14期 予想歴36年
◎サートゥルナーリア
2着/3人気
○ヴェロックス8着/8人
▲リスグラシュー1着/2人
△キセキ5着/7人
×ワールドプレミア
×エタリオウ
府中コースの根幹距離G1…ダービー、オークス、天皇賞(秋)、安田記念、ヴィクトリアマイル、NHKマイルCは実距離よりも短めの距離適性が問われやすい。
近年は特にその傾向が強くなり、明らかに面白い傾向が出ている。
下記は、上記のG1を2勝以上した馬で、有馬記念出走時の着順も記してみた。
・レイデオロ
2017年 ダービー1着
2018年 天皇賞(秋)1着
2018年 有馬記念2着
・ジャスタウェイ
2013年 天皇賞(秋)1着
2014年 安田記念1着
2014年 有馬記念4着
・エイシンフラッシュ
2010年 ダービー1着
2012年 天皇賞(秋)1着
2012年 有馬記念4着
・ブエナビスタ
2009年 オークス1着
2010年 ヴィクトリアマイル1着
2010年 天皇賞(秋)1着
2009年 有馬記念2着
2010年 有馬記念2着
2011年 有馬記念7着
・ウォッカ
2007年 ダービー1着
2008年 安田記念1着
2008年 天皇賞(秋)1着
2009年 ヴィクトリアマイル1着
2009年 安田記念1着
2007年 有馬記念11着
・メイショウサムソン
2006年 ダービー1着
2007年 天皇賞(秋)1着
2006年 有馬記念5着
2007年 有馬記念8着
2008年 有馬記念8着
・ダイワメジャー
2006年 天皇賞(秋)1着
2007年 安田記念1着
2006年 有馬記念3着
2007年 有馬記念3着
・アグネスデジタル
2001年 天皇賞(秋)1着
2003年 安田記念1着
2003年 有馬記念9着
・スペシャルウィーク
1998年 ダービー1着
1999年 天皇賞(秋)1着
1999年 有馬記念2着
・エアグルーヴ
1996年 オークス1着
1997年 天皇賞(秋)1着
1997年 有馬記念3着
1998年 有馬記念5着
…と、びっくりするくらい有馬記念には勝てていない。
メイショウサムソンはコテコテなノーザンダンサー血統であるにも関わらず、再三に渡って「有馬の壁」に跳ね返されているからびっくりだ。
ウォッカのように、府中の根幹距離レースに極端に特化した馬は、有馬記念の前では全く歯が立たなくなってしまう。
ちなみに、勝てないまでも2着に来た馬はいる。
レイデオロはダービーをバックストレッチで捲る競馬で勝ち、ブエナビスタは宝塚記念でも2年連続2着、スペシャルウィークは天皇賞(春)1着と非根幹距離G1に融通性を持たせているところがミソである。
逆に府中の根幹距離適性はまるでゼロの馬が、有馬記念で激走した実例は多くは無いものの、存在するのは確かである。
・ドリームジャーニー
2007年 ダービー5着
2008年 安田記念10着
2008年 天皇賞(秋)10着
2009年 天皇賞(秋)6着
2008年 有馬記念4着
2009年 有馬記念1着(2番人気)
2010年 有馬記念13着
・マツリダゴッホ
2007年 天皇賞(秋)15着
2009年 天皇賞(秋)17着
2007年 有馬記念1着(9番人気)
2008年 有馬記念12着
2009年 有馬記念7着
・ダイユウサク
1990年 天皇賞(秋)7着
1992年 安田記念8着
1991年 有馬記念1着(14番人気)
そこで、今回圧倒的1番人気が予想されるアーモンドアイを考えてみたい。
この馬に関しては、府中コースと府中以外のコースに振り分けて位置取りを見てみると理解しやすい。
アーモンドアイのベストレースといえば、やはり驚異的レコードとなったジャパンCとゴール前で突き抜けた前走の天皇賞(秋)であろう。
・府中
オークス ⑥⑥⑤ 1.36.2
ジャパンC ②③③ 1.32.4
安田記念 ⑪⑨ 1.30.9
天皇賞(秋) ⑤⑥⑤ 1.32.0
・府中以外
桜花賞 ⑮⑯ 1.33.1
秋華賞 ⑪⑪⑫ 1.35.5
上記は、レース、アーモンドアイの位置取り、レース後ろ1マイルのラップである。
特に強いパフォーマンスを見せた、天皇賞(秋)、ジャパンCでは、残り1マイルのラップもマイル戦並の時計になっており、しかも前目の位置取りになっている。
これを意味する事は何か?
