オークス2017予想
セット版

スカイポット
14期 予想歴20年

◎リスグラシュー
  5着/3人気

○レーヌミノル13着/4人
▲ソウルスターリング1着/1人
△ヤマカツグレース18着/10人


例年の予想方法をベースにした予想は書き終えたのですが、今回の私の予想を取り巻く環境変化に対応するため、まっさらな状態から予想を行い直すこととしました。

まず、若駒ナビにも掲載しましたが、過去16年のラップ等についてまとめてみました。
オークスにおいては(ダービーにおいても)、展開が、スローになったり全体的に速くなったり、出入りの激しい競馬になることが結果に影響を与えている印象です。

データは、近年を重視するために過去5年を基本とします。(その前2年は降雨の影響もありそうなので除外)

過去5年の3着以内馬15頭中12頭は、年明け以降の重賞で上がり1位(桜花賞は3位以内)を出していた馬でした。非該当馬のうち2頭は、年明け以降の重賞勝ち馬。(非該当は2012年3着アイスフォーリスのみ)
(ダービーにおいても、過去5年の3着以内馬15頭中10頭は、年明け以降の重賞で上がり1位(皐月賞は3位以内)を出していた馬でした。非該当馬のうち4頭は、年明け以降の重賞勝ち馬(皐月賞は3着以内)。(非該当は2013年3着アポロソニックのみ))

今年、年明け以降の重賞で上がり1位(桜花賞3位以内)を出している馬は、アドマイヤミヤビ、ディアドラ、ミスパンテール、モズカッチャンの4頭。年明け以降の重賞を勝っている馬(桜花賞3着以内馬を含む)は、ソウルスターリング、アドマイヤミヤビ、モズカッチャン、リスグラシュー、レーヌミノルの5頭です。

アイスフォーリスは超スローの上がり勝負となったフローラS2着からの臨戦でしたが、血統的にパワー・持続型なのにこの競馬に対応できたことから逆の意味で評価できたのかもしれません。(当日は中盤に速いラップの多いタフな展開となりました)

ということで、ラップが平穏であれば上記7頭で決着する可能性が高いと考えます。
一方、ラップが平穏か否かについてを事前に把握することは困難と思われますが、参考になりそうな指標を見つけてみました。

○人気重心理論
単勝5倍未満の上位人気馬の頭数及びBPRの脚質をピックアップしたところ、オークスとダービーの2010年以降の計14年において、中盤に速いラップ又は遅いラップが4回以上又は短い間隔でラップが大きく変動しているレースにおいては、単勝5倍未満の馬が2頭いる年が多い(オークス4回中(いずれも7番人気以下が馬券に絡む)、2回該当、ダービー4回(いずれも7番人気以下が馬券に絡む)中、3回該当)です。

NHKマイルのような、1番人気馬のBPRと逆ベクトルの風が吹くこともありませんが、BPR脚質が追込みの馬が上位人気2頭になった場合は注意が必要。オークスでは、1番人気が馬券圏外に飛んだ2011、2012年が2頭該当年であり、特に2頭ともBPR脚質が追込だった2012年は先行馬のピュアブリーゼが馬券に絡んでいます。また、ダービーでは、1番人気が馬券圏外に飛んだ2012年がBPR追込の2頭が該当した年でした。

今年はソウルスターリング、リスグラシュー、アドマイヤミヤビの3頭が上位人気で競るように思われ、少なくとも2頭は単勝5倍以下に該当すると思われます。今年は展開の紛れがある可能性が高いと考えます。

展開の紛れがあった場合には、アイスフォーリスのような上がり実績のない先行馬にも好走可能性が出てきますが、天星指数を考慮し、圏内馬はフローラSのヤマカツグレース、フローレスマジックまでと判断します(過去の別路線組の好走馬も多くがフローラS組)。

よって、アドマイヤミヤビ、ディアドラ、ソウルスターリング、フローレスマジック、ミスパンテール、モズカッチャン、ヤマカツグレース、リスグラシュー、レーヌミノルの9頭を購入検討馬とします。

