NHKマイルC2020予想
NHKマイルC ステップの優位性を検討して

軍神マルス
08期 予想歴22年

◎タイセイビジョン
  4着/2人気

○レシステンシア2着/1人
▲サトノインプレッサ13着/3人
△サクセッション14着/5人


★傾向分析★
2015年 タイム 1’33”5 (良) 1FAve=11.69 3FAve=35.06
テン35.3-中盤24.0(3F換算36.00)-上がり34.2 『加速・中弛み』
1着クラリティスカイ・・・クロフネ×スペシャルウィーク=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔2-f〕 5-5
2着アルビアーノ・・・Harlan’s Holiday×Unblidled=ストームバード×ミスプロ 〔A4〕 2-2
3着ミュゼスルタン・・・キングカメハメハ×フレンチデピュティ=キングマンボ×ヴァイスリージェント 〔23-b〕 11-9

2016年 タイム 1’32”8 (良) 1FAve=11.60 3FAve=34.80
テン34.3-中盤23.4(3F換算35.10)-上がり35.1 『前傾・一貫』
1着メジャーエンブレム・・・ダイワメジャー×オペラハウス=サンデーサイレンス×サドラーズウェルズ 〔B3〕 1-1
2着ロードクエスト・・・マツリダゴッホ×チーフベアハート=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔13-c〕 16-16
3着レインボーライン・・・ステイゴールド×フレンチデピュティ=サンデーサイレンス×ヴァイスリージェント 〔19〕 9-9

2017年 タイム 1’32”3 (良) 1FAve=11.54 3FAve=34.61
テン34.5-中盤23.4(3F換算35.10)-上がり34.4 『一貫・中弛み』
1着アエロリット・・・クロフネ×ネオユニヴァース=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔6-a〕2-2
2着リエノテソーロ・・・Speightstown×Langfuhr=ミスプロ×ダンチヒ 〔9-e〕 9-9
3着ボンセルヴィーソ・・・ダイワメジャー×サクラローレル=サンデーサイレンス×レッドゴッド 〔4-r〕 1-1

2018年 タイム 1’32”8 (良) 1FAve=11.60 3FAve=34.80
テン34.4-中盤23.6(3F換算35.40)-上がり34.8 『一貫・中弛み』
1着ケイアイノーテック・・・ディープインパクト×Smarty Jones=ディープインパクト×ミスプロ 〔9-e〕 17-15
2着ギベオン・・・ディープインパクト×Ghostzapper=ディープインパクト×ヴァイスリージェント 〔22-d〕 5-4
3着レッドヴェイロン・・・キングカメハメハ×ダンシングブレーヴ=キングマンボ×リファール 〔9-f〕 11-12

2019年 タイム 1’32”4 (良) 1FAve=11.55 3FAve=34.65
テン33.9-中盤23.9(3F換算35.85)-上がり34.6 『前傾・中弛み』
1着アドマイヤマーズ・・・ダイワメジャー×Medicean=サンデーサイレンス×ミスプロ 〔4-l〕 6-7
2着ケイデンスコール・・・ロードカナロア×ハーツクライ=キングマンボ×サンデーサイレンス 〔1-t〕 12-14
3着カテドラル・・・ハーツクライ×ロックオブジブラルタル=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔4-i〕 12-11

 流れはテンがきつく『前傾』や『一貫』といった厳しい流れになりやすい。また中盤弛む年もあり、『中弛み』の複合ラップになることもあるが、基本的には、直線の長い東京芝コースにて目標になりやすい上、流れが厳しいことが要因のためか、逃げ馬が好走するのは難しい状態で、そのため鋭い末脚を使うタイプの先行・差しが好走馬のほとんどを占めている。

 血統の傾向は、東京芝GⅠ血統を重視すべし。サンデーサイレンス系も好走が多く、マイルGⅠ実績があるディープインパクト、ダイワメジャーは特注。
 また仕上がりの早くテンのきつい流れで好走の多いミスプロ系、持続した流れのレースで強いダンチヒ系、ヴァイスリージェント系、タイキシャトルといった芝・ダート兼用の血統も好走が多い。同距離・同コース使用の安田記念やヴィクトリアM好走血統も相性は良いと思いますが、古馬なら中距離型血統の好走が多くなるのに対し、NHKマイルCではスプリント寄りの血統が好走多いように思います。
 特にその中でもNHKマイルC勝ち馬を多数輩出しているヴァイスリージェント系やキングマンボ系は要注意。