この2レースは通常中長距離適性馬が集うレースである。
しかしながら、このレースは残り1マイルのラップが示す通り、マイラーのスピードが無ければ通用しない時計となっており、マイラー色の強いアーモンドアイが中長距離適性馬相手にスピードのアドバンテージで圧倒した事を示しているのだ。
安田記念はスプリント色が問われたレースで、スプリンター相手にスピード負けし位置取りを悪くした形。
さて、府中以外ではどうなるだろう。
桜花賞は今時のマイル戦としては、平凡な時計。
秋華賞の後ろ1マイルは、実に中長距離路線らしい時計。
このように実距離と距離適性が見合ったレースになると、途端に位置取りが後ろになる。
それ即ち、「スタミナに一抹の不安がある」という事なのである。
5年前、中山競馬場は路盤改修工事を行って馬場がかなり改善された。
そのお陰で、今年の師走競馬も前残りの傾向が続いている。
そこで、ここ5年の有馬記念を振り返ってみたい。
2018年 ブラストワンピース ⑥⑦④ 1.37.9
2017年 キタサンブラック ①①② 1.38.8
2016年 サトノダイヤモンド ③③③ 1.38.5
2015年 ゴールドアクター ③⑤③ 1.36.9
2014年 ジェンティルドンナ ③③② 1.39.1
サンプルが少なく、はっきりした傾向は理解出来ていないが、やはり4角で先頭の馬を射程に入れていないと、位置取り的に厳しいと言えそうだ。
おそらく、内枠外枠の有利不利の差は大きくなっていると思われる。
馬場は良くなったとはいえ、後ろ1マイルの時計は中長距離戦らしい時計にはなっているので、やはり洋芝馬場で摩擦があるという事と小回りでコーナー手前でブレーキがかかってはいるという事だろう。
スタミナ消耗の激しいコースである事も確かなようだ。
脚質的には先行か、道中後ろ目の位置取りで競馬をするなら、勝負所で捲れるスピードとスタミナが欲しいところ。
後ろ1マイルのラップがダート戦並みの遅さとなっており、いかにスピード性能が意味を成していないか?が理解出来る。
中長距離適性馬の力量を素直に問うレースとなっている。
◎サートゥルナーリア
中山G1戦2戦2勝。
スローの流れならホープフルSのように先行策、速い流れなら皐月賞のように中段より前目の位置取りから、3-4コーナーで持ち前のスピードを生かし進出しポジションを押し上げる競馬が出来る。
皐月賞では、3頭の壮絶な叩き合いを制しているように、中長距離G1に必要な体力・底力を有している。
前走はマイル色の強い忙しい流れのレースをまともに先行してしまい、流石に最後はアップアップになってしまった形。
今回は中長距離質の流れとなり、明らかな「苦→楽」のステップとなりパフォーマンスアップは必至。
○ヴェロックス
今年の皐月賞は、前半59.1と比較的流れた。
そんな流れの中道中5番手につけ、最後まで勝ち負けに加わった内容は立派。
ダービーポジション内で競馬が出来るスピードと、菊花賞を走り切るだけの体力を兼ね備えたバランスの良い馬。
今年の菊花賞はスピードが不足気味なステイヤーが勝っており、かなりステイヤー寄りの資質がかなり問われていた。
菊花賞組が有馬記念に有利に働くのは、じっくりとレース間隔を開け疲労を回復する事が出来る事と、距離短縮により体力的な負荷が前走よりも楽に感じる事、「距離短縮+小回り」で気の悪い馬や、闘志が空回りしやすい馬でも上手く精神コントロールしやすいステップだからである。
▲リスグラシュー
阪神の高速馬場で、大外枠から番手に付けられる先行力もあれば、馬場がタフになればコックスプレートのように追い出しを待つ競馬も出来る。
有馬記念はこれまで、体力を削りながら直線入口までに良いポジションをいかに奪えるか?という要素が問われていたが、路盤改修により馬場が良くなり、スタートを決めれば位置取りのアドバンテージが生かせる競馬が可能となった。
