皐月賞2020予想
データとアナログの融合予想

スカイポット
14期 予想歴23年

◎サトノフラッグ
  5着/2人気

○マイラプソディ13着/7人
▲サリオス2着/3人
△コントレイル1着/1人


『ワインポイントデータ集』

<距離実績・人気>
★1800m以上で連対経験のない馬
1992年以降の過去28年、1800m以上で連対経験のない馬は(0.0.2.3.4.66)(馬券圏はオートマチック、ダンビュライト)。
→△サリオス

★1600m以上のOP以上勝利実績ない馬
1992年以降の過去28年で、1600m以上のOP以上勝利実績なく馬券に絡んだ馬は14頭しかいない。前々走以前に重賞2着実績があるトライアル臨戦馬(7頭)、前々走の芝1800m以上の条件戦で0.5秒差以上の楽勝馬(2頭)、新馬戦除く芝キャリア1戦馬(2頭)、激流年(2頭)を除くと、例外は1頭のみ(前走若葉Sで不利を受けて負けたノーリーズン)。
→×ビターエンダー、アメリカンシード、ウインカーネリアン、ディープボンド、テンピン

★キャリア4戦以上かつ全て1番人気馬
1992年以降の過去28年で、デビュー以降の芝キャリアが4戦以上で、その全てで1番人気に推されていた馬は(2.4.3.0.0.1)。
→○マイラプソディ

<脚質・上がり実績>
★逃げ想定馬
皐月賞で2角以降1番手で逃げた馬で馬券圏に残れた馬は、1992年以降、2014年ウインフルブルーム(3着)、2008年キャプテントゥーレ(1着)、2007年ヴィクトリー(1着)、2004年メイショウボーラー(3着)、1992年ミホノブルボン(1着)の5例だけ。
(注)2014年は展開指数が1992年以降最低の5.6点で前が楽と考えられた。2008年も展開指数はスロー想定となる24.2で先行馬有利の風向きだった。2007年、2004年は縦長リスクがあった。また、馬場は2004年を除き全て平均以下の低速寄りだった(高速馬場は前有利になりやすいが、一定以上の末脚は求められる)。
→×キメラヴェリテ

★前走時に3,4角1番手で逃げていた馬
1992年以降の過去28年で前走時に3,4角1番手で逃げていた馬は(2.1.2.3.1.37)。勝ち馬はミホノブルボンとセイウンスカイ、2着馬はサンリヴァル、3着馬はスタントマンとメイショウボーラーと、馬券内に入った馬はキャリアにG2以上を含んだ上で4着内率100%の馬だった。
→×キメラヴェリテ、ビターエンダー

★OP以上レースでの上がり2位以内実績のない馬
1992年以降の過去28年、3着以内馬85頭中、芝OP以上レースでの上がり2位以内実績のない馬(ただし、逃げ又はG1は3位時計を含む)は8頭しかいない。うち1頭は当日1番人気(ロゴタイプ)で、うち3頭は当日の馬場が高速馬場(キタサンブラック、ダイワメジャー、ノーリーズン)で、うち1頭は当時のレースが激流(サクラスーパーオー))、うち2頭は当時のレースが縦長で4角4番手以内に先行した馬(エポカドーロ、ジェネラーレウーノ)。他ではフジヤマビザンのみとなっている。
→×キメラヴェリテ、ウインカーネリアン、ディープボンド、テンピン

<臨戦>
★年明け未連対馬
1992年以降の過去28年、3着以内馬85頭中、年明け以降未連対馬は10頭しか馬券に絡んでいない。この9頭中、8頭は前走が弥生賞であり、うち8頭が年明け初戦、6頭が弥生賞で0.4秒差以内での負けだった。
(注)2019年、サートゥルナーリア(1番人気)が優勝しており外厩設備の発達した現在はこれだけでは判断しにくくなってきている。
→?コントレイル、サリオス

★前3走中に中山の重賞で7着以下を経験している馬
1992年以降の過去28年で、前3走中に中山の重賞で7着以下を経験している馬は(0.2.1.3.5.75)。馬券圏に好走したセイウンワンダー、サンツェッペリン、オースミブライトは中山の重賞勝利馬。
→×ブラックホール、ウインカーネリアン、△ガロアクリーク

