14期 予想歴20年
◎ソウルスターリング
3着/1人気
○リスグラシュー2着/3人
▲ミスパンテール16着/4人
△アドマイヤミヤビ12着/2人
チューリップ賞の2番人気以内馬の動向を見ると、桜花賞の結果が見えてくる。
まずは、昨年までの上位勢力の力が通用するかを、以下のデータにて分析する。
★1992年以降の過去25年、阪神JFを2番人気以内で連対し、チューリップ賞も2番人気以内だった馬の桜花賞成績は(5.2.0.0.0.0)。
2015年レッツゴードンキ
2014年ハープスター
2011年レーヴディソール(桜花賞不出走)
2010年アパパネ
2009年ブエナビスタ
2001年テイエムオーシャン
1997年メジロドーベル
1992年ニシノフラワー
また、少々変化球であるが、年明け以降のOP以上実績は重要であり、阪神JF3番人気以下1着馬の中から、以下のデータに該当する馬は同様に中心視する。
★1992年以降の過去25年、阪神JFを3番人気以下で優勝した馬で年明けにチューリップ賞を除くOP以上を勝利していて、チューリップ賞2番人気以内だった馬の桜花賞成績(0.1.0.0.0.0)。
2007年ウオッカ
牝馬の運動能力の成長は牡馬よりも早熟傾向にあり、阪神JFで人気に推されて結果を出せる素質があり、チューリップ賞でも人気が落ちない馬は、素質・能力の違いでそのままクラシック戦線でも主役を張れるということだろう。
ただし、阪神JFで人気薄で好走した馬は、(特に直行だと)チューリップ賞でも人気に推されるが、チューリップ賞でも凡走率が高く、それがトライアルらしい惜敗であっても本番も来ないことが多い。阪神JFのレベルが低かった可能性も高くなるし、阪神JFで上位人気になる素質が基本重要ということだ(ブエナビスタは未勝利勝ちから1番人気になっている)。
上記に該当する馬は桜花賞で勝ち負けになっているので、人気でも嫌わないほうが吉だろう。
今年はソウルスターリングとリスグラシューが該当。2頭該当した年はないが、どちらも消える可能性は低いし、指数上位の2頭なので3着以内に2頭が納まる可能性が相当高いと考える。
また、阪神JFで人気薄が勝った年などでは、年明けに頭角を現してくる馬が桜花賞で好走することが多い。そこで、次のデータである。
★1992年以降の過去25年、阪神JF不出走かつ年明けにチューリップ賞を除く1400m~1800mのOP以上の勝利又は1600mのOP以上の連対があり、チューリップ賞2番人気以内だった馬(チューリップ賞を除き4着以下が2回以上ある馬を除く)の桜花賞成績は(4.5.1.0.0.0)。
2016年ジュエラー(シンザン記念2着)
2016年シンハライト(紅梅S勝ち)
2015年クルミナル(エルフィンS勝ち)
2013年レッドオーヴァル(紅梅S勝ち)
2012年ジェンティルドンナ(シンザン記念勝ち)
2010年オウケンサクラ(フラワーC勝ち)
2007年ダイワスカーレット(シンザン記念2着)
1998年ファレノプシス(エルフィンS勝ち)
1995年ダンスパートナー(エルフィンS2着)
1995年プライムステージ(クイーンC2着)
上記データに係る実績なくチューリップ賞2番人気以内で本番3着以内に好走できたのは、下記の2頭だけ。
2006年アドマイヤキッス(未勝利勝ち、チューリップ賞勝ち)2着
1994年オグリローマン(地方出身馬。エルフィンS1番人気9着、チューリップ賞2着)1着
ここまでのチューリップ賞2番人気以内馬の本番好走データに該当する馬がいない年は、過去25年中12年と半数近いが、阪神競馬場の改修後の2007年以降は阪神JFの実績の関連性が高なったことから、中心馬を選定できない年はほとんどなくなっている。(2008、2011年は不在で、2008年は大波乱となっている)
さて、このデータで軸を決めることができても、紐の選択が必要となる。そこで、更に以下のデータを使用する。
★2007年以降、過去10年の3着以内馬(チューリップ賞2番人気以内の好走データ該当馬除く)18頭中、16頭が下記のいずれかに該当している。
・阪神JF0.6秒差以内かつ7着以内
・年明け以降のレースで、1400m~1800mのOP以上の勝利又は1600mの重賞連対
2016年アットザシーサイド(阪神JF0.6差5着)
2015年コンテッサトゥーレ(紅梅S勝ち)
2014年レッドリヴェール(阪神JF勝ち)、ヌーヴォレコルト
2013年アユサン(阪神JF0.6差7着)、プリンセスジャック(阪神JF0.5差6着)
2012年ヴィルシーナ(クイーンC勝ち)、アイムユアーズ(FR勝ち、阪神JF0.4差2着)
2011年マルセリーナ(エルフィンS勝ち)、ホエールキャプチャ(クイーンC勝ち、阪神JF0.1差2着)、トレンドハンター(フラワーC勝ち)
