14期 予想歴20年
◎ファンディーナ
7着/1人気
○クリンチャー4着/13人
▲ペルシアンナイト2着/4人
△スワーヴリチャード6着/2人
皐月賞は自分が競馬を始めるきっかけとなったレース。毎年、現地観戦をしているため予想に力が入るもので、3年連続で1万字を超える予想文となっています。今年も資料を公開しつつ、なるべく客観的なデータを中心に精度の高い予想ができればと考えています。
『条件』
まずはトラックバイアス(馬場差)から見ていきます。以下のリンクより資料をご覧ください。
【参考】「2017皐月賞予想・馬場差分析資料」
→http://baryutensei.com/report/1704bt-satTBIdata.pdf
※土曜日のTBIは土曜日の夜に更新予定
資料右下の「当レースの傾向及び今年の展望」にも書きましたが、中山競馬場は直線が短いため、基本的にはVTBI(縦のバイアス)はデフォルト以内(黄緑色)になっています(バイアス自体が後方有利になったことはなく、激流や馬場荒れが発生しない限り、穴の追込みは出現しない)。
HTBI(横のバイアス)はデフォルトを想定。ここ3年連続は前週と前日がフラット~外有利で、今年はやや内が良い状態です。横がデフォルト程度であれば、前述のVTBIは前有利のため、4角で中団くらいまでには押し上げられないと厳しくなるでしょう。
また、この資料では2007年~2009年における、予想時バイアスと予想レースバイアス(結果)が連動していません。2007年は、逃げ馬と1、2番人気馬(レースにおける重心になりやすい)との距離が、残り400mで8馬身くらいもあり、そのために逃げ先行馬が残ったように見えます。また、2008年はテン3Fが36.2秒、3F~6Fが12.5以上となるスローペースにより逃げ馬や内を回った馬が好走しました。2009年は1、2番人気馬のBPRが逃げというイレギュラーな年でした。これらは展開予想で把握するしかありません。
『展開』
そこで、次に展開分析をしていきます。以下の資料をご覧ください。
【参考】「2017年皐月賞予想・展開分析資料」
→http://baryutensei.com/report/1704bt-satBPRdata.pdf
元々、2009年の激流(ハイペースになり複数の先行馬が各自の能力からは考えられない失速をしてしまう展開)を受けて作成した資料です。少し修正をしましたし、読み方が難しいと思うのでご説明(復習)します。
まず、左側には西暦、展開指数値があります。展開指数は一番右の数値をこちらにもコピーしているだけですので、後述します。「結果」には、ラップ、勝ち時計、前3F、後3F、前後差を表記しています。勝ち時計が1分59秒以下と速かった年に網掛けを、前3Fでは35.0秒以下と速い年に水色で、36.0秒以上と遅い年に薄橙色で網掛けを、後3Fでは4角二桁番手から3着以内に入った馬がいる年に網掛けをしています。また、前後差は前3Fと後3Fの差が-0.8秒以下の場合に薄赤色、0.8秒以上の場合に薄青色の網掛けをしています。
続いて、その右の「BPR分析」に移ります。左から1~18と並んでいる数字は馬番であり、各年の出走馬のうち、BPR1馬(逃げ馬)に6~8点、BPR3馬(番手先行馬)に2~4点の配点をしています。この配点は資料の真ん中下「★BPR脚質分析について」で書いているルールに従っています。BPR1馬やBPR3馬は自身のベストパフォーマンスを出したレースで逃げ又は先行していた馬なので、本番でも同じ脚質を採る可能性が高く、展開を速めやすいと考えています。また、外枠のほうに掛け率を加えているのは、外に逃げ先行馬が揃った場合は、内の馬で先行したい馬は被されてしまう(外から前に入られると不可抗力的に位置取りが悪くなる)ことを恐れて、内の騎手たちに余計に前に行く動機が生まれることを考慮しています。
「BPRが前走でなく、前走BPRと異なる位置取り(差し等)だった馬は配点を+2」というのは、例えばサニーブライアンやサンツェッペリンのように、差す競馬を試してみたけど駄目だったことで腹を括れた騎手が思いきって押し出していく可能性が高まることを考慮した配点です。
右の「展開重心分析」では、1番人気馬と2番人気馬の脚質から流れを速くする可能性を配慮しています。例えば、人気馬が追込み馬であれば、他の有力馬の騎手がそれをマークするため、お互いに牽制して先行馬がそのまま残りやすくなりますし、反対に強い逃げ先行馬がいれば早い段階でそれを負かしに行く動きが発生するためペースは速くなる傾向があります。
