NHKマイルC2020予想
馬場激変につき予想は慎重に

夏影
14期 予想歴37年

◎ギルデッドミラー
  3着/6人気

○ラウダシオン1着/9人
▲レシステンシア2着/1人
△プリンスリターン15着/10人


今夜日付変わる頃から降雨があるとの事だが、降水量は1㍉程度という予報。
昼までは断続的に降るとの事だが、微量の降雨で馬場への影響はほぼ無さそう。

土曜日の8R古馬2勝クラスの1400㍍の平場戦では、 カルリーノが内枠を利して好位から差す競馬で1着。
父は異色のサンデーサイレンス系マツリダゴッホ、母父ショウナンカンプ。
2着のライバーバードは、前走が1200㍍の差し→今回1400㍍の逃げのステップ。
距離延長を利して位置取りチェンジしての激走。
父はダンチヒ系のザファクター、母父はファピアノ系。

10RのメトロポリタンSは古馬オープンの2400㍍。
このレースの勝馬ウラヌスチャームも、前走1800㍍の差し→今回2400㍍の逃げというステップ。
父は非サンデー系だ。

メインのプリンシパルS(3歳オープン2000㍍)は1枠、2枠、3枠と枠順通りで先行馬同士の決着。
3着のディアセオリーは、父サムライハートと異色のサンデーサイレンス系。母父はソウルオブマターと長距離ダート向きの血を持つ超人気薄の馬だった。

かなり以前に話した事だが、エアレーションやシャッタリングを施した馬場というのは、開幕時はこれらの措置により路盤がソフトになるのだが、開催が進むに連れ路盤が踏み固められ、徐々に前残りにシフトしていく事がある。
先週と同じ馬場状態を想定して予想を立てようものなら、痛い目を見る事があるので注意したい。
土曜日の傾向として、内枠の先行馬、前走差し→今回先行、マイナー血統orアメリカ血統がキーワードとなっており、明らかに先週のようなヨーロッパ色の強いサンデー系血統向けではない馬場状態と見受けられる。

アメリカ血統向けの馬場になったと見越してヤマを張り、予想を立ててみたいと思う。
前走ソフト馬場のマイル路線レースで「差されて負けた馬」に注目したい。

◎⑥ギルデッドミラー
前走はソフト馬場を先行し、外を回して力で捩じ伏せようとしたところ、タイセイビジョンビジョンの上手い競馬で差されてた格好。
タイセイビジョンは位置取り及び内を突いたコース取りの絶妙さが勝因で、力量的にはこちらを評価。
今回は、ペースや馬場がこの馬向きにシフトしていると見て本命にする。

○⑪ラウダシオン
こちらもソフト馬場を先行したところ、シャインガーネットに差されたという競馬。
母父がファピアノ系でアメリカ色の強い血統。
馬場が向くと見て2番手。

▲③レシステンシア
ソフト馬場を大外枠から強引にポジションを取りに行く競馬で、流石に厳しい競馬内容。
厳しい競馬内容だっただけに反動が気になるところだが、スタートが決まれば惰性で競馬が進められる馬場だけに、疲労の影響が少なくなりがちなのもこの手の馬場の特徴。
評価は下げるが捨て切れない。
3番手の評価。

△④プリンスリターン
前走はソフト馬場を先行し、タイセイビジョンに差される。
ちょっと気の良さに欠け矯めが利かせにくいタイプなので、インで壁を作って前走よりも気持ち位置取りを下げる競馬で。

馬場判断が難しかった事もあり、予想が二転三転してしまい申し訳ございませんでした。


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NHKマイルC2020回顧
時代は「令和」、昭和・平成の馬場概念を引きずるな

夏影
14期 予想歴37年

次走狙い:サトノインプレッサ
次走狙い:ルフトシュトローム


エアレーション・シャッタリング馬場とは、「木綿わた」の中に「ばね」を埋め込んだベッドのようなものである。
「木綿わた」の役割を果たすのが「土」で、「ばね」の役割を果たすのが「芝の地下茎や根」である。

エアレーションやシャッタリングの狙いとは…

①根切りを行う事で、更に多数の根を生やさせ、根の成長を促す。

②土中に無数の穴を開けたり耕す事により空気を送り込む事。
・根の呼吸を促し、土表面の老廃物を
蓄積させないようにする。
その結果、根を成長を促す
・土そのものが柔らかくする。
・馬場の排水機能を高める

…など。
開幕馬場の土というのは、新しいふわふわの木綿わたの状態。
つまり土の密度が小さく空気をたくさん含んで「ふわふわ状態」なので、埋め込まれた「芝の地下茎や根のばね」がよく機能できる。
開催が進むにつれ、踏み固められた土というのは、それ即ち「煎餅布団の綿」のような状態。
「ばね」は、固まった綿に覆われてしまっているが故に、きちんと機能しなくなる。
つまりが、ばね機能が無くなった土の上に芝生がある状態であると言えよう。

さて、ばね機能の高い馬場というのは、レース後半に、長時間力を持続させる馬にとても有利に働く。
力を入れているタイミングでの走りの伸びを助長させる働きがあるので、力を使う時間が長ければ長いほど恩恵が受けられる。
アスリートの間で話題となっている、ナイキ・エアマックスのような効果だと言えよう。
逆に、スタート時の短時間でガッと加速して、加速し切ったら力を抜いて惰性で走るような馬には向かない。

堅い馬場というのはクッション効果の恩恵が受けられず、スタートダッシュの悪さがそのまま致命傷となる。

…と、これが私が認識した「シャッタリング&エアレーション馬場効果や原理」の概要である。

開幕からの2週はクッションの効いた馬場だったので、レース後半に力を長時間持続させるヨーロッパスタイルの競馬向きの馬が、面白いように差し競馬を決めていた。
だが3週目に入り、状況は一転。
内枠の先行馬のオンパレード、路盤が堅くなってしまい、惰性競馬向きである事を確信した。

ここからは、昨年の安田記念のおさらいになる。
究極の惰性競馬と言えば、それは「アイビスSD」である。
コーナーが無いので、加速したら後はひたすら惰性で走れる。
この究極の惰性競馬に最も強い血は、サクラバクシンオーとインリアリティの血。
惰性で走ってもスピードが落ちない状況で差したり抜け出したりするには、究極のトップスピードが求められる。
サクラバクシンオーやインリアリティはその究極のトップスピードを伝える血なのである。
昨年の安田記念は、その事を理由にインディチャンプを本命にしたはずである。
そして今回の本命馬であるギルデッドミラーの母はインリアリティ系。
対抗馬に推したラウダシオンは、そんなインリアリティの特長を非常に色濃く伝えるトキオリアリティーの血を持っている。

いかにこの馬場に適した血であるか?
2年続けて証明した形となった。

結果の通り、ラウダシオンは世代最速のトップスピードの持ち主。
府中の高速前残りのマイルやスプリント競馬では強い。
出走する事は無いだろうが、アイビスSDに出走しようものなら、まず負けない。

サトノインプレッサ
ルフトシュトローム
馬場が馬場だけに、外枠の差し馬には辛い競馬。
差し競馬向きの馬場での巻き返しに期待。


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