★朝日杯3着以内馬
1992年以降の過去28年で、朝日杯3着以内馬かつ皐月賞で馬券圏に入った馬は、弥生賞を使うローテーションとした馬が比較的多く(1.0.4.2.2.5)、スプリングSを使った馬はスプリングSを優勝し、かつ皐月賞で1番人気に推された馬は(3.0.0.0.0.0)の一方、この条件に該当できないスプリングS経由馬は(0.1.0.3.1.9)と、好走例はサクラプレジデントのみとなっている。
なお、過去5年の朝日杯3着以内馬で、皐月賞3着以内となった馬はいない(2016年エアスピネル、2018年ステルヴィオ、2019年アドマイヤマーズが4着)。そこそこ好走した3年は、朝日杯の時計が速く(1.34.4、1.33.3、1.33.9)、朝日杯の上がりも速かった(34.4、34.0、33.9)。
→△サリオス

★きさらぎ賞馬
1992年以降の過去28年における、きさらぎ賞勝ち馬の皐月賞挑戦は、皐月賞トライアル3着以内を併せ持てば(1.3.3.0.1.0)、直行又は4着以下であれば(0.0.0.1.0.12)。
→×コルテジア

★共同通信杯連対馬
2005年以降、本番で好走した馬の多くが重賞を2連対以上していた実績馬(フサイチホウオー、タケミカヅチ、ゴールドシップ、ディープブリランテ、イスラボニータ、リアルスティール)で、それ以外の好走例は、ドゥラメンテ(共同通信杯1番人気)、ディーマジェスティ、ダノンキングリーの3頭となっている。
→△ダーリントンホール、ビターエンダー

★すみれ賞組
 すみれS臨戦馬は基本軽視。前5走以内でテン3F-上がり3Fが1.1秒以下のレースラップ経験がない(つまりドスローしか経験のない)馬は、エピファネイアしか馬券になっておらず父ロベルト系を除き消し。また、上がり1位であること、ラスト1Fで0.7秒以上の減速ラップでないことも条件とする。
→×レクセランス

★弥生賞組
1992年以降の過去28年、弥生賞6着以内馬のうちの上がり1~2位馬について、当日7番人気以内馬の皐月賞成績は(5.3.4.7.3.16)。父SS系に絞ると(4.1.2.3.1.7)。更に、弥生賞の上がり1位馬及び当日3番人気以内に絞ると(4.1.1.0.0.3)。
→○サトノフラッグ

★スプリングS連対馬
1992年以降の過去28年、年明け重賞でスプリングS以外に連対歴がない馬の皐月賞成績は(5,1,2,3,2,35)。馬券圏に入った馬のパターンである以下の該当馬を除き軽視。
・スプリングSが重賞初挑戦かつ本番4番人気以内馬(キタサンブラック、アンライバルド)
・過去3戦が朝日杯を含む全連対かつ本番2番人気以内馬(ロゴタイプ、サクラプレジデント、ミホノブルボン)
・前々走芝1800mの条件戦で0.5秒差以上勝利馬(キタサンブラック、エポカドーロ)
・縦長リスク年(ダイワメジャー、エポカドーロ)
・激流リスク年(フジノマッケンオー、アンライバルド)
→△ガロアクリーク、ヴェルトライゼンデ

★弥生賞又はスプリングS
1992年以降の過去28年、弥生賞またはスプリングSが初重賞挑戦で、2番人気以内で優勝した馬(2.2.0.0.1.0)。
(注)該当馬全てが皐月賞またはダービーで馬券に絡んでいる。
→○サトノフラッグ

<馬場速度>
★1997年以降の過去23年のうち、平均~低速馬場だった16年の馬券圏内馬48頭中46頭は、下記A~Cのいずれかに該当していた。(例外:シックスセンス、ダンツフレーム)
A.前走が弥生賞の場合は、0.4秒差以内4着以内であること
B.前走が中山又は阪神の2000mのOP以上レースの場合は連対しておりかつ新馬戦を除く芝連対率が75%以上であること
C.前走が1800m以上の重賞又は皐月賞トライアルの場合は、前走以外に芝1600m以上の重賞勝利又はOP以上2連対若しくは1800m以上の条件戦以上での0.5秒差以上勝ちがあること、又は当該レースを勝利しておりかつ芝連対率が100%であること
→A:サトノフラッグ、ブラックホール、B:コントレイル、レクセランス、クリスタルブラック、キメラヴェリテ、ヴェルトライゼンデ、C:マイラプソディ