「中心馬分析」は、あまりにも1番人気の馬が抜けているようなケースでは、他の騎手が普通に戦っても勝てないと思い、奇策に出る可能性が高まると想定されることによる配点です。断然人気馬が追込み馬であれば、後ろが牽制しているうちに逃げ残れる可能性があるかもしれないと大逃げを打ったりしますし、断然人気馬が逃げ先行馬なら負かそうと絡んでいく場合もあります。
「馬場分析」は、皐月賞時に馬場が稍重以上の重さになった場合、前述の傾向が出ていることから、当週に重馬場以上となったかによって事前に把握することとして配点しました。
それで、過去激流が発生していた1994、2009のポイントが高くなるようにバランシングしたものがこのツール。70ポイント以上は激流発生しているため、薄青に網掛けをしています。
また、展開指数が25以下かつBPR1馬が1頭以下の場合は、スローペースになるリスクが高まり、内先行馬と決め手のある馬が有利になりますので、桃色に網掛けをしています。この他に、BPR1馬が3頭以上いるレースでは展開が縦長になって有力馬の仕掛けが遅くなると届かないリスクが高くなるため、緑色に網掛けをしています。
これによって、激流以外の展開による波乱(サニーブライアンらの前残り(メジロブライトが届かず)、セイウンスカイの逃げ切り(スペシャルウィークが届かず)、ノーリーズンの激走(タニノギムレット、ローマンエンパイアが届かず)、ダイワメジャー、メイショウボーラーの粘り(ブラックタイドが届かず)、メイショウサムソンら内枠馬の好走(アドマイヤムーン、フサイチジャンクが届かず)、ヴィクトリーとサンツェッペリンの前残り(アドマイヤオーラ、フサイチホウオーが届かず)、キャプテントゥーレの逃げ切り(ブラックシェルが届かず)、ウインフルブルームの粘り等)を事前に留意することができます。
今年はBPR1馬2頭、BPR3馬5頭というメンバー構成で、展開指数は44と近年では高めとなりました。さらに、アダムバローズは実質の逃げ宣言をしているので、この馬も逃げ馬としてカウントすれば、縦長になるリスクも生じることになります。バイアスは前有利のため、ある程度速い流れとなっても激流にはならず、タフ系の素質のある先行馬に注意を払うとともに、後方待機馬には不利な展開になる可能性があることに留意するべきでしょう。
具体的な展開を考えてみます。下記は過去3走(左が近走)の各馬の発馬(ゲート出の良さ)と初速(二の脚の速さ)を5段階(◎、○、-、△、×)評価で表示したものです。先行していても出ムチ等、鞍上の指示で位置を取りに行ったものは○にしていません。
【参考】過去3走の各馬の発馬と初速評価
1.マイスタイル (横山典)発馬○--、初速---
2.スワーヴリチャード(四 位)発馬△△×、初速-×○
3.コマノインパルス (江田照)発馬-△×、初速△△△
4.カデナ (福 永)発馬---、初速△△△
5.レイデオロ (ルメー)発馬-×-、初速××△
6.アウトライアーズ (田 辺)発馬△×-、初速--○
7.ペルシアンナイト (Mデム)発馬△△△、初速△△-
8.ファンディーナ (岩 田)発馬○○○、初速○-○
9.プラチナヴォイス (和 田)発馬-○○、初速---
10.ダンビュライト (武 豊)発馬-△△、初速-△-
11.アルアイン (松 山)発馬-△-、初速○--
12.アメリカズカップ (松 若)発馬-×-、初速-○○
13.サトノアレス (戸 崎)発馬×△△、初速-△△
14.キングズラッシュ (柴田善)発馬△△△、初速×-×
15.アダムバローズ (池 添)発馬---、初速○○○
16.クリンチャー (藤岡佑)発馬---、初速---
17.ウインブライト (松 岡)発馬---、初速---
18.トラスト (柴田大)発馬○-○、初速-○○
枠順も踏まえると、スタートで前に出るのはマイスタイル、ファンディーナ、アダムバローズの3頭。まずはアダムバローズが行く気を見せるとして、先頭にアダムバローズ、先行集団にマイスタイル、ファンディーナ、アルアイン、アメリカズカップ、クリンチャーがつけて、好位にカデナ、プラチナヴォイス、ダンビュライト、トラスト。トラストは、行かせようとすれば行けるスピードはあると思うのですが、陣営は相変わらず抑える作戦のようですし、大外から先頭に立つのは厳しいですね。ここまでで10頭。
中団後方にスワーヴリチャード、コマノインパルス、アウトライアーズ、ペルシアンナイト、ウインブライトがつけて、最後方付近にレイデオロ、サトノアレス、キングズラッシュという隊列を想定します。