 牝系の傾向は、No.〔2〕や〔5〕の牝系が勝ち馬が多い傾向。
No.〔2〕・・・96年タイキフォーチュン、01年クロフネ、03年ウインクリューガー、05年ロジック、09年ジョーカプチーノ、15年クラリティスカイ
2歳戦から走れる仕上がりの早さを有し、クラシックの時期にも成長力あり。直線の長いコース向き。
N0.〔5〕・・・98年エルコンドルパサー、99年シンボリインディ、02年テレグノシス、07年ピンクカメオ
早い時期から走り、クラシックでは人気薄の時に好走が多い。基本不器用なので厳しいペースや広いコースでの好走が多い。
No.〔1〕の牝系も好走馬は多いが2・3着の傾向。

 ステップの傾向は、
・毎日杯→NHKマイルCのステップは相性が良く好走馬が多いです。特に毎日杯1着からの出走は6戦(5-0-0-1)(=96年タイキフォーチュン、01年クロフネ、04年キングカメハメハ、08年ディープスカイ、10年ダノンシャンティ)。最も好走しやすいステップ。
・また注目のステップは、桜花賞→NHKマイルC。人気薄も多いのに好走率高し。勝ち馬もラインクラフト、ピンクカメオ、メジャーエンブレム、アエロリットと近年好走が多い。00年以前は牝馬の出走も目立ち、好走馬も多かった(=97年1着シーキングザパール、98年3着スギノキューティー、99年3着レッドチリペッパー、01年3着サマーキャンドルなど)ことからも、有利なステップと考えます。
・皐月賞組は人気だが好走馬は以外に少ない。特に皐月賞好走→NHKマイルC人気で出走のパターンは、人気を裏切ることも多く頭向きではないようです。ヒモで考えるべきかも。3着外からの巻き返しでの2着・3着が多い感じ。
・NZT組は、近年好走馬が好走多し。1着馬よりも2・3着馬の好走が多い傾向。
・意外なステップとしては、スプリングS好走→NHKマイルC(=02年1着テレグノシス・2着アグネスソニック、09年2着レッドスパーダ、13年1着マイネルホウオウ、16年2着ロードクエストが好走)。

 毎日杯・桜花賞・スプリングSに共通していることは、ある程度間隔が開いていて、しかも別路線という新鮮さ。鮮度の高いステップなので、好走馬が多いと考えます。
逆に皐月賞・NZTは間隔が短く、疲れが溜まりやすいストレスの多い臨戦過程なので、ストレスの耐久性能を血統から推測すべきです。

★予想★
NHKマイルCのポイントは、
①流れは厳しい流れになりやすく、『前傾』や『一貫』を想定すべし。
②東京芝GⅠ血統重視。特にサンデーサイレンス系では、マイルGⅠ実績があるディープインパクト、ダイワメジャーは特注。ヴァイスリージェント系も特注。
③牝系の傾向は、No.〔2〕〔5〕は特注。No.〔1〕〔3〕〔4〕も好走馬は多い。
④ステップの有利・不利はよく考えること。
・前走の勢いで好走出来るのは毎日杯組。毎日杯1着→NHKマイルCか、上がり1位での好走なら好走可能。
・NZTは好走馬は、ストレスの影響を受けやすく危険な人気馬と疑うべし。前々走も好走だと高確率で危険だが、芝1600mの戦績が良いなら評価すべし。
・皐月賞組は2・3着候補。皐月賞出走までのストレスや疲れの影響が出やすく、もう一踏ん張りが利きにくい。
・スプリングSから間隔をあけて出走する馬も狙い目。スプリングS好走歴も注目。
・ファルコンS好走馬にも注目。
・アーリントンC好走馬で、直行ローテーションは消耗度が少なく期待できる。
⑤重賞好走歴には注目。裏路線となるようなステップを歩んでいる場合は期待値が上がる。
⑥やや短距離向きの馬でも侮るべからず。

◎タイセイビジョン・・・タートルボウル×スペシャルウィーク=ノーザンダンサー×サンデーサイレンス 〔23-b〕
 前走アーリントンC1着(=阪神芝1600m)。東京芝コースは(1-0-0-0)、芝1600m戦は(1-1-0-0)。19年朝日杯2着馬(=中山芝1600m:0.4秒差)。アーリントンC好走馬はステップ的に、間隔が開いて消耗度が少ない点がプラスなのと、東京芝コースでも19年京王杯2歳S1着好走歴(=東京芝1400m)があり、ここまでの戦績からも堅実な馬と考えて、好走に期待して評価する。
 タートルボウル産駒はノーザンダンサー系で、芝・ダート兼用型。ダートは1400m以下型と1800m型に分かれ、芝は中距離が中心。芝の勝ちコースには福島、小倉、函館、阪神内回りが並び、東京、京都は苦手だが、得意な距離、競馬場を持った産駒が多く、個々によって判断する方が賢明。スローからの上がり勝負に泣いていた馬の小回りコース替わりを狙うのはズブい欧州血統の常套手段。芝でキレ負けしを喫していた馬のダート替わりも然り。4歳になっての成績は、勝率、連対率、複勝率とも、2歳時、3歳時を上回り、古馬にての上昇が見込める。母父スペシャルウィークはスタミナ型サンデーサイレンス系で、長い末脚を使い、嵌った時の強さは破壊力十分で、カミソリというよりはナタの切れ味。その分、小回りコースでの取りこぼしやスピード競馬での不安定さがある。一方で2歳戦に強い早熟性も有するが、古馬での成長力は豊富。
 No.〔23〕の牝系は、タップダンスシチーやセイウンスカイなどと同系でスタミナとスピードに優れた牝系。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。