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◆予想文

ここまでの予想分析等で、好走可能性の低い以下の馬をまず除外する。

レクセランス(すみれS好走条件を満たせず。川田騎手が騎乗を選択せず。内枠)
コルテジア(きさらぎ賞好走条件を満たせず。平坦向き走法。内枠)
テンピン(上がり実績不足。内枠)
ディープボンド(上がり実績不足。走法に回転力なく力不足)
ウインカーネリアン(上がり実績不足)
ブラックホール(条件は向きそうだが、相手関係上厳しい)
アメリカンシード(実績不足。走法に回転力なく力不足)
キメラヴェリテ(上がり実績不足。逃げ)
ラインベック(走法に回転力なく力不足)
ガロアクリーク(平坦向き走法)
ビターエンダー(実績不足。平坦向き走法)

残ったのは、コントレイル、サトノフラッグ、サリオス、クリスタルブラック、マイラプソディ、ダーリントンホール、ヴェルトライゼンデ。
1~7番人気想定馬が残り、上位3頭もかなり有力な状況なので、更に絞っていく必要がある。


1.コントレイル(福永)
昨年のホープフルSを見た時には皐月賞まではこの馬で決まり(悪くても複軸)と思っていた馬だが、皐月賞の条件設定が外有利バイアス、低速馬場想定となったのはマイナス。
この馬については、新馬戦を見た段階で走法が硬く大物感がなかった。東スポ杯の圧勝は強かったが(指数を出していたら60を超えていたはず)、持続の脚(ナタ)ではなく加速の脚(カミソリ)を使うタイプで、高速馬場のほうが向いていて、スタミナ勝負は歓迎ではないと思われる。
ホープフルSは確かに横綱相撲での完勝だったが、追っていれば伸びたとも思えず、G1前の楽勝はロジユニヴァース等、良いとは言えない。
皐月賞の1枠1番は鬼門で、多くの馬が出遅れ等アクシデントに見舞われてきた歴史がある。人気で詰まって負けるイメージもある福永騎手という点も不安材料と言え、馬券圏外も含めて考えていくべきと思われる。指数は1位だったとしても、妙味の観点から△までとしたい。
この条件でも勝つようであれば2冠を期待できる。

5.サトノフラッグ(ルメール)
この馬はストライドが大きい反面、不器用な走法で広々とした東京向きであり、当初は3強の中で一番下に見ていた。しかし、馬場悪化により逆転候補にまで浮上してきた。
ワンポントデータにプラス評価材料があり、低速馬場に寄れば、母父グレイソヴリン系や2000mばかりを使ってきた距離実績も推し材料となる。前々走1勝クラスで0.5秒差勝ちもデータ的観点から補強材料になりうる。
枠はもう少し外が欲しかったが、ゆっくり出して早めに外目に出せれば問題ないし、騎手面での不安はない。
実力的には現時点でコントレイルより下かもしれないが、条件への対応力や戦法の幅の広さで逆転も可能ではないか。サリオスも有力と考えているが、そちらは距離不安等もあるので消去法で本命はこちらに打った。

7.サリオス(レーン)
皐月賞では、1800m以上の連対歴のない馬の好走がほとんどなく、1992年以降、オートマチックとダンビュライトの2頭の3着例しかない。その2頭も弥生賞4着以内の実績があったことを考えると、純粋にマイルまでしか経験のない馬の好走は皆無というデータがある。
しかし、それでも通用してしまうかもしれないと思わせるのが今年のサリオスである。
まず、折り合いがつくことと血統的にハーツクライ産駒なので距離延長に不安がなく、ハーツクライは父父母がトニービンなので低速馬場への対応力もあると考えられるところ、馬体重が550キロ近い大型馬で走法的にもパワーがあるので道悪は問題ないと考えられること。
また、走法評価でギア{g}をつけているが、この2戦は相手が来てから脚色が変わっており、反応や闘争本能も卓越したものがある。巷でも言われているが、朝日杯では前崩れのハイペースを先行して粘っており、2着馬が来てから突き放した内容はG1のメンバーで段違いの能力を示した。
2000mまでの力勝負であれば上位に入れる器の持ち主であると思うが、上記の見解がデータ的な不安を完全に払拭できるものではなく、追い切り後の疲労回復が遅いとの情報もあるなど状態が完璧ではなさそうな点も加味して、3番手評価とした。