2004年以降、前週及び土曜におけるTBIの数値がいずれも105以上だった年、どちらかが165以上だった年及び激流年を除く9年(2004~2008年、2010年及び2013~2015年)において、当時の3着以内馬27頭のうち、皐月賞で2角を11番手以降で走っていた馬は、ドゥラメンテ、ヴィクトワールピサ、ヒルノダムール、タケミカヅチ、フサイチホウオー、フサイチジャンク、ディープインパクト、シックスセンスの8頭となっています。3番人気以内馬5頭を除けば穴をあけたのは3頭しかおらず、中団後方以下の想定馬はやや狙いを下げたほうが良いかもしれません。
『能力』
今年も天星指数の算出を条件戦以上で続けており、参考として調整指数を公開します。
【参考】各馬の調整指数
4月16日(日)中山11R 皐月賞 中山2000m
1.マイスタイル(ハーツクライ) 56.5NS
2.スワーヴリチャード(ハーツクライ) 58.5
3.コマノインパルス(バゴ) 57.2
4.カデナ(ディープインパクト) 57.6NS
5.レイデオロ(キングカメハメハ) 58.3≠
6.アウトライアーズ(ヴィクトワールピサ) 57.4
7.ペルシアンナイト(ハービンジャー、SS) 59.8↓
8.ファンディーナ(ディープインパクト) 62.5☆~70.8$
9.プラチナヴォイス(エンパイアメーカー) 56.3
10.ダンビュライト(ルーラーシップ) 55.8NS
11.アルアイン(ディープインパクト) 56.6
12.アメリカズカップ(マンハッタンカフェ) 55.5∵
13.サトノアレス(ディープインパクト) 59.1↓
14.キングズラッシュ(ルーラーシップ) 55.1≠
15.アダムバローズ(ハーツクライ) 55.8
16.クリンチャー(ディープスカイ) 59.5
17.ウインブライト(ステイゴールド) 57.0
18.トラスト(スクリーンヒーロー) 56.7↓∵
※調整指数は、1800mのレースでの指数を-0.5、1600mのレースでの指数を-1.5した値としています。
能力では、ファンディーナが抜けた評価となりましたが、2番手以下は混線となっています。指数56以下の下位馬の好走は展開やバイアスの助けが必要となるでしょう。
『末脚実績』
今年作ったデータですが、「1992年以降、過去25年における皐月賞3着以内馬76頭中、昨年11月以降の芝1600m以上の条件戦以上のレースにおける上がり(3F)2位以内実績のある馬は65頭。非該当馬のうち、朝日杯3着以内馬が5頭、新馬戦を除く芝キャリア1戦馬が2頭、当日4番人気以内馬が2頭となり、これで97.4%をカバーしている。」というものがあります。
今年、このデータに該当できないアダムバローズ、キングズラッシュ、ダンビュライト、トラスト、プラチナヴォイスはG1で求められる決め手を持たないと考えて大幅に減点します。
『データアート』
続いて、昨年以前まで、予想のメインツールとしていた「データアート」による分析を行います。過去25年の皐月賞の出馬表と結果を分析し、好走パターンについて『称号』を与え、凡走パターンについて「烙印」を付けて、そのバランス等を総合的に分析するといういわゆるデータ予想です。詳細についてはHP上に掲載しているリンクアドレスを紹介させて頂きますので、そちらを参照してください。
【参考】皐月賞「不死鳥データ」
→ http://baryutensei.com/31sats.htm
(過去実演… http://baryutensei.com/32sats.htm)
※初見の方は、先にこちらをご覧頂くことを推奨します。
最新版のデータアートに照らし合わせて『称号』と「烙印」の分布を出したものが以下となります。
【参考】各馬の称号・烙印分布(ここでの印はデータアートのみに基づくもの)
印 番 馬名 『称号』と「烙印」
△ 1 マイスタイル 『★遁走格』「少連対」「先失速」
2 スワーヴリチャード「剛力疑」「末脚賭」
3 コマノインパルス 「末脚賭」
▲ 4 カデナ 『★二千績』「末脚賭」
5 レイデオロ 「末脚賭」
6 アウトライアーズ 「末脚賭」
△ 7 ペルシアンナイト
◎ 8 ファンディーナ 『★速覇王』
9 プラチナヴォイス 「少連対」「重績不」
10 ダンビュライト 「少連対」「距離不」
11 アルアイン 「毎日削」
12 アメリカズカップ 「基礎格」
○ 13 サトノアレス 『★短実績』「末脚賭」
14 キングズラッシュ 「剛力疑」「重績不」
△ 15 アダムバローズ 『★二千績』「基礎格」「先失速」「重績不」「外枠難」
16 クリンチャー 「基礎格」「記念挑」「他組削」「先失速」「重績不」「外枠難」
17 ウインブライト 「外枠難」
18 トラスト 「基礎格」「少連対」「毎日削」「外枠難」
