08期 予想歴14年
◎ローレルゲレイロ
1着/6人気
○カノヤザクラ3着/8人
▲キンシャサノキセキ12着/4人
×アルティマトゥーレ
×シーニックブラスト
スリープレスナイトの回避で混戦に拍車がかかるが、阪神芝1200と中山芝1200ではそもそもコースの傾向が異なり、ここは素直にセントウルSで凡走した馬の巻き返しに期待してみたい。
狙ってみたいのはセントウルSで大敗したローレルゲレイロ。休み明け、59キロ、馬体減、どの原因が致命的だったのかはよく分からないが、いずれにせよ能力的な問題での敗戦でないことは明らか。今回はひと叩きで57キロ、内枠の出方を見られる外目の枠と前走とは一転して好条件がそろった。
また、中山芝1200は意外だが初出走。中山にはこれまで2回出走して、朝日杯FS2着と皐月賞の6着。2000メートルで崩れなかった地力に今さらながら感心してしまうが、中山への適性も問題はないだろう。
次点の注目馬はカノヤザクラ。一部では「もう終わった」と見る向きもあるが、アイビスサマーダッシュではアルティマトゥーレに先着しており、北九州記念とセントウルSでも崩れてはいない。スプリントGⅠへの出走経験もこれまた意外で昨年の同レースのみ。その当時は7着に敗れたが、出遅れのため後方からの競馬を余儀なくされていた。まともならもっと際どい結果だったと思われ、再確認の意味も込めて今年改めて期待。
その他、春は不振だったキンシャサノキセキも最終追い切りの手応えからは絶不調から脱した様子。脚の使い処が難しく正攻法では厳しいかもしれないが、燃えやすい気性から鉄砲は却って良好都合とみえ、うまく乗れば昨年と同程度のチャンスがあるのではと思う。
セントウルSを制して勢いに乗るアルティマトゥーレ。気がかりなのは、これまでプレッシャーを受けるレースをほとんど経験していないこと。そこで、条件時代の回顧では個人的に度々「強くない」と危険視してきたが、強い弱いの議論はさておき、さすがにGⅠともなると摩擦の少ない競馬になるケースは考えにくい。出足の良さを武器にその辺をまたクリアしてしまうケースもあるかもしれないが、底力という点ではまだ見ぬ不安も。
海外からの刺客、シーニックブラストも軽めの調整がどうこうというより、勝った海外GⅠ3勝全てが直線競馬というのが引っ掛かる。淡白なコースで勝ってきた馬をトリッキーな中山で買いたくないというのは、何もカク外に限った話ではない。能力は良くも悪くも未知数だが、主戦騎手も手綱を取らない今回は静観としてみたい。
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08期 予想歴14年
次走狙い:ビービーガルダン
次走危険:カノヤザクラ
次走危険:アルティマトゥーレ
レースのレベルとはまた少し違った意味という前提で、近年の芝スプリント路線を眺めていると何か低調だなと思える場面によく遭遇する。
ハナっ速い馬がそもそも少ないとか、行った行ったの淡白な決まり手が多いとか、電撃戦の割に動きが少ないのが単純に見ていて不満なのかもしれないが、1センチ差の大激戦を制して芝スプリントGⅠの春秋王者に輝いたローレルゲレイロも、スプリンターとして扱うにはどこか違和感を禁じえない風情がある。本当はもっと長い距離で走るところをあえて距離短縮してスピードを極限まで凝縮させている、そんな印象が強い。
しかし、考えてみればそのローレルゲレイロの父キングヘイローは、なかなかGⅠ優勝に手が届かない過程でスプリント戦に矛先を変え、高松宮記念で念願のGⅠ制覇を果たしている。父子で脚質こそ異なるが、試行錯誤の末にスプリント戦に境地を見出した結末は本質的には同じこと。この辺りにも競馬の因果みたいなものを感じる。
ローレルゲレイロの勝因は外目スタートから内を見ながらの積極策が奏功したこと。前走に続く馬体減には多少疑問もあったが、直線でも手応えの割に粘っていたように相当に気で走るタイプなのだろう。ベストの状態での勝利ではないことを考えれば、藤田の勝負騎乗とこの馬の地力は十分評価に値する。香港スプリントへ出走なら、そこでも小細工なしに思い切り逃げる戦法を取ってほしい。
見せ場という点では1センチ差に涙を飲んだビービーガルダンが最も目立っていた。ゴール前では完全に手応えが勝ち馬を上回っていたが…、ひとまず課題の高速時計はクリア。次走スワンS辺りなら。
3着カノヤザクラは今年またしても出負け気味。ただ、追走は比較的スムーズ、4角から直線で外へスンナリ持ち出せたことで最後の末脚につながり、昨年からは大きく前進した。とはいえ、上位2頭との差は歴然で、不利なく力を出し切った内容からもこれ以上の上積みはさすがに疑問。次走は間違いなく人気ほどおいしくない。
1番人気で敗れたアルティマトゥーレは予想通り?摩擦を受ける競馬に対して結果ひと息。直線ではアーバニティのブロックに万事休す。その割にもっと崩れるかと思いきや、5着と大きく失速しなかった点は評価しておく。一部で懸念された軽めの直前追い切りも敗因とはほぼ無関係、あの調教は調教でOKということ。しかし、揉まれ弱いのもそうだが、持ち合わせのギア自体がややワンペースというのも見えてきたウィークポイント。次走、相手関係と条件次第ではアテにならない人気馬に。
最後に、殿負けのシーニックブラストは終わってみれば言い訳を最初から用意していたかの雰囲気。不利だけでそこまで負けますか。所詮、中山は暮れの香港に向けて右回りに慣れるための練習だったのでしょう。
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