10期 予想歴20年
◎ウインブライト
1着/5人気
○アウトライアーズ2着/2人
▲モンドキャンノ10着/4人
まず馬場予想だけど、先週の段階では時計は結構掛かっていてややタフな馬場状態。1000万下の房総特別が淀みない中で1:09.1だから、1200としてはレベル的に微妙だったのはあるにせよ時計は掛かっていた。中山牝馬Sはドスローだったからあれは参考にしづらいし、速いラップと言っても最速11.3だからそこまででもない。まあグレーターロンドンはああいう競馬では化物クラスだからともかく、馬場自体は掛かっていただろうと。その中で金曜正午でダートは稍重、中間少し雨が降ったので散水作業はないとなっている。Aコースのままのうちは基本的に大きく変わってこないと思うので、標準~ややタフな馬場ぐらいで想定しておく。
さて、このレースに関しては正直牡馬トライアルでは一番レベルが高いんじゃないかなと。朝日杯上位2頭にひいらぎ賞組。役者は揃った、そんな中で展開のカギを握るのは内枠のオールザゴーと物差し馬のエトルディーニュ。この2頭がある程度先行策を取ってくることはほぼ確定的。その外からプラチナヴォイスも前目を主張するだろう、場合によっては逃げもある。この3頭は全て坂スタートは初めてなので。適性がカギを握る。それらを見ながら有力馬がどう競馬するかだが、特にアウトライアーズは前を狙うのか前走の様に後ろから行くのか、これがちょっと掴みにくい。逆にウインブライトは恐らく前走若竹賞の坂スタートがそこそこ上手かったことを考えるともしかしたらもうちょっと前もあるかなという感じ(若竹賞は坂スタートの中山1800でテンの1Fが12.2と非常に速い中結構いいスタート)。その辺りを見ながらサトノアレス、モンドキャンノは恐らく後ろからだろう。前半は恐らくゆったり目に入っていくが、それでもオールザゴー辺りはドスローは嫌だろうし、49秒台では入ると思う。そこから向こう正面でどういう競馬になっていくかなと。ウインブライトの松岡が前走のパフォーマンスを信じてしっかりと外から動いていく、恐らく向こう正面からのロンスパになるだろう。このレベルなので2段階加速まで入ってくる可能性も考えて進めたい。
◎ウインブライト
ここは迷わず本命。牝馬の怪物候補が今年は手強いのでそれが流れ込んでくれば別だが、牡馬クラシック路線を担うだけの実力はある。勝ち切れるかはともかく、皐月賞、ダービーでも勝負の舞台に絡んでくるチャンスはあると今の段階で見ている。このレースが終わってからもう一度まとめる。前走の若竹賞は圧巻で、ペースバランスは49.0-47.5と1.5のスローペース、ラップ推移も12.5 - 11.8 - 12.0 - 11.9 - 11.7 - 11.9と向こう正面からのロンスパという形になっていて3~4角でもそれなりには速いラップを踏んでいる。坂スタートでもいき脚良く2列目を視野に入れながら外枠を嫌って下げて中団後方にという形。そこから向こう正面でロンスパになっていく中で外々から正攻法で勝負に行く。3~4角でも4~5頭分から最後は6頭分ぐらい大外をぶん回しながらも差を詰めてきて好位列で直線。序盤で一気に先頭に立ってしまい、そのままL1まで踏ん張っての完勝だった。L2の地点で3馬身ちょっとの差はあずあって、これをL2だけで先頭に立ってきているので大体だが推定で11.2。11.6-11.2-11.9という感じだし、それも5Fが早い中でこれだけの脚を瞬間的にも使えた。しかもL3の11.6の地点では6頭分の大外をということになる。相当長く脚を使ってきて分散しながらももう一段使えた。こういうタイプは長距離向きだといえるし、展望でも書いてきたがこのパフォーマンスは1000万下レベルを超えてきているとみていて、であれば現時点では牡馬トップレベル。ところがひいらぎ賞でも46.8-48.0と流れた中で差し込んだ。もっとも単騎逃げ馬のもので実質的にはややスローぐらいではあると思うがそれでも自身でもハロン12に近いところで進めつつ仕掛けを待ちながらしぶとく伸びての2着。アウトライアーズには差し込まれたが、仕掛けを待つ形より長く脚を使って分散しながら徐々にトップスピードに乗せていく競馬の方が合っていることを前走で証明したと思っている。この内容なら今年の牡馬クラシック戦線なら主役で立ち回れる。単なるポテンシャルタイプではなくコーナーで速い脚を段階的に長く使ってきていることを評価したいし、この馬場ならトップスピードの質で負けるリスクはあまりない。正直ここは勝ってほしいと思ってみている。