印はあくまでもデータアートによるものであって最終結論ではありません。今年は称号馬が5頭いますが、『★速覇王』に該当したファンディーナ以外は、アナログでマイナスとなる材料もあるため、それほど強調できないと考えています(説明は後述)。
なお、内枠の「末脚賭」に該当した馬ですが、1992年以降の過去25年において、この烙印を持つ6番以内の内枠馬25頭は称号を持つドリームパスポートを除く24頭が4着以下に消えていることから、データアート上は軽視する方向としました。具体的には、ウイニングチケット、アドマイヤベガ、ドリームジャーニー、アドマイヤフジ、ワンアンドオンリーらが消えており、後方から外を回して届かずというケースが多いです。
『レース分析・アナログ&データによる各馬分析』
★弥生賞(12.4-11.4-12.8-13.2-13.4-12.7-12.3-11.9-11.4-11.7=2:03.2)
今年の弥生賞は良馬場で行われ、フラットの馬場バイアスで行われたと考えています。ラップは4F目から13.2-13.4とかなり緩んだ中弛みスローで、時計的には評価できません。
・カデナ(福永)『★二千績』「末脚賭」
前走の弥生賞は1番人気で優勝しました。毎年ご紹介していますが、過去25年(激流年を除く)の弥生賞馬中、本番馬券に絡んだ12頭中11頭は弥生賞を2番人気以内で勝利しています。具体的には、2番人気以内は(3.4.4.3.0.2)、3番人気以降は(0.0.1.2.0.3))。なお、馬券に絡んだ12頭全てが、当日3番人気(1頭を除けば2番人気)以内に支持されていたことも付け加えると、3番人気以内が確定的なカデナの4着以内は堅いような気がしてきます。
また、昨年、過去25年の弥生賞6着以内馬のうちの上がり1~2位馬について、当日7番人気以内馬の皐月賞とダービーの成績が下記のように良いというデータを紹介しました。
皐月(5.3.4.6.2.13)勝率15.2%、連対率24.2%、複勝率36.4%
優駿(8.4.7.1.3.6)勝率27.6%、連対率41.4%、複勝率65.5%
このデータは父SS系に絞ると下記になり、
皐月(4.1.2.3.1.4)勝率26.7%、連対率33.3%、複勝率46.7%
優駿(7.3.4.0.0.2)勝率43.8%、連対率62.5%、複勝率87.5%
更に、弥生賞の上がり1位馬及び当日3番人気以内に絞ったのが下記。
皐月(4.1.1.0.0.1)勝率57.1%、連対率71.4%、複勝率85.7%
優駿(5.2.1.0.0.0)勝率62.5%、連対率87.5%、複勝率100.0%
該当馬は名馬が多いですが(着外は体調不良だったアドマイヤベガ)、皐月賞も勝ち負け当然という形になりました。今年のカデナは最後まで該当すると思われ、そうするとダービーも込みで期待できるように見えます。
負けたレースも致命的な不利のあった新馬戦と、抜け出すまでに時間のかかった百日草特別ということで、パフォーマンス的に底を見せていないように映りますし、データアートの称号『★二千績』が付いており、本命級の評価をすべきように思われます。
しかし、私はこの馬を積極的に推したくありません。まず、指数が低い。弥生賞を1番人気で勝つような馬であれば、指数60くらいはクリアしていそうなものですが58程度。これは、例年であればOP~G3で馬券に絡める程度の水準で、人気なら軽視妙味に感じます。
また、データアートの称号『★二千績』は、この称号の条件を前年12月以降のレースに限ることに変更すると、対象外になってしまう(過去に該当しながら凡走したトリップを対象外にすることができるので、データ練成のためには好都合とも言える)ということもあり、信頼度は高くないと考えています。
更に、これまでのレースのほとんどがかなりのスローペースであり、中盤が厳しくなった場合にも同じような末脚が使えるかは不明です。馬体から距離延長は歓迎ではなさそうで、2000mもスローだから対応できていたという可能性もあります。過去25年の弥生賞で、テン6Fが75秒以上かかったのは4年あるのですが、そのうち勝ち馬が当日馬券に絡んだのはヴィクトワールピサのみ。これも過去5走が全て1番人気という馬の素質と、岩田騎手が内に潜り込む芸術的な騎乗があっての結果でした。今回はおさえまでで足りると考えます。
・マイスタイル(横山典)『★遁走格』「少連対」「先失速」
弥生賞を逃げて2着に粘ったことで、称号『★遁走格』に該当しています。ただ、前走逃げからの臨戦はデータ的に良いとは言えません。過去25年で前走時に3,4角1番手で逃げていた馬を集計すると、(2.0.2.2.1.30)。勝ち馬はミホノブルボンとセイウンスカイ、3着馬はスタントマンとメイショウボーラーと、キャリアにG2以上を含んだ上で複勝率100%の馬でした。