強弱については下記の一言コメントにて。

アドマイヤミヤビ…桜花賞はボロ中にゲートを出る不利があったようだが、どれだけ影響があったかは不明。クイーンC勝ちはオークスとの関連性が強いイメージはあるものの、阪神コース改修後は、クイーンC連対馬のオークス3着以内は、桜花賞連対のホエールキャプチャ、ヴィルシーナとミッキークイーンの3頭のみ。昔は桜花賞で5着以下に負けてから巻き返すパターンがあったが、改修後の好走は54頭中ルージュバック、メイショウマンボ、トールポピーの3頭のみ(キャットコイン、フォーエバーモア、アプリコットフィズ、ダノンベルベール、リトルアマポーラなどで頭を悩ませたものだが、勘違いをしていた模様)。今回の対象馬は指数が高いし、道中ズブさを見せてきた馬で延長は向くと思われ、鞍上のデムーロ騎手も勝負強いが、信用できるレベルではない。

ディアドラ…桜花賞の上がり1位馬ということでピックアップしたが、掲示板にも入れていない上がり実績なので、除外したほうが良いかもしれない(ハイペースが嵌った可能性もある)。更にローテーションが微妙で、出走回数が流石に多すぎるし、前走が条件戦の馬は過去12年で(0.0.0.0.1.16)。

ソウルスターリング…桜花賞の敗因は馬場とのことだが、チューリップ賞の内容と言い、阪神JF時の指数優位がなくなってきているように見えた。元々、ダンスインザムードっぽい印象(末脚加速)で、桜花賞で好走していたとしてもオークスでは評価を下げようと思っていた。また、Frankel産駒の期待馬が世界的に大失速しており、超早熟との噂も出てきている。

一方で、データ的にはまだ見限れないどころか本命に推せるような材料も多い。阪神コース改修後、過去10年の桜花賞1番人気馬のオークス成績は(3.2.1.0.0.0)。同じく、チューリップ賞を1番人気で連対した馬は(4.1.0.0.0.0)。思い切った軽視はしないほうが良さそうである。

フローレスマジック…アルテミスSではリスグラシューと接戦をして、クラシックでの好走が期待された馬だが、クイーンC、フローラSと勝ちきれないレースが続いたため人気は落ち着きそう。成長していないからかもしれないが、厳しい流れになった場合に底力が引き出されて、「結局はディープ産駒」というオチへの警戒はしておいたほうが良い気がする。2010年以降の穴パターンであるフローラS組先行馬でもある。

ミスパンテール…2強を上回ったチューリップ賞の上がり1位には一定の価値はある。しかし、桜花賞は流石に負けすぎなこと、ダイワメジャー産駒であり、走法的にもパワーが強いタイプに見えるので、東京2400mへの変更は条件悪化と思われることから軽視する。

モズカッチャン…フローラS組からの好走は、ほとんどがフローラS時にも人気をしていた馬なので、12番人気だったこの馬は違う気もするが、シンコウルビーのように例がないわけではない。ただ、前走は若干嵌ったようにも思えるし、このレースに実績のない騎手なので、軽くおさえる程度で良さそう。

ヤマカツグレース…中距離に転じて成績が安定してきた。オークスでは、フローラS組の先行馬が粘るパターンが高速馬場下で頻出したことがあるし、ハービンジャー産駒は持続系が多いと思われるので、中盤緩んだフローラSでの好走は評価できるのではないか。調教時計が速くタフ系の素質(高速馬場耐性)もあると思われる。

鞍上が横山典騎手であること、他にこれと言った逃げ馬がいないことから、主導権を握ってくる可能性は高いのではないか。ラップや展開次第であるが、縦長にできるようなことがあれば穴の期待は高まる。

リスグラシュー…昨年時の指数はメンバー1位だが、今年に入ってからの競馬の内容がインパクトなく、成長が止まって昨年ほど抜けた存在ではなくなってしまった模様(チューリップ賞は休み明け、桜花賞は重馬場ということで、能力が下がったわけではないとする見方もありだが)。調教時計が速くタフ系の素質(高速馬場耐性)もあると思われるし、血統的に中距離以上も問題ないはずだが、出遅れることのある馬で、控えがちな武豊騎手が乗るのは不安を感じる。末脚タイプに見えて、上がり1位は阪神JFだけであり、好走にはタフさを活かした先行のほうが合うと考えられるのだ。