11.クリスタルブラック(吉田豊)
前2走は大外ぶん回しという大味な競馬での連勝。いつもの皐月賞の条件では、高速馬場と距離ロスにより後方待機馬は軽視できるところだが、今年は外有利の低速馬場想定のため、同様の競馬でも嵌ってくる可能性はある。
しかしながら、前走人気が7番人気だった点、京成杯からの好走組は先行していた馬が多いこと、京成杯実績馬で皐月賞も好走した馬は、京成杯の上がり3Fラップが加速ラップであること、超高速上がりに近いラップである点なども踏まえると、現状4番人気に推されるほどの馬なのか?という気がしないこともない。ましてや鞍上は近年G1での好走はもちろん出走すら珍しい吉田豊騎手である。
先週の馬場と同じバイアスになれば面白い存在だが、△までの評価が妥当ではないだろうか。
当日のレースを見て、後方からの馬が届くようになっていれば厚めに購入してもよいかもしれない。

12.マイラプソディ(武豊)
共同通信杯の敗戦で人気は急落したが、2歳時には3強に数えられていた馬で、共同通信杯では単勝1.5倍に推されていた。キャリア4戦以上が全て1番人気という好走データに該当しており、更にその全てが単勝1倍台だったことも特筆すべきで、巻き返しには注意するべき。
また、この馬はパワーも感じさせる掻き込み走法であり、東京向きではないと思われるところ、共同通信杯ではレースの前後3Fのラップ差が3秒以上もある超スローで、その上内有利のバイアス条件で持ち味を全く出せなかった。
近年の共同通信杯は人気馬が不可解な惨敗をしてしまうことも多いものの、その結果を能力と捉えるべきではないことも多い(2018年のグレイル、ステイフーリッシュ、2016年のスマートオーディン、2011年のダノンバラード等。2010年は前後で2秒のスローとなり、ダノンシャンティがハンソデバンドに敗れている)。
また、掻き込み型だが末脚は持続系なので重め馬場の外差し条件は有利になるし、馬場の良い所を通ってくれるだろう武豊騎手というのも魅力。思い切って対抗に推す。

13.ダーリントンホール(Mデムーロ)
葉牡丹賞3着という凡走が気になったので、中山1600m以上の条件戦以下で3着以下経験のある馬を調べてみたところ、1992年以降で(0.1.1.1.0.33)の成績だった。
馬券圏の好走はタイガーカフェとアサカリジェントで、4着のホッカイルソーを含めていずれも弥生賞3着以内の実績があった。ただし、中山のOP以上実績があっても、スマイルジャックやダンスインザモアというスプリングS優勝馬が消えている。少なくともダーリントンホールは中山のOP以上の好走歴がないので厳しいのではないか。
また、葉牡丹賞での上がり7位と0.3秒差以上速くないという点も評価できず、中山の条件に不安がある。
なお、ガロアクリークにも中山条件戦で4着敗退歴がある。

17.ヴェルトライゼンデ(池添)
前走スプリングSが案外の競馬に終わったが、ホープフルS2着の実績から、G1の厳しい流れが向く可能性があり、引き出し騎手である池添騎手も含め消すことはできない。
ただし、外枠で脚を溜めにくいことや、位置取り的にも中途半端になることが想定されること、ホープフルS出走馬が活躍できておらず、条件も向いていたことなどを踏まえると、妙味はあまり感じられない。
一応おさえるが注まで。

◎5サトノフラッグ
○12マイラプソディ
▲7サリオス
△1コントレイル
△11クリスタルブラック
注17ヴェルトライゼンデ

執筆者:スカイポット(馬流天星)


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