〇アウトライアーズ
この馬も強いと思うし、皐月賞で基礎スピードを問われてとなると前走のパフォーマンスはやはり侮れん。前走のひいらぎ賞は46.8-48.0とハイペースだが単騎逃げ。各馬が仕掛けを我慢する形で11.7 - 12.3 - 12.2 - 11.8 - 11.7とコーナーで緩いラップを刻んだところを上手く外から取り付いてきたのはあるが、それでも4角出口で一瞬でウインブライトを置き去りにした機動力、これをコーナーで引き出してきたのは大きい。取り上げられるのは当然百日草特別だろうし、ここもドスローから12.9 - 12.8 - 11.8 - 11.0 - 11.1と2F戦、坂の上りでのギアチェンジを明かに要求された。好発から下げて2列目のつもりが前の馬も下げてきて3列目と苦しい展開になった。それでも直線で3列目から内に進路を切ってからが圧巻。要所の加速力で一気に伸びてきて上位3頭の誰よりも早くトップスピードに乗った。ただその質という点ではアドマイヤミヤビ、カデナの方が上というところで最後は甘くなっての3着。あの位置から一気にギアチェンジで出し抜く競馬ができているし、仮にあのまま2列目で入れていたら多分2着は間違いなかっただろうと。その点を考えても強い3着で、とにかく器用。前走で基礎スピード面をある程度押し上げてきたといえるし、内外の立ち回りを問わない極めて高い総合力タイプ。今の段階ではイスラボニータを彷彿とさせるタイプで、府中での反応の良さだけでなく中山でコーナーでの加速を問われても問題なく入ってきている。こちらの方が素材としては若干見劣るかなと思うが、それを補って余りある総合力を持っている。ギアチェンジは最大の武器で、前走のひいらぎ賞はちょっと噛み合った面もあった、ウインが噛み合わなかった面もあった。ただあのレースに関してはどちらかというとウインの競馬をアウトライアーズがして、アウトの競馬をウインブライトがしていたらさらに面白かったんじゃないかなとも思ってる。甲乙つけがたいけど、長く脚を使える方が今の中山の馬場でスローロンスパになりやすい1800の舞台を考えると好ましいので、ウインブライトを上に取った。クラシック主役級の一頭。
▲モンドキャンノ
さて、この2頭以外で頭で狙ってとなると結構悩んだんだけど、モンドキャンノを単穴枠に推したい。まず血統的にはどう見ても1200が良さそうで朝日杯はマイルを楽にクリアしてきた。この時点であまり血統の見た目に拘らない方が良いだろうと。あの競馬でも中山1800だともっと全体で分散されるので不安が解消されたわけではないけど、人気に影響しているのは間違いないところ。朝日杯は48.4-47.1とスローからの12.7 - 12.3 - 11.5 - 11.2 - 12.1とL2最速戦の中でサトノアレスの後ろからの競馬になったがL2地点では明らかにサトノにキレ負け。L1でサトノが甘くなったところを坂の上りでしっかりと詰めてきた。ここで2馬身近く詰めているのは結構面白い。サトノアレスの方がより瞬間的なトップスピードの質で勝負するタイプだと思うので、となるとこの馬は分散する形で長く脚を要求される中山1800でサトノを逆転する可能性はあるだろうと。それと大野なので恐らくかなり消極的にコーナーでロスなく競馬をする形を狙ってくると思う。この馬もポテンシャル面は未知数なところもあるので出来ればコーナーでロスはしたくない。向こう正面で上がった時にしっかりと内内を立ち回って内からの差し込でL1ズドンがあるとすればサトノアレスではなくこちらかなと。キタサンブラックの時も今となっては誰も無視しているけど、血統的に不安を覚えてもその枠外の競馬をしてきた段階でそれは無視した方が良いと思う。この馬はキンシャサノキセキ産駒のこれまでの中では飛びぬけたTS持続力を持っている、京王杯2歳Sのレベルも確かだった。朝日杯もボンセルヴィーソも好走しているわけで、距離的な不安が先行しすぎている感じはあるね。朝日杯を素直に受け取るならこちらの方が1800自体はこなせるチャンスはあると思う。
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