◯レシステンシア・・・ダイワメジャー×Lizard Island=サンデーサイレンス×ダンチヒ 〔9-g〕
 前走桜花賞2着(=阪神芝1600m:0.2秒差)。東京コースは初で、芝1600m戦は(1-1-1-0)。桜花賞2着と前走好走している勢いがある点と、牡馬との初対戦という点で鮮度には期待出来るが、関東遠征が初なのと、前走好走分のストレスはあると考えて、やや割引の必要があると考えて対抗評価。血統的には好走が多いダイワメジャー産駒ということでも期待する。
 ダイワメジャー産駒はサンデーサイレンス系で、力強いスピードを持ち、芝1600~2000mを得意とするマイラーや中距離型。フジキセキに近いイメージで、自身がダートを圧勝した実績もあるのでダートの得意な馬力型のタイプと、芝で鋭く斬れる脚を使うタイプと存在するはず。ダイワメジャー自身が中山芝コースで好走が多かったように、また古馬で本格化するまでは直線の長い東京芝コースや京都芝コースなどで最後につかまるレースが多かったことからも、キレよりもスピードの持続性能を活かしたレースに向くと考えますが、完成度は高い。本格化すると鋭く斬れる脚も使えるようになり(=父母父ノーザンテーストの成長能力で引き出される感じと思います)、現在本馬はその本格化モードで、鋭い差し脚も使える。また直線の短い中山・阪神芝コースでは1着も多いが、東京・京都芝コースになると勝ちきれずに2・3着になることが多い。母父Lizard Islandはダンチヒ系で、詳細は不明。母母父Danehill Dancerはダンチヒ系で、マイルを中心に幅広い距離をこなし、底力も十分に備えている。勢いに乗ると、ポン、ポンと勝つところはディンヒル産駒と似る。仕上がり早く2歳から走り、その勢いのままクラシックへ突入する。他馬はほっといて自分の競馬に徹してこそ結果が出る。
 No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門だが、広いコースは好走が多い。人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号gは、パワータイプが多く雨も苦にしないが、不器用なタイプも多く厳しい流れで力を発揮する。

▲サトノインプレッサ・・・ディープインパクト×Sahm=ディープインパクト×ミスプロ 〔11-a〕
 前走毎日杯1着(=阪神芝1800m)。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(2-0-0-0)。毎日杯1着好走馬はNHKマイルCでも好走が多く、上がり1位で好走している点もプラス要因と期待して評価する。これまで全3走とも重馬場や稍重での好走にて良馬場は初かもしれないが、ディープインパクト産駒でマイナスにはならないと考えて好走に期待する。
 ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Sahmはミスプロ系で、完成度の早さと、直線的なスピードに優れ、2歳戦から走れる能力を秘めているが勝負強くないタイプ。
 No.〔11〕の牝系は、3歳春から秋にかけて成長し、古馬でもう一段階成長する。東京や京都などののびのび加速できるコースに強い牝系。分子記号aは、気性的に素直なタイプが多く、また父親よりもスケールが小さくなる傾向。

△サクセッション・・・キングカメハメハ×ディクタット=キングマンボ×マッチェム 〔2-n〕
 前走スプリングS3着(=中山芝1800m:0.5秒差)。東京芝コースは(1-0-0-0)、芝1600m戦は(3-0-0-1)。スプリングS好走馬もステップ的には間隔が開いてプラス要因が多い馬。前走は休み明けで初の芝1800m戦だったことを考えると、叩いた効果も期待できるし、距離短縮はプラスに働くと考えて、好走に期待して評価する。
 キングカメハメハ産駒はキングマンボ系で、格の高いレースで究極のスピード競馬(=レコード決着)になるほど凄味をきかす血統。厳しい展開ほど持ち前の底力が活き、2歳から走れる完成度の高さと成長力がある。本格化前は詰め甘な点があることには注意が必要だが、ダービーの時期からは実が入り、成長力も豊富。また馬場悪化時にも好走が多く、これはキングマンボ系特有の道悪の上手さに起因するものと考える。母父ディクタットはマッチェム系で、短距離~マイルを抑えつつ、マンノウォー系だけに距離適性は幅広い。
 No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号nは、仕上がり早で素軽いスピードと立ち回りの上手さが持ち味。底力には欠けるが器用さでカバーする。


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