複軸で考えていたのだが、データ的に年明け以降で勝利がないことや、上がり2位以内がないことなど、何か足りない気もしている。桜花賞も2着だが、展開的には勝ちきってほしい流れだったし、14倍を超える3番人気というのは過去の実績からすると評価が落ちすぎではないか。押し出される形であっても1番人気になるようであれば、ある程度信頼できるかもしれないが、やや懐疑的になってきた。

レーヌミノル…昨年以来、アストンマーチャンと重ね合わせて評価してきた馬で、将来はスプリンターになると見ていて、桜花賞は馬場が渋った恩恵による勝利であり、東京の2400mは合わないと考えていた。しかし、フィリーズレビュー(旧4歳牝特)を好走した馬の中で意外にもオークスを好走している馬もいる(メジロラモーヌ1着、エイシンサニー1着、イソノルーブル1着、ゴールデンジャック2着、リトルオードリー3着、シルクプリマドンナ1着、ローズバド2着、ヤマカツリリー4着、エアメサイア2着、レジネッタ3着、スピードリッパー5着、アイムユアーズ4着、メイショウマンボ1着)。クイーンCを見る限り強気には推せないと思っていたのだが、どんな展開を仕掛けてくるかわからない池添騎手だし、調教時計が速くタフ系の素質(高速馬場耐性)もある。

そもそも、スプリンターという見立ては正しいのだろうか。スプリンターであれば、阪神マイルでハイペースとなった桜花賞を勝てるとは思えない。改修後の過去10年の桜花賞で、3,4角を5番手以内の先行から馬券に絡んだ馬は複数頭いるが、ミドルペース以上の前傾ラップとなった年に限ればヴィルシーナしかいない。今年のレーヌミノルはその時のラップを超えるハイペースで勝利したので、かなり強い内容である。調教はCWで行われ、スタミナを補強しようとする意図が感じられる(この点、リスグラシューは直前こそCWだが坂路調教が多く、厩舎の傾向からも距離不安を感じる)。

改修後の過去10年、桜花賞馬のオークス成績は(3.1.1.2.0.1)。惨敗は桜花賞時の展開利が大きかった(前後の3F差が3.6秒という超絶スローを逃げ切った)レッツゴードンキで、アユサンもマルセリーナも4着までは来ている。

レーヌミノルは以前から心肺能力に秀でた馬であることを伝えてきたが、折り合いもつく馬なので上がり勝負にならない展開(ミドルペースで人気馬を離して先行する)であればオークスでも通用するのではないか。展開を握るだろうと思われるのは横山典騎手(ヤマカツグレース)で、こちらもタフ系素質があるだろう馬なのである程度速い流れを作ってくる可能性があり、小倉2歳S勝ちやフィリーズレビューを使ったこと等を理由に軽視するのは違う気がしてきた。

(追記)印などを見直す。
オークスは逃げ先行馬不利と言われている。それをもう少し掘り下げてみよう。例えば、オークスで先行した馬が弱い馬ばかりだったために実績がない可能性もある。

過去10年のオークスにおいて、3,4角を5番手以内で走っていた馬(50頭)の内訳は、人気が(1.3.2.3.1.40)、着順が(0.2.1.2.3.42)。やはり、人気のほうが実績を上回っている。

しかし、ここからBPRがOP以下の馬、中山開催レースの馬、昨年のレースの馬を除くと、人気が(1.1.1.3.0.12)、着順が(0.2.1.1.2.12)とほぼ互角になり、BPRが1800m以上の馬に限ると、人気が(1.0.1.0.0.6)、着順が(0.2.1.0.1.4)と好走率は上がる。

→http://baryutensei.com/report/1705bt-orkSENKOU.pdf

→http://baryutensei.com/report/1705bt-orkSENKOU2.pdf

一方で、好走したアグネスワルツとピュアブリーゼはフローラSがミドルペース以上で、他の凡走したフローラS組がスローペースだったことを考えると、ローテーション的に今回のほうが厳しくなるだろうヤマカツグレースの残り目はあまり高くない気もする(残り1頭の好走馬は1番人気だったルージュバックで、この馬も百日草特別でミドルペース優勝経験がある)。評価は少々落とさざるをえないか。

また、レーヌミノルについてもこの観点から若干評価を下げることとなる。

印はこちらでセットとしたい。
◎リスグラシュー
〇レーヌミノル
▲ソウルスターリング
△ヤマカツグレース
△フローレスマジック
△アドマイヤミヤビ
注モズカッチャン
注ミスパンテール
注ディアドラ

以上


tipmonaとは?