また、弥生賞のラップの遅さが気になります。過去25年の弥生賞において、逃げて3着以内に入り、本番も好走した馬はスタントマン、セイウンスカイ、メイショウボーラーの3頭ですが、その弥生賞のテン6Fラップは、
1992年:12.4-10.9-12.3-12.5-12.3-12.4=72.8
1998年:12.5-10.9-12.0-13.0-12.8-12.2=73.4
2004年:12.6-11.8-12.1-12.2-12.2-12.3=73.2
となっていまして、それと比べて今年は、
2017年:12.4-11.4-12.8-13.2-13.4-12.7=75.9
と遅すぎます。過去6Fラップが75秒以上(かつ13.1秒以上のラップを1回以上含む)となったのは2012年、2010年、2009年、2002年の4年ですが、その時の弥生賞で3,4角4番手以内の先行をしていた馬(ロジユニヴァース、エイシンアポロンら5頭)は、本番全て消えていますから、この馬も流石に厳しいのではないでしょうか。
・コマノインパルス(江田照)「末脚賭」
葉牡丹賞、京成杯の内容からはレイデオロの下位互換といった印象の馬。休み明けでない点はレイデオロよりまともなものの、「皐月賞分析(京成杯、ホープフルS使用馬の評価)」(若駒ナビに掲載しているが、冬場の中山戦を差し追い込みで好走している馬は春以降の同条件で凡走しやすい)のデータから推奨できません。指数は上位と差がないので、能力・オッズ比較では狙い目になりうるのですが、スタートが悪く後方からの競馬になるだろう点、上がり1位経験がない点から、やはり狙い難いです。重賞で到底理解できない激走をさせることがある江田照騎手という点だけが買い材料になりうると思われます。
★スプリングS(12.6-11.7-12.1-12.2-11.7-11.8-12.1-11.8-12.4=1:48.4)
今年のスプリングSも良馬場。やや外差し有利の馬場バイアスで行われたこと、展開もミドルペースであったことで、指数上位馬が概ね上位に入りました。
・ウインブライト(松岡)「外枠難」
この馬は2戦目で凡走しながら、その後指数を上げてきたイレギュラーなタイプ。ステイゴールド産駒で、ペースの流れる中山戦はいかにも向きそうです。外枠を引きましたが、連勝で重賞を制した馬であり、まだ成長しているかもしれず、必要以上には嫌う必要はないと思います。
他のデータでは、この馬は勝ち上がりに3戦を要しています。過去25年の3着以内馬で、初勝利に3戦以上かかっている馬もちらほらと見受けられますが、その多くが短距離やダートで負けていたもの。2戦目で芝1800m以上を使って負けた馬はディーマジェスティ、メイショウサムソン、ドリームパスポートしか該当例がありません(ドリームパスポートの2戦目はメイショウサムソンに敗れたもの)。この3頭は、勝ち上がったレースで0.4秒差以上の楽勝をしていること、1800m以上のOP・重賞を4走して全て馬券に絡んでいること、重賞を含む4戦以上で上がり1位100%であることのいずれかに該当していました。そのような強調材料は現状ありません。バイアスがデフォルト想定なので、条件もやや悪くなりました。
・アウトライアーズ(田辺)「末脚賭」
百日草特別でアドマイヤミヤビやカデナと好勝負し、ひいらぎ賞で鮮やかな差し切りを見せたことで、昨年の年末頃にはクラシック候補として名前が挙がっていたように記憶していますが、ここまでの重賞実績はスプリングS2着しかありません。気性が前向きなレースぶりからはスピードに勝った感じがあり、末脚も軽めの加速SHPという分類になりまして、イメージ的にはドリームパスポートを小さくしたような感じ。そういう面で、内枠を引けたのは良かったと思います。
しかし、スプリングSを勝ちきれなかったこと、スプリングSでは上がり順位を4位に落したことから、正直、今回は微妙と感じています。若駒ナビサイトにスプリングSを連対した馬の傾向記事を載せておりますが、スプリングSに限らず、1600m以上のOP以上勝利実績がない馬の馬券圏は76頭中12頭と少数派で、そのうち6頭は前々走以前に1600m以上の重賞連対実績がありました。指数はウインブライトと同程度なので、ウインブライトを買うならこの馬も買うべきなのかもしれませんが、戦績は物足りないです。
・プラチナヴォイス(和田)「少連対」「重績不」