2010年エーシンリターンズ(エルフィンS勝ち)
2009年レッドディザイア(エルフィンS勝ち)、ジェルミナル(フェアリーS勝ち)
2008年レジネッタ(阪神JF0.5差6着)、エフティマイア、ソーマジック(アネモネ勝ち)
2007年カタマチボタン(クイーンC2着)
以上を踏まえ、今年の桜花賞の予想は、ソウルスターリングとリスグラシューの2頭軸とし、相手には指数も高いアドマイヤミヤビ(クイーンC勝ち)、アエロリット(クイーンC2着)、レーヌミノル(阪神JF0.5差3着)、ミスパンテール(チューリップ2着)、カラクレナイ(FR勝ち)を本線候補に、アロンザモナ(紅梅S勝ち)、サロニカ(エルフィンS勝ち)、ライジングリーズン(アネモネ勝ち、フェアリーS勝ち)をおさえ候補とする。
なお、桜花賞の騎手成績を見たところ、福永騎手、池添騎手、蛯名騎手は人気薄を持ってくることがあるため警戒することとし、データには該当していないが、ヴゼットジョリーもおさえ候補とする。
更なる強弱のつけ方については、データアートを踏まえることとしたい。
<データアート>
【2017年】
印 番 馬名 (天・血・人・馬)の印 調整指数 上がり実績
1 ミスエルテ ( ・ ・ ・ )0 58.3 ファ
注 2 ライジングリーズン ( ・ ・△・○)1 57.2 アネ、フェ
3 サロニカ ( ・ ・ ・×)-2 54.0
4 ジューヌエコール ( ・ ・ ・ )0 58.0
5 ベルカプリ ( ・ ・ ・×)-2 58.0↓
△ 6 リスグラシュー ( ・ ・ ・○)2 65.6 JF
7 ショーウェイ ( ・×・ ・×)-4 52.0
8 カラクレナイ ( ・ ・△・×)-3 59.9↓フィ
9 ゴールドケープ ( ・ ・△・×)-3 57.5 フィ
10 レーヌミノル ( ・ ・+・×)-1 61.0
11 アロンザモナ ( ・×・ ・×)-4 56.6 紅梅
注 12 アエロリット ( ・ ・△・○)1 59.8
13 ヴゼットジョリー ( ・ ・ ・ )0 58.2
◎ 14 ソウルスターリング ( ・ ・+・◎)6 64.5 JF(2)
▲ 15 アドマイヤミヤビ ( ・ ・+・○)3 61.7 クイ
▲ 16 ミスパンテール ( ・ ・+・○)3 60.1 チュ
注 17 ディアドラ ( ・ ・+・ )1 55.5
18 カワキタエンカ ( ・ ・ ・×)-2 58.0
(※印はデータアートの観点のみによるもの)
◇スカイポットによる予想(天星指数及びリスク)の見方
→http://baryutensei.com/008tenseiindex.htm
桜花賞はデータアート作成レースのため、そちらの評価をベースに右に指数リスクを記入しています(その他の記載は予想文を見ればわかるかと思います)。
(参考)桜花賞データアート → http://baryutensei.com/31ouka.htm
データアートで好評価となったのはソウルスターリング、アドマイヤミヤビ、ミスパンテール、リスグラシュー。阪神JF時の指数からすると、引き続きリスグラシューに本命を打つべきか多少の迷いがありましたが、ソウルスターリングの有するデータの歴史のほうが硬度が上回ると判断しました。
阪神改修後の過去10年で馬券に絡んだ30頭中、上がり1位経験のある馬は28頭と圧倒的(2位の2頭はダイワスカーレットとエフティマイア)。ベルカプリとカワキタエンカは消しで良さそう。
今年の予想時TBI(トラックバイアスインデックス)は48.9でしたので、天に印は付きません。昨年は53.3のデフォルト評価だったところ、実際のレースでは152.5と大幅に外差し傾向が強くなりました。過去の傾向としては当日は事前に把握できるバイアスよりも1段階は外差しが通用しやすいバイアスになると考えておいたほうが良さそうです。
展開については、「展開指数」にて計算したところ標準よりやや低い値を示しており、ややスローに傾きやすいと考えています。
→http://baryutensei.com/report/1704bt-oukadoc.pdf
◎ソウルスターリング
一昨年はデータアートより指数を重視して失敗してしまったため、昨年は指数よりもデータアートを信頼することで、本命馬を間違えずにほぼ狙い通りの馬券を的中できました。そこで、優先順位を変えずに今年の予想を考えた場合、この馬が冒頭で記載した「1992年以降の過去25年、阪神JFを2番人気以内で連対し、チューリップ賞も2番人気以内だった馬の桜花賞成績は(5.2.0.0.0.0)」。それから「阪神JFを勝利し、以降無敗でチューリップ賞を勝利した馬は(1.1.0.0.0.0)。」のデータにも該当していることは高く評価できると思っています。