オークス2017回顧
裏目の展開で…

スカイポット
14期 予想歴20年

次走狙い:リスグラシュー
次走狙い:レーヌミノル
次走危険:モズカッチャン


オークスの予想は二転する形で結局、リスグラシューを本命にしたのですが、どちらにしても不的中という情けない結果となりました。ご期待を頂いていた方には申し訳ありません。

言い訳をさせてもらえば、ヤマカツグレースの横山典騎手がある程度飛ばして逃げる展開を前提にした予想を行っていました。

これは、高速馬場であること、斬れる脚を使えない馬であること、池添騎手の父の厩舎であり、レーヌミノルに対してプラスになる展開を作る可能性があること、大方がスローペース必至と言っている状況下、思い切った(天邪鬼的な)騎乗をすることの多い横山典騎手であること、というところで、私はミドルペースくらいには飛ばしていくのではないかとヤマを張っていたということです。横山典騎手と、池添騎手という勝負師が座して死を待つようなポジショニングをするわけがないと。

結果的には超スローペースとなって、動き出しは5~4Fからとなる決め手のない先行馬が一掃される展開となってしまいました。ヤマカツグレース、レーヌミノル、フローレスマジックの惨敗理由はこのためと言って良いでしょう。

今回の結果はとても説明のしやすいものですよね。土曜日からイン有利、先行馬有利な馬場条件になっていて、勝ったソウルスターリングは距離適性の課題があると思っていましたが、高速馬場なのでそこまで気にする必要はなかったのでしょうし、この馬の末脚は正しく分析できていなかったようです。条件利はあったものの、素直に強い競馬をしていました。

2着のモズカッチャンは上記の馬場条件が嵌ったのと、ソウルスターリングの直後につけて、ソウルスターリングが早じかけをしてくれたことの展開利もありました。フローラS組は先行馬のほうを評価してしまったのですが、結局はスローペースをぎりぎりで差した内容が、末脚を余していたと考えられたということですかね。

3着のアドマイヤミヤビは瞬発力勝負であれば見限れない素質がありました。最後の直線の走法をリスグラシューと見比べて、リスグラシュー本命の私は早々に脱帽してしまいました。

先に5着のリスグラシューについてですが、直線半ばの勝負所で左右が狭くなり、前も詰まってブレーキを踏む不利があったので、あれさえなければ3着争いに加わっていたと思っています。同じところからヨーイドンになってはアドマイヤミヤビのほうが有利ということで、能力は当然上位の1頭と言える内容でした。リスグラシューは走法的に硬いところがあって、もう少し力の要る馬場のほうが向いていますし、やはり超スローになったのが痛かったです。

個人的には、結論を早く出しすぎたのが失策でした。競馬ナンデで土曜の午前にセット版としてしまったのですが、その後、バイアスが前週と全く異なってしまっており、ソウルスターリングに本命を移すことが心理的にできなくなっていました。

それでも、データや指数などでの第一段階の絞り込みは、昨年の朝日杯などでもしっかりできているので、今後は第一段階の絞り込みまでを早めに公開して、個別の馬の評価(結論部分)や印はもう少し遅く発表することにします。(最終評価が的外れだとセンスがない予想になってしまうので;;)

なお、今回の教訓として、高速馬場は実質スローになるので、走法がより重要になること。ダービーは走法重視の個別の馬の評価をしたいと思っています。

次走狙い馬:リスグラシュー(ローズSは条件が合いそう)、レーヌミノル(適距離路線に行けば)

次走危険馬:モズカッチャン(条件・展開利が大きかったので)


tipmonaとは?

最新記事一覧

次の予想をみる >