皐月賞2020予想
最後に生き残るのは、「最も上手く変化に適応出来たもの」

夏影
14期 予想歴37年

◎サトノフラッグ
  5着/2人気

○コントレイル1着/1人
▲コルテジア7着/13人
×サリオス


『最後に生き残るのは、最も強いものでもなく、最も賢いものではなく、最も上手く変化に適応したものである』

…ダーウィンの名言であるが、この言葉をレースという形で再現しているのが皐月賞。
皐月賞というレースは、生き残りゲーム的要素が強いと言えよう。

皐月賞というのは、とにかくペースのアップダウンが頻繁に行われる。
時計勝負に強いスピード馬というのは速い速度を持続して何ぼな訳で、そのような馬は皐月賞特有の速度変化によってスピードの持続を狂わされ、スムーズな競馬が出来なくなる。

下記は過去5年の皐月賞のラップで、括弧内はラップに0.5秒以上の変化があった部分を囲っている。
upは0.5秒以上のペースアップの回数、downは0.5秒以上のペースダウンの回数。

・2019年 (12.3 - 10.5 - 12.0)-(11.8 - 12.5)- 12.1 -(12.2 -11.7)- 11.6 -11.4 …up 2回、down 2回

・2018年 (12.6 - 11.0 - 11.9)-(11.5 - 12.2)-(11.9 - 12.4)- 12.4 -(12.7 - 12.2) …up 2回、down 3回

・2017年 (12.1 - 10.8 - 12.2 - 11.7 - 12.2)-(12.4 - 11.9 - 11.4)- 11.4 - 11.7 …up 4回、down 2回

・2016年 (12.0 - 10.7 - 11.5) -(11.7- 12.5 - 11.5 - 12.4)-(12.2 - 11.6)- 11.8 …up 3回、down 3回

・2015年 (12.5 - 10.7 -12.0)- 11.8 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.7 - 11.4 - 11.6 … up 1回、down 1回

2015年は特殊な例だが、他の年はupもdownも2回以上…つまりは4回以上のペース変化が存在している。

馬場状態が微妙なところだが、土曜日の明け方から降雨のがあるようだが、夜にはやむとの事。
日曜日は晴れ予報で、おそらく良馬場、悪くても稍重ではなかろうか?と思われる。
良馬場条件で予想を立ててみる。

今回はまず "切り" の有力馬から挙げてみたい(笑)。

× サリオス
この馬が真っ先に "切り" に出来る理由として、「経験の悪さ」が挙げられる。
これまでの戦歴を見てみると…

新馬    東京1600㍍
サウジRC 東京1600㍍
朝日杯FS 阪神1600㍍

3戦全勝でG1勝ちと一見申し分ない戦歴。
マイルのスピード競馬に対応している面も大いに評価できる。

しかし、この馬の経験した競馬は広いコースでのマイル戦。
つまりが、3-4コーナーを1度回るだけの競馬なのだ。
しかも、緩いコーナーなので一旦スピードに乗れば減速しないコースでもある。
実際、朝日杯は1.33.0、サウジRCは1.32.7と2歳のマイル戦にしてはかなり速い決着で制している。


今回は1-2コーナーも回る事になる上、更にコーナーがタイトでコーナー手前での減速が基本になる。
初めて「減速→再加速」という競馬を要求されて対応出来るか?に疑問が残る。

○コントレイル

ホープフルS
12.6-11.5-12.4-12.2-12.2-12.1-12.0-12.0-11.9-12.5

東スポ2歳Sがレース後半のスピードが生きる馬場だったのに対し、こちらは自身の上がりが35.8と掛かっているように、後半のスピードが殺される馬場状態。
真逆の物理特性が問われていた訳で、本来なら苦手とする条件。
本来ステイゴールド系のヴェルトライゼンデやデインヒルの血を持つワーケアに有利に働きそうな条件だったにも関わらず、全く相手にしなかったとなると、着差以上に大きな実力差があった事になる。
同じ中山コースではあるが、春になり後半のスピードが生かせる馬場になる事で、この馬の優位性は更に高まる。
ホープフルS組の他の馬に勝てる馬はいない。
ライバルは他の路線から来た馬だろう。

◎サトノフラッグ

新馬     東京2000㍍ 6着
未勝利    東京2000㍍ 1着
1勝クラス  中山2000㍍ 1着
ディープ記念 中山2000㍍ 1着

出走レース全てが2000㍍。
本来若駒のこの距離のレースというのはスローで流れる事が多く、皐月賞特有の速いペースには成りにくい。
こういった戦歴の馬は本来 "切り" の対象になるところだが、2戦目の未勝利戦の前半1000㍍は59.3、勝ち時計も1.59.5というかなり速い流れの競馬。
デビュー戦の競馬は前半62.2のゆったりした流れの競馬で凡走。
前走から2.9秒upと、極端にペースが速くなるステップで変わり身を見せている。
速い流れの競馬が向く事がこういった事実から窺え、これがこの馬の "推し" の理由になっている。
前走のディープ記念は、重馬場で上がりの掛かる競馬。
パワーが問われるレースでありながら、ワーケアを全く相手にせず完勝。
3勝全てが上がり最速で、レース後半のスピード勝負がこの馬の本質のように思われる。
前走はかなり強い内容だったが、馬場が良くなって更にパフォーマンスアップが見込める馬なだけに、打倒コントレイルの筆頭としてこの馬を本命視したい。
勝ったレース全てが緩急のしっかりついたレースで、皐月賞の適性に不安は見当たらない。

▲コルテジア

この馬の "推し" の理由は、「スピード競馬の経験」の豊富さである。
1600㍍以下のレースを4戦使われている。
中山は最後の直線が短い。
差し馬であっても、速い段階から動いて前を射程内に収める必要性が出て来る。
そういう観点からも、スピード競馬に対する適応力が非常に有利に働く。
実際2017年のように、アルアイン、ペルシアンナイトといったマイル中心に使われて来た馬が1-2フィニッシュした実例が存在している。
この馬も、3-4コーナーのみのコースしか経験はないが、しっかり緩急のつく競馬は経験がある上に、父はクリスエス産駒。
クリスエス産駒は主にアメリカで活躍、特に芝巧者が目立つ。
アメリカの芝コースはダートコースの内側にあり、タイトなコーナーでのコーナーワークの巧拙が問われる。
小回りの適応力に問題はないと見る。


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