「2007年以降の過去10年で、阪神JFを4角5番手以内に先行して5着以内に粘った馬(1400m以下の距離で実績のあった馬が多い)の桜花賞成績は(0.0.1.3.0.6)」といったマイナスデータもあるが、過去の凡走馬よりも成績は優秀であり、外の偶数枠にも入れたし、連軸としてある程度信頼できると考えています。
○リスグラシュー
昨年は牝馬のマイル路線を第一線を歩み、阪神JFでは負けて強しの内容で2着。今年1月まででの指数ランクでもマイルではトップとなった馬であり、チューリップ賞の1戦だけで桜花賞4番人気まで人気を落とすのは違和感があります。もちろん、チューリップ賞で、ソウルスターリングはともかくも新鋭のミスパンテールにも上がり3Fで遅れを取ってしまったことや、フォトパドック等の馬体が寂しいとの指摘、鞍上が阪神マイルを意外と苦手にしている武豊騎手であること、枠がやや内を引いたことなど、不安要素もあるのですが、それでもここまで人気が落ちるなら妙味があるように思います。出走前馬体重は450キロと前走時+12キロだし、調教時計は相変わらずの速さで、調子が落ちている感じも受けません。
この馬もソウルスターリング同様、「1992年以降の過去25年、阪神JFを2番人気以内で連対し、チューリップ賞も2番人気以内だった馬の桜花賞成績は(5.2.0.0.0.0)」に該当しています。
▲ミスパンテール
人気薄でトライアルを好走した馬は本番でコケることが多いため、当初は軽視も考えていたのですが、条件的にベストと言えるダイワメジャー産駒であり、前走は半年ぶりの実戦で、上積みもまだ期待できると考えて3番手評価としました。データアート的にも3ポイントの上位評価となっており、指数5位でもありますので問題ないでしょう。
△アドマイヤミヤビ
指数3位かつデータアートで3ポイントを付けているので相手には入れなければならないのですが、2007年以降の過去10年、桜花賞で3番人気以内に支持されながら馬券圏外に消えた馬(15頭)のうち、6頭が前走クイーンCからの臨戦だったという点は気になります。この馬自身、テンのスピードが足りない(ベストの距離からすると短い)ように見え、展開次第では消えるおそれもあるのではないでしょうか。
<その他の馬の一言コメント>
ミスエルテ…これまでに抜けた高指数パフォーマンスを見せたことはなく、話題先行の過剰人気馬という認識。最内もこのレースでは不利な傾向。
ライジングリーズン…中山が特殊なコースのため、アルテミスSで凡走したことが大きな不安材料となる。成績が悪い関東馬と1枠から、強くは推せない。
ジューヌエコール…前走不利は多少考慮できるが、不利がなかったら勝てたというレースでもなかった。
ベルカプリ…BPR(ベストパフォーマンスレース)が1400m以下かつ先行という凡走パターンに該当。
ショーウェイ…BPR(ベストパフォーマンスレース)が1400m以下かつ先行という凡走パターンに該当。
カラクレナイ…鋭い末脚を有するタイプなので、マイル以上実績がないだけでは一概に消しとも思わないが、過去の戦績が後ろすぎると思われる。
ゴールドケープ…前走は出遅れて後方からでも競馬ができる所を見せたが、それでもこのメンバーでは強調材料がない。
レーヌミノル…指数4位、池添騎手という強力なプラス材料があるものの、BPR(ベストパフォーマンスレース)が1400m以下かつ先行という凡走パターンに該当しており、ハイペースを好位くらいから差し込むスイートスポットの小さい条件に嵌らないと来ない印象。
アロンザモナ…BPR(ベストパフォーマンスレース)が1400m以下かつ先行という凡走パターンに該当。
アエロリット…前走はアドマイヤミヤビと0.1秒差であり、穴人気をすると思われるが、急坂のある中山コースでは前走ほどの高指数を出したことがなく、現状、軽い馬場で瞬発力を活かす条件を得意としていると考える。
ヴゼットジョリー…こちらも軽い平坦の新潟2歳S馬。阪神JF5着の実績はそこそこ評価できるし、このレース得意の福永騎手が乗ることには留意が必要かも。
ディアドラ…指数も低いが、アネモネS2着からの臨戦というところでデータ的に難しいだろう。
カワキタエンカ…指数は人気ほど低くないという点で買う考え方もあるが、上がり1位経験のない馬であり、前走逃げ勝ちでG1という臨戦は流石に厳しい印象がある。
なお、枠については一昨年分析していますのでご参考まで。
→http://baryutensei.com/report/1504bt-oukadoc2.pdf
皆さまの予想の参考になれば幸いです。
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