末脚実績において大きな減点がついており、また、データアートでも2つの烙印データに該当しているので普通に考えると消しで良さそうですが、ハイペースへの対応力があり、調教の速さからもタフ系素質があるのは間違いないのと、前走時に中山で瞬発力のある脚を使えたことは評価できます。モタレ癖や気性面でも難しい馬ですが、馬具により矯正できれば、過去の凡走を度外視できると思いますし、とにかく馬券相性が悪いので、買わないで来られるよりも買って来ないほうがいいため、お守りとしておさえます。
・サトノアレス(戸崎)『★短実績』「末脚賭」
ディープインパクト産駒ですが、朝日杯では6番人気に軽視されるなど地味で、年明け初戦のスプリングSを4着に敗退したことで、また6番人気以下になりそうです。
データアートでは称号『★短実績』に該当しているものの、データアートにこの称号を設定した2003、2004年こそ馬券圏内馬をズバリ的中させていたのですが、2005年以降、この称号だけを持ち馬券に絡んだ馬は、オルフェーヴルとコディーノの2頭しかおらず、特に朝日杯優勝馬は残念な結果を積み上げてきています(阪神の外回りになっても、クラシックには繋がってきていない)。昨年は他の称号馬がいて4,5着でしたが、あまり強力な称号ではないです。
脚質が追い込みに寄りすぎているのは不安材料ですが、抜けて強い馬がいるレースでは、厳しい流れになってマイル実績を持つ追い込み馬が届くことがあるので、消すのも違うかなと思っています。
★若葉S(12.4-10.7-11.9-12.1-12.0-12.8-12.5-11.9-11.6-12.4=2:00.3)
今年の若葉Sは良馬場で行われ、デフォルトの馬場バイアスで行われました。タガノアシュラが思い切って逃げたことでテン5Fは59.1秒と、今年の皐月賞トライアルの中では一番速いペースでした。
・アダムバローズ(池添)『★二千績』「基礎格」「先失速」「重績不」「外枠難」
末脚実績の点で大幅な減点がありますが、データアート『★二千績』が付いており、池添騎手が乗るため、少々迷いの残る馬です。
この馬は中山での惨敗歴がありますが、1992年以降の過去25年で、前3走中に中山の重賞で8着以下を経験している馬は(0.1.1.0.4.55)(馬券圏に好走したセイウンワンダー、サンツェッペリンは中山の重賞勝利馬)。というデータがあります。指数的にも評価ができない馬で、展開的にもファンディーナが4角で2,3番手に進出してくる競馬をした場合、直線早々に交わされてしまいそうで、そこから馬券圏をキープできる馬とは思えません。割り切って消して良いのではないでしょうか。
★その他の臨戦馬
共同通信杯(12.6-11.6-11.8-12.3-12.3-12.2-11.6-11.4-11.7=1:47.5)
・スワーヴリチャード(四位)「剛力疑」「末脚賭」
昨年の若駒戦の中では指数が高く評価している東スポ杯の2着馬で、指数はこのメンバーで5位となっています。共同通信杯は楽勝なので、まだ指数を上げる可能性もあるのですが、レースぶりをじっくり見ていると、この馬の使える末脚は意外と短いようです(仕掛け遅れて衝撃的な末脚を見せた新馬戦、伸びが案外だった未勝利戦、最後にムーヴザワールドに差し返されそうになった東スポ杯、個性を鞍上が理解して、追い出しを我慢した共同通信杯)。
とすると、中山の短い直線は悪くないので、あとはポジション取りが重要になります。スタートは良くないので、外枠を引くと厳しいと思っていましたが、内枠を引けました。スタートが決まれば好走可能性が高まるように思いつつ、スタートのセンスで勝るカデナや、プラチナヴォイスあたりに前に入られてしまう気もします。窮屈な競馬も向かないですし、馬群を捌くのに手間取るおそれはありそうです。買う必要はありますね。
きさらぎ賞(12.9-11.6-12.0-12.5-12.6-12.4-12.2-11.7-12.2=1:50.1)
・アメリカズカップ(松若)「基礎格」
きさらぎ賞勝ち馬には、お馴染みのデータを紹介しましょう。1992年以降の過去25年における、きさらぎ賞勝ち馬の皐月賞挑戦は、皐月賞トライアル3着以内を併せ持てば(1.3.3.0.1.0)、直行又は4着以下であれば(0.0.0.1.0.11)というものですが、綺麗に明暗が分かれています。
データアートの烙印「基礎格」(0.0.1.6.7.127)への該当は、出遅れもあって多少考慮できるかもしれませんが、指数もこのメンバーでは下位なので、前走は重馬場の助けがあったと考えて割り切って消去します。
毎日杯(12.5-11.1-11.6-12.2-12.7-12.0-11.1-11.3-12.0=1:46.5)
