09期 予想歴15年
◎ヴィブロス
4着/3人気
○スマートレイアー10着/13人
▲ダンビュライト5着/5人
△サトノダイヤモンド6着/1人
「夏は牝馬を狙え」とは競馬界に古くからある格言です。牝馬の方が暑さに強い、というホースマンの経験則がその根拠ですが、データを分析するとその正しさが確認できます。
(以下は統計的な補正後の値)
〇過去5年の6月~9月全芝レースの成績
牡馬 3着以内率27.9% 複勝回収率76%
牝馬 3着以内率28.5% 複勝回収率84%
※統計データ一つのファクターだけで、複勝回収率でこれだけの差が出るのは驚異的です。
宝塚記念は、春のGⅠシーズンでは最も暑い時期に行われるレースです。上記のデータ以上に、宝塚記念での牝馬は活躍を見せています。
●近10年宝塚記念の牝馬の成績
3着以内率46.7% 複勝回収率174%
宝塚記念に出走する、特に牡馬の有力馬は、大阪杯~春天という激戦を経て臨むのが大方のパターン。一方の牝馬は、春シーズンの大レースがヴィクトリアマイルくらいなので、牡馬と比べて消耗が少ないのも活躍している一因でしょう。
昨年の1番人気キタサンブラックは、春天でのレコード駆けの反動で惨敗しました。できるだけ疲労度の少ない馬を選んでいきたいところです。
本命はヴィブロス。
3歳時のチューリップ賞~フラワーCの12着惨敗、中山記念の2年連続敗退を見ても、寒い時期にパフォーマンスを下げる傾向があります。
3歳時に7月に出走した際は、500万下ですが0.7差の圧勝。温暖なドバイの国際GⅠでも2年連続連対。ヘイロー的なトビの綺麗な走りをしますから、夏の硬い馬場が好きという部分もあるのでしょう。
(ヴィブロスはヘイローの3*4+5のクロスを持っています)
(馬体もサンデーというよりはヘイロー的で、胴が短めでまとまったストライドで走りますから小回りがベスト)
休み明けになりますが、(確認していませんが)放牧先はトレセン並みの施設を誇るノーザンファームしがらきでしょう。余談になりますが、しがらき帰りの馬は、叩き2走目よりもむしろ初戦の方が走る、というデータもあります。
気性的に掛かる部分を持っているので2200はベストではないでしょうが、繊細な牝馬の扱いに長ける福永騎手が補ってくれるはずです。
対抗にも牝馬のスマートレイアー。
ここ4走ずっとGⅠを使われて6・5・9・7着ですが、どれも展開不向き。
大阪杯では前半に大きな中弛みが入ったため、テンに中途半端に脚を使った組には不利な流れ。
大阪杯
12.8 - 11.3 - (12.4 - 12.4 - 12.2) - 11.8 - 11.2 - 11.1 - 11.4 - 11.6
(カッコで括った3-5F目が中弛みポイント)
テン2F目に11.3で先行して、上がり5Fを57.1で走れる馬は、最近では09秋天のスクリーンヒーロー(カンパニーの2着)くらい。この流れで最善の戦法は、テンは全く脚を使っていない追い込み・差し。
事実、大阪杯で掲示板に載った5頭のうち、先行していたのはアルアインだけでした。
ここで先行して負けたスマートレイアー、ダンビュライト、サトノダイヤモンドは見直しが必要です。
春天についても、スマートレイアーは断然不利とされる大外枠から最後方に構え、4角では大外ブン回し。高速馬場では全く勝つ可能性の無いレースをしながら、最後までバテず7着。
昨秋の京都大賞典では、シュヴァルグランを上がり1位で差し切り。阪神コースは6勝、連対率7割と最も得意としています。
暑さという「牝馬への追い風」を味方に付ければ、8歳の年齢にして初のGⅠ制覇があっても驚けません。
ダンビュライトの父ルーラーシップは、国内GⅠで唯一の連対が宝塚記念。ダンビュライトにしても、初の重賞勝利がAJCCの2200(ちなみに父子勝利)。
中山2200と阪神2200は、「中盤からダラダラ脚を使う」「直線坂」という点で共通しており、ダンビュライトも似たようなシチュエーションであった皐月賞で3着。
海外遠征で馬体を減らしての休み明けが微妙ですが、国内GⅠで一番条件が合うのはここだと思います。
あとはサトノダイヤモンド。
先述した通り、大阪杯はそれほど悲観する内容だとは思っていません。
ただ、やはりピークを過ぎた感は否めず。3歳時と比べて筋肉質になって、柔軟性が低下している印象。母父、母母父ともスプリント~マイルで活躍した馬で、年齢を重ねるごとにそちらが表出してきたのではないでしょうか。
ディープインパクト産駒の牡馬で、3歳時にGⅠを勝って5歳以降にGⅠを勝った馬はミッキーアイルだけ。年齢を重ねることによる「筋肉質化」がマイナスになりやすい種牡馬だと考えています(ミッキーアイルは筋肉質化がプラスになるスプリント~マイル路線)
厩舎サイドからは、「走ることに前向きではなくなった」旨のコメントも出ています。経験上、こういう馬が復調する確率は1割くらい。全盛期のパフォーマンスを期待するのは酷でしょうが、本質的には小回り向きの馬と考えているので、馬券に絡むならここかなと。
tipmonaとは?