この枠なら前を行く3頭を見ながらの非常に競馬がしやすいはず。
△キセキ
昨年は毎日王冠から、詰まったローテーションの中で常に速い時計の競馬で激走をしており、流石に有馬記念では蓄積疲労がキツかった。
今年は、海外2戦で惨敗。
昨年ほどの疲労蓄積があるとはおもえず、昨年よりもパフォーマンスアップの余地はあると見る。
菊花賞ワールドプレミアは、ちょっとスピード不足なところがネックとなりそう。
若葉Sや神戸新聞杯の競馬を見ていると、勝負所で全く流れに付いていけていない。
菊花賞勝利の要因は、3000㍍という距離と武豊ジョッキーが内々の経済コースを利して、この馬のスピード不足を上手くカバーした事による所が大きい。
2年前の路盤改修工事により中山コースはかなり改善しており、先行出来るスピード、もしくは勝負所でしっかり反応出来るスピードは問われるはず。
馬場が悪化してくれないと厳しいと見る。
むしろ、菊花賞と天皇賞(春)で、好位置から直線でスッと抜け出せる脚が使えるフィエールマンの方が断然に面白い。
エタリオウは3-4コーナーで進出できる脚を持っているが、そこで脚を使ってしまうと、直線での「もうひと押し」が全く利かなくなるところがネック。
つまりが、ちょっと底力に欠けるタイプでG1ではどうしても取りこぼす事になる。
※おまけな話「終い1マイルの時計から見える事」
サートゥルナーリアがこれまで勝利を収めて来たレースの、終い1マイルのラップは次の通り。
新馬 1.37.2
萩S 1.36.6
ホープフルS 1.36.8
皐月賞 1.35.3
神戸新聞杯 1.36.6
ちなみに、凡走したレースはというと…
ダービー 1.36.4
時計上は、1.36.4であるが、サートゥルナーリアは残り1200㍍地点で先頭から20馬身近く離されていた。
残り1200㍍のラップが、1.12.8だった事から、この位置からダービーを制するには20馬身分(約3秒)速いラップを叩き出さなければならない。
1.09.8(1ハロン11.6平均)…これ即ち一般的なマイル戦の時計(マイル換算で1.32.8)な訳で、最後の直線頑張って着差を詰めて来たものの、直線半ばで脚が止まった。
大体1ハロン当たりの平均ラップ11.9を越える流れで強いパフォーマンスを見せてきた馬なだけに、このラップでは辛くなるのは当然だ。
天皇賞(秋) 1.32.0
このラップも先頭を走る馬のラップな訳で、このレースを制するには逃げ馬以外は当然これよりも速い時計を叩き出さなければならない。
…つまり、マイル戦的なスピードが問われる流れになると、息が入らなくなりアップアップになって脚が止まってしまう事を露呈している。
神戸新聞杯の上がりが32.3という事で、スピード色の強い馬で距離不安説が囁かれているが、それはとんでもない話。
後ろ1マイルのラップが1.36.6、つまり1000㍍を64秒前後のゆったりとしたペースで走った来たからこそ驚異的な上がりが使えただけの話。
これが1000㍍58.0のラップを刻んだ直後にこの馬にこの脚を使えと言われても所詮無理な話なのだ。
しかしながら、アーモンドアイは天皇賞(秋)で1000㍍58.0を切るラップを刻んだ直後に33.8 という末脚を繰り出しているのだ。
これこそが、本物のマイラーの物理特性なのである。
いかに一般的に言われている距離概念がいい加減なものか、ラップを分解加工する事ではっきりするのである。
天気予報では日曜日の昼辺りから、雨が降るらしい。
降水確率は60~70㌫。
稍重くらいの馬場悪化は想定しておいた方が良いだろう。
昨年は稍重馬場で、外差しが決まったレースとなり、外枠の馬が2、3着に入った。
※更におまけな話
土曜日メインのグレイトフルS(2500㍍)の上位馬3頭はいずれも母父がヴァイスリージェント系だった。
tipmonaとは?