・アルアイン(松山)「毎日削」
毎日杯からの臨戦で皐月賞3着以内に入った馬は、過去25年で2頭のみ。1993年のシクレノンシェリフは2戦2勝馬で、ガレオン降着による繰り上がりの3着。1999年のテイエムオペラオーは毎日杯を0.7秒差で楽勝、芝の連対率は100%でした。毎日杯3着以内からの臨戦馬を集計してみると、(1.0.1.1.2.21)、1800mに変わってからの馬券圏内馬はゼロとなっています。中には、指数的に通用してもおかしくなかった馬もいながら悉く消えており、相性が悪いローテーションと考えざるをえません。
ホープフルS(12.4-10.9-12.3-12.2-12.5-12.1-12.3-12.1-12.0-12.5=2:01.3)
・レイデオロ(ルメール)「末脚賭」
3戦3勝、全て1番人気で上がり1位という完璧な戦績ですが、暮れのホープフルSからの直行という臨戦過程が鬼門。過去25年の皐月賞において、前年から(3ヶ月以上)の休み明けで馬券に絡んだ馬は皆無なので、流石に厳しいように思われる一方、外厩制度が発達した昨今の環境ではぶっつけイコール消しと言い切れるかわからない面もあります。前2戦は脚を余しているようにも見えるのでばっさり切りにくい馬です。
ただし、この馬は12月の中山2000mを後方から追い込む競馬をしています。コマノインパルスの所で書いたデータを確認してもらいたいのですが、この時期の中山は差し追い込みが好走しやすいため、ここで凄い脚を見せて次走人気で凡走するというパターンは結構多いです。それから、調教の内容が悪いので状態面にも不安があります。後方からの競馬になるでしょうし、割り切って消去しようと思います。
フラワーC(12.6-11.9-12.0-12.3-12.3-12.3-12.4-11.2-11.7=1:48.7)
・ファンディーナ(岩田)『★速覇王』
つばき賞で計上した最高指数70.8(2000m換算)は、この時期のディープインパクトを実質超えるもので、単純計算をすれば今回のメンバー相手にでも本気を出せば大差をつけられるというオカシイ値となっています。超スローペースでの指数はブレやすく、流石にこれよりは下がるだろうと見越していますが、フラワーCの指数(62.5)も楽勝を計算に入れなくても指数60弱が出ています(目一杯追って5馬身つけていたとしても、60だったという意味)。
フラワーCは相手が弱いと言われていますが、シーズララバイの指数は若竹賞では52台に落としていましたが、フラワーCでは55弱あります。楽勝について、もう少し踏み込んで解説してみると、シーズララバイを相手に楽な手応えで勝つことは、指数58~59の馬(つまり、今回の牡馬の1級線)には可能ですが、5馬身をつけることはできません。そして、同様に考えれば、指数63程度をファンディーナが持っているなら、指数58~59の馬を相手に楽な手応えで勝つことは可能ということになります。天星指数における能力把握においては他馬を圧倒しており、余程の不利や状態面の悪化(フケ)等がなければ問題なく勝ちきれると見ています。
馬体は牝馬と思えないほど雄大で、フットワークも大きいのですが、加速する時の回転力が素晴らしく、スペースさえあれば追って伸びないおそれは少ないです。ペースが上がることへの対応能力についても、坂路調教で速い時計を出していることから対応可能と見ます。重厚さのある走りをしていることから、重馬場や中山の急坂で大きくパフォーマンスを落とすというタイプでもなく、先行センスに優れているので、後方からの競馬になる可能性も低いです。ペースに関しては、鞍上が皐月賞好走経験の多い岩田騎手というのも心強いですね。
社台グループ系の生産馬ではなく、最内枠にでも入れば、内に閉じ込められて出られない心配もあったのですが、中枠を引けたので、そういったリスクも限定的と思われ、この馬に迷わず本命を打ちます。
アーリントンC(12.3-11.0-12.0-11.9-11.9-11.4-11.3-12.3=1:34.1)
・ペルシアンナイト(Mデムーロ)
指数2位。アーリントンC優勝時の回顧で、年明け重賞楽勝データ「1992年以降、年明け以降(5月まで)の1600mから2000mの芝重賞において、上がり1位かつ0.5秒差以上の楽勝をした馬のその年の春期G1成績は、(16.3.8.0.2.3)となっている。」に該当していること、シンザン記念までから指数を一段上げてきているので、成長している可能性にも触れ、休み明けとなっても皐月賞では侮れないと指摘しました。アーリントンCからの臨戦馬は凡走例が多いですが、多くはマイルまでがぎりぎりの逃げ先行馬でした。
データを示せば、1992年以降の過去25年の皐月賞で、前走が1600mからの臨戦馬は(0.2.0.1.0.17)。また、データアートの「距離不」が示すように、1800m以上で連対経験のない馬は(0.0.1.3.4.65)となっており、この馬は1800mのOP連対実績があるのでマイナスと考える必要はなさそうです。過去の少ない例では、ダンツフレームに近いですね。
また、「1992年以降の過去25年で、デビュー以降の芝キャリアが4戦以上で、その全てで1番人気に推されていた馬は、(2.3.3.0.0.1)。」というデータがあり、キャリア5戦において全て1番人気に推されていたのもデータ的に大きな推奨材料となります。父がハービンジャーという血統的に、重賞で単勝1倍台の人気になるのは良い意味で違和感があり、特に、ソウルスターリングがいながらも1番人気を譲らなかったのは価値が大きいように思います。
素質馬のローテーションかと言われると微妙ですし、父がハービンジャーなのは引っ掛かりますが、母父SSならば問題はなかろうと考えまして、皐月賞に相性の良いデムーロ騎手の騎乗、データアートにおいてマイナス材料なしということも踏まえて相手本線としました。
すみれS(12.5-11.1-12.1-12.7-12.9-12.4-12.3-12.1-11.8-11.9-12.3=2:14.1)
・クリンチャー(藤岡佑)「基礎格」「記念挑」「他組削」「先失速」「重績不」「外枠難」
新馬戦は11番人気12着惨敗、2戦目の未勝利戦は14番人気で1着、すみれSは5番人気1着という臨戦。過去25年の皐月賞において、すみれSの勝ち馬は4着(1998年エモシオン4番人気)が最高で、その他11頭はいずれも6着以下に惨敗しています。これだけ人気をしてこなかった馬らしく、血統的にも父がディープスカイ産駒と地味ということもあって、本番でも二桁人気が確実な状況。私の作っているデータアートでも6種類のマイナス材料に該当しており、普通に考えれば消しですが…。
この馬のセールスポイントは指数がメンバー3位であること。すみれSでは、毎日杯でそれほど差のない3着に入るキセキ相手に4馬身差の楽勝をしていて、走法からはパワーがありそうに見え、中山も問題なさそうだし、母父ブライアンズタイムの血が昨年のディーマジェスティを想起させます。
脚質が逃げ先行という点も、先週の馬場バイアスにおいて、前有利な傾向が出ていたことからプラスになる可能性があります。
すみれSからの臨戦馬については、以前から、エモシオンの好走例(と言っても4着だが)を引き合いに、スローペースしか経験・実績のない馬ではないか、といった観点から好走可能性を分析してきました。過去のすみれS勝ち馬はスローペースばかりを経験しており、短距離で速い流れも経験していたエモシオンとは違う、というものでしたが、今年のすみれSは11F中に13秒以上を含むラップがない(他には2011年のロッカヴェラーノのみ。同馬は皐月賞15番人気で3着に0.2秒差の6着と善戦)、12.6秒以上のラップも2回しかない(過去最少)といった特殊性があります。前走が0.7秒差の楽勝、新馬戦を除く前2走はミドルペースを逃げや2番手で上がり1位を記録していることから、過去のすみれS勝ち馬とは異なる印象があります。
調教時計が遅いのでタフ系の素質があるかはよくわかりませんし、藤岡兄騎手が微妙(この騎手が来るのは大抵、追い込みタイプのため)ですが、ここまで材料があれば相手本線に推したいですね。
ここまでに記載のない馬はデータアートで烙印が多くついており、それを覆す材料がないためコメントを割愛します。
『まとめ』
◎8ファンディーナ(能力の違いに期待して。単勝も買いたい)
○16クリンチャー(前々で粘り込めそうな穴馬として)
▲7ペルシアンナイト(ローテ疑問も、陣営も想定以上の成長力に期待)
△2スワーヴリチャード(好位から中団までで競馬ができれば好走できそう)
△4カデナ(データ的には推奨材料がある)
△9プラチナヴォイス(ある程度前でタフ系の素質を活かせれば)
△13サトノアレス(G1の流れになって再び浮上する可能性はある)
その他、手広く注を打ち、3連単流し馬券を購入する可能性あり。
今年は穴馬に強い印を打てて楽しみが広がりました。過去の皐月賞予想を糧にした渾身の予想になりますので、参考になるデータ等が少しでもあれば競馬ナンデの拍手を頂ければ励みになります。
http://www.keibanande.net/?m=pc&a=page_l_syousai&target_yosou_id=54548
以上
tipmonaとは?