勝オッズは70倍未満になりそうで本線の相手にはしておく(データ残留)。新馬戦では1400mを逃げてディアドラやキョウヘイを完封しており、逃げられれば結構粘るタイプ。指数中位。
5.ペルシアンナイト
前走、1600mの条件戦を3角以降5番手以内で走っており、4角4番手以内を走れる可能性がある(データ残留)。内枠を取れたので内から2頭分では回ってこられそうなのは追い風。指数は上位で、1番人気。軸を選ぶなら最上位候補となるが、出脚がつかないことがあるのが心配材料。ハービンジャー産駒なのでこの後G1を勝ち負けする器とは思えないし、勝負強いデムーロ騎手も最近はリズムがあまり良くない。一応の本命。
6.ブラックランナー
前走、1400mの条件戦を3番手以内で走っており、4角4番手以内を走れる可能性がある(データ残留)。単勝オッズは100倍を超えているが、指数中位かつ先行力のある馬なので消さないこととする。
7.アルアイン
4角4番手以内を走れるかという点で前2走とも差しであり該当していない(データ落選)。後ろから好走すればG1級ということになるが、指数は高くないので普通に考えると消えそう。ただし、指数は過小評価してしまっているおそれがあるので、内枠と外国人騎手を踏まえておさえておいたほうが良い気もする。
8.トラスト
内枠と外枠の狭間。内枠と考えると、前走、1600mの朝日杯を2番手、BPRは札幌2歳Sで逃げていたことから、4角4番手以内を走れる可能性がある(データ残留)。外枠データにおいては、BPRの逃げがマイル以下ではないため対象外となり、好走パターンには該当しない(データ落選)。上がり実績も不足していることも微妙だが、指数1位や朝日杯5着(最先着)というのは強調材料だし、速いテンにも対応して前につけられると思われ、軸の2番手には評価したい。
10.マイスタイル
前走は3番手以内で走っているが、1800mということで外枠からの好走パターンには該当しない(データ落選)。ハーツクライ産駒で、前走の末脚からはかなりズブイ印象を持った。ただし、指数は上位(2位)であり、このコースを得意としている福永騎手というのは少し気になる。軽くおさえておいても良いか。
14.タイセイスターリー
前走、1600mの重賞を差しに回って凡走した。BPRである新馬戦では1400mで3番手以内と先行しているが、新馬戦はデータ上除外している(データ落選)。そんなに弱い馬ではないが、川田騎手はそれほどインにこだわらないと思われ、枠に恵まれなかったと割り切って軽視してよいのではないか。
15.コウソクストレート
データでは落選だが、ルメール騎手なのでインを取りにいく意識はありそうだし、BPRとなるくるみ賞では1400mを5番手以内と先行できていた馬なので、一概に消してよいかは微妙。前走は出遅れたが、本来スタートが悪い馬ではなく、縦長の展開になりやすいレースなので意識すれば内に入ることも可能とは思う。おさえ候補。
印は、
◎ペルシアンナイト
〇トラスト
▲メイショウソウビ
△ブラックランナー
△ブレイヴバローズ
注マイスタイル
注コウソクストレート
注アルアイン
参考になった方は拍手をいただけると嬉しいです。
